835 / 1,480
お薬飲んで
しおりを挟む
揺れているような気がする。フワフワと宙を浮いているようだ。
「ん……」
「ごめん、揺れが大きかったかな?ウィルやノクトのようにはいかないね」
眉尻を下げ、申し訳なさそうにジョージアが私を覗き込む。大好きなハニーアンバーの瞳が心配してくれているのがわかった。
「大丈夫です。それより、自分で……」
「いいよ。もう少ししたら部屋だから」
「……はい」
優しく微笑むジョージアに任せ、私は再度目を瞑る。
揺れが停まったので、部屋の前まできたのだろう。ゆっくり瞼をあげると、扉をあけるのにどうしようかと悩んでいるようだった。
「おりますね」
「えっ?」
「少し、頭痛がおさまっているので、大丈夫ですから」
そういうと、ジョージアがおろしてくれた。微妙にバランスを崩し、腕に捕まったが、ベッドまでは、なんなく歩くことができた。
「えっと……」
「あぁ、黒ずくめの男だよね?アデルが来てくれて、今、処理をしてくれているよ。あと数人の警備隊も来てくれているから、朝には元通り。でも、あの料理人は、もしかしたら、病むかもしれないな……」
「……ごめんなさい。失敗しちゃって。命まではと思っていたんだけど……」
「仕方ないよ。そういう覚悟の上、こうして来たんだろうし」
「ジョージア様は、その……大丈夫ですか?」
「あぁ、死体がってこと?」
えぇ、と曖昧に返事をすると、ベッドに腰掛けてる私の側に自身も座った。
「死体に関しては、なんとも思わないよ。一応公爵家の跡取りだから、狙われたり攫われたりと、それなりにあったんだ。目の前で、人が血を流して死んでいくところは、多くはなくても見ている」
「それほど、狙われていたのです?」
「生まれてから5歳くらいまでは。貧乏貴族であっても、冠は立派だし、祖父がわりと恨まれていたからね。そこかしこに。生きていられるのは、ディルのおかげでもあるけど……そこまで、アンバー公爵家に忠誠を誓っているって感じじゃなかったから、死なない程度に警護されていた感じ?」
「あの完璧主義のディルが?」
「そう。っていっても、まだ、そのときは、ディルが筆頭執事ではなかったから、掌握しきれていなかったっていうのもあるかな」
意外な話を聞き、驚いた。
「ジョージア様って、狙われたことあるんですね?」
「まぁ、それなりにはね。アンナは、なさそうだね……?お義母さんが強すぎるし、お義父さんも報復に経済制裁とかしてきそうだな……」
私の両親を想像しながらジョージアがクスっと笑う。実際あった話なので、曖昧に笑っておく。狙われたのは、じゃじゃ馬な私ではなく、大人しく女の子のような兄であったのだが……『侯爵が溺愛している娘』と間違えられたなんて、どっちも恥ずかしくて公表出来なかった。当の娘は、令嬢とはかけ離れどろんこになっていて、兄が攫われたことを知らせに帰ったのだから。
「それにしても……アンナが領地にいる間に仕掛けるなんて、よっぽど考えなしなんだね?」
「でも、ちゃんと、ジョージア様が一人になったところを狙っていましたよ?」
「狙われたのは、アンナじゃなくて、俺だった?」
「えぇ、そのようです。殺してしまったので、背後関係をあらうのは、難しいかもしれませんが、玄人ではないように感じたので、案外調べられるかもしれません。ただ、とかげのしっぽ切りにされる可能性はないとはいえませんね」
ふぅっとため息をついたとき、また頭痛で呻く。ふだん、病気らしい病気を全くしないので常備薬が少なく、困っていると、ジョージアが薬を手渡してくれる。
「俺のでよかったら。ヨハンが作る薬に比べると、効き目は薄いかもしれないけど、ないよりかはいいだろう」
水を持ってきてもらい、その薬を流し込む。粉薬なので、口に苦いのが残ったので、もう一杯水を飲んだ。
そのとき、コンコンとノックされる。どうぞと返事をすると、アデルが見え、そのあとお湯を持ったリアンが一緒に来てくれた。
「アンナリーゼ様、おケガはありませんか?」
「えぇ、平気。どこもなんともないわ!それより、処理を任せてしまって、ごめんなさい」「いえ、それも仕事ですから。それより、お守り出来ず、もうしわけありません。罰を与えていただきたく」
「罰なんて、いいわ。ジョージア様も私もこの通り。領地での警備については、緩いところがあるから、明日にでも見直しを考えましょう」
「……はい。ウィル様とノクト様のいない間の失態。どうお詫びしたらいいのか……」
「今後に期待するわ。今日は、少しだけ警備を増やして、休みましょうって、もう明け方ね」
カーテンの向こう側が明るい気がする。
「あの、ジョージア様がお湯を所望だと伺ったのですが……」
アデルとの話がひと段落したと見て、リアンが話しかけてきた。元々、ジョージアが用意してくれていたものだが、冷めてしまったらしく、料理人が新しく沸かしてくれたらしい。リアンも、微力ながら、後始末を手伝ってくれたので、今、ここにいるのだと聞いて驚いた。
「リアン、その、大丈夫?」
「えぇ、大丈夫です。そういうこともあるって、学んではいますから」
「学んでいるのと、実際は違うわよ?」
「いえ、アンナリーゼ様が、今は全て。どんなことでも大丈夫なのです」
「そう。ありがとう。今日は、もう少しだけになったけど、休んで頂戴。あとは、自分でするから」
「そういうわけには……」
「俺が手伝うから大丈夫。そのつもりで、お湯をもらいに行ったんだから、大丈夫だよ」
「……そうですか」
リアンを見れば、口でいうほど、大丈夫そうには見えない。こんな時こそ、アデルの出番だ。ここで、しっかり好意を示せとばかりに、ニッコリとアデルに向かって微笑む。
「アデルに部屋まで送ってもらってください。なんなら、少し話をしてはどうかしら?私たちの身の回りのこと、警護や世話のことで、話し合ってくれると、助かるわ!」
リアンは困惑しつつもわかりましたと返事をくれ、アデルは言うまでもない。ペコペコと頭を下げる。
下がっていいというと、二人で部屋から出ていった。
リアンとアデルの様子を見ながら、ジョージアと目を合わせクスっと笑ったのである。
「ん……」
「ごめん、揺れが大きかったかな?ウィルやノクトのようにはいかないね」
眉尻を下げ、申し訳なさそうにジョージアが私を覗き込む。大好きなハニーアンバーの瞳が心配してくれているのがわかった。
「大丈夫です。それより、自分で……」
「いいよ。もう少ししたら部屋だから」
「……はい」
優しく微笑むジョージアに任せ、私は再度目を瞑る。
揺れが停まったので、部屋の前まできたのだろう。ゆっくり瞼をあげると、扉をあけるのにどうしようかと悩んでいるようだった。
「おりますね」
「えっ?」
「少し、頭痛がおさまっているので、大丈夫ですから」
そういうと、ジョージアがおろしてくれた。微妙にバランスを崩し、腕に捕まったが、ベッドまでは、なんなく歩くことができた。
「えっと……」
「あぁ、黒ずくめの男だよね?アデルが来てくれて、今、処理をしてくれているよ。あと数人の警備隊も来てくれているから、朝には元通り。でも、あの料理人は、もしかしたら、病むかもしれないな……」
「……ごめんなさい。失敗しちゃって。命まではと思っていたんだけど……」
「仕方ないよ。そういう覚悟の上、こうして来たんだろうし」
「ジョージア様は、その……大丈夫ですか?」
「あぁ、死体がってこと?」
えぇ、と曖昧に返事をすると、ベッドに腰掛けてる私の側に自身も座った。
「死体に関しては、なんとも思わないよ。一応公爵家の跡取りだから、狙われたり攫われたりと、それなりにあったんだ。目の前で、人が血を流して死んでいくところは、多くはなくても見ている」
「それほど、狙われていたのです?」
「生まれてから5歳くらいまでは。貧乏貴族であっても、冠は立派だし、祖父がわりと恨まれていたからね。そこかしこに。生きていられるのは、ディルのおかげでもあるけど……そこまで、アンバー公爵家に忠誠を誓っているって感じじゃなかったから、死なない程度に警護されていた感じ?」
「あの完璧主義のディルが?」
「そう。っていっても、まだ、そのときは、ディルが筆頭執事ではなかったから、掌握しきれていなかったっていうのもあるかな」
意外な話を聞き、驚いた。
「ジョージア様って、狙われたことあるんですね?」
「まぁ、それなりにはね。アンナは、なさそうだね……?お義母さんが強すぎるし、お義父さんも報復に経済制裁とかしてきそうだな……」
私の両親を想像しながらジョージアがクスっと笑う。実際あった話なので、曖昧に笑っておく。狙われたのは、じゃじゃ馬な私ではなく、大人しく女の子のような兄であったのだが……『侯爵が溺愛している娘』と間違えられたなんて、どっちも恥ずかしくて公表出来なかった。当の娘は、令嬢とはかけ離れどろんこになっていて、兄が攫われたことを知らせに帰ったのだから。
「それにしても……アンナが領地にいる間に仕掛けるなんて、よっぽど考えなしなんだね?」
「でも、ちゃんと、ジョージア様が一人になったところを狙っていましたよ?」
「狙われたのは、アンナじゃなくて、俺だった?」
「えぇ、そのようです。殺してしまったので、背後関係をあらうのは、難しいかもしれませんが、玄人ではないように感じたので、案外調べられるかもしれません。ただ、とかげのしっぽ切りにされる可能性はないとはいえませんね」
ふぅっとため息をついたとき、また頭痛で呻く。ふだん、病気らしい病気を全くしないので常備薬が少なく、困っていると、ジョージアが薬を手渡してくれる。
「俺のでよかったら。ヨハンが作る薬に比べると、効き目は薄いかもしれないけど、ないよりかはいいだろう」
水を持ってきてもらい、その薬を流し込む。粉薬なので、口に苦いのが残ったので、もう一杯水を飲んだ。
そのとき、コンコンとノックされる。どうぞと返事をすると、アデルが見え、そのあとお湯を持ったリアンが一緒に来てくれた。
「アンナリーゼ様、おケガはありませんか?」
「えぇ、平気。どこもなんともないわ!それより、処理を任せてしまって、ごめんなさい」「いえ、それも仕事ですから。それより、お守り出来ず、もうしわけありません。罰を与えていただきたく」
「罰なんて、いいわ。ジョージア様も私もこの通り。領地での警備については、緩いところがあるから、明日にでも見直しを考えましょう」
「……はい。ウィル様とノクト様のいない間の失態。どうお詫びしたらいいのか……」
「今後に期待するわ。今日は、少しだけ警備を増やして、休みましょうって、もう明け方ね」
カーテンの向こう側が明るい気がする。
「あの、ジョージア様がお湯を所望だと伺ったのですが……」
アデルとの話がひと段落したと見て、リアンが話しかけてきた。元々、ジョージアが用意してくれていたものだが、冷めてしまったらしく、料理人が新しく沸かしてくれたらしい。リアンも、微力ながら、後始末を手伝ってくれたので、今、ここにいるのだと聞いて驚いた。
「リアン、その、大丈夫?」
「えぇ、大丈夫です。そういうこともあるって、学んではいますから」
「学んでいるのと、実際は違うわよ?」
「いえ、アンナリーゼ様が、今は全て。どんなことでも大丈夫なのです」
「そう。ありがとう。今日は、もう少しだけになったけど、休んで頂戴。あとは、自分でするから」
「そういうわけには……」
「俺が手伝うから大丈夫。そのつもりで、お湯をもらいに行ったんだから、大丈夫だよ」
「……そうですか」
リアンを見れば、口でいうほど、大丈夫そうには見えない。こんな時こそ、アデルの出番だ。ここで、しっかり好意を示せとばかりに、ニッコリとアデルに向かって微笑む。
「アデルに部屋まで送ってもらってください。なんなら、少し話をしてはどうかしら?私たちの身の回りのこと、警護や世話のことで、話し合ってくれると、助かるわ!」
リアンは困惑しつつもわかりましたと返事をくれ、アデルは言うまでもない。ペコペコと頭を下げる。
下がっていいというと、二人で部屋から出ていった。
リアンとアデルの様子を見ながら、ジョージアと目を合わせクスっと笑ったのである。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる