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領地の変わりようⅢ
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昼食を食べようと食堂に入れば、そこには義母の姿があった。客間で食事を取るのかと思っていたので、この場で合うことに驚いた。
「アンナリーゼも昼食かしら?」
「はい、お義母様」
「こちらに来て!今日は忙しくてお茶会が開けないって聞いていたから、食事の間だけの少し話をさせてもらえるかしら?」
「もちろんです!今日は、お義父様も領地へ視察に向かわれたのですものね!退屈ではありませんか?」
「いいえ。実はこの別荘……今は領地の屋敷かしら?」
「はい、そうですね」
「ここに来たのは人生で2度目なの。だから、あまり知らなかったことがあって、侍女に屋敷の中を案内してもらっているのよ」
「そうだったのですか?私が案内できればよかったのですけど……」
ふふっと笑う義母はなんだかとても楽しそうで、小さな子どもが冒険をしているようなキラキラした目をしていた。
「アンナリーゼは、領主ですもの。そちらのほうが優先ですよ。私も公爵夫人でしたから、そこらあたりの弁えはありますし、実際、とても楽しいからお昼からも楽しみだわ!」
「よかったです。楽しんでいただけたなら。午前中はどこを回られたのですか?」
「まずは、侍従たちの部屋を見せてもらったの。アンバー公爵家に仕える侍従たちが住まう場所は、その家を見るに相応しいと私は思っているから!」
「……それで、どうでしたか?」
「えぇ、掃除も行き届いていて、とっても綺麗なお部屋ばかりだったわ!リアンっていうアンナリーゼの侍女が目を配らせてくれていると言っていたわね!今は、その役目はデリアではないの?」
見かけないわね?と義母がキョロキョロと周りを見渡していたので、説明することにした。
「お義母様、デリアは今、公都の屋敷にいますよ」
「あら、何故?デリアは、アンナリーゼの専属侍女でしょ?」
「そうなのですが、ディルと結婚し、今はお腹に子がいるのです。その状態で私に仕えるのは無理だと判断し、公都で待機してもらっています」
「なるほど……ディルとの婚姻の話は聞いていたけど……子が。めでたい事だわ!ディルはもう結婚すらしないのだと思っていたから、結婚しただけでもめでたかったのに、子まで……」
「えぇ、私も二人とも大事な侍従ですから、本当に嬉しくて。ちょうど、公都へ戻った後くらいには、生まれるはずなので、今から楽しみで仕方ありません!」
「きっと、可愛いのでしょうね?」
「でしょうね?アンジェラやネイトと、乳飲み子を育てる大変さは感じていましたが、デリアを始めリアンや他の侍従たちの手伝いもあり、二人とも……三人ともすくすくと成長していっています。将来が楽しみでしかたありませんね!」
そうねといい、頬を緩める義母をみれば、アンジェラたちのことを大事に思ってくれていることがわかる。
「次は、どこを回られる予定なのですか?」
「お昼からは、2階を回る予定よ!執務室……お邪魔じゃなければ、寄ってもいいかしら?」
「もちろんです!書類がたくさん広がっていますけど……ぜひ、立ち寄ってください!」
微笑んだ義母は、何だか嬉しそうである。
「2階には子ども部屋もありますから、そちらも寄ってみてください。子どもたちが五人揃って遊んでいると思いますから!」
「五人?」
「えぇ、ウィル・サーラーの養子の子が二人、アンジェラたちの成長のお手本としてついてくれています。リアンの子なので、とても優しい子たちで、実の妹、弟のように大事にしてくれているのですよ?」
「あら、その子どもたちに会うのも楽しみになりましたわ!お昼からの予定がうまりましたわね!」
よかったですと笑い、リアンが運んできてくれた食事を食べ始める。その様子をじっと義母が見ていた。
「アンナリーゼ、そういえば、昨日は気付かなかったのだけど……」
「どうかされましたk?」
「ここで出される食材は、どこのものなのかしら?」
「基本的には、アンバー領で取れたものを消費するようにしています」
「そうなのね。あのね?」
「はい、なんでしょうか?」
「このパンは、アンバー領で取れた麦を使っているの?」
「えぇ、もちろんです!アンバー領で取れた麦からパンを作っています。今は焼きたてなので、とても香りがいいですよね?香ばしい匂いの中にほんのり甘味があって食欲をそそる。口の中にパンを入れたら、口の中だけでなく、鼻からこのパンの香りが抜けていくのです。パン自体も甘味料は一切入っていませんが、甘いと他の領地の方からは絶賛されているのですよ!」
「そう、そうなの!香りだけでなく、舌に触れたときのほんのりとした甘さ。今までのアンバー領の麦では、こんなことありえなかったのに……」
「そこは、いろいろと工夫したおかげです。肥料や土壌、種なのど、この数年でたくさんの改良を加えて、みなが欲しくなるようなものを作ってきました。ここらに並ぶ野菜やベーコンなども、アンバー領で作ったものになりますよ!」
「これらも全部?」
はいというと驚いていた。義両親が治めていたときは、これほど農産物は流通もしていなかったのだ。市場ももちろんだが、畑にも野菜ものはあまり作られていなかった。
「このお皿1枚の上に載っているもの、全てアンバー領で取れたものなのかしら?」
「全てではないですけど、半分以上がそうなります。美味しいと言ってもらえると、私だけでなく関わったみなが喜びます!」
嬉しいですと義母に笑いかけると、お皿をまじまじと見て、すごいわねと呟いた。
「アンナリーゼも昼食かしら?」
「はい、お義母様」
「こちらに来て!今日は忙しくてお茶会が開けないって聞いていたから、食事の間だけの少し話をさせてもらえるかしら?」
「もちろんです!今日は、お義父様も領地へ視察に向かわれたのですものね!退屈ではありませんか?」
「いいえ。実はこの別荘……今は領地の屋敷かしら?」
「はい、そうですね」
「ここに来たのは人生で2度目なの。だから、あまり知らなかったことがあって、侍女に屋敷の中を案内してもらっているのよ」
「そうだったのですか?私が案内できればよかったのですけど……」
ふふっと笑う義母はなんだかとても楽しそうで、小さな子どもが冒険をしているようなキラキラした目をしていた。
「アンナリーゼは、領主ですもの。そちらのほうが優先ですよ。私も公爵夫人でしたから、そこらあたりの弁えはありますし、実際、とても楽しいからお昼からも楽しみだわ!」
「よかったです。楽しんでいただけたなら。午前中はどこを回られたのですか?」
「まずは、侍従たちの部屋を見せてもらったの。アンバー公爵家に仕える侍従たちが住まう場所は、その家を見るに相応しいと私は思っているから!」
「……それで、どうでしたか?」
「えぇ、掃除も行き届いていて、とっても綺麗なお部屋ばかりだったわ!リアンっていうアンナリーゼの侍女が目を配らせてくれていると言っていたわね!今は、その役目はデリアではないの?」
見かけないわね?と義母がキョロキョロと周りを見渡していたので、説明することにした。
「お義母様、デリアは今、公都の屋敷にいますよ」
「あら、何故?デリアは、アンナリーゼの専属侍女でしょ?」
「そうなのですが、ディルと結婚し、今はお腹に子がいるのです。その状態で私に仕えるのは無理だと判断し、公都で待機してもらっています」
「なるほど……ディルとの婚姻の話は聞いていたけど……子が。めでたい事だわ!ディルはもう結婚すらしないのだと思っていたから、結婚しただけでもめでたかったのに、子まで……」
「えぇ、私も二人とも大事な侍従ですから、本当に嬉しくて。ちょうど、公都へ戻った後くらいには、生まれるはずなので、今から楽しみで仕方ありません!」
「きっと、可愛いのでしょうね?」
「でしょうね?アンジェラやネイトと、乳飲み子を育てる大変さは感じていましたが、デリアを始めリアンや他の侍従たちの手伝いもあり、二人とも……三人ともすくすくと成長していっています。将来が楽しみでしかたありませんね!」
そうねといい、頬を緩める義母をみれば、アンジェラたちのことを大事に思ってくれていることがわかる。
「次は、どこを回られる予定なのですか?」
「お昼からは、2階を回る予定よ!執務室……お邪魔じゃなければ、寄ってもいいかしら?」
「もちろんです!書類がたくさん広がっていますけど……ぜひ、立ち寄ってください!」
微笑んだ義母は、何だか嬉しそうである。
「2階には子ども部屋もありますから、そちらも寄ってみてください。子どもたちが五人揃って遊んでいると思いますから!」
「五人?」
「えぇ、ウィル・サーラーの養子の子が二人、アンジェラたちの成長のお手本としてついてくれています。リアンの子なので、とても優しい子たちで、実の妹、弟のように大事にしてくれているのですよ?」
「あら、その子どもたちに会うのも楽しみになりましたわ!お昼からの予定がうまりましたわね!」
よかったですと笑い、リアンが運んできてくれた食事を食べ始める。その様子をじっと義母が見ていた。
「アンナリーゼ、そういえば、昨日は気付かなかったのだけど……」
「どうかされましたk?」
「ここで出される食材は、どこのものなのかしら?」
「基本的には、アンバー領で取れたものを消費するようにしています」
「そうなのね。あのね?」
「はい、なんでしょうか?」
「このパンは、アンバー領で取れた麦を使っているの?」
「えぇ、もちろんです!アンバー領で取れた麦からパンを作っています。今は焼きたてなので、とても香りがいいですよね?香ばしい匂いの中にほんのり甘味があって食欲をそそる。口の中にパンを入れたら、口の中だけでなく、鼻からこのパンの香りが抜けていくのです。パン自体も甘味料は一切入っていませんが、甘いと他の領地の方からは絶賛されているのですよ!」
「そう、そうなの!香りだけでなく、舌に触れたときのほんのりとした甘さ。今までのアンバー領の麦では、こんなことありえなかったのに……」
「そこは、いろいろと工夫したおかげです。肥料や土壌、種なのど、この数年でたくさんの改良を加えて、みなが欲しくなるようなものを作ってきました。ここらに並ぶ野菜やベーコンなども、アンバー領で作ったものになりますよ!」
「これらも全部?」
はいというと驚いていた。義両親が治めていたときは、これほど農産物は流通もしていなかったのだ。市場ももちろんだが、畑にも野菜ものはあまり作られていなかった。
「このお皿1枚の上に載っているもの、全てアンバー領で取れたものなのかしら?」
「全てではないですけど、半分以上がそうなります。美味しいと言ってもらえると、私だけでなく関わったみなが喜びます!」
嬉しいですと義母に笑いかけると、お皿をまじまじと見て、すごいわねと呟いた。
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