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あらら、どうしましょう?
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あまりの大きな音に振り返った。何事だろうか?と見てみれば、領主夫人が倒れていた。
「お気の毒に……」
私たちは、無理な早さで歩いていたわけでもないのだが、どうも夫人には早かったようだ。
「大丈夫か?おまえ!返事を!」
領主が慌てて駆け寄るが、酸素不足なのだろう。女性は男性より、生命の危機に陥ったとき、倒れて意識を無くすと聞いたことがあるが、まさに、それだろう。
心臓が、夫人の行動に追いつけなかったのだ。
「あれって……伝染病とは関係ないよね?」
ウィルがこそっと耳打ちしてくるが、これ程蔓延している領地だ。もしかしたら、症状が出にくかっただけの場合もあるので、私はわからないと首を横に振った。
「執事、夫人の手当を。ここに、城から派遣された医師がいるのでしょ?その方に頼めば診てもらえますよ!」
ニッコリ笑うと、夫人の侍女が許可を取り、大慌てで呼びに行った。私たちは、憐れに思いながらも、ただ、領主夫妻を見下ろすだけで、手を貸そうとはしない。
そんな私たちを待たせていることにしびれをきらした筆頭執事が領主の元へ向かい、私を待たせていることを伝え戻ってくる。
「アンバー公爵様、大変申し訳ありません。主人があのように取り乱しております。お部屋へご案内させていただきますが、その……」
「私に待てというの?」
「……いえ、そういうわけでは」
「でも、対応ができる人がいないのなら、そういうことでしょう?」
「……少しお待ちください」
「えぇ、少しなら待ちましょう」
筆頭執事は、領主に耳打ちし頷いていた。他に誰かよこすのか、それとも筆頭執事が私たちの相手をしてくれるのかと見ていた。侍女が一人、何処かへ駆けていく。誰か、代理の人を連れてくるようだった。
「領主じゃないやつが来るみたいだな?さて、鬼が出るか蛇が出るかってことか?」
なぁ?とウィルに話しかけられ、どっちでもいいわ!と答えた。実際問題、何が来ても変わりない。
「お待たせいたしました。こちらへ……」
先導され応接室へ通され、ソファにかける。ウィルは、護衛なので、部屋中を歩き回っていた。
「どれもこれも高そうだな?姫さんとこの屋敷にあってもおかしくないようなものもありそうだ」
「そうなの?私、すごいのはわかるけど……骨董とかに興味がなくて」
「俺も詳しいわけじゃないよ。ただ、品から出てくる品格的なもの?それを感じるんだよね」
そうと相槌をうったところへ、一人の青年が入ってくる。見覚えはないが、貴族らしい佇まいになんとなく誰の血筋なのかわかった。
「初めまして、アンバー公アンナリーゼ様。私、……」
「ゴールド公爵の血縁者ってとこよね?」
「これは……これは、驚いた!」
「正解かしら?」
「正解です。ルチルと申します。以後、お見知りおきを」
あまり仲良くしたい人ではないなと見つめ返していた。
「それで、ゴールド公爵の令息であるあなたが何故ここに?」
「領主に頼まれて、参りました。領主に代わり、お話を伺います」
「そう。あなたが判断するのね?」
「えぇ、そうなります」
私は微笑む。
「まどろっこしい話は好きではないの。単刀直入に、公が派遣した医師と薬を返してちょうだい」
「それは、出来かねます」
「なぜ?」
「ここの領地は、貴族最優先です。なので、医師も薬も返せません。医師が必要なら、他から集めて来ればよろしいでしょうし、薬も別に領民なんかに渡す必要もないでしょう!貴族が領民を支配するのは当たり前。少々の領民が死のうが病に倒れようが知ったことではありません」
「何を!」
「ウィル!控えなさい」
「アンナ様!」
悔しそうにしているウィルを私は止める。ウィルがこのボンクラに手を出すのはまずい。回りまわって、サーラー子爵へと何かしら不利益になることがないようにしなくてはいけない。貴族主義の人間は、爵位が上であればある程、下の者への対応が酷いのだ。そうでない貴族は、考え自体がまともなので、いうに及ばずだ。
ウィルをとめたことで気をよくしているのか、ルチルは嬉しそうに笑う。
「公からの命令でも、聞かないってことかしら?」
「公からの?公が命令したとして、誰がそれを守るのですか?私たちは公爵家の一員。公と肩を並べられる存在なはずですよ!」
「確かにゴールド公爵の血縁者は、公と並ぶのかもしれないわね!」
「でしょう?なら……」
「だからこそ、国民を助けようと動く公と相反することをするのは、おかしいのではなくて?アンバー公爵である私は、公に乞われ、あなたが嗤った領民を助けにきたのですから!」
「な……戯言を!だいたい、あなたは、アンバー公爵を名乗る資格などない!隣国の侯爵家の出身であるのだから、まず、俺より上位に立っているだなんて思い上がるもいいところだ!」
ルチルがいうことは、一理ある。本来、私は公爵夫人であって、公爵ではないのだから。それでも、今は亡き原初の女王ハニーローズが認めた一代限りの公爵に変わりなかった。公の後ろ盾になっているのは、ジョージアでなく私だった。
「原初の女王ハニーローズの決定にご不満でもあるのかしら?」
「その女王も怪しいものだ。そなたや公が、何かしら細工をすれば、筆頭公爵の出来上がりってことだろ?」
「まぁ、そうね。公が代々受け継ぐ剣から、女王の手紙が出てきたのですもの」
「ほら、みろ!そんなものに惑わされる現公は、余程あほなんであろう」
「あほね……確かに、学習能力がちょっとかけているわよね?ねぇ。ウィル?」
姫さんと小声で言われ、思わず本音が漏れてしまった。
「私がゴールド公爵家の次期当主であるから、必ず、化けの皮を剥がしてやるからな?」
ニヤッと笑うルチルに対し、興味なさそうにふっと笑う。
「貴様っ!」
私に詰め寄ったルチルを睨みつける。
「そうだ。そのアメジストのような瞳をくりぬいてやろう。そなたは、貴族の間でも相当な人気者であるからな。玉のような肌に神秘的にな瞳が、たまらないらしい。少々気の強いともろも、屈服させるのに……」
ウィルが笑い始めた。もう、我慢できないと。
「何故、その従者は笑う?」
「さぁ?知りませんわ!」
「答えよ!」
「あぁ、いいんですか?ルチル坊ちゃん」
「ぼ……坊ちゃん?」
「坊ちゃんでしょ?だいたい、うちのじゃじゃ馬お姫様が、どこからどう見ても貧弱そうな坊ちゃんの言いなりになると思います?」
「なっ、」
私を睨むので微笑んでおく。
「その前に、俺が坊ちゃんの四肢をそぎ落とし、目をくりぬき、舌を削ぎ、耳を潰しちゃうんで!」
平然とニッコリ笑いながら怖いことをいうウィル。
引きつる坊ちゃんに何も言わず、私のいうこと聞く?と問いかけるようにただただ見つめた。
「お気の毒に……」
私たちは、無理な早さで歩いていたわけでもないのだが、どうも夫人には早かったようだ。
「大丈夫か?おまえ!返事を!」
領主が慌てて駆け寄るが、酸素不足なのだろう。女性は男性より、生命の危機に陥ったとき、倒れて意識を無くすと聞いたことがあるが、まさに、それだろう。
心臓が、夫人の行動に追いつけなかったのだ。
「あれって……伝染病とは関係ないよね?」
ウィルがこそっと耳打ちしてくるが、これ程蔓延している領地だ。もしかしたら、症状が出にくかっただけの場合もあるので、私はわからないと首を横に振った。
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ニッコリ笑うと、夫人の侍女が許可を取り、大慌てで呼びに行った。私たちは、憐れに思いながらも、ただ、領主夫妻を見下ろすだけで、手を貸そうとはしない。
そんな私たちを待たせていることにしびれをきらした筆頭執事が領主の元へ向かい、私を待たせていることを伝え戻ってくる。
「アンバー公爵様、大変申し訳ありません。主人があのように取り乱しております。お部屋へご案内させていただきますが、その……」
「私に待てというの?」
「……いえ、そういうわけでは」
「でも、対応ができる人がいないのなら、そういうことでしょう?」
「……少しお待ちください」
「えぇ、少しなら待ちましょう」
筆頭執事は、領主に耳打ちし頷いていた。他に誰かよこすのか、それとも筆頭執事が私たちの相手をしてくれるのかと見ていた。侍女が一人、何処かへ駆けていく。誰か、代理の人を連れてくるようだった。
「領主じゃないやつが来るみたいだな?さて、鬼が出るか蛇が出るかってことか?」
なぁ?とウィルに話しかけられ、どっちでもいいわ!と答えた。実際問題、何が来ても変わりない。
「お待たせいたしました。こちらへ……」
先導され応接室へ通され、ソファにかける。ウィルは、護衛なので、部屋中を歩き回っていた。
「どれもこれも高そうだな?姫さんとこの屋敷にあってもおかしくないようなものもありそうだ」
「そうなの?私、すごいのはわかるけど……骨董とかに興味がなくて」
「俺も詳しいわけじゃないよ。ただ、品から出てくる品格的なもの?それを感じるんだよね」
そうと相槌をうったところへ、一人の青年が入ってくる。見覚えはないが、貴族らしい佇まいになんとなく誰の血筋なのかわかった。
「初めまして、アンバー公アンナリーゼ様。私、……」
「ゴールド公爵の血縁者ってとこよね?」
「これは……これは、驚いた!」
「正解かしら?」
「正解です。ルチルと申します。以後、お見知りおきを」
あまり仲良くしたい人ではないなと見つめ返していた。
「それで、ゴールド公爵の令息であるあなたが何故ここに?」
「領主に頼まれて、参りました。領主に代わり、お話を伺います」
「そう。あなたが判断するのね?」
「えぇ、そうなります」
私は微笑む。
「まどろっこしい話は好きではないの。単刀直入に、公が派遣した医師と薬を返してちょうだい」
「それは、出来かねます」
「なぜ?」
「ここの領地は、貴族最優先です。なので、医師も薬も返せません。医師が必要なら、他から集めて来ればよろしいでしょうし、薬も別に領民なんかに渡す必要もないでしょう!貴族が領民を支配するのは当たり前。少々の領民が死のうが病に倒れようが知ったことではありません」
「何を!」
「ウィル!控えなさい」
「アンナ様!」
悔しそうにしているウィルを私は止める。ウィルがこのボンクラに手を出すのはまずい。回りまわって、サーラー子爵へと何かしら不利益になることがないようにしなくてはいけない。貴族主義の人間は、爵位が上であればある程、下の者への対応が酷いのだ。そうでない貴族は、考え自体がまともなので、いうに及ばずだ。
ウィルをとめたことで気をよくしているのか、ルチルは嬉しそうに笑う。
「公からの命令でも、聞かないってことかしら?」
「公からの?公が命令したとして、誰がそれを守るのですか?私たちは公爵家の一員。公と肩を並べられる存在なはずですよ!」
「確かにゴールド公爵の血縁者は、公と並ぶのかもしれないわね!」
「でしょう?なら……」
「だからこそ、国民を助けようと動く公と相反することをするのは、おかしいのではなくて?アンバー公爵である私は、公に乞われ、あなたが嗤った領民を助けにきたのですから!」
「な……戯言を!だいたい、あなたは、アンバー公爵を名乗る資格などない!隣国の侯爵家の出身であるのだから、まず、俺より上位に立っているだなんて思い上がるもいいところだ!」
ルチルがいうことは、一理ある。本来、私は公爵夫人であって、公爵ではないのだから。それでも、今は亡き原初の女王ハニーローズが認めた一代限りの公爵に変わりなかった。公の後ろ盾になっているのは、ジョージアでなく私だった。
「原初の女王ハニーローズの決定にご不満でもあるのかしら?」
「その女王も怪しいものだ。そなたや公が、何かしら細工をすれば、筆頭公爵の出来上がりってことだろ?」
「まぁ、そうね。公が代々受け継ぐ剣から、女王の手紙が出てきたのですもの」
「ほら、みろ!そんなものに惑わされる現公は、余程あほなんであろう」
「あほね……確かに、学習能力がちょっとかけているわよね?ねぇ。ウィル?」
姫さんと小声で言われ、思わず本音が漏れてしまった。
「私がゴールド公爵家の次期当主であるから、必ず、化けの皮を剥がしてやるからな?」
ニヤッと笑うルチルに対し、興味なさそうにふっと笑う。
「貴様っ!」
私に詰め寄ったルチルを睨みつける。
「そうだ。そのアメジストのような瞳をくりぬいてやろう。そなたは、貴族の間でも相当な人気者であるからな。玉のような肌に神秘的にな瞳が、たまらないらしい。少々気の強いともろも、屈服させるのに……」
ウィルが笑い始めた。もう、我慢できないと。
「何故、その従者は笑う?」
「さぁ?知りませんわ!」
「答えよ!」
「あぁ、いいんですか?ルチル坊ちゃん」
「ぼ……坊ちゃん?」
「坊ちゃんでしょ?だいたい、うちのじゃじゃ馬お姫様が、どこからどう見ても貧弱そうな坊ちゃんの言いなりになると思います?」
「なっ、」
私を睨むので微笑んでおく。
「その前に、俺が坊ちゃんの四肢をそぎ落とし、目をくりぬき、舌を削ぎ、耳を潰しちゃうんで!」
平然とニッコリ笑いながら怖いことをいうウィル。
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