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……どうして?
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「それじゃあ、仕事のことは二人で話し合って1週間以内に決めてくれるかしら?ダメなら、他を当たらないといけないし、試作品も見てみたいから」
「わかりました。そのときは、領主の屋敷へ連絡をすればいいでしょうか?」
「えぇ、それで構わないわ!お願いね!ウィル、そろそろ帰るから、準備してくれる?」
わかったとおもむろにアンジェラを抱きかかえ、子どもたちが集まっている部屋の隅まで向かった。そこで、屋敷へ帰る準備をするよう伝えていた。リアンたちが片付け始めるのを横目に、私はソファに座り直した。
テクトも呼ばれて出て行ったので、実質、この部屋にいるのは私と職人二人だけであった。
コルクが何か言いたそうにこちらを見てくる。
「どうかして?」
「えっと……なんて言いますか……僕たちが、アンバー領に流れ着いた理由は聞かないのかなと思いまして……」
「言いたくないものは、基本的には聞かないわ!」
「そうですか……」
「残念そう?聞いた方がいいなら、聞くけど」
「そういうわけではありませんが、その……」
「俺たちが、その、なんだ……」
「恋人だってわかったかって話?」
「「……」」
「あれ、違った?」
「いや、違わないけど……なんていうか、こう……、な?」
「えぇ、その……」
逆に戸惑ってしまったコルクとグランに私は微笑みかける。
「何が問題なの?」
「何がって、俺たち男……」
「それの何がダメ?恋愛対象として、愛情を分かち合いたかったのが、それぞれだったってだけでしょ?どこか問題ある?」
「……世間的に」
「あぁ、なるほど。肩身は狭いかもしれないわね。何処かのご令嬢には、戴冠式で堂々と私に愛の告白をしただけでなく、私の愛で潰れないでくださいね!とまで言われたから、全然気にしてないけど?」
「それって、やはり、アンナリーゼ様のことだったんですか?」
「戴冠式でのことなら、私よ!それって、どこまで、噂が流れているのかしら?」
「わりと広まっていると思いますよ?それで……」
「ん?」
私は、小首を傾げ、どうしたの?と聞くと、黙っていたグランが、重い口を開いた。
「領主様は、俺たちのこと、気持ち悪いとか?」
「思わないわよ?さっきも言ったけど、どこにも問題なんてないし、好きな人が好きでいてくれることって、とっても幸せなことよね!理解されないこともあるかもしれないし、奇異な目で見られることもあったかもしれないけど、どうどうとしていていいと思うわ!こちらが恥ずかしくなるほど、どこぞの令嬢は、どうどうとしているわよ!」
「領主様が、そんなふうに言ってくれるとは思わなかった」
そう?というと、二人ともが頷いた。そして、視線をかわして頷きあったと思ったら、こちらに視線を戻した。その目は、職人の鋭い目をしている。私は姿勢を正した。
「アンナリーゼ様」
「何かしら?」
「先程の仕事、受けさせてください」
「それは、願ったり叶ったりだけど、どうして?」
「私たちは、二人で一人前の仕事をしてきました。この領地へ来る前も、評価はいただいていましたが、二人の関係が明るみに出たとき、仕事がなくなったのです」
「それは、どうして?」
「領主を始め、職人仲間たちから、この関係を続けるのであればと、はじき出されてしまったのです。私たちは、途方にくれました。ただ、そんな中、戴冠式のでの一幕を聞きつけたのです」
「ナタリーの愛の告白は、ナタリー自身だけでなく、あなたたち二人の心も守ったということ?」
「……令嬢は、ナタリー様というのですか?」
「そうよ!」
「アンナリーゼ様は、そのナタリー様からの告白を受入れたと聞き、この領地でならと移住をしてまいりました。初めは、前領地との違いに戸惑いもありましたが、今はこちらに移ってきてよかったと思っています。私たちの関係について、まだ、周りには怖くて言えていませんが、いつの日か、理解される、普通なことになることを望んでいます」
「そう……私が偏見をなくそうと言ったところで、すぐになくなるものではないのだけど、ここの領地では、多少は理解ある人もいるのじゃないかな?って思ってはいるわ!ナタリーだけでなく、私に恋愛感情を持ってくれている同性は少なからず、あと二人はいるから!」
ふふっと笑うと、驚いたように二人が私を見た。私は目の前にいるコルクとグランのように完全にナタリーやデリア、そして、シルキーに対して、同じ気持ちを返してはいない。ただ、寄せられる気持ちを大切にしているだけであった。
目の前の二人が、幸せそうに笑いあう姿を見て、私も微笑んだ。
「ねぇ、いつか、慣れ染めとか教えてね!私、恋のお話は大好きだから!」
普通の女の子に戻った私は、ニッコリ笑いかけると照れたような顔になる二人。
「それでは、私たちもアンナリーゼ様の恋のお話を聞かせてくださいね!」
「そうね……それなら、ナタリーやうちのジョージア様も一緒に楽しい時間を取りましょう!」
楽しみね!と笑うと、コルクが笑い、グランが見守っている。
「姫さん、帰る準備出来たぞ?」
ウィルが、呼びに来てくれたところで、グランがじっとウィルを見ていた。
「あの護衛さんは、領主様の恋人ですか?」
「「「えっ?」」」
三人がグランの言葉に驚き、見つめる。
「いや、俺は、姫さんの護衛で友人ってだけだから」
「そうでしたか、とても、領主様との距離が近かったので、勘違いしました。すみません、失礼なことを」
いいのよっと言ったものの、私とウィルの距離を見直すことになる?のかもしれない。
私たちは1週間後に試作品を見せてもらう約束をして、屋敷へと戻ったのである。
「わかりました。そのときは、領主の屋敷へ連絡をすればいいでしょうか?」
「えぇ、それで構わないわ!お願いね!ウィル、そろそろ帰るから、準備してくれる?」
わかったとおもむろにアンジェラを抱きかかえ、子どもたちが集まっている部屋の隅まで向かった。そこで、屋敷へ帰る準備をするよう伝えていた。リアンたちが片付け始めるのを横目に、私はソファに座り直した。
テクトも呼ばれて出て行ったので、実質、この部屋にいるのは私と職人二人だけであった。
コルクが何か言いたそうにこちらを見てくる。
「どうかして?」
「えっと……なんて言いますか……僕たちが、アンバー領に流れ着いた理由は聞かないのかなと思いまして……」
「言いたくないものは、基本的には聞かないわ!」
「そうですか……」
「残念そう?聞いた方がいいなら、聞くけど」
「そういうわけではありませんが、その……」
「俺たちが、その、なんだ……」
「恋人だってわかったかって話?」
「「……」」
「あれ、違った?」
「いや、違わないけど……なんていうか、こう……、な?」
「えぇ、その……」
逆に戸惑ってしまったコルクとグランに私は微笑みかける。
「何が問題なの?」
「何がって、俺たち男……」
「それの何がダメ?恋愛対象として、愛情を分かち合いたかったのが、それぞれだったってだけでしょ?どこか問題ある?」
「……世間的に」
「あぁ、なるほど。肩身は狭いかもしれないわね。何処かのご令嬢には、戴冠式で堂々と私に愛の告白をしただけでなく、私の愛で潰れないでくださいね!とまで言われたから、全然気にしてないけど?」
「それって、やはり、アンナリーゼ様のことだったんですか?」
「戴冠式でのことなら、私よ!それって、どこまで、噂が流れているのかしら?」
「わりと広まっていると思いますよ?それで……」
「ん?」
私は、小首を傾げ、どうしたの?と聞くと、黙っていたグランが、重い口を開いた。
「領主様は、俺たちのこと、気持ち悪いとか?」
「思わないわよ?さっきも言ったけど、どこにも問題なんてないし、好きな人が好きでいてくれることって、とっても幸せなことよね!理解されないこともあるかもしれないし、奇異な目で見られることもあったかもしれないけど、どうどうとしていていいと思うわ!こちらが恥ずかしくなるほど、どこぞの令嬢は、どうどうとしているわよ!」
「領主様が、そんなふうに言ってくれるとは思わなかった」
そう?というと、二人ともが頷いた。そして、視線をかわして頷きあったと思ったら、こちらに視線を戻した。その目は、職人の鋭い目をしている。私は姿勢を正した。
「アンナリーゼ様」
「何かしら?」
「先程の仕事、受けさせてください」
「それは、願ったり叶ったりだけど、どうして?」
「私たちは、二人で一人前の仕事をしてきました。この領地へ来る前も、評価はいただいていましたが、二人の関係が明るみに出たとき、仕事がなくなったのです」
「それは、どうして?」
「領主を始め、職人仲間たちから、この関係を続けるのであればと、はじき出されてしまったのです。私たちは、途方にくれました。ただ、そんな中、戴冠式のでの一幕を聞きつけたのです」
「ナタリーの愛の告白は、ナタリー自身だけでなく、あなたたち二人の心も守ったということ?」
「……令嬢は、ナタリー様というのですか?」
「そうよ!」
「アンナリーゼ様は、そのナタリー様からの告白を受入れたと聞き、この領地でならと移住をしてまいりました。初めは、前領地との違いに戸惑いもありましたが、今はこちらに移ってきてよかったと思っています。私たちの関係について、まだ、周りには怖くて言えていませんが、いつの日か、理解される、普通なことになることを望んでいます」
「そう……私が偏見をなくそうと言ったところで、すぐになくなるものではないのだけど、ここの領地では、多少は理解ある人もいるのじゃないかな?って思ってはいるわ!ナタリーだけでなく、私に恋愛感情を持ってくれている同性は少なからず、あと二人はいるから!」
ふふっと笑うと、驚いたように二人が私を見た。私は目の前にいるコルクとグランのように完全にナタリーやデリア、そして、シルキーに対して、同じ気持ちを返してはいない。ただ、寄せられる気持ちを大切にしているだけであった。
目の前の二人が、幸せそうに笑いあう姿を見て、私も微笑んだ。
「ねぇ、いつか、慣れ染めとか教えてね!私、恋のお話は大好きだから!」
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「いや、俺は、姫さんの護衛で友人ってだけだから」
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いいのよっと言ったものの、私とウィルの距離を見直すことになる?のかもしれない。
私たちは1週間後に試作品を見せてもらう約束をして、屋敷へと戻ったのである。
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