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ラズの小瓶シリーズ
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小難しい顔をしたまま同じ席につくラズベリーに、その父がゴツンとげんこつを落とした。
「いたっ!何するんだ!」
「何もあったもんじゃない。アンナリーゼ様がわざわざ足を運んでくれてるっていうのに、何を考えているんだ?」
「わかってるよ……でも、なんていうか、こう、胸の内から湧きたつような意欲がないって言うか、満足の行くものが出来ないっていうか、いつもの変哲もない小瓶っていうか……あぁ、もぅ!なんて言ったらいいのか、わっかんないけど、私が目指しているものと違うんだよ。なんていうかさ……」
「ロイドに頼まれて作っている小瓶のこと?」
私は父娘の話を聞いて、割って入った。私の存在を忘れていたのか、わかっていたけど、まさか、割って入ってくるとは思っていなかったのか、ラズベリーがギョッとこちらを見る。
「やっと、目に入ったかしら?」
「申し訳ないです……」
「いいわ!ラズ、さっきの話を聞かせて?」
「……あの、えっと……」
「ロイドからの依頼でしょ?私たちもそれで来たのだけど」
「えっ?まだ、出来てませんけど……」
慌てるラズベリーに私は笑いかけた。すると、どうしていいのか、オロオロする。
「ラズ、今作っているのって、なんだか違うなって感じがしているのでしょ?」
「……はい。なんだか単調で、生意気なのは、重々承知してますが、私が作りたいものではないのです」
「なら、私の話を聞いてみない?」
「はい、伺います!」
「話は、ごく簡単よ!」
えっ?と驚くラズベリーにニッコリ笑うと、後ろの方でため息が聞こえる。私は聞こえないふりをした。
「ちょっと、姫さん、強引じゃない?」
「そうだった?でも、話を聞いてもらわないと、始まらないし……ねぇ、聞くだけならいいでしょ?ラズの繊細な技術が必要なの!」
お願いっ!というと、わかりましたと聞いてくれるようだ。さっきまでの憂鬱そうな顔が少しだけ表情が変わる。
「まずは、ロイドがお願いしていたものは、ちょっと忘れてくれる?」
「えっ?」
「香水用の小瓶を作ってもらうことには変わりないんだけどけど、ちょっと、趣向を変えようかと」
「どうするんですか!」
身を乗り出してくるラズベリーにクスっと笑う。私に何か期待したようだ。
「今、考えているのはね、ロイドが作ってくれた香水が10種類があるんだけど、それをこれくらいずつ、3つから5つにわけて、化粧箱に入れて売ろうかって話しているの。それでね、ラズにお願いしたいのは……」
「小瓶ですよね……?」
はぁとため息をついて、興味が失せたという顔をする。私は苦笑いをしていると、また、父からゴチンとげんこつが落ちた。
「お客の話は、最後まで聞くんだ!」
「わかってるよ!それで?」
「なんだ、その態度は!まず、アンナリーゼ様は、本来お前が会えるような立場の人ではないんだぞ?なんてことをしている!」
その言葉にハッとするラズベリー。領地で出歩くように簡素な服を着ているので、すっかり私が貴族であることを忘れていたらしい。
私は気にしないが、父親は相当怒っていた。
「申し訳ありません、アンナリーゼ様。無礼をお詫びします」
「お詫びなんていいわ!」
「そんなこと、おっしゃらないでください!」
「詫びてもらっても、ラズの素晴らしい作品が手に入るわけでもないし」
「それは……」
「私は、元々、ラズの職人として腕をかってアンバーまで来てもらったのよ!それなら、ラズがすることは、詫びることではなく、私の満足のいく一品を作ってくれる方がいいわ!私が作って欲しいのは、リンゴ、オレンジ、薔薇の形の容器を作ってほしいの。あとは、そうね、すりガラスの製法は学んだのよね?」
「……はい」
「紙とペンはあるかしら?」
「ここに!」
私は、自分が考えたものを描いていく。決して絵はうまくないので、あくまで参考というかたちだが、それを覗き見ているラズベリーの顔は一変した。
「例えばなんだけど……あまり、お金はかけられないから、普通の小瓶の下の部分にすりガラスで細工は出来ないかしら?こんな形で」
「……これは、結構、細かい作業になりますね?」
「ラズの腕なら、できるでしょ?」
「えぇ、まぁ……」
「さっきの纏め売りを考えているのは、限定で120個。リンゴ、オレンジを30個ずつ、薔薇を60個作って欲しいわ!あとは、この小瓶なんだけど……模様は、香りに合わせて作ってほしいの。あと、男性向けの香水も追加で作ることになったから、それも作ってほしいのよ」
「なるほど……これなら、おもしろそうですね!」
「でしょ?他にも考えがあれば、ラズなりに考えてくれればいいわ!私は、それに期待しているのだから!」
ラズベリーは私が描いた紙を手に取り、真剣に見ている。さっきまで、燻っていた目が輝くのがわかる。
まさに、こういうのを待っていたというふうだ。
「香りについては……、これね?」
リアンが、持ってきたものをそっと置いてくれる。
「それぞれの香りにあう瓶を作ってほしいの。それが終わったら、2ヶ月間、その量の3倍のものを売るわ!それは……」
「このリンゴたちのような形のものがいいのですね!香りにあった瓶を作るか……考えもしませんでした!」
ふふっと笑うラズベリーを見れば、たぶん、頭の中でしっかり思い描いていることだろう。
「ラズが作った瓶を元に、化粧箱を作るわ!まとめ売りの方の試作品を早急に作って欲しいのだけど、どれくらいでできるかしら?」
「……10日。いや、5日ください!必ず、期待に添えるものを作ります!そのあとは、製法を渡して、違う作業所で作ってもらいます。そして、大きな瓶の方の制作に取り掛かります」
「わかったわ!じゃあ、お願いね!」
はいっと気合の入った顔つきになる。これは、もう、ラズベリーに任せていいだろう。次なるは、化粧箱をお願いするための根回しをすることにした。
「ところで、あの、ボトルは、新作かしら?」
「あぁ、あのボトルですか?」
「えぇ、そうよ!」
「あれは……『紅い涙』のオークション用の試作品です」
「そう、それは、楽しみね!」
ニッコリ笑いあうと、二人して悪い顔になる。ただ、今年は、南の方が危ないので、他で考えないといけないとなると……考えものだなと、小さくため息をついた。
「いたっ!何するんだ!」
「何もあったもんじゃない。アンナリーゼ様がわざわざ足を運んでくれてるっていうのに、何を考えているんだ?」
「わかってるよ……でも、なんていうか、こう、胸の内から湧きたつような意欲がないって言うか、満足の行くものが出来ないっていうか、いつもの変哲もない小瓶っていうか……あぁ、もぅ!なんて言ったらいいのか、わっかんないけど、私が目指しているものと違うんだよ。なんていうかさ……」
「ロイドに頼まれて作っている小瓶のこと?」
私は父娘の話を聞いて、割って入った。私の存在を忘れていたのか、わかっていたけど、まさか、割って入ってくるとは思っていなかったのか、ラズベリーがギョッとこちらを見る。
「やっと、目に入ったかしら?」
「申し訳ないです……」
「いいわ!ラズ、さっきの話を聞かせて?」
「……あの、えっと……」
「ロイドからの依頼でしょ?私たちもそれで来たのだけど」
「えっ?まだ、出来てませんけど……」
慌てるラズベリーに私は笑いかけた。すると、どうしていいのか、オロオロする。
「ラズ、今作っているのって、なんだか違うなって感じがしているのでしょ?」
「……はい。なんだか単調で、生意気なのは、重々承知してますが、私が作りたいものではないのです」
「なら、私の話を聞いてみない?」
「はい、伺います!」
「話は、ごく簡単よ!」
えっ?と驚くラズベリーにニッコリ笑うと、後ろの方でため息が聞こえる。私は聞こえないふりをした。
「ちょっと、姫さん、強引じゃない?」
「そうだった?でも、話を聞いてもらわないと、始まらないし……ねぇ、聞くだけならいいでしょ?ラズの繊細な技術が必要なの!」
お願いっ!というと、わかりましたと聞いてくれるようだ。さっきまでの憂鬱そうな顔が少しだけ表情が変わる。
「まずは、ロイドがお願いしていたものは、ちょっと忘れてくれる?」
「えっ?」
「香水用の小瓶を作ってもらうことには変わりないんだけどけど、ちょっと、趣向を変えようかと」
「どうするんですか!」
身を乗り出してくるラズベリーにクスっと笑う。私に何か期待したようだ。
「今、考えているのはね、ロイドが作ってくれた香水が10種類があるんだけど、それをこれくらいずつ、3つから5つにわけて、化粧箱に入れて売ろうかって話しているの。それでね、ラズにお願いしたいのは……」
「小瓶ですよね……?」
はぁとため息をついて、興味が失せたという顔をする。私は苦笑いをしていると、また、父からゴチンとげんこつが落ちた。
「お客の話は、最後まで聞くんだ!」
「わかってるよ!それで?」
「なんだ、その態度は!まず、アンナリーゼ様は、本来お前が会えるような立場の人ではないんだぞ?なんてことをしている!」
その言葉にハッとするラズベリー。領地で出歩くように簡素な服を着ているので、すっかり私が貴族であることを忘れていたらしい。
私は気にしないが、父親は相当怒っていた。
「申し訳ありません、アンナリーゼ様。無礼をお詫びします」
「お詫びなんていいわ!」
「そんなこと、おっしゃらないでください!」
「詫びてもらっても、ラズの素晴らしい作品が手に入るわけでもないし」
「それは……」
「私は、元々、ラズの職人として腕をかってアンバーまで来てもらったのよ!それなら、ラズがすることは、詫びることではなく、私の満足のいく一品を作ってくれる方がいいわ!私が作って欲しいのは、リンゴ、オレンジ、薔薇の形の容器を作ってほしいの。あとは、そうね、すりガラスの製法は学んだのよね?」
「……はい」
「紙とペンはあるかしら?」
「ここに!」
私は、自分が考えたものを描いていく。決して絵はうまくないので、あくまで参考というかたちだが、それを覗き見ているラズベリーの顔は一変した。
「例えばなんだけど……あまり、お金はかけられないから、普通の小瓶の下の部分にすりガラスで細工は出来ないかしら?こんな形で」
「……これは、結構、細かい作業になりますね?」
「ラズの腕なら、できるでしょ?」
「えぇ、まぁ……」
「さっきの纏め売りを考えているのは、限定で120個。リンゴ、オレンジを30個ずつ、薔薇を60個作って欲しいわ!あとは、この小瓶なんだけど……模様は、香りに合わせて作ってほしいの。あと、男性向けの香水も追加で作ることになったから、それも作ってほしいのよ」
「なるほど……これなら、おもしろそうですね!」
「でしょ?他にも考えがあれば、ラズなりに考えてくれればいいわ!私は、それに期待しているのだから!」
ラズベリーは私が描いた紙を手に取り、真剣に見ている。さっきまで、燻っていた目が輝くのがわかる。
まさに、こういうのを待っていたというふうだ。
「香りについては……、これね?」
リアンが、持ってきたものをそっと置いてくれる。
「それぞれの香りにあう瓶を作ってほしいの。それが終わったら、2ヶ月間、その量の3倍のものを売るわ!それは……」
「このリンゴたちのような形のものがいいのですね!香りにあった瓶を作るか……考えもしませんでした!」
ふふっと笑うラズベリーを見れば、たぶん、頭の中でしっかり思い描いていることだろう。
「ラズが作った瓶を元に、化粧箱を作るわ!まとめ売りの方の試作品を早急に作って欲しいのだけど、どれくらいでできるかしら?」
「……10日。いや、5日ください!必ず、期待に添えるものを作ります!そのあとは、製法を渡して、違う作業所で作ってもらいます。そして、大きな瓶の方の制作に取り掛かります」
「わかったわ!じゃあ、お願いね!」
はいっと気合の入った顔つきになる。これは、もう、ラズベリーに任せていいだろう。次なるは、化粧箱をお願いするための根回しをすることにした。
「ところで、あの、ボトルは、新作かしら?」
「あぁ、あのボトルですか?」
「えぇ、そうよ!」
「あれは……『紅い涙』のオークション用の試作品です」
「そう、それは、楽しみね!」
ニッコリ笑いあうと、二人して悪い顔になる。ただ、今年は、南の方が危ないので、他で考えないといけないとなると……考えものだなと、小さくため息をついた。
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