661 / 1,480
火急紋
しおりを挟む
ちょっと、休憩と公は机に突っ伏してしまった。
余程疲れているのだろう……誰か、公の相手をしてあげてと思う反面、なぜそれほどに公の周りには優秀な人材が集まらないのか不思議になった。
「なんでもいいですけど、レオの前でそんな情けない格好をしないでください!だいたい、なんでもっと早く誰かに頼らないのですか?」
「……孤独な椅子に座ってみろ?わかるぞ?」
「孤独な椅子に座る予定はないので、わかりませんけど、もっと、人を育てるように言っているじゃないですか?」
「そうは言っても、人なんてすぐに育たないわ!そこまで、いうなら、そこの二人を返してもらう!正直、トライドがここまで優秀な人材とは、知らなかった。今こそ、返せ!」
「嫌ですよ!セバスは、私のセバスですからね!だいたい、学生のうちから目を付けていたのに、おいそれと渡してたまるものですか!」
「では、サーラーでもいいぞ!」
「ウィルは、ダメです!もぅ、ウィルがいなかったら、領地にいる近衛はへっぽこぴーのまんまですよ!」
「なんだと?それじゃあ、話が変わる!」
「だいたい、私の可愛いエリックとパルマが側にいて、どうしてうまくいかないのです?パルマなんて、セバスに比肩するほど、優秀でしょうに!」
「面目ないです。それは、私がうまく見抜けなかったのが悪いのです……」
「宰相は、国全体のことを見ているのですから、仕方ありませんけど!公には、きちんとセバスやパルマの優秀さは伝えていたはずです!」
もぅ!っと怒ると、そんなこと……と言い訳を始めたので、そういうのが聞きたいわけではありませんよ!と釘を刺す。
なぜ、ダドリー男爵断罪時において、公世子からわざわざ公に変更したのか、まだ、本当の意味でわかっていないのだろう。
「公は、いつになったら、諸侯と手を取り合って政治をしますか?」
「政治って、しているでだろう?」
「全然していませんよね?今回の伝染病だって、情報を手に入れているのなら、もっと早くに領主たちへ連絡してあげるべきです。領主たちから情報が上がってくるのを、まさか待っていたりしませんよね?」
「…………」
「セバス?」
「アンナリーゼ様と懇意にしている領地には、すでに連絡は入れてあるよ。ここと、ここ。
ここは、カレン様のところだね。あと、ここにここ。悪いけど、うちとウィルの実家の領地にも」
セバスが指で指示したところは、感染者が比較的少ないか、いない地域となっている。すでに人の出入りを監視しているところの領地だ。
「……トライド、他には連絡をしていないのか?」
「公に進言書は出していますが、返事もありませんでしたし、個人的に懇意にさせてもらっているところへは、時候の手紙と共にお知らせしたまでです。アンナリーゼ様がコーコナ領にかかりきりで、身動きとれないだろうことは、わかっていましたので。我が領地……失礼、アンバー領の頭脳と言っていいイチアに相談もした結果、その方がいいという返答を早馬でもらいましたから、公への進言書も同時にさせていただきましたが?」
「公は、その進言書をどこにお持ちですか?セバスのことです、火急紋が押してあると思いますが?」
宰相と顔を見合わせる公。そっと、エリックが見てきますと部屋から出て行った。
なんとも……そんな大事な書類も見ていないのかとため息を付きたくなる。
「アンナ様、火急紋とはなんですか?」
「いい質問ですね!公も知らない様子なので、教えてあげます!」
お願いしますと礼儀正しく聞いてくるレオに私はひとつ頷く。
「火急紋とは、とっても大事な内容が書かれていて、他の仕事をしていても、すぐに見て!という書類に押す判のことですよ!生命の危機があるとか、戦争が始まるとか、とにかく急いで公に読んでもらって、判断を仰ぐためのもの。どうやら、公は今回、セバスが出したものを見落としたようね!」
説明が終わった頃、エリックが持ってきてくれたものを見ると、封も切られていない。
私は、大きくため息をついた。
「……エリック、パルマを連れてきてくれるかしら?」
見かねた私はエリックにお願いをする。
「これは、どういうことですか?封もきられていない!」
怒りに任せてしまいそうになる。上に立つ私たちは、領民の……国民の命を預かっている。最低限以上の生活を保障する代わりに税としてお金を徴収しているのに、領主や国主が1番してはいけないことをしていることに、腹が立たないわけがなかった。
「それは……その……手が回らずに……」
「公は、これが何なのかわかりますよね?宰相もわかりますよね?どこを向いて政治をしているのですか?あなたたちは、国民に向けて、政治をする立場なのですよ?この封さえ開いていれば、ここまで大きな被害はなかった!公の側には、こんな簡単な判断すらできない人間しか揃っていないのですか?それなら、そんな人間は必要ありません!」
「アンナリーゼ様、申し訳ありません!」
「宰相、私に謝るのではなく、本来なら、国民へ謝ることでしょう。ただ、それをすると、今後、一切、公を信用しなくなる。だから、今すぐ、対策をするべきなのです。後手に回っていても、回復できる信頼はある。まずは、医師団を派遣して、苦しむ民草を救うところからです!」
「言葉も出ない」
「上にいると、下まで見えない。だからこそ、文官たちがいるのです。情報に踊らされては、本末転倒ですが、情報を精査して、公が判断する。全責任を両肩にきちんと乗せてください!」
入りにくいよ……とエリックと話しているパルマが扉を少しだけ開いてこちらを見ていた。
「パルマ、入ってらっしゃい」
「……はい」
「今から、越権行為をします。罰するなら、罰してください。ただし、私の優秀な友人をお貸ししますから、この状況を打破してみて下さい。いいですね?公!」
「わかった。それで、優秀な友人とは?」
「パルマです」
「「えっ?」僕ですか?」
「少々、公のお尻を思いっきりひっぱたいてあげてください!」
「……それは、遠慮したいですが、アンナリーゼ様の期待に応えられるようがんばります!」
「…………大丈夫なのか?そんな、若造で……」
「公よりかは、はるかに優秀ですから大丈夫ですよ!パルマには、これからしばらく、公付きになって、手紙や報告書の内容把握、公の判断について、宰相とともに影の頭として働いてください。それが、終わったら……、私の元へ帰ってきてもいいわよ!」
「俄然やる気になりました!では、公、情報共有をお願いします!ゴールド公爵家が絡んでいる案件等もあると思いますが、一般的に国民の立場になって意見させていただきます!」
こうして、私はパルマという協力者が国の最奥の中枢部に送り込むことができたのである。
余程疲れているのだろう……誰か、公の相手をしてあげてと思う反面、なぜそれほどに公の周りには優秀な人材が集まらないのか不思議になった。
「なんでもいいですけど、レオの前でそんな情けない格好をしないでください!だいたい、なんでもっと早く誰かに頼らないのですか?」
「……孤独な椅子に座ってみろ?わかるぞ?」
「孤独な椅子に座る予定はないので、わかりませんけど、もっと、人を育てるように言っているじゃないですか?」
「そうは言っても、人なんてすぐに育たないわ!そこまで、いうなら、そこの二人を返してもらう!正直、トライドがここまで優秀な人材とは、知らなかった。今こそ、返せ!」
「嫌ですよ!セバスは、私のセバスですからね!だいたい、学生のうちから目を付けていたのに、おいそれと渡してたまるものですか!」
「では、サーラーでもいいぞ!」
「ウィルは、ダメです!もぅ、ウィルがいなかったら、領地にいる近衛はへっぽこぴーのまんまですよ!」
「なんだと?それじゃあ、話が変わる!」
「だいたい、私の可愛いエリックとパルマが側にいて、どうしてうまくいかないのです?パルマなんて、セバスに比肩するほど、優秀でしょうに!」
「面目ないです。それは、私がうまく見抜けなかったのが悪いのです……」
「宰相は、国全体のことを見ているのですから、仕方ありませんけど!公には、きちんとセバスやパルマの優秀さは伝えていたはずです!」
もぅ!っと怒ると、そんなこと……と言い訳を始めたので、そういうのが聞きたいわけではありませんよ!と釘を刺す。
なぜ、ダドリー男爵断罪時において、公世子からわざわざ公に変更したのか、まだ、本当の意味でわかっていないのだろう。
「公は、いつになったら、諸侯と手を取り合って政治をしますか?」
「政治って、しているでだろう?」
「全然していませんよね?今回の伝染病だって、情報を手に入れているのなら、もっと早くに領主たちへ連絡してあげるべきです。領主たちから情報が上がってくるのを、まさか待っていたりしませんよね?」
「…………」
「セバス?」
「アンナリーゼ様と懇意にしている領地には、すでに連絡は入れてあるよ。ここと、ここ。
ここは、カレン様のところだね。あと、ここにここ。悪いけど、うちとウィルの実家の領地にも」
セバスが指で指示したところは、感染者が比較的少ないか、いない地域となっている。すでに人の出入りを監視しているところの領地だ。
「……トライド、他には連絡をしていないのか?」
「公に進言書は出していますが、返事もありませんでしたし、個人的に懇意にさせてもらっているところへは、時候の手紙と共にお知らせしたまでです。アンナリーゼ様がコーコナ領にかかりきりで、身動きとれないだろうことは、わかっていましたので。我が領地……失礼、アンバー領の頭脳と言っていいイチアに相談もした結果、その方がいいという返答を早馬でもらいましたから、公への進言書も同時にさせていただきましたが?」
「公は、その進言書をどこにお持ちですか?セバスのことです、火急紋が押してあると思いますが?」
宰相と顔を見合わせる公。そっと、エリックが見てきますと部屋から出て行った。
なんとも……そんな大事な書類も見ていないのかとため息を付きたくなる。
「アンナ様、火急紋とはなんですか?」
「いい質問ですね!公も知らない様子なので、教えてあげます!」
お願いしますと礼儀正しく聞いてくるレオに私はひとつ頷く。
「火急紋とは、とっても大事な内容が書かれていて、他の仕事をしていても、すぐに見て!という書類に押す判のことですよ!生命の危機があるとか、戦争が始まるとか、とにかく急いで公に読んでもらって、判断を仰ぐためのもの。どうやら、公は今回、セバスが出したものを見落としたようね!」
説明が終わった頃、エリックが持ってきてくれたものを見ると、封も切られていない。
私は、大きくため息をついた。
「……エリック、パルマを連れてきてくれるかしら?」
見かねた私はエリックにお願いをする。
「これは、どういうことですか?封もきられていない!」
怒りに任せてしまいそうになる。上に立つ私たちは、領民の……国民の命を預かっている。最低限以上の生活を保障する代わりに税としてお金を徴収しているのに、領主や国主が1番してはいけないことをしていることに、腹が立たないわけがなかった。
「それは……その……手が回らずに……」
「公は、これが何なのかわかりますよね?宰相もわかりますよね?どこを向いて政治をしているのですか?あなたたちは、国民に向けて、政治をする立場なのですよ?この封さえ開いていれば、ここまで大きな被害はなかった!公の側には、こんな簡単な判断すらできない人間しか揃っていないのですか?それなら、そんな人間は必要ありません!」
「アンナリーゼ様、申し訳ありません!」
「宰相、私に謝るのではなく、本来なら、国民へ謝ることでしょう。ただ、それをすると、今後、一切、公を信用しなくなる。だから、今すぐ、対策をするべきなのです。後手に回っていても、回復できる信頼はある。まずは、医師団を派遣して、苦しむ民草を救うところからです!」
「言葉も出ない」
「上にいると、下まで見えない。だからこそ、文官たちがいるのです。情報に踊らされては、本末転倒ですが、情報を精査して、公が判断する。全責任を両肩にきちんと乗せてください!」
入りにくいよ……とエリックと話しているパルマが扉を少しだけ開いてこちらを見ていた。
「パルマ、入ってらっしゃい」
「……はい」
「今から、越権行為をします。罰するなら、罰してください。ただし、私の優秀な友人をお貸ししますから、この状況を打破してみて下さい。いいですね?公!」
「わかった。それで、優秀な友人とは?」
「パルマです」
「「えっ?」僕ですか?」
「少々、公のお尻を思いっきりひっぱたいてあげてください!」
「……それは、遠慮したいですが、アンナリーゼ様の期待に応えられるようがんばります!」
「…………大丈夫なのか?そんな、若造で……」
「公よりかは、はるかに優秀ですから大丈夫ですよ!パルマには、これからしばらく、公付きになって、手紙や報告書の内容把握、公の判断について、宰相とともに影の頭として働いてください。それが、終わったら……、私の元へ帰ってきてもいいわよ!」
「俄然やる気になりました!では、公、情報共有をお願いします!ゴールド公爵家が絡んでいる案件等もあると思いますが、一般的に国民の立場になって意見させていただきます!」
こうして、私はパルマという協力者が国の最奥の中枢部に送り込むことができたのである。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる