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倒れたデリア
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振り向くと、デリアが倒れていた。
「デリアっ!」
私は駆け寄る。少し抱えるようにすると息は浅いがしているようだ。少しだけホッとして、ニコライに声をかけた。
「ニコライ、医者を呼んできて!今すぐに!」
頷いて、部屋から飛び出していくニコライを見送ると、エレーナも近寄ってくる。侍女をしていただけあって、脈を見てくれたのだが、何でしょう……少し……と顔を顰めた。
「ベッドに運ぼう。俺が運ぶから、アンナ、少し場所を変わってくれるかな?」
ジョージアにデリアを任せ、ベッドへと横たわらせた。元気なデリアが倒れたことにショックを隠せず、私は、慌てるだけで何も出来ずに、デリアが倒れた場所で、ジョージアによって運ばれていくデリアをぼんやり見つめていた。
「アンナ様、こちらに」
エレーナに言われ、付き添われソファに戻ると子どもたちが私の大声に驚いて起きたようだ。目を擦りながら、アンジェラが私の元へ来た。
「デリア?」
「うん、ごめんね……驚いたよね……」
不安になりアンジェラをギュっと抱きしめるとわけもわからないアンジェラが優しく頭を撫でてくれる。
「アンナ様、大丈夫ですよ。きっとすぐによくなりますから!」
「……ありがとう」
さっきとは打って変わって静かにしていると、今度はジョージアも心配してくれた。ぐずり始めるジョージを抱き上げてくれたのはエレーナで、役にたたない私は不安で仕方がなかった。
「アンナ様、医者を連れてきました!」
ニコライと医者が入ってきて、デリアを見てくれる。
首を触ったり目を見たり、胸の音を聞いたり……その間、不安で仕方がなかった。
「軽い貧血ですね。妊婦さんにはよくあることですが、少々疲れも溜まっているようだ。
ゆっくり休ませてあげてください」
「……妊婦?」
私は、小首を傾げる。デリアは、ディルと結婚した。だから、当然といえば当然なのであるが、そんな報告は受けていなかった。
「初期のほうですから、もしかしたら、本人も気づいていたのかどうかというところです」
「そうでしたか……ありがとうございます!」
ホッとした顔をすると、医者が逆に厳しい顔をする。そう、ここにいる私たちは、みな貴族だ。その世話をデリアが一人していたのだから、疲労も溜まるだろうと叱られた。
たしかに、してもらうことが当たり前になってもらっているところはある。特にジョージアは貴族の中でも上位だ。私は、自分でできることはするようにしていたが……長旅もあって、デリアへの負担が大きかったのだと反省する。
医者が帰ったあと、ディルに手紙を送る。手紙では何日もかかるので、特別な方法で手を回した。
翌日には、ディルからの返事とエマとリアンがそちらに向かうという内容であった。
ディルもデリアのことが心配であることには変わりないのに、駆けつけられないもどかしさに申し訳なく思う。
「侍女が到着するまで、私がお世話をしますわ!元々、エリザベス様の侍女ですから、何でもおっしゃ
ってください!」
「そういうわけにはいかないから、大丈夫よ!ジョージア様のことだけなら、たいした手間にならい
から。心配かけてごめんね?」
翌朝、デリアが目を覚ましたとき、気分はどうか、食べられるものがあるか聞くと、首を横にふり、それよりも、倒れたことに申し訳ないと謝られた。
「しばらく、休んでいてちょうだい。この部屋のことくらいなら、私でもできるから……」
「アンナ様……」
「……大丈夫、デリア。俺も自分のことはするから。アンナだけだと心配だろ?」
「ジョージア様、どういう意味ですか、それ!」
むぅっと頬を膨らませると、そういうことじゃない?と茶化す。それをみてクスクスと笑うデリア。
「心配しなくても、エマとリアンが来てくれるから。ゆっくりしてくれたらいいわ!屋敷帰るまでは、
本当の意味でゆっくり出来ないかもしれないけど……」
「ありがとうございます。夕方には、大丈夫ですので……」
「ダメ!昨日の話、聞いてなかった?妊娠は病気ではないけど、母体も命はってるんだから、大事に
してくれないと!私の面倒は、デリアしかみれないんだから、元気でいてもらわないと困るわ!」
「アンナ、それ……」
「いいのですよ!ジョージア様。私にとって、アンナ様が全てなのです」
「もう、私が全てとは言わないでね!ディルもお腹には子どもいるんだから!」
私は微笑むと、アンジェラ様のときを思い出しますね!と笑う。
「確かに……ジョージア様が過保護で……どこにも連れ出してもらえなくて……鬱々してたなぁ……」
「アンナ様、体を労わりながらなら、仕えていてもいいですか?」
「いいけど、無理は厳禁。リアンがくるまでは、大人しくしていてちょうだい。それに、そろそろ
ノクトおじいちゃんが帰ってくるからねぇ!」
「おじいちゃん、帰ってくる?」
「帰ってくるよ!そろそろ、期日だしね!」
私は笑いかけると、ニシシとアンジェラが笑う。構ってくれるノクトも好きなようで、アンジェラは懐いている。逆にジョージは苦手なようである。
「長旅になると、大変だからね。休めるときにしっかり休みましょう。私の方の日程は、公都に戻った
ら、コーコナへ移動になるから……デリアは、しばらく、公都の屋敷にいてもらうことになるわね!
元気な子どもを出産して、ディルに手伝ってもらいながら育児をして、落ち着いたら、合流してくれ
たらいいわ!先のことは、とりあえず、ディルも含めて話をした方がいいから、公都に帰ってから
話し合いましょう!」
私たちは、デリアの妊娠発覚をきっかけに、少々体制を変更することになりそうだ。後進を育ててくれているデリアのおかげで、引き継ぎさえ上手く行けば、何ともないだろう。
コンコンっと扉がノックされる。私は、どうぞといって、剣を握った。
ジョージアに目くばせをしてデリアの側に子どもたちとニコライを呼び寄せる。
「お客様がきたようだから……ジョージア様、おもてなししてくるわね!」
「気を付けて行ってきて!」
「中は、私が……」
「無理はしちゃだめだよ?」
デリアは苦笑いをしてナイフを握る。
私は扉へと向かい、勢いよく外側へ扉を開いて廊下へでた。
招かざるお客は、黒ずくめで三人、廊下で私をにらんでいたのである。
「デリアっ!」
私は駆け寄る。少し抱えるようにすると息は浅いがしているようだ。少しだけホッとして、ニコライに声をかけた。
「ニコライ、医者を呼んできて!今すぐに!」
頷いて、部屋から飛び出していくニコライを見送ると、エレーナも近寄ってくる。侍女をしていただけあって、脈を見てくれたのだが、何でしょう……少し……と顔を顰めた。
「ベッドに運ぼう。俺が運ぶから、アンナ、少し場所を変わってくれるかな?」
ジョージアにデリアを任せ、ベッドへと横たわらせた。元気なデリアが倒れたことにショックを隠せず、私は、慌てるだけで何も出来ずに、デリアが倒れた場所で、ジョージアによって運ばれていくデリアをぼんやり見つめていた。
「アンナ様、こちらに」
エレーナに言われ、付き添われソファに戻ると子どもたちが私の大声に驚いて起きたようだ。目を擦りながら、アンジェラが私の元へ来た。
「デリア?」
「うん、ごめんね……驚いたよね……」
不安になりアンジェラをギュっと抱きしめるとわけもわからないアンジェラが優しく頭を撫でてくれる。
「アンナ様、大丈夫ですよ。きっとすぐによくなりますから!」
「……ありがとう」
さっきとは打って変わって静かにしていると、今度はジョージアも心配してくれた。ぐずり始めるジョージを抱き上げてくれたのはエレーナで、役にたたない私は不安で仕方がなかった。
「アンナ様、医者を連れてきました!」
ニコライと医者が入ってきて、デリアを見てくれる。
首を触ったり目を見たり、胸の音を聞いたり……その間、不安で仕方がなかった。
「軽い貧血ですね。妊婦さんにはよくあることですが、少々疲れも溜まっているようだ。
ゆっくり休ませてあげてください」
「……妊婦?」
私は、小首を傾げる。デリアは、ディルと結婚した。だから、当然といえば当然なのであるが、そんな報告は受けていなかった。
「初期のほうですから、もしかしたら、本人も気づいていたのかどうかというところです」
「そうでしたか……ありがとうございます!」
ホッとした顔をすると、医者が逆に厳しい顔をする。そう、ここにいる私たちは、みな貴族だ。その世話をデリアが一人していたのだから、疲労も溜まるだろうと叱られた。
たしかに、してもらうことが当たり前になってもらっているところはある。特にジョージアは貴族の中でも上位だ。私は、自分でできることはするようにしていたが……長旅もあって、デリアへの負担が大きかったのだと反省する。
医者が帰ったあと、ディルに手紙を送る。手紙では何日もかかるので、特別な方法で手を回した。
翌日には、ディルからの返事とエマとリアンがそちらに向かうという内容であった。
ディルもデリアのことが心配であることには変わりないのに、駆けつけられないもどかしさに申し訳なく思う。
「侍女が到着するまで、私がお世話をしますわ!元々、エリザベス様の侍女ですから、何でもおっしゃ
ってください!」
「そういうわけにはいかないから、大丈夫よ!ジョージア様のことだけなら、たいした手間にならい
から。心配かけてごめんね?」
翌朝、デリアが目を覚ましたとき、気分はどうか、食べられるものがあるか聞くと、首を横にふり、それよりも、倒れたことに申し訳ないと謝られた。
「しばらく、休んでいてちょうだい。この部屋のことくらいなら、私でもできるから……」
「アンナ様……」
「……大丈夫、デリア。俺も自分のことはするから。アンナだけだと心配だろ?」
「ジョージア様、どういう意味ですか、それ!」
むぅっと頬を膨らませると、そういうことじゃない?と茶化す。それをみてクスクスと笑うデリア。
「心配しなくても、エマとリアンが来てくれるから。ゆっくりしてくれたらいいわ!屋敷帰るまでは、
本当の意味でゆっくり出来ないかもしれないけど……」
「ありがとうございます。夕方には、大丈夫ですので……」
「ダメ!昨日の話、聞いてなかった?妊娠は病気ではないけど、母体も命はってるんだから、大事に
してくれないと!私の面倒は、デリアしかみれないんだから、元気でいてもらわないと困るわ!」
「アンナ、それ……」
「いいのですよ!ジョージア様。私にとって、アンナ様が全てなのです」
「もう、私が全てとは言わないでね!ディルもお腹には子どもいるんだから!」
私は微笑むと、アンジェラ様のときを思い出しますね!と笑う。
「確かに……ジョージア様が過保護で……どこにも連れ出してもらえなくて……鬱々してたなぁ……」
「アンナ様、体を労わりながらなら、仕えていてもいいですか?」
「いいけど、無理は厳禁。リアンがくるまでは、大人しくしていてちょうだい。それに、そろそろ
ノクトおじいちゃんが帰ってくるからねぇ!」
「おじいちゃん、帰ってくる?」
「帰ってくるよ!そろそろ、期日だしね!」
私は笑いかけると、ニシシとアンジェラが笑う。構ってくれるノクトも好きなようで、アンジェラは懐いている。逆にジョージは苦手なようである。
「長旅になると、大変だからね。休めるときにしっかり休みましょう。私の方の日程は、公都に戻った
ら、コーコナへ移動になるから……デリアは、しばらく、公都の屋敷にいてもらうことになるわね!
元気な子どもを出産して、ディルに手伝ってもらいながら育児をして、落ち着いたら、合流してくれ
たらいいわ!先のことは、とりあえず、ディルも含めて話をした方がいいから、公都に帰ってから
話し合いましょう!」
私たちは、デリアの妊娠発覚をきっかけに、少々体制を変更することになりそうだ。後進を育ててくれているデリアのおかげで、引き継ぎさえ上手く行けば、何ともないだろう。
コンコンっと扉がノックされる。私は、どうぞといって、剣を握った。
ジョージアに目くばせをしてデリアの側に子どもたちとニコライを呼び寄せる。
「お客様がきたようだから……ジョージア様、おもてなししてくるわね!」
「気を付けて行ってきて!」
「中は、私が……」
「無理はしちゃだめだよ?」
デリアは苦笑いをしてナイフを握る。
私は扉へと向かい、勢いよく外側へ扉を開いて廊下へでた。
招かざるお客は、黒ずくめで三人、廊下で私をにらんでいたのである。
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