575 / 1,479
始まりの夜会Ⅱ
しおりを挟む
デリアによって公爵として全て整え終えたのは、もう夕方であった。
軽くお菓子をつまみ、空腹を満たしてから、私室に迎えに来てくれたジョージアと馬車に乗り込む。
「今日の宝飾品は、青薔薇たちではないんだね?」
「えぇ、私は青薔薇たちが好きですけど、今日は公妃も出席する夜会になる予定なのだから、公爵らしく
時代の最先端にしましょうと言われ、新しい宝飾品を何点かとお兄様にいただいたアメジストのネック
レスをつけています」
「確かに、あまり見ないネックレスだと思っていたよ」
「私の卒業祝いにくれたものですわ!」
私の瞳と同じ色をしていて綺麗だと褒めてくれるので、とても嬉しい。
このネックレスを中心に、宝飾品を揃えることになったのだが、元々ティアの実家の宝飾品店で買ったものであったので、ティアが上手に合わせてくれた。
ジョージアがくれたサファイアの青薔薇たちに対して、さしずめ、アメジストの紫薔薇と言ったところだろう。
今日は、ルビーの真紅の薔薇のチェーンピアスも青薔薇たちも、宝石箱の中でお留守番となっている。
「ドレスもアンナにぴったりだね?」
「ありがとうございます。今回の流行として、胸元や背中を大きく開いたデザインとなっているんです
けど、これもナタリーの戦略のひとつらしいですね!」
「ナタリーの?アンナの胸元は、背中もレースがあしらわれているよね?」
「はい。それも込みで、ナタリーの戦略ですよ」
「ナタリーは、どこまで考えているんだい?」
「わかりません。ただ、今回のデザインに関しては、このレースを流行の最先端にしたいようなのです。
クーヘンという編み物の上手な女性が、フレイゼンから来たことで、ドレスのデザインの方向転換を
したみたいですね。大きく開きすぎる胸元は、豊満な方とか若い令嬢なら、目を引くでしょうけど、
妙齢の女性が露出が過度にあれば、着にくいですよね。今、流行の最先端であるハニーアンバー店の
ドレスは着たいけど、諦めてしまうご婦人向けにってことみたいです」
「なるほど、レースで隠してしまえば、見え隠れする部分があり、それも魅力のひとつに変えるって
ことかな?」
そうです!とジョージアの気づきに手を打ち、さすがですと褒めると、照れていた。
「俺の奥さんにも、過度な露出は控えてもらいたいからね。確かに、そう考えると、過度に肌を出して
いるより、レースを使って見え隠れする白い肌が逆に艶めかしかったりもするよね?」
そうは思わない?というジョージアに、よそでは言わないでくださいね?とニコッと笑いかけた。
「もちろん、アンナ以外には言わないよ。さて、着いたようだね。行こうか!」
ジョージアは、私の手を取り、馬車から降ろしてくれる。
正面玄関は、他にも貴族たちがぞくぞくと集まってきており、騒然としていた。
私とジョージアが、馬車から降り立つと、その前がパッと開く。
大広間までの道が出来、私はジョージアへ微笑みながらエスコートされてゆっくりと向かうのであった。
◇◆◇◆◇
大広間へ入る前、控室に私たちは向かう。
爵位が上がれば、それぞれ控室が用意され、夜会の始まりの直前に大広間へ向かえばいいようになっている。
「そういえば、サシャ……ソルトはもう着ているの?」
「えぇ、もうどこかにいるはずですよ!ザワザワと人だかりができているところにいるかと」
「あぁ、黒の貴族が人気だからね。女性たちの嫉妬に悩まされなければいいけど?」
「そうですね!でも、お兄様程整った女性はいないですから。それにカレンを彷彿させるような女性に
ちょっかいかける女性は、この国にはいないでしょ?」
「なるほどね!」
「ミネルバには事情を連絡済みですから、うちのお兄様と過ちがあったという噂が出回ることはあって
も、笑い飛ばしてくださいと言ってあります」
根回しをすませていたのかとジョージアは感心しているが、普通の話ではあった。謀をするとなれば、誰かには迷惑かけることがある。こちらの味方にかける迷惑を考えたうえで、先に知らせられるものなら、教えてしまっても構わないので、今回、ミネルバには連絡した。
国も違うし、ミネルバがこちらの社交界に出張ってくることもないので、知らせたまででもある。
ある程度、ひとつの波を俯瞰的に見ていないとなかなか先を考えて動けない。
ジョージアには、その部分がまだ、できていないのだ。ずる賢い貴族とやり合わないといけないのだから、これくらい簡単なものはわかるようにしないといけない。
今回の顛末をジョージアに説明をしているところで、控室の扉がノックされた。
そろそろ始まりの夜会が、始まるのだろう。公より遅く大広間へ入るのは失礼なので、ジョージアにエスコートされ大広間へ入っていく。
ここでは、爵位が上の者に関しては名前を呼ばれて入るので、誰が大広間へ入るかわかるため、扉が開いた瞬間から、注目の的ではあった。
「相変わらずだね?」
「私だけのことだと思いますか?ジョージア様ももちろん、ご婦人たちの注目の的ですよ。ほら、見て下さい!」
そういって、ジョージアに黄色い声をあげようとしている独身女性たちに、私は流し目ひとつで黙らせる。
うちの旦那様に何か御用かしら?と視線を送れば、すごすごと人ごみに消えていく。
ソフィア程の度胸がある令嬢は、もう、この国にはいないのかもしれない。
ジョージアだけなら、若さで押し倒せるとでも思っているのだろうか?私の目の届く所では令嬢たちが決してジョージアにちょっかいかけて来たりしないのだ。
まぁ、だいたいそんなことをすれば、どうなるか令嬢たちの親たちは知っているので、気が気ではないだろうけど、私は、怖い顔ひとつせず、微笑むだけに留める。
私が公や他の貴族と話をしているうちに、ジョージアに群がるのはわかっていても、こういうちょっと牽制はしておかないといけない。
何かあれば、責任はきっちり取ってもらう。ジョージアではなく、相手側の方に。
そうそう、バレてないと思っているかもしれないが、生憎、私に聞こえてこない話などないことだけは伝えて置かないといけないことだ。
それも、令嬢たちの親たちなら、みなが知っていることなのだが。
ただ、ジョージアの隣で微笑んでいるだけの夫人ではないことだけ、多くの貴族が身をもって知っている。
私たちが所定の場所についたころ、大広間がざわざわとした。
公が来るのだろう。ジョージアに合図して公を向かえる準備を始めた。
軽くお菓子をつまみ、空腹を満たしてから、私室に迎えに来てくれたジョージアと馬車に乗り込む。
「今日の宝飾品は、青薔薇たちではないんだね?」
「えぇ、私は青薔薇たちが好きですけど、今日は公妃も出席する夜会になる予定なのだから、公爵らしく
時代の最先端にしましょうと言われ、新しい宝飾品を何点かとお兄様にいただいたアメジストのネック
レスをつけています」
「確かに、あまり見ないネックレスだと思っていたよ」
「私の卒業祝いにくれたものですわ!」
私の瞳と同じ色をしていて綺麗だと褒めてくれるので、とても嬉しい。
このネックレスを中心に、宝飾品を揃えることになったのだが、元々ティアの実家の宝飾品店で買ったものであったので、ティアが上手に合わせてくれた。
ジョージアがくれたサファイアの青薔薇たちに対して、さしずめ、アメジストの紫薔薇と言ったところだろう。
今日は、ルビーの真紅の薔薇のチェーンピアスも青薔薇たちも、宝石箱の中でお留守番となっている。
「ドレスもアンナにぴったりだね?」
「ありがとうございます。今回の流行として、胸元や背中を大きく開いたデザインとなっているんです
けど、これもナタリーの戦略のひとつらしいですね!」
「ナタリーの?アンナの胸元は、背中もレースがあしらわれているよね?」
「はい。それも込みで、ナタリーの戦略ですよ」
「ナタリーは、どこまで考えているんだい?」
「わかりません。ただ、今回のデザインに関しては、このレースを流行の最先端にしたいようなのです。
クーヘンという編み物の上手な女性が、フレイゼンから来たことで、ドレスのデザインの方向転換を
したみたいですね。大きく開きすぎる胸元は、豊満な方とか若い令嬢なら、目を引くでしょうけど、
妙齢の女性が露出が過度にあれば、着にくいですよね。今、流行の最先端であるハニーアンバー店の
ドレスは着たいけど、諦めてしまうご婦人向けにってことみたいです」
「なるほど、レースで隠してしまえば、見え隠れする部分があり、それも魅力のひとつに変えるって
ことかな?」
そうです!とジョージアの気づきに手を打ち、さすがですと褒めると、照れていた。
「俺の奥さんにも、過度な露出は控えてもらいたいからね。確かに、そう考えると、過度に肌を出して
いるより、レースを使って見え隠れする白い肌が逆に艶めかしかったりもするよね?」
そうは思わない?というジョージアに、よそでは言わないでくださいね?とニコッと笑いかけた。
「もちろん、アンナ以外には言わないよ。さて、着いたようだね。行こうか!」
ジョージアは、私の手を取り、馬車から降ろしてくれる。
正面玄関は、他にも貴族たちがぞくぞくと集まってきており、騒然としていた。
私とジョージアが、馬車から降り立つと、その前がパッと開く。
大広間までの道が出来、私はジョージアへ微笑みながらエスコートされてゆっくりと向かうのであった。
◇◆◇◆◇
大広間へ入る前、控室に私たちは向かう。
爵位が上がれば、それぞれ控室が用意され、夜会の始まりの直前に大広間へ向かえばいいようになっている。
「そういえば、サシャ……ソルトはもう着ているの?」
「えぇ、もうどこかにいるはずですよ!ザワザワと人だかりができているところにいるかと」
「あぁ、黒の貴族が人気だからね。女性たちの嫉妬に悩まされなければいいけど?」
「そうですね!でも、お兄様程整った女性はいないですから。それにカレンを彷彿させるような女性に
ちょっかいかける女性は、この国にはいないでしょ?」
「なるほどね!」
「ミネルバには事情を連絡済みですから、うちのお兄様と過ちがあったという噂が出回ることはあって
も、笑い飛ばしてくださいと言ってあります」
根回しをすませていたのかとジョージアは感心しているが、普通の話ではあった。謀をするとなれば、誰かには迷惑かけることがある。こちらの味方にかける迷惑を考えたうえで、先に知らせられるものなら、教えてしまっても構わないので、今回、ミネルバには連絡した。
国も違うし、ミネルバがこちらの社交界に出張ってくることもないので、知らせたまででもある。
ある程度、ひとつの波を俯瞰的に見ていないとなかなか先を考えて動けない。
ジョージアには、その部分がまだ、できていないのだ。ずる賢い貴族とやり合わないといけないのだから、これくらい簡単なものはわかるようにしないといけない。
今回の顛末をジョージアに説明をしているところで、控室の扉がノックされた。
そろそろ始まりの夜会が、始まるのだろう。公より遅く大広間へ入るのは失礼なので、ジョージアにエスコートされ大広間へ入っていく。
ここでは、爵位が上の者に関しては名前を呼ばれて入るので、誰が大広間へ入るかわかるため、扉が開いた瞬間から、注目の的ではあった。
「相変わらずだね?」
「私だけのことだと思いますか?ジョージア様ももちろん、ご婦人たちの注目の的ですよ。ほら、見て下さい!」
そういって、ジョージアに黄色い声をあげようとしている独身女性たちに、私は流し目ひとつで黙らせる。
うちの旦那様に何か御用かしら?と視線を送れば、すごすごと人ごみに消えていく。
ソフィア程の度胸がある令嬢は、もう、この国にはいないのかもしれない。
ジョージアだけなら、若さで押し倒せるとでも思っているのだろうか?私の目の届く所では令嬢たちが決してジョージアにちょっかいかけて来たりしないのだ。
まぁ、だいたいそんなことをすれば、どうなるか令嬢たちの親たちは知っているので、気が気ではないだろうけど、私は、怖い顔ひとつせず、微笑むだけに留める。
私が公や他の貴族と話をしているうちに、ジョージアに群がるのはわかっていても、こういうちょっと牽制はしておかないといけない。
何かあれば、責任はきっちり取ってもらう。ジョージアではなく、相手側の方に。
そうそう、バレてないと思っているかもしれないが、生憎、私に聞こえてこない話などないことだけは伝えて置かないといけないことだ。
それも、令嬢たちの親たちなら、みなが知っていることなのだが。
ただ、ジョージアの隣で微笑んでいるだけの夫人ではないことだけ、多くの貴族が身をもって知っている。
私たちが所定の場所についたころ、大広間がざわざわとした。
公が来るのだろう。ジョージアに合図して公を向かえる準備を始めた。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
断罪される1か月前に前世の記憶が蘇りました。
みちこ
ファンタジー
両親が亡くなり、家の存続と弟を立派に育てることを決意するけど、ストレスとプレッシャーが原因で高熱が出たことが切っ掛けで、自分が前世で好きだった小説の悪役令嬢に転生したと気が付くけど、小説とは色々と違うことに混乱する。
主人公は断罪から逃れることは出来るのか?
悲恋を気取った侯爵夫人の末路
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵夫人のプリシアは、貴族令嬢と騎士の悲恋を描いた有名なロマンス小説のモデルとして持て囃されていた。
順風満帆だった彼女の人生は、ある日突然に終わりを告げる。
悲恋のヒロインを気取っていた彼女が犯した過ちとは──?
カクヨムにも公開してます。
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる