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10人の魔法使いⅣ
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私は、とりあえず、夕食を用意することにした。
デリアにいい、執務室で食べられるようにしてもらう。
なんたって、こんな奇人変人たちを子どもたちに近づけたくない……親として思ってしまった。
いずれは、この領地を治めることになるだろうアンジェラやネイトは関わりをもつだろうが、今はさけておいてもいいのではないだろうかと思ってしまう。
ほら、見て……なんか、おかしい。
まず、クレアは、出てきた料理のひとつひとつ、メモをとり、どこのどの領地のとか書いている。
まぁ、研究の一環なんだろうと目を瞑ることにした。
次に、リアノは何を思ったか、お皿を物色し始める。特に珍しいものではないはずなのにだ……確かに私に出される料理は、全て銀食器で揃えられている。
そういうところを気にしているようだった。お客用のお皿は、陶器で出来ているが、取り分けする前は、全て銀食器からよそう。
最後にアルカは、スープの味をうんたらかんた……もう、何を言っているいるのかわからない。
だって、水の味を事細かに呟いているのだが、えっ?何?よくわからないんですけど!って感じであった。
この食事だけで疲れる。
できれば、今日だけで勘弁してほしい……口には出さないが、懇願したい。
あと七人、こんな人がくるのかと思うと私の胃は穴が開くのではないかと思われた。
「アンナリーゼ様、よろしいですかぁ?」
「えぇ、何かしら?リアノ」
「今着ている服は、ハニーアンバー店の新作ですぅ?」
「そうだよ!これは、試作品なんだけど、どう?」
「えぇ、とても素敵ですぅ!」
美形のお兄さんが手を組んで目をキラキラさせて私の来ている服を眺めている……その異様さにゾッとするが、本当にハニーアンバー店の服が好きなのだとわかった。
もしかしたら、女性の友人たちと同じように服については話があうのかもしれない。
「ありがとう。ハニーアンバー店で売られる服については、私の友人がデザインを描いているのよ!
そんなふうに言ってもらえると嬉しいわ!リアノは、どうして、ハニーアンバー店の服を気に入って
くれたの?」
「それはですね、初めて見たときに、ビビッと来たんですぅ!残念ながら、私はワンピースしか着れない
のですけど、可愛いし綺麗だし斬新だし、女の子の表現したいものが全て入っているのですよぉ!
こんな服は、どこにもないですぅ!今度、デザインしている方にお会いできますかぁ?」
「えぇ、聞いておくわ!こんなにナタリーの作る服を喜んでくれている人っていないと思うの!
是非とも話してみて欲しいわ!」
「デザイナーは、ナタリー様とおっしゃるの?」
「えぇ、そうよ!」
「貴族ですの?」
「えぇ、そうだけど……何かあるの?」
リアノは、ナタリーが貴族だっていうと真面目な顔になった。
何かあるのだろうか?と思い問いかけてみたのだが、まずかっただろうか?
「いえね?貴族のお嬢様がなかなかいい着眼点を持っているなって。アンナリーゼ様のためのドレスを
お店で見たことがあるんですけどぉ、あれは、もう、アンナリーゼ様への愛情が伺えますわね!」
「あっ!わかる?」
「わかりますよぉ!もぅ愛情が溢れかえっていますからねぇ!私、羨ましくて……トワイス国のお店で
飾ってあるのものは、ご存じ?」
「確か、公の戴冠式のときに着ていたドレスを今は飾ってあったと思うけど……」
「そうなのです。あのドレスには、ナタリー様が切ないアンナリーゼ様の愛情をたっぷりと表現されて
いましたわ!」
「そうなんだ……私は全然気づかなかったわ……ちょうど、そのとき、ナタリーとは色々あったから、
そういうことが表現されていたのね。ありがとう!勉強になった!」
いいえと微笑むリアノは、美しい男性であるのだけ、恋する女性のように見えた。
「ハニーアンバー店の洋服はそんなにいいのです?リアノ」
「何を言っているの!クレア。いいってものじゃないわ!最高よ!体にピタッとそうような服なんて
ないもの。適当な服を着ているあなたにはわからないけど……これ以上の服はないわ!一度着てみた
ら、もう他のは着れないわよ!」
「そうなんだ……でも、高いのでしょ?貴族が行くようなお店だって聞いているし」
「確かに公族、王族御用達看板はついているけど、庶民にも変える値段のものもたくさん作ってあるの。
領民にも着てもらいたかったから、そういうものも揃えているわ!」
「それは、どうしてです?貴族に売った方が儲かるんじゃないですか?」
「貴族は1着の単価は高いけど、数で言えば庶民の方が多いのよ。手軽に買える服にしたから、手に取り
やすい価格にしたの。あとは、コーコナ領ってところも私の領地で、そこの特産品が綿花と蚕なの。
安価に手に入れられる布製品のおかげで、着心地のいい下着や服を領民に提供出来ることも私にとって
は嬉しいことなの」
「それは、どうしてです?」
「結局のところ、領地を良くしたい、領民が住みやすいようにしたいっていうのが、めざしているところ
だからかな?あなたたちを呼んだのもそれで。私、頭は良くないの。それなら、出来る人に力を貸して
もらえばいいかなって。
だから、三人とも私に知恵を貸してね!ときには違うことで迷惑かけることもあるけど、この領地に
いる間は、自身の研究だけでなく、他のことにも興味を持って他にも知識を貯えていって欲しいわ!
ヨハンは、この地では医者としても活躍しているから、そういう感じで……何か研究以外でも手伝って
もらえると嬉しい」
ちっと舌打ちが聞こえてきたが無視をする。誰がしたかはわかっているので、我慢だ。
来て初日から喧嘩するわけにもいかないから……
それじゃあ、部屋に案内するわね!楽しく談笑しながら?の夕食が終わったのでデリアに頼み部屋を案内してもらった。
三人が出て行ったのを見計らって、私は机につっぷする。
先行きが心配ねと、一人ごちるのであった。
デリアにいい、執務室で食べられるようにしてもらう。
なんたって、こんな奇人変人たちを子どもたちに近づけたくない……親として思ってしまった。
いずれは、この領地を治めることになるだろうアンジェラやネイトは関わりをもつだろうが、今はさけておいてもいいのではないだろうかと思ってしまう。
ほら、見て……なんか、おかしい。
まず、クレアは、出てきた料理のひとつひとつ、メモをとり、どこのどの領地のとか書いている。
まぁ、研究の一環なんだろうと目を瞑ることにした。
次に、リアノは何を思ったか、お皿を物色し始める。特に珍しいものではないはずなのにだ……確かに私に出される料理は、全て銀食器で揃えられている。
そういうところを気にしているようだった。お客用のお皿は、陶器で出来ているが、取り分けする前は、全て銀食器からよそう。
最後にアルカは、スープの味をうんたらかんた……もう、何を言っているいるのかわからない。
だって、水の味を事細かに呟いているのだが、えっ?何?よくわからないんですけど!って感じであった。
この食事だけで疲れる。
できれば、今日だけで勘弁してほしい……口には出さないが、懇願したい。
あと七人、こんな人がくるのかと思うと私の胃は穴が開くのではないかと思われた。
「アンナリーゼ様、よろしいですかぁ?」
「えぇ、何かしら?リアノ」
「今着ている服は、ハニーアンバー店の新作ですぅ?」
「そうだよ!これは、試作品なんだけど、どう?」
「えぇ、とても素敵ですぅ!」
美形のお兄さんが手を組んで目をキラキラさせて私の来ている服を眺めている……その異様さにゾッとするが、本当にハニーアンバー店の服が好きなのだとわかった。
もしかしたら、女性の友人たちと同じように服については話があうのかもしれない。
「ありがとう。ハニーアンバー店で売られる服については、私の友人がデザインを描いているのよ!
そんなふうに言ってもらえると嬉しいわ!リアノは、どうして、ハニーアンバー店の服を気に入って
くれたの?」
「それはですね、初めて見たときに、ビビッと来たんですぅ!残念ながら、私はワンピースしか着れない
のですけど、可愛いし綺麗だし斬新だし、女の子の表現したいものが全て入っているのですよぉ!
こんな服は、どこにもないですぅ!今度、デザインしている方にお会いできますかぁ?」
「えぇ、聞いておくわ!こんなにナタリーの作る服を喜んでくれている人っていないと思うの!
是非とも話してみて欲しいわ!」
「デザイナーは、ナタリー様とおっしゃるの?」
「えぇ、そうよ!」
「貴族ですの?」
「えぇ、そうだけど……何かあるの?」
リアノは、ナタリーが貴族だっていうと真面目な顔になった。
何かあるのだろうか?と思い問いかけてみたのだが、まずかっただろうか?
「いえね?貴族のお嬢様がなかなかいい着眼点を持っているなって。アンナリーゼ様のためのドレスを
お店で見たことがあるんですけどぉ、あれは、もう、アンナリーゼ様への愛情が伺えますわね!」
「あっ!わかる?」
「わかりますよぉ!もぅ愛情が溢れかえっていますからねぇ!私、羨ましくて……トワイス国のお店で
飾ってあるのものは、ご存じ?」
「確か、公の戴冠式のときに着ていたドレスを今は飾ってあったと思うけど……」
「そうなのです。あのドレスには、ナタリー様が切ないアンナリーゼ様の愛情をたっぷりと表現されて
いましたわ!」
「そうなんだ……私は全然気づかなかったわ……ちょうど、そのとき、ナタリーとは色々あったから、
そういうことが表現されていたのね。ありがとう!勉強になった!」
いいえと微笑むリアノは、美しい男性であるのだけ、恋する女性のように見えた。
「ハニーアンバー店の洋服はそんなにいいのです?リアノ」
「何を言っているの!クレア。いいってものじゃないわ!最高よ!体にピタッとそうような服なんて
ないもの。適当な服を着ているあなたにはわからないけど……これ以上の服はないわ!一度着てみた
ら、もう他のは着れないわよ!」
「そうなんだ……でも、高いのでしょ?貴族が行くようなお店だって聞いているし」
「確かに公族、王族御用達看板はついているけど、庶民にも変える値段のものもたくさん作ってあるの。
領民にも着てもらいたかったから、そういうものも揃えているわ!」
「それは、どうしてです?貴族に売った方が儲かるんじゃないですか?」
「貴族は1着の単価は高いけど、数で言えば庶民の方が多いのよ。手軽に買える服にしたから、手に取り
やすい価格にしたの。あとは、コーコナ領ってところも私の領地で、そこの特産品が綿花と蚕なの。
安価に手に入れられる布製品のおかげで、着心地のいい下着や服を領民に提供出来ることも私にとって
は嬉しいことなの」
「それは、どうしてです?」
「結局のところ、領地を良くしたい、領民が住みやすいようにしたいっていうのが、めざしているところ
だからかな?あなたたちを呼んだのもそれで。私、頭は良くないの。それなら、出来る人に力を貸して
もらえばいいかなって。
だから、三人とも私に知恵を貸してね!ときには違うことで迷惑かけることもあるけど、この領地に
いる間は、自身の研究だけでなく、他のことにも興味を持って他にも知識を貯えていって欲しいわ!
ヨハンは、この地では医者としても活躍しているから、そういう感じで……何か研究以外でも手伝って
もらえると嬉しい」
ちっと舌打ちが聞こえてきたが無視をする。誰がしたかはわかっているので、我慢だ。
来て初日から喧嘩するわけにもいかないから……
それじゃあ、部屋に案内するわね!楽しく談笑しながら?の夕食が終わったのでデリアに頼み部屋を案内してもらった。
三人が出て行ったのを見計らって、私は机につっぷする。
先行きが心配ねと、一人ごちるのであった。
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