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おもしろいことが大好きだから
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「設計図って、どうやって描くの?」
私はおじいさんに連れてきてもらった設計事務所で、図面描きを見ている。
なんにでも興味があるので、私の頭の中は、いつも忙しい。
そして、それをとどめておけるだけの記憶力の乏しいことが残念だ。
「アンナちゃん、さっき地面に描いたのをここに描いてみて」
おじいさんに言われるがまま、さっきと一緒の絵を描く。
落書きを設計士が真剣な目つきで見てくるので、なんだか恥ずかしい。
「こんな感じかな?」
私は、自分が描いた図を見て頷く。
それを、じっくり見ている設計士。
「あの、説明してもらっても……?」
私の描いた絵は、専門の人が見ればよくわからないものだったらしい。
素人の私たちは、わかって頷いているのに、首を傾けて難しい顔をしていた。
「ここに砂糖を入れた瓶とか容器を入れるつもりなんだけど、ここの穴のところにクッションを
作って固定しようと思うんだけど、どうかな?」
「それなら、いっそ、瓶の形にしてしまったらどうだい?
動かないようにしてしまえば、いいんだろ?
砂糖の瓶をキルトの布袋に入れればクッションにもなるから、割れることも少ないだろう」
なるほど……さすがは、設計士だ。
私の思いつきを形にしてくれた。
くり抜いたようなところにスポンと入れてしまえばいいじゃないかと提案を受ける。
もし、揺れで、瓶が割れてしまうのが心配なら、キルトの服を着せてあげればいいらしい。
その発想はなかったので、おもしろそだ。
「それ、おもしろそうね!くりぬいたりとかって……どうやってするの?」
「瓶や容器の形さえ決まってしまえば。こっちで作ってあげるよ。
アンナちゃん、容器も作らないといけないね。
そっちを先に決めた方がよさそうじゃ」
おじいさんに言われ、容器を先に考える必要が出てきた。
まだ、砂糖の原料となる植物の種すらまだ撒いていないのに……ことが先に進みそうだ。
でも、これは、他にも応用ができる。
たとえば、葡萄酒の運搬とかにもいいだろう。
木枠にキルトの袋に詰めれば、割れる心配がとても減る。
手間にはなるかもしれないが、今は1本でも貴重な葡萄酒を減らさないために、手間なんて言ってられない。
「おじいさん、葡萄酒の入れ物も同じような木枠に入れたいんだけど、それも作ってくれるかな?
砂糖より、先にそっちの方が必要なの!」
「あぁ、任せておいてくれ!」
「じゃあ、キルトの袋は、こっちで作ってくるから、明日か明後日かまたここに来てもいい?」
設計士とおじいさんを同時に見る。
すると頷いてくれたので、私も頷き返す。
よく見ると、目の前の設計士とおじいさんは、なんだか似ているような気がする。
あぁ、ほら、笑った顔とかそっくり……
「おじいさんたち、親子だったりする?」
「えっ?あぁ、そうだけど、よく見抜けたね?
わしら、親子と見抜けた人なぞ、近所のやつらくらいのもんだ」
「そう?笑った顔とかそっくりだと思うけど……違う?」
私は、後ろに控えているウィルやノクト達を見回すと、さぁ?というふうに首をかしげている。
なんでわからないかなぁ?と思うが、そこは言いあっても仕方がないことなので、何も言わずにいよう。
「葡萄酒の瓶なんじゃが、あれは、もうどこで作るとか決まっておるのか?」
「まだ、何も。
今、売ってる『赤い涙』については決まっているけど、他には何も……
どこか、宛があったりするかしら?
今、職人も探しているところだから、紹介してくれると嬉しいわ!
何種類か瓶の形を変えたいと思っているのよ!」
「それは、何故じゃ?」
「私が、おもしろいことが大好きだから。
例えば、変わった形をしてたりしたら、おもしろいから取っておこうとか思ったりしない?
気に入れば、その瓶に入れ直したりして。
中身だけでなく、入れ物にも価値をもたせたいの」
「おもしろいな。
例えばじゃが……瓶にアンバー公爵家の紋を入れるとかかのぅ?」
「そうね!どこの産地から来たかいっぺんにわかるから、それはいいかもしれない」
「あの……家紋ってそんなに易々と使っていいものなんでしょうか?」
インゼロ帝国から来たばかりのイチアには、理解できなかったようだ。
アンバー領地で作られたものなら、家紋を使うことに制限はない。
家紋にアンバーが埋め込まれたものが使えないだけで、紋だけなら使えるようになっている。
そのため、公爵印は、アンバー公爵家の家紋と実は少しだけ違うようになっている。
家紋の蜂が、公爵印は女王蜂となっているのだ。
これは、アンバーの秘宝に閉じ込められている蜂が女王蜂だからなのだろう。
「公爵家の家紋は、アンバー公爵領の人間なら誰でも使えるようになっているわ!
家紋と言っても、公用に使っているものなのよ。
本当の公爵家の家紋は、少し違うから問題ないわ!」
「そうなのですか?」
「うん、これは、アンバー領では周知の事実だから、覚えておいて」
イチアに向かって話したが、ウィルやノクトも知らなかったようで、驚いていた。
隠すことでもないし、この領地ではみなが知っていることなので知ってもらっていた方がいいだろう。
「ちなみに、家紋にアンバーをつけていいのは、公爵家の人間だけだから、合わせて覚えておいて!」
「姫さんも勉強してんだな?それ、俺も知らなかったわ!」
「うーん、これは、嫁いだときに義母から教えてもらったの。
アンバー領での常識、非常識は、覚えておいてって」
「なるほどな、で、姫さんは、いつも持っているわけ?」
「あるわよ!」
私は、脹脛に固定しておいたナイフを取り出す。
「これが私の身分証明」
「アンナちゃん……公爵家の人間かい?」
「そうね。でも、おじいさん、内緒ね!」
そういった私を見て驚いていた。
「アンバー公爵夫人かい?」
それには、答えずにニコッと笑っておく。
それを肯定と取ったのか、恐縮されるが、いやいや待ってほしい。
私は、領地の屋敷にいるとき以外は、領地ではアンナちゃんでいたいのだ。
「おじいさん、私は公爵夫人じゃなくて、アンナちゃんだよ!」
「いや、しかし……」
「外にいるときは、アンナちゃんでいさせてほしいし、孫でいいんです。だから、内緒ね!」
内緒といえど……周知の事実になるだろう。
でも、変わらず接してくれると……嬉しい。
なので、脅しておくことにした。ふふっと笑うとウィルがゲッって顔をしている。
「おじいさん、もし、私を公爵夫人として扱うようなことがあったら……」
「あったら……?」
ごくっと唾を飲み込んでいる親子。
「アンバー領の改革が止まっちゃうかも……ここにはいられないからね。
周知の事実となったとしても、変わらずアンナとして接してくれるなら……
こうやって、領地を自由に回れるし、みんなの声も聞きやすいわ。
それが、改革を進めると思って、黙っていてくれると助かるわ!」
「あぁ、わかった。
アンナちゃんが、領地を楽しそうに歩き回っている姿は、わしらにとって希望なのじゃから、
そんなふうに、アンナちゃんの自由を奪ったりはせぬよ。
アンナちゃん、この領地を頼んだよ!」
おじいさんに手をぎゅっと握られる。
大きな職人の手だ。
期待されている喜びと、重責を胸に私も握り返す。
「私一人ではとてもじゃないけど、改革なんて無理よ。おじいさんも、手伝ってね!」
「ふははは……この老いぼれにも手伝えとな?
老骨鞭を打ってアンナちゃんや若い者のためにもう一肌ぬごうじゃないか!」
ありがとうとお礼を言えば、おじいさんは破顔する。
みんなで、アンバー領をよくして行きたい。
私はただ、旗を振る人間でありたいのだ。
それほど、長くはないうちに去っていくのだから……次代につなげるという意味では、目の前にいるおじいさんと同じ立場なのかもしれないな……私は、私なりの目標に向かって、走り始めたばかりである。
完走したときに、この領地は、素敵な領地になるだろう。
想いを馳せるには、まだまだやることがたくさんありそうだ。
私はおじいさんに連れてきてもらった設計事務所で、図面描きを見ている。
なんにでも興味があるので、私の頭の中は、いつも忙しい。
そして、それをとどめておけるだけの記憶力の乏しいことが残念だ。
「アンナちゃん、さっき地面に描いたのをここに描いてみて」
おじいさんに言われるがまま、さっきと一緒の絵を描く。
落書きを設計士が真剣な目つきで見てくるので、なんだか恥ずかしい。
「こんな感じかな?」
私は、自分が描いた図を見て頷く。
それを、じっくり見ている設計士。
「あの、説明してもらっても……?」
私の描いた絵は、専門の人が見ればよくわからないものだったらしい。
素人の私たちは、わかって頷いているのに、首を傾けて難しい顔をしていた。
「ここに砂糖を入れた瓶とか容器を入れるつもりなんだけど、ここの穴のところにクッションを
作って固定しようと思うんだけど、どうかな?」
「それなら、いっそ、瓶の形にしてしまったらどうだい?
動かないようにしてしまえば、いいんだろ?
砂糖の瓶をキルトの布袋に入れればクッションにもなるから、割れることも少ないだろう」
なるほど……さすがは、設計士だ。
私の思いつきを形にしてくれた。
くり抜いたようなところにスポンと入れてしまえばいいじゃないかと提案を受ける。
もし、揺れで、瓶が割れてしまうのが心配なら、キルトの服を着せてあげればいいらしい。
その発想はなかったので、おもしろそだ。
「それ、おもしろそうね!くりぬいたりとかって……どうやってするの?」
「瓶や容器の形さえ決まってしまえば。こっちで作ってあげるよ。
アンナちゃん、容器も作らないといけないね。
そっちを先に決めた方がよさそうじゃ」
おじいさんに言われ、容器を先に考える必要が出てきた。
まだ、砂糖の原料となる植物の種すらまだ撒いていないのに……ことが先に進みそうだ。
でも、これは、他にも応用ができる。
たとえば、葡萄酒の運搬とかにもいいだろう。
木枠にキルトの袋に詰めれば、割れる心配がとても減る。
手間にはなるかもしれないが、今は1本でも貴重な葡萄酒を減らさないために、手間なんて言ってられない。
「おじいさん、葡萄酒の入れ物も同じような木枠に入れたいんだけど、それも作ってくれるかな?
砂糖より、先にそっちの方が必要なの!」
「あぁ、任せておいてくれ!」
「じゃあ、キルトの袋は、こっちで作ってくるから、明日か明後日かまたここに来てもいい?」
設計士とおじいさんを同時に見る。
すると頷いてくれたので、私も頷き返す。
よく見ると、目の前の設計士とおじいさんは、なんだか似ているような気がする。
あぁ、ほら、笑った顔とかそっくり……
「おじいさんたち、親子だったりする?」
「えっ?あぁ、そうだけど、よく見抜けたね?
わしら、親子と見抜けた人なぞ、近所のやつらくらいのもんだ」
「そう?笑った顔とかそっくりだと思うけど……違う?」
私は、後ろに控えているウィルやノクト達を見回すと、さぁ?というふうに首をかしげている。
なんでわからないかなぁ?と思うが、そこは言いあっても仕方がないことなので、何も言わずにいよう。
「葡萄酒の瓶なんじゃが、あれは、もうどこで作るとか決まっておるのか?」
「まだ、何も。
今、売ってる『赤い涙』については決まっているけど、他には何も……
どこか、宛があったりするかしら?
今、職人も探しているところだから、紹介してくれると嬉しいわ!
何種類か瓶の形を変えたいと思っているのよ!」
「それは、何故じゃ?」
「私が、おもしろいことが大好きだから。
例えば、変わった形をしてたりしたら、おもしろいから取っておこうとか思ったりしない?
気に入れば、その瓶に入れ直したりして。
中身だけでなく、入れ物にも価値をもたせたいの」
「おもしろいな。
例えばじゃが……瓶にアンバー公爵家の紋を入れるとかかのぅ?」
「そうね!どこの産地から来たかいっぺんにわかるから、それはいいかもしれない」
「あの……家紋ってそんなに易々と使っていいものなんでしょうか?」
インゼロ帝国から来たばかりのイチアには、理解できなかったようだ。
アンバー領地で作られたものなら、家紋を使うことに制限はない。
家紋にアンバーが埋め込まれたものが使えないだけで、紋だけなら使えるようになっている。
そのため、公爵印は、アンバー公爵家の家紋と実は少しだけ違うようになっている。
家紋の蜂が、公爵印は女王蜂となっているのだ。
これは、アンバーの秘宝に閉じ込められている蜂が女王蜂だからなのだろう。
「公爵家の家紋は、アンバー公爵領の人間なら誰でも使えるようになっているわ!
家紋と言っても、公用に使っているものなのよ。
本当の公爵家の家紋は、少し違うから問題ないわ!」
「そうなのですか?」
「うん、これは、アンバー領では周知の事実だから、覚えておいて」
イチアに向かって話したが、ウィルやノクトも知らなかったようで、驚いていた。
隠すことでもないし、この領地ではみなが知っていることなので知ってもらっていた方がいいだろう。
「ちなみに、家紋にアンバーをつけていいのは、公爵家の人間だけだから、合わせて覚えておいて!」
「姫さんも勉強してんだな?それ、俺も知らなかったわ!」
「うーん、これは、嫁いだときに義母から教えてもらったの。
アンバー領での常識、非常識は、覚えておいてって」
「なるほどな、で、姫さんは、いつも持っているわけ?」
「あるわよ!」
私は、脹脛に固定しておいたナイフを取り出す。
「これが私の身分証明」
「アンナちゃん……公爵家の人間かい?」
「そうね。でも、おじいさん、内緒ね!」
そういった私を見て驚いていた。
「アンバー公爵夫人かい?」
それには、答えずにニコッと笑っておく。
それを肯定と取ったのか、恐縮されるが、いやいや待ってほしい。
私は、領地の屋敷にいるとき以外は、領地ではアンナちゃんでいたいのだ。
「おじいさん、私は公爵夫人じゃなくて、アンナちゃんだよ!」
「いや、しかし……」
「外にいるときは、アンナちゃんでいさせてほしいし、孫でいいんです。だから、内緒ね!」
内緒といえど……周知の事実になるだろう。
でも、変わらず接してくれると……嬉しい。
なので、脅しておくことにした。ふふっと笑うとウィルがゲッって顔をしている。
「おじいさん、もし、私を公爵夫人として扱うようなことがあったら……」
「あったら……?」
ごくっと唾を飲み込んでいる親子。
「アンバー領の改革が止まっちゃうかも……ここにはいられないからね。
周知の事実となったとしても、変わらずアンナとして接してくれるなら……
こうやって、領地を自由に回れるし、みんなの声も聞きやすいわ。
それが、改革を進めると思って、黙っていてくれると助かるわ!」
「あぁ、わかった。
アンナちゃんが、領地を楽しそうに歩き回っている姿は、わしらにとって希望なのじゃから、
そんなふうに、アンナちゃんの自由を奪ったりはせぬよ。
アンナちゃん、この領地を頼んだよ!」
おじいさんに手をぎゅっと握られる。
大きな職人の手だ。
期待されている喜びと、重責を胸に私も握り返す。
「私一人ではとてもじゃないけど、改革なんて無理よ。おじいさんも、手伝ってね!」
「ふははは……この老いぼれにも手伝えとな?
老骨鞭を打ってアンナちゃんや若い者のためにもう一肌ぬごうじゃないか!」
ありがとうとお礼を言えば、おじいさんは破顔する。
みんなで、アンバー領をよくして行きたい。
私はただ、旗を振る人間でありたいのだ。
それほど、長くはないうちに去っていくのだから……次代につなげるという意味では、目の前にいるおじいさんと同じ立場なのかもしれないな……私は、私なりの目標に向かって、走り始めたばかりである。
完走したときに、この領地は、素敵な領地になるだろう。
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