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青紫の薔薇
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「ウィル、養子の件、ありがとう」
「必要だったんだな。あの二人が、ジョーの未来に」
「そう、必要だったの。私とあなたたちのような関係なのよ。
何かに迷ったとき、くじけそうになったとき、真っ先に手を差し伸べてくれるのは、あの二人なの。
だから、といわけではないのだけど、ジョーもあの二人が好きみたいだから……
この話を受けてくれたウィルには、感謝しかない。ありがとう……」
「いいさ、それで、姫さんとジョーが少しでも幸せなら」
「まさか、ウィルの養子にするとは思いもしませんでしたけどね……
私、アンナリーゼ様の養子にするのかと思っていました」
「さすがに、それは……無理よ。
一応、親の仇になるのですからね……関係上無理なのよ。私が、たぶん遠慮しちゃう」
俯く私に、らしくないですよ!と喝を入れてくれたのは、セバスだった。
いつもは、ウィルかナタリーだったので驚いて見てしまう。
「ほら、いつでも、前を見ていてください。
僕たちは、アンナリーゼ様が見えないところのサポートをするために集まっているのですから!」
「セバス……ありがとう……」
「ありがとうは、なしです。
集まった僕たちは、何かしらでアンナリーゼ様に救われているのですから、おあいこですから」
ふだん、そういうことを言わないセバスからの言葉はあたたかい。
見回すと、ウィルもナタリーもニコライも優しく微笑み頷いてくれた。
「そうだった……渡すものがあるの」
3つの小箱をウィル、セバス、ナタリーの前に置く。
「これは、なんですの?」
ナタリーは小箱を手に取り開く。
中身を見て驚いていた。
アクセサリーが入っていることは明らかなのだが、何が入っているかはわからなかっただろう。
「アンナリーゼ様、これは……紫の薔薇ですか?」
「そう、公が私に二つ名をくれることになったのよ。
それなら、薔薇をくれって言ったんだけど、この国が薔薇だからダメだって……
だから、『青紫の薔薇』になったの。青薔薇の君なんて呼ばれたかったわ!
青紫の~でムラサキの公爵なんだって。
ちなみにジョージア様は、蜂蜜の公爵らしいのよ。知っていて?
なんだか、とってもおいしそうよね!」
「学園では、見事な銀髪をとって、銀髪の君って言われていましたよね?」
「そうそう、お兄様がそう言ってた。
銀髪の君も私と卒業式に2回もおいたしちゃったから、アンナリーゼに毒されたって言われていた
らしいわね!
私は、毒してないけどね!ジョージア様って元々ああいうことが好きなのよね。
ただ、公爵って言う看板と、公世子っていう悪い見本がいるから大人しくしてるだけだと思うのよ」
意外なジョージアの内面を知ったと四人がこちらを見ている。
「で、初めて送ったアメジストが、結構な歳月を共に過ごしてくれていたと思うから、新しいのを
渡そうと思って」
「それで、紫の薔薇?」
「そう、紫の薔薇。いいでしょ?紫の薔薇にしたのは、私があなたたちを信用している証」
「たしか、デリアも紫の薔薇のピアスをしていましたわね!」
「えぇ、私を語るには、まずデリアを語らないといけない程、私の一部ですから!
今まで言ってなかったけど……私がアンバー公爵家へ送った間者なのよね」
「はぁ?」
「えっ?なんて?」
ウィルは驚き、セバスは目を丸くし、ナタリーは首を振り、ニコライは言葉すら出てこなかった。
「ジョージア様には秘密ね。私と本人しか知らないの。
もしかしたら、ディルは薄々気付いているかもしれないけど……言ってないわ」
「どこで出会ったの?あんな優秀な侍女と」
「学園」
「学園?学園のどこ?」
「私付の侍女だったの」
「アンナリーゼ様って、学園の頃、侍女いなかったですよね?」
「そうね、殿下がクビにしちゃったからね」
「そのクビになった侍女が、なんで今の侍女?」
私は、デリアを自分の侍女にした経緯を話していく。
トワイス国の中でまことしやかに噂されていたある伯爵家の没落の話は、やっぱり裏から糸を引いていたのかと呆れられつつも、その試験にも合格し、アンバー公爵家の侍女にまで成り上がったデリアに感嘆の声が上がる。
「話し戻すけど……私の信頼度!だからね。紫の薔薇!
アメジストの薔薇!押し売りだけど……もちろん受け取ってくれるよね?」
「あぁ、そりゃもらうけど、結構しない?この薔薇」
「それ、ティアが作ってくれたものだから、そこは身内値引きしてもらったの!ねっ?ニコライ」
「はい、すごい値切られてしまいました……
ティアは、金勘定はあまり得意ではないので、原価と加工手間賃を上乗せしたくらいの額で今回は
売らせていただいてます。
まぁ、アンナリーゼ様がひっきりなしにいろいろと手を回してくれているおかげで、ティアの技術も
向上していますし、何より商売としてかなり貢献していただいておりますので、こちらとしても
精一杯のご奉仕だと思ってます」
「ごめんね、原価を知ってるから、叩いちゃって」
「大丈夫ですよ!今度の商売で取り戻しますから!
それに、アンバー領というお店をこれからさせていただくのです。
私としましては、アメジストくらいでつべこべ言うつもりはございません!」
十分言ったと思うのだけど……まぁ、ティアのことを考えてもっと値を吊り上げるべきだと言ったのだろう。
なんて、妻想いのいい旦那さんと片付けておく。
ティアも私のお抱え職人でもあるので、ちゃんと他で還元するよと呟いておく。
すると、ニコライにお願いしますと言われてしまった。
ニコライは、どっかの誰かと違って奥さん想いのいい旦那さんだなぁ……なんて羨ましいのだろうと横目で見てしまった。
「それで、俺は紫薔薇のピアスか。前もピアスだったな。何か理由があるの?」
「ウィルは、近衛だからね。ネックレスや指輪だと邪魔だと思って。
ピアスなら、自分からは見えないけど、ついているのはわかるでしょ?」
「あぁ、確かに。セバスは……ペントップ?」
「そうですね。この前はネックレスでしたが……そこにつければいいですかね?」
「セバスが1番悩んだ……それね、細工がしてあってね?カフスになるのよ」
「あっ!ホントだ。なんで、2個あるのかわからなかったけど……なるほど」
「そういえば、俺も2つあるな。両耳ってこと?」
「ウィルのも今回は2つにしたよ。片耳だけつけて、もうひとつは、誰か大切な人ができたときに
渡してもいいし……」
「あぁ、それは、たぶんない。
姫さんの信頼は、俺だけのものだから、例えそういう相手ができたとしてもあげるつもりはない。
大事にするよ」
ふぅーんと私はウィルを見る。
あげるつもりはないか……なんだか、自分のものだと言われているようで、少し気恥ずかしい。
でも、悪い気は全くしなかった。
むしろ、その紫薔薇を付けてくれるということは、ウィルが私のものだと内外に見せているようなものなのだから……こりゃ、嫁に来てくれる人がいるのか心配になる。
そうなると……セバスもだが……この男性陣よりもっと心配な令嬢が目の前にいるのだから、まずそちらに目を向ける。
あぁ、やっぱり……恍惚としながら左薬指にぴったりとおさまった紫薔薇の指輪を見ている。
うっとりしすぎて、溶けてしまうのではないかと、心配になった。
「ナタリー?ナタリーさん?」
「え、あ……は……はい!アンナリーゼ様」
「あの、やっぱり、左の薬指にその指輪をはめるのかしら?」
何を今更、当たり前のことを聞くのです?と目が訴えている。
なので、それ以上は言えないのでそっとしておく。
「アンナリーゼ様、この薔薇は素晴らしいですね。一体どうなっているののですか?
薔薇が5つ並んでいるのですけど、引っかかりもないハーフエタニティになっています。
なんですか?この指輪!ステキすぎます!!」
「それね、ティアが考案した最新の技術で出来ているのよ。
私もよくわからないから、聞かないでほしいのだけど、薔薇に見えたならよかったわ!
ニコライ、この技術、とても素晴らしいわ!」
「それは、よかったです。ティアは、みなさんの宝飾品を作るのにかなり苦労していましたからね。
中から薔薇に見えるように掘り出しているのですよ」
なるほど……かなり繊細な作業だ。
これは、ティアじゃないとできないな……と、私は考えて新しく宝飾を扱うことを考えた。
「ニコライ……」
「みなまで言わずともわかっています。
ただし、技術を育てるのに時間がかかるのと、手間があるのでそれほど多くはできませんので……」
「わかったわ!それでも、全面的に押していきましょう!
ティアが作る宝飾品は、結構な高値で取引されているの、知っているわよ!
私のお抱え職人にしたいから、許可をとってきて!」
「許可はいらないんじゃないですかね……?
うちの妻は、出会った時点から、アンナリーゼ様にものすごく傾倒してますから。
常に、アンナリーゼ様にこれを、アンナリーゼ様がこれを付けたら……ですからね。
少しくらい私のことも口に出してくれてもいいと思うんですけどね!」
私は、ニコライに苦笑いをしつつ、今度会ったらニコライももっと褒めてあげるように言っておこうと心のメモに書いておく。
ニコライは、商売のことが9割くらいを占めているが、ティアを想わない日はないだろう。
学園に入学して以来ずっと好きだったはずだ。
私に近づいたのも、きっと、ティアと話ができるようになるための口実だったのではないかと今では思っている。
大切な友人を大事にしてくれる友人に感謝をしつつ、みなが新しい紫薔薇を付けてくれたのを嬉しく、微笑んだのだった。
「必要だったんだな。あの二人が、ジョーの未来に」
「そう、必要だったの。私とあなたたちのような関係なのよ。
何かに迷ったとき、くじけそうになったとき、真っ先に手を差し伸べてくれるのは、あの二人なの。
だから、といわけではないのだけど、ジョーもあの二人が好きみたいだから……
この話を受けてくれたウィルには、感謝しかない。ありがとう……」
「いいさ、それで、姫さんとジョーが少しでも幸せなら」
「まさか、ウィルの養子にするとは思いもしませんでしたけどね……
私、アンナリーゼ様の養子にするのかと思っていました」
「さすがに、それは……無理よ。
一応、親の仇になるのですからね……関係上無理なのよ。私が、たぶん遠慮しちゃう」
俯く私に、らしくないですよ!と喝を入れてくれたのは、セバスだった。
いつもは、ウィルかナタリーだったので驚いて見てしまう。
「ほら、いつでも、前を見ていてください。
僕たちは、アンナリーゼ様が見えないところのサポートをするために集まっているのですから!」
「セバス……ありがとう……」
「ありがとうは、なしです。
集まった僕たちは、何かしらでアンナリーゼ様に救われているのですから、おあいこですから」
ふだん、そういうことを言わないセバスからの言葉はあたたかい。
見回すと、ウィルもナタリーもニコライも優しく微笑み頷いてくれた。
「そうだった……渡すものがあるの」
3つの小箱をウィル、セバス、ナタリーの前に置く。
「これは、なんですの?」
ナタリーは小箱を手に取り開く。
中身を見て驚いていた。
アクセサリーが入っていることは明らかなのだが、何が入っているかはわからなかっただろう。
「アンナリーゼ様、これは……紫の薔薇ですか?」
「そう、公が私に二つ名をくれることになったのよ。
それなら、薔薇をくれって言ったんだけど、この国が薔薇だからダメだって……
だから、『青紫の薔薇』になったの。青薔薇の君なんて呼ばれたかったわ!
青紫の~でムラサキの公爵なんだって。
ちなみにジョージア様は、蜂蜜の公爵らしいのよ。知っていて?
なんだか、とってもおいしそうよね!」
「学園では、見事な銀髪をとって、銀髪の君って言われていましたよね?」
「そうそう、お兄様がそう言ってた。
銀髪の君も私と卒業式に2回もおいたしちゃったから、アンナリーゼに毒されたって言われていた
らしいわね!
私は、毒してないけどね!ジョージア様って元々ああいうことが好きなのよね。
ただ、公爵って言う看板と、公世子っていう悪い見本がいるから大人しくしてるだけだと思うのよ」
意外なジョージアの内面を知ったと四人がこちらを見ている。
「で、初めて送ったアメジストが、結構な歳月を共に過ごしてくれていたと思うから、新しいのを
渡そうと思って」
「それで、紫の薔薇?」
「そう、紫の薔薇。いいでしょ?紫の薔薇にしたのは、私があなたたちを信用している証」
「たしか、デリアも紫の薔薇のピアスをしていましたわね!」
「えぇ、私を語るには、まずデリアを語らないといけない程、私の一部ですから!
今まで言ってなかったけど……私がアンバー公爵家へ送った間者なのよね」
「はぁ?」
「えっ?なんて?」
ウィルは驚き、セバスは目を丸くし、ナタリーは首を振り、ニコライは言葉すら出てこなかった。
「ジョージア様には秘密ね。私と本人しか知らないの。
もしかしたら、ディルは薄々気付いているかもしれないけど……言ってないわ」
「どこで出会ったの?あんな優秀な侍女と」
「学園」
「学園?学園のどこ?」
「私付の侍女だったの」
「アンナリーゼ様って、学園の頃、侍女いなかったですよね?」
「そうね、殿下がクビにしちゃったからね」
「そのクビになった侍女が、なんで今の侍女?」
私は、デリアを自分の侍女にした経緯を話していく。
トワイス国の中でまことしやかに噂されていたある伯爵家の没落の話は、やっぱり裏から糸を引いていたのかと呆れられつつも、その試験にも合格し、アンバー公爵家の侍女にまで成り上がったデリアに感嘆の声が上がる。
「話し戻すけど……私の信頼度!だからね。紫の薔薇!
アメジストの薔薇!押し売りだけど……もちろん受け取ってくれるよね?」
「あぁ、そりゃもらうけど、結構しない?この薔薇」
「それ、ティアが作ってくれたものだから、そこは身内値引きしてもらったの!ねっ?ニコライ」
「はい、すごい値切られてしまいました……
ティアは、金勘定はあまり得意ではないので、原価と加工手間賃を上乗せしたくらいの額で今回は
売らせていただいてます。
まぁ、アンナリーゼ様がひっきりなしにいろいろと手を回してくれているおかげで、ティアの技術も
向上していますし、何より商売としてかなり貢献していただいておりますので、こちらとしても
精一杯のご奉仕だと思ってます」
「ごめんね、原価を知ってるから、叩いちゃって」
「大丈夫ですよ!今度の商売で取り戻しますから!
それに、アンバー領というお店をこれからさせていただくのです。
私としましては、アメジストくらいでつべこべ言うつもりはございません!」
十分言ったと思うのだけど……まぁ、ティアのことを考えてもっと値を吊り上げるべきだと言ったのだろう。
なんて、妻想いのいい旦那さんと片付けておく。
ティアも私のお抱え職人でもあるので、ちゃんと他で還元するよと呟いておく。
すると、ニコライにお願いしますと言われてしまった。
ニコライは、どっかの誰かと違って奥さん想いのいい旦那さんだなぁ……なんて羨ましいのだろうと横目で見てしまった。
「それで、俺は紫薔薇のピアスか。前もピアスだったな。何か理由があるの?」
「ウィルは、近衛だからね。ネックレスや指輪だと邪魔だと思って。
ピアスなら、自分からは見えないけど、ついているのはわかるでしょ?」
「あぁ、確かに。セバスは……ペントップ?」
「そうですね。この前はネックレスでしたが……そこにつければいいですかね?」
「セバスが1番悩んだ……それね、細工がしてあってね?カフスになるのよ」
「あっ!ホントだ。なんで、2個あるのかわからなかったけど……なるほど」
「そういえば、俺も2つあるな。両耳ってこと?」
「ウィルのも今回は2つにしたよ。片耳だけつけて、もうひとつは、誰か大切な人ができたときに
渡してもいいし……」
「あぁ、それは、たぶんない。
姫さんの信頼は、俺だけのものだから、例えそういう相手ができたとしてもあげるつもりはない。
大事にするよ」
ふぅーんと私はウィルを見る。
あげるつもりはないか……なんだか、自分のものだと言われているようで、少し気恥ずかしい。
でも、悪い気は全くしなかった。
むしろ、その紫薔薇を付けてくれるということは、ウィルが私のものだと内外に見せているようなものなのだから……こりゃ、嫁に来てくれる人がいるのか心配になる。
そうなると……セバスもだが……この男性陣よりもっと心配な令嬢が目の前にいるのだから、まずそちらに目を向ける。
あぁ、やっぱり……恍惚としながら左薬指にぴったりとおさまった紫薔薇の指輪を見ている。
うっとりしすぎて、溶けてしまうのではないかと、心配になった。
「ナタリー?ナタリーさん?」
「え、あ……は……はい!アンナリーゼ様」
「あの、やっぱり、左の薬指にその指輪をはめるのかしら?」
何を今更、当たり前のことを聞くのです?と目が訴えている。
なので、それ以上は言えないのでそっとしておく。
「アンナリーゼ様、この薔薇は素晴らしいですね。一体どうなっているののですか?
薔薇が5つ並んでいるのですけど、引っかかりもないハーフエタニティになっています。
なんですか?この指輪!ステキすぎます!!」
「それね、ティアが考案した最新の技術で出来ているのよ。
私もよくわからないから、聞かないでほしいのだけど、薔薇に見えたならよかったわ!
ニコライ、この技術、とても素晴らしいわ!」
「それは、よかったです。ティアは、みなさんの宝飾品を作るのにかなり苦労していましたからね。
中から薔薇に見えるように掘り出しているのですよ」
なるほど……かなり繊細な作業だ。
これは、ティアじゃないとできないな……と、私は考えて新しく宝飾を扱うことを考えた。
「ニコライ……」
「みなまで言わずともわかっています。
ただし、技術を育てるのに時間がかかるのと、手間があるのでそれほど多くはできませんので……」
「わかったわ!それでも、全面的に押していきましょう!
ティアが作る宝飾品は、結構な高値で取引されているの、知っているわよ!
私のお抱え職人にしたいから、許可をとってきて!」
「許可はいらないんじゃないですかね……?
うちの妻は、出会った時点から、アンナリーゼ様にものすごく傾倒してますから。
常に、アンナリーゼ様にこれを、アンナリーゼ様がこれを付けたら……ですからね。
少しくらい私のことも口に出してくれてもいいと思うんですけどね!」
私は、ニコライに苦笑いをしつつ、今度会ったらニコライももっと褒めてあげるように言っておこうと心のメモに書いておく。
ニコライは、商売のことが9割くらいを占めているが、ティアを想わない日はないだろう。
学園に入学して以来ずっと好きだったはずだ。
私に近づいたのも、きっと、ティアと話ができるようになるための口実だったのではないかと今では思っている。
大切な友人を大事にしてくれる友人に感謝をしつつ、みなが新しい紫薔薇を付けてくれたのを嬉しく、微笑んだのだった。
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