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小さな訪問者たち
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「こーんにーちはー!!こーんにーちはー!!誰かいませんか?」
玄関で大きな声を出している男の子がいた。
誰か訪ねてきたのだろうか?と、私は階段からこっそり覗いて見た。
「はいはい、こんにちは。
これはこれは、可愛らしいお客様ですね?
どなたをお探しですか?」
執事のディルが出てきて対応していると、明らかに男の子は怯んだが、その後ろに女の子が腕にしがみついていたらしく、居住まいを正して挨拶をする。
先日、街で出会った子どもたちだ。
「こんにちは、初めまして!
私は、男爵家次男のレオノーラ・ダドリー、こっちが妹のミレディアと申します。
こちらのお屋敷にアンナ様がいらっしゃると聞いたので、お友達になりたいと
思い馳せ参じました!」
ぷくくく……覚えたての言葉を辿々しく述べるレオノーラと紹介に際して後ろからほんの少し前に出されたミレディアが、恐る恐るディルを見ている。
こちらからはディルの顔は見えないが、ダドリーと名乗ったため緊張が走ったのだろう。
ディルの顔を見て2人の顔が、緊張からほんのり赤かったのに今では青くなっていく。
今にもミレディアはガタガタと震えていて倒れそうだ。
「ダドリー男爵様のお子様たちでしたか。これは失礼しました。
それでしたら、こちらではございませんよ?
アンナ様は、こちらの奥様ですし……」
一部始終見ていた私は、レオに対するディルの返事を聞きつつ、可哀想なミアを見兼ねてディルに声をかけた。
「ディル、お客様かしら?」
はっとして、こちらに向きを変えたディルはいつもと同じ笑顔であったが、目が少し怖い。
「アンナリーゼ様……いえ、こちらのお客様では……」
ディルは、そう言って言葉を誤魔化した。
「ふふ、私のかわいいお客様よ!
ディル、応接室に通して頂戴。私も2人とお話したいわ!」
私の姿を見つけた2人は少しホッとしたように、また、ほんのり顔を染めてこちらを見ていた。
「アンナリーゼ様、畏まりました。
応接室に案内いたしますので、どうぞこちらに……」
渋っていたように見えたディルは、私の願いを伝えると即座に対応してくれ、応接室を整えるようメイドに指示を出す。
応接室に向かう廊下では、ディルに続き私、その後ろにダドリー男爵家兄妹が続く。
そっと速度を早めディルに近づき、他には聞こえない程度の声で謝ることにする。
「我儘を言っちゃったわね!ごめんなさい」
無言でしばらくディルは歩いていたが、ゆっくりと口を開く。
「……アンナリーゼ様、それは良いのです。
お客様を迎え入れたいというだけですから。
ですが、ダドリー男爵家のものは、本来、この公爵家本宅には入れてはいけない
存在ではないのですか?」
「えぇ、そうね。でも、あの子たちは、特別なの」
ディルに向かってニッコリ笑うと、仕方なさげにため息をつかれる。
まぁ、相手が私だから……仕方がないのだと、割り切ったようだ。
「どうぞ、お入りください。お茶の用意をしてきますので、しばしご歓談ください」
そう言っていったんディルは下がる。
それと同時に、侍女のエマがお茶を用意して入ってくる。
「レオ、ミア、ようこそ我が家へ。どうぞ座って」
席を勧めると、思い思いのところに座る。
エマがお茶をそれぞれの前に置き、真ん中にクッキーを置く。
私は、カップに手を伸ばし一口のみ、ほっと息を吐く。
デリアの教育のたまものか、エマの入れる紅茶は、最高に香り高くおいしくなった。
そして、クッキーを1つつまんで、口に運ぶ。
ふんわりした甘みが口に広がっていく。
その様子を二人の客に見せ、どうぞと勧める。
一応、お客様に出すものは、迎え入れた方が毒見をする習慣があるのだ。
私の様子を見ていた二人は、見惚けていた。
ほうとため息が二人から漏れ、同時に驚いていた。
「どうしたの?二人とも。ため息をなんてついて」
私は、二人に見つめられ、恥ずかしくなり尋ねる。
「……いえ。とても綺麗でしたから、つい見とれていました」
ミアにそう言われて私は驚いた。
私に見とれていた?よくわからない。
これくらいの子どもとお茶を飲んだことがなかったので、お世辞でも褒められて嬉しく思う。
「ミア、お茶を頂こう。とてもいい香りがするよ」
そうすると、カップに手をかけ、レオは一口飲む。
猫舌なのか、一口といえど熱いお茶をほんの少し口に運び、口の中で冷ましているようだ。
その様子が可愛らしい。
「アンナ様、この紅茶はどこの茶葉ですか?とってもおいしいです」
4歳だと言っていたレオは、意外と社交上手なのだろう。
大人顔負けで、あっけにとられる。
これは、エリーゼの教育のたまものだろうか?
私が、4歳の頃と言えば、お兄様をあっちやこっちに引き釣り回してしたなと懐かしく思い出してしまった。
「この茶葉は、公爵領で育て加工したものよ!口にあってよかった」
ニッコリ笑うと二人はまた、顔を赤く染める。
「お父様とお母様は元気に過ごしている?」
「はい、父上は元気にされています……多分。
お母様も元気ですけど……たまに、元気をなくします」
レオはその言葉を発し拳をきつく結んでいた。
私は、それを見逃さなかった。
レオの前に屈みこんで、きつく結ばれた手をそっと包み込みゆっくり開く。
「ごめんなさいね。ぶっしつけなことを聞いてしまったわ……
今のは、私が悪かった。
レオ、ここに剣だこがあるわね!あっ!そうだわ!」
私は開いたレオの手をそっと撫でるように触ると、俯いていたはずのレオは、私の目を見つめ返事をしてくれる。
「この前アンナ様と出会ったときから習い始めました。
まだ、それほど上手ではないのですが、毎日剣の鍛錬は欠かさないようにしています」
そうと微笑むとレオははにかんでいる。
「レオ、もしよかったら師事している先生を紹介してもらえるかしら?」
師匠に聞いてみますとにこにこと返事を返すレオの頭を私はくしゃっと撫でる。
「ミアは、どんな趣味があるのかしら?」
剣の師事の話でおいてけぼりにされていたミアに私は声をかける。
もちろん、この二人に興味があるので、尋ねたのだ。
「……私は、絵本が好き。
お部屋にたくさん本があるの、少しずつ読んでいるよ」
私の質問にミアは、おどおどとしながら答える。
3歳の子どもって……こんななの?
しっかりしているわね……自分を思い起こすと頭が痛くなりそうなのでミアに微笑む。
「ミアはどんなお話が好きかしら?
冒険のお話とかお友達のお話とかありますけど、好みはどんなもの?
私も絵本が好きでたくさんよんでいるのよ!
って、いうか、ジョーに読み聞かせているのが正解ね!」
「私は、お友達の話が好き。
胸がどきどきしてするの!」
さっきまで、おどおどしていたのが不思議なくらい、はきはきと話を始めたミア。
その熱量は、すごくいきいきとしている。
「是非、ミアのお勧めの本を貸していただきたいわ!
私のお勧めの本も貸すわね!」
嬉しそうに手を胸の前で組んで目を輝かせているミアは、女の子らしくてとても可愛らしい。
「私も、アンナ様の本を読みたい!」
「わかったわ。
では、あとで私の部屋に取りにいきましょう!」
ミアを誘ったら、隣から僕もなにか……と言いたそうなレオがこちらを見ている。
「レオも一緒に選んで!」
「はい!あの……アンナ様?もし、よかったら……」
先日の訓練所での出来事で、レオは私に興味があるようで尋ねてくる。
わかったと返事をして、エマに練習剣を用意してもらい、4人で外に出ることにする。
「やぁ!!」
レオが切り込んでくるが、私はそれを軽くいなして剣を叩き落とすと、落とした剣を拾ってまたレオ構える。
「もう一回!」
また、レオは、切り込んでくる。
私は、つばぜり合いに持ち込み力と力をぶつける。
さすが、男の子だ。
小さいと言えど、それなりの力で押し返してくる。
つばぜり合いをしているため、軽く一度押してレオを離す。
そのあとは、向かってくるレオの剣の根元から剣先で上に切り上げた。
見事にレオの剣は、宙に舞いそのまま地面にカラン……と落ちる。
わかったことがある。私、指導するのは……うまくないなということだ。
「はぁはぁ……もう駄目。
めっちゃ強い!!アンナ様は、強すぎる!!」
ペタンと地面に座り込んでしまうレオを引っ張り上げて、微笑む。
「レオは、まだまだこれから強くなるよ。
もっと頭を使って、攻め方を考えればいいし、練習すれば、もっと反応もできるように
なるだろうし、いい剣士になれる!」
エマが、私とレオにタオルを渡してくれる。
「そうかな……なんか、自信なくしそう……」
顔をくしゃくしゃと拭きながら声になってない声をタオルで口元を押さえながらぶつぶつと呟いている。
「大丈夫よ!
時間があるときは、ここに来なさい。
たくさん、練習しましょう。
剣技だけでなく色々な格闘技とかもあるから、そういったものも覚えるといいわ!」
レオは、ちょっと驚いている。
「わかりました。時間ができたら、練習させてください。
近衛に入りたくて、誰よりも強くなりたいので!」
「お兄様、ずるい!
私も一緒!。お勧めの本も持くるよ!」
二人にそんな風に慕われ、なんだかくすぐったい。
「二人とも、おいで。
レオには剣の練習、ミアには本。それぞれ勉強して発表会だね!」
三人は、それぞれ思いを胸に頷いたのである。
この二人、ジョーにとって、いい遊び相手になりそうだと私は微笑むのであった。
玄関で大きな声を出している男の子がいた。
誰か訪ねてきたのだろうか?と、私は階段からこっそり覗いて見た。
「はいはい、こんにちは。
これはこれは、可愛らしいお客様ですね?
どなたをお探しですか?」
執事のディルが出てきて対応していると、明らかに男の子は怯んだが、その後ろに女の子が腕にしがみついていたらしく、居住まいを正して挨拶をする。
先日、街で出会った子どもたちだ。
「こんにちは、初めまして!
私は、男爵家次男のレオノーラ・ダドリー、こっちが妹のミレディアと申します。
こちらのお屋敷にアンナ様がいらっしゃると聞いたので、お友達になりたいと
思い馳せ参じました!」
ぷくくく……覚えたての言葉を辿々しく述べるレオノーラと紹介に際して後ろからほんの少し前に出されたミレディアが、恐る恐るディルを見ている。
こちらからはディルの顔は見えないが、ダドリーと名乗ったため緊張が走ったのだろう。
ディルの顔を見て2人の顔が、緊張からほんのり赤かったのに今では青くなっていく。
今にもミレディアはガタガタと震えていて倒れそうだ。
「ダドリー男爵様のお子様たちでしたか。これは失礼しました。
それでしたら、こちらではございませんよ?
アンナ様は、こちらの奥様ですし……」
一部始終見ていた私は、レオに対するディルの返事を聞きつつ、可哀想なミアを見兼ねてディルに声をかけた。
「ディル、お客様かしら?」
はっとして、こちらに向きを変えたディルはいつもと同じ笑顔であったが、目が少し怖い。
「アンナリーゼ様……いえ、こちらのお客様では……」
ディルは、そう言って言葉を誤魔化した。
「ふふ、私のかわいいお客様よ!
ディル、応接室に通して頂戴。私も2人とお話したいわ!」
私の姿を見つけた2人は少しホッとしたように、また、ほんのり顔を染めてこちらを見ていた。
「アンナリーゼ様、畏まりました。
応接室に案内いたしますので、どうぞこちらに……」
渋っていたように見えたディルは、私の願いを伝えると即座に対応してくれ、応接室を整えるようメイドに指示を出す。
応接室に向かう廊下では、ディルに続き私、その後ろにダドリー男爵家兄妹が続く。
そっと速度を早めディルに近づき、他には聞こえない程度の声で謝ることにする。
「我儘を言っちゃったわね!ごめんなさい」
無言でしばらくディルは歩いていたが、ゆっくりと口を開く。
「……アンナリーゼ様、それは良いのです。
お客様を迎え入れたいというだけですから。
ですが、ダドリー男爵家のものは、本来、この公爵家本宅には入れてはいけない
存在ではないのですか?」
「えぇ、そうね。でも、あの子たちは、特別なの」
ディルに向かってニッコリ笑うと、仕方なさげにため息をつかれる。
まぁ、相手が私だから……仕方がないのだと、割り切ったようだ。
「どうぞ、お入りください。お茶の用意をしてきますので、しばしご歓談ください」
そう言っていったんディルは下がる。
それと同時に、侍女のエマがお茶を用意して入ってくる。
「レオ、ミア、ようこそ我が家へ。どうぞ座って」
席を勧めると、思い思いのところに座る。
エマがお茶をそれぞれの前に置き、真ん中にクッキーを置く。
私は、カップに手を伸ばし一口のみ、ほっと息を吐く。
デリアの教育のたまものか、エマの入れる紅茶は、最高に香り高くおいしくなった。
そして、クッキーを1つつまんで、口に運ぶ。
ふんわりした甘みが口に広がっていく。
その様子を二人の客に見せ、どうぞと勧める。
一応、お客様に出すものは、迎え入れた方が毒見をする習慣があるのだ。
私の様子を見ていた二人は、見惚けていた。
ほうとため息が二人から漏れ、同時に驚いていた。
「どうしたの?二人とも。ため息をなんてついて」
私は、二人に見つめられ、恥ずかしくなり尋ねる。
「……いえ。とても綺麗でしたから、つい見とれていました」
ミアにそう言われて私は驚いた。
私に見とれていた?よくわからない。
これくらいの子どもとお茶を飲んだことがなかったので、お世辞でも褒められて嬉しく思う。
「ミア、お茶を頂こう。とてもいい香りがするよ」
そうすると、カップに手をかけ、レオは一口飲む。
猫舌なのか、一口といえど熱いお茶をほんの少し口に運び、口の中で冷ましているようだ。
その様子が可愛らしい。
「アンナ様、この紅茶はどこの茶葉ですか?とってもおいしいです」
4歳だと言っていたレオは、意外と社交上手なのだろう。
大人顔負けで、あっけにとられる。
これは、エリーゼの教育のたまものだろうか?
私が、4歳の頃と言えば、お兄様をあっちやこっちに引き釣り回してしたなと懐かしく思い出してしまった。
「この茶葉は、公爵領で育て加工したものよ!口にあってよかった」
ニッコリ笑うと二人はまた、顔を赤く染める。
「お父様とお母様は元気に過ごしている?」
「はい、父上は元気にされています……多分。
お母様も元気ですけど……たまに、元気をなくします」
レオはその言葉を発し拳をきつく結んでいた。
私は、それを見逃さなかった。
レオの前に屈みこんで、きつく結ばれた手をそっと包み込みゆっくり開く。
「ごめんなさいね。ぶっしつけなことを聞いてしまったわ……
今のは、私が悪かった。
レオ、ここに剣だこがあるわね!あっ!そうだわ!」
私は開いたレオの手をそっと撫でるように触ると、俯いていたはずのレオは、私の目を見つめ返事をしてくれる。
「この前アンナ様と出会ったときから習い始めました。
まだ、それほど上手ではないのですが、毎日剣の鍛錬は欠かさないようにしています」
そうと微笑むとレオははにかんでいる。
「レオ、もしよかったら師事している先生を紹介してもらえるかしら?」
師匠に聞いてみますとにこにこと返事を返すレオの頭を私はくしゃっと撫でる。
「ミアは、どんな趣味があるのかしら?」
剣の師事の話でおいてけぼりにされていたミアに私は声をかける。
もちろん、この二人に興味があるので、尋ねたのだ。
「……私は、絵本が好き。
お部屋にたくさん本があるの、少しずつ読んでいるよ」
私の質問にミアは、おどおどとしながら答える。
3歳の子どもって……こんななの?
しっかりしているわね……自分を思い起こすと頭が痛くなりそうなのでミアに微笑む。
「ミアはどんなお話が好きかしら?
冒険のお話とかお友達のお話とかありますけど、好みはどんなもの?
私も絵本が好きでたくさんよんでいるのよ!
って、いうか、ジョーに読み聞かせているのが正解ね!」
「私は、お友達の話が好き。
胸がどきどきしてするの!」
さっきまで、おどおどしていたのが不思議なくらい、はきはきと話を始めたミア。
その熱量は、すごくいきいきとしている。
「是非、ミアのお勧めの本を貸していただきたいわ!
私のお勧めの本も貸すわね!」
嬉しそうに手を胸の前で組んで目を輝かせているミアは、女の子らしくてとても可愛らしい。
「私も、アンナ様の本を読みたい!」
「わかったわ。
では、あとで私の部屋に取りにいきましょう!」
ミアを誘ったら、隣から僕もなにか……と言いたそうなレオがこちらを見ている。
「レオも一緒に選んで!」
「はい!あの……アンナ様?もし、よかったら……」
先日の訓練所での出来事で、レオは私に興味があるようで尋ねてくる。
わかったと返事をして、エマに練習剣を用意してもらい、4人で外に出ることにする。
「やぁ!!」
レオが切り込んでくるが、私はそれを軽くいなして剣を叩き落とすと、落とした剣を拾ってまたレオ構える。
「もう一回!」
また、レオは、切り込んでくる。
私は、つばぜり合いに持ち込み力と力をぶつける。
さすが、男の子だ。
小さいと言えど、それなりの力で押し返してくる。
つばぜり合いをしているため、軽く一度押してレオを離す。
そのあとは、向かってくるレオの剣の根元から剣先で上に切り上げた。
見事にレオの剣は、宙に舞いそのまま地面にカラン……と落ちる。
わかったことがある。私、指導するのは……うまくないなということだ。
「はぁはぁ……もう駄目。
めっちゃ強い!!アンナ様は、強すぎる!!」
ペタンと地面に座り込んでしまうレオを引っ張り上げて、微笑む。
「レオは、まだまだこれから強くなるよ。
もっと頭を使って、攻め方を考えればいいし、練習すれば、もっと反応もできるように
なるだろうし、いい剣士になれる!」
エマが、私とレオにタオルを渡してくれる。
「そうかな……なんか、自信なくしそう……」
顔をくしゃくしゃと拭きながら声になってない声をタオルで口元を押さえながらぶつぶつと呟いている。
「大丈夫よ!
時間があるときは、ここに来なさい。
たくさん、練習しましょう。
剣技だけでなく色々な格闘技とかもあるから、そういったものも覚えるといいわ!」
レオは、ちょっと驚いている。
「わかりました。時間ができたら、練習させてください。
近衛に入りたくて、誰よりも強くなりたいので!」
「お兄様、ずるい!
私も一緒!。お勧めの本も持くるよ!」
二人にそんな風に慕われ、なんだかくすぐったい。
「二人とも、おいで。
レオには剣の練習、ミアには本。それぞれ勉強して発表会だね!」
三人は、それぞれ思いを胸に頷いたのである。
この二人、ジョーにとって、いい遊び相手になりそうだと私は微笑むのであった。
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