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夜会の目的
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公世子とのダンスをしているとき、目当ての人物を発見した。
相変わらず、モテるようで、女性が集まる場所を探していたのだ。
「俺とのダンス中に余裕だな?」
私が、周りを見ながら踊っていることが、公世子にバレた。
公世子は、自分に視線が向いてないのがわかるそうだ。
私の視線の先を見るためにクルっと場所を変えられる。
「目的は、バニッシュか……
アンナリーゼは、一体何を考えているのだ?」
「何も?ただ、少しお話がしたかっただけですわ」
ちょうど曲も終わるころ、公世子に礼をし、側から離れる。
今日は、ウィルも周りに女性たちを侍らしているのだが、私が一人で歩き始めたことに気づいたようだった。
ただし、そちらで情報収集してほしかったため、来なくていいよと合図する。
「バニッシュ子爵、お久しぶりです。
お元気でしたか?」
女性たちの輪の外から、声をかけると、失礼と女性たちをかき分け私の前まで来てくれる。
「これは、アンバー公爵夫人。
お久しゅうございます。
私のような取るに足らぬものまで覚えてくださっていたとは……」
「社交辞令は、その辺で、少し話しましょう。
サロンが開いているそうよ?」
「ぜひに……」
私は、バニッシュ子爵をサロンへといざなう。
そして、その場にいた女性たちの不興を一身に受けたが、そんなの気にしない。
ソフィアの殺気に比べたら、可愛らしいものだ。
振り返ってニッコリ笑うと、蜘蛛の子が散るかの如く散っていく。
ナタリーが心配そうにこっそりついてきてくれているのを感じながら、二人で移動するのであった。
「遅くなってしまいましたが、ご出産おめでとうございます。
とても可愛らしいお子でしょうね?」
「ありがとう。
そうね、ジョージア様に似てとても美しい子よ」
「そうですか……
アンバー公爵夫人も……お変わりなく美しいですよ!」
ありがとうと曖昧に笑っておく。
社交辞令には、これで十分なのだ。
このサロンには、今、私とバニッシュ子爵の二人だけであった。
ナタリーが陰で見てくれているのだけど……それは、きっと私しか気づかないだろう。
なんか、今、ナタリーを見つけるのは……ちょっと怖い気がする。
私を見つめるバニッシュ子爵の目が、段々熱っぽくなってくるのがなんとなくわかる。
こういう風にこの人は、女性と恋の駆け引きを楽しむのか……?なんて、惚けたことを頭の中で考えながら、じっとその黒目を見つめ返していた。
バニッシュ子爵は、私を引き寄せ顎に手をかけてくる。
キスが出来る距離で、囁かれる。
ジョージアと違い、何人もの女性と浮名があるだけあって、大人の余裕、身体中を駆け巡るような甘い魅惑の声音、今日のためだけに調合された香水、男性特有の色香に思わず惑わされそうだ。
腰に回された腕は、ほどほどに筋肉がついていて、無骨な手は私の頬を優しく撫でる。
ゾクゾクと背中がするほど、一瞬のうちにバニッシュのことしか考えられなくなるほど、一瞬が甘い時間になってしまう。
これ、ソフィアが落ちないわけないわね!
私の心の中は、いたって冷静だった。
予防線さえ引いてしまえば、なんとかなるものだ。
実は、ど天然の女たらしのウィルも似たような感じなのだ。
おかげで、私には、響かないんだよ。
まぁ、ウィルは、私の誑し技とか言って茶化している。
情報提供をしっかりしてもらっても令嬢たちをお持ち帰りしないんだけど……私、ウィルの練習相手をしていたからかこういう展開、お陰ですっかり慣れてたりする。
慣れって怖いよね。
て、いうか、ウィルに仕込んだの私だし。
頭の中は、そんな余分なことを考えている。
そうとは知らないバニッシュ子爵が段々可哀そうになってくる。
と言うわけで、キスをしようとしたところで、ナタリーのセンスで、ピタッとバニッシュ子爵の動きを止める。
ナタリーのセンスって本当に役に立つんだな。
私も一つ欲しいなとか思ったりしている。
バニッシュからしたら、堪ったものじゃないだろう。
止められると思っていなかったらしいバニッシュ子爵は、とても驚いていた。
「残念ね。
私以外なら、きっと落ちてたでしょうけどね……!
例えば……うちのソフィアとかね?」
ソフィアの名前が出て、さらに驚いているバニッシュ子爵。
「そんなに驚くようなことじゃなくてよ?」
私は、バニッシュ子爵に向けて、かわいらしく小首を傾げてみる。
すると、バニッシュ子爵は、笑いだした。
それも、結構な笑いである。
「アンナリーゼ様は、なんでもお見通しってことですか?」
そろそろ、離してほしいのだけど……と思いながら、バニッシュ子爵を見つめる。
「なんでもじゃありません。
ただ、ジョージが、あなたの子どもだってことくらいは知ってますよ?
それと、そろそろ離してくれないかしら?」
私を囲っていた腕は解かれ、自由の身となった私は、サロンに用意されていたテーブルに座り、バニッシュ子爵にも席を進める。
そこに座り、二人で庭園を眺める。
「いつから気づいていたのですか?」
「いつからって言われても……私の結婚式後かしら?
ジョージア様が帰ってこなかった日があったのよね。
どこに行っていたのかは実際知らなかったんだけど、律義に毎晩帰ってきていたから
なんとなく行先はわかったのよ!」
「女の勘ってやつですか?
それ、私もよく妻に言われますが、本当にわかるものなんですか?」
「そんな勘なんて私にはないわよ。
恋愛初心者舐めてもらっちゃ困るわ……
今さっき、ソフィアと一緒にいたジョージア様を見て、許容範囲を超えて
倒れたばかりなのだから」
「恋愛初心者って……アンナリーゼ様がですか?嘘ですよね?」
「嘘じゃないです。
初恋だって、婚約直前に知ったのに、そんな上級者ですよね?的に言われるのは
心外だわ!!」
私が、拗ねたように怒るとバニッシュ子爵はまさかと笑う。
「そんなにおもしろい?」
「あなたほどの人がと思うといえ、意外過ぎて……
ジョージア様だけが、アンナリーゼ様の想い人ってことですか?」
「そうね、自分でもちょっと驚くくらい想っているようね。
ビックリしちゃった!」
「表裏のない人だな。
ソフィアから聞いたあなたとは、全く違うようだ」
「どうせ、高圧的に気に入らないとか言ってたんでしょ?
初めて会ったときそういう風な態度とったから」
「そうだったんですね。
ジョージア様も似たり寄ったりなのかもしれませんがね」
「どういうこと?」
私は、バニッシュ子爵の言葉を思わず聞き返してしまった。
バニッシュは子爵は訳知り顔で悪い顔をしているが、私は、気にしないでおく。
「聞きたいですか?」
「二人目もあなたの子どもだって話なら、もういらないわよ!」
「二人目?」
「あら、違ったの……?」
「いえ、そんな話は、聞いていないので」
「そう、たぶん、そのうち話がいくのでなくて?
そうだ、私、あなたを脅迫しに来たのよ!」
「脅迫ですか……?怖いな……何だろう?」
私は、にっこり笑って、その黒の貴族と言われる所以である黒髪黒目のバニッシュ子爵を見上げ微笑む。
その様子をおかしそうに笑って見つめ返してくる。
きっと余裕で躱していくのだろう……なと思いながら、脅迫し始めるのあった。
相変わらず、モテるようで、女性が集まる場所を探していたのだ。
「俺とのダンス中に余裕だな?」
私が、周りを見ながら踊っていることが、公世子にバレた。
公世子は、自分に視線が向いてないのがわかるそうだ。
私の視線の先を見るためにクルっと場所を変えられる。
「目的は、バニッシュか……
アンナリーゼは、一体何を考えているのだ?」
「何も?ただ、少しお話がしたかっただけですわ」
ちょうど曲も終わるころ、公世子に礼をし、側から離れる。
今日は、ウィルも周りに女性たちを侍らしているのだが、私が一人で歩き始めたことに気づいたようだった。
ただし、そちらで情報収集してほしかったため、来なくていいよと合図する。
「バニッシュ子爵、お久しぶりです。
お元気でしたか?」
女性たちの輪の外から、声をかけると、失礼と女性たちをかき分け私の前まで来てくれる。
「これは、アンバー公爵夫人。
お久しゅうございます。
私のような取るに足らぬものまで覚えてくださっていたとは……」
「社交辞令は、その辺で、少し話しましょう。
サロンが開いているそうよ?」
「ぜひに……」
私は、バニッシュ子爵をサロンへといざなう。
そして、その場にいた女性たちの不興を一身に受けたが、そんなの気にしない。
ソフィアの殺気に比べたら、可愛らしいものだ。
振り返ってニッコリ笑うと、蜘蛛の子が散るかの如く散っていく。
ナタリーが心配そうにこっそりついてきてくれているのを感じながら、二人で移動するのであった。
「遅くなってしまいましたが、ご出産おめでとうございます。
とても可愛らしいお子でしょうね?」
「ありがとう。
そうね、ジョージア様に似てとても美しい子よ」
「そうですか……
アンバー公爵夫人も……お変わりなく美しいですよ!」
ありがとうと曖昧に笑っておく。
社交辞令には、これで十分なのだ。
このサロンには、今、私とバニッシュ子爵の二人だけであった。
ナタリーが陰で見てくれているのだけど……それは、きっと私しか気づかないだろう。
なんか、今、ナタリーを見つけるのは……ちょっと怖い気がする。
私を見つめるバニッシュ子爵の目が、段々熱っぽくなってくるのがなんとなくわかる。
こういう風にこの人は、女性と恋の駆け引きを楽しむのか……?なんて、惚けたことを頭の中で考えながら、じっとその黒目を見つめ返していた。
バニッシュ子爵は、私を引き寄せ顎に手をかけてくる。
キスが出来る距離で、囁かれる。
ジョージアと違い、何人もの女性と浮名があるだけあって、大人の余裕、身体中を駆け巡るような甘い魅惑の声音、今日のためだけに調合された香水、男性特有の色香に思わず惑わされそうだ。
腰に回された腕は、ほどほどに筋肉がついていて、無骨な手は私の頬を優しく撫でる。
ゾクゾクと背中がするほど、一瞬のうちにバニッシュのことしか考えられなくなるほど、一瞬が甘い時間になってしまう。
これ、ソフィアが落ちないわけないわね!
私の心の中は、いたって冷静だった。
予防線さえ引いてしまえば、なんとかなるものだ。
実は、ど天然の女たらしのウィルも似たような感じなのだ。
おかげで、私には、響かないんだよ。
まぁ、ウィルは、私の誑し技とか言って茶化している。
情報提供をしっかりしてもらっても令嬢たちをお持ち帰りしないんだけど……私、ウィルの練習相手をしていたからかこういう展開、お陰ですっかり慣れてたりする。
慣れって怖いよね。
て、いうか、ウィルに仕込んだの私だし。
頭の中は、そんな余分なことを考えている。
そうとは知らないバニッシュ子爵が段々可哀そうになってくる。
と言うわけで、キスをしようとしたところで、ナタリーのセンスで、ピタッとバニッシュ子爵の動きを止める。
ナタリーのセンスって本当に役に立つんだな。
私も一つ欲しいなとか思ったりしている。
バニッシュからしたら、堪ったものじゃないだろう。
止められると思っていなかったらしいバニッシュ子爵は、とても驚いていた。
「残念ね。
私以外なら、きっと落ちてたでしょうけどね……!
例えば……うちのソフィアとかね?」
ソフィアの名前が出て、さらに驚いているバニッシュ子爵。
「そんなに驚くようなことじゃなくてよ?」
私は、バニッシュ子爵に向けて、かわいらしく小首を傾げてみる。
すると、バニッシュ子爵は、笑いだした。
それも、結構な笑いである。
「アンナリーゼ様は、なんでもお見通しってことですか?」
そろそろ、離してほしいのだけど……と思いながら、バニッシュ子爵を見つめる。
「なんでもじゃありません。
ただ、ジョージが、あなたの子どもだってことくらいは知ってますよ?
それと、そろそろ離してくれないかしら?」
私を囲っていた腕は解かれ、自由の身となった私は、サロンに用意されていたテーブルに座り、バニッシュ子爵にも席を進める。
そこに座り、二人で庭園を眺める。
「いつから気づいていたのですか?」
「いつからって言われても……私の結婚式後かしら?
ジョージア様が帰ってこなかった日があったのよね。
どこに行っていたのかは実際知らなかったんだけど、律義に毎晩帰ってきていたから
なんとなく行先はわかったのよ!」
「女の勘ってやつですか?
それ、私もよく妻に言われますが、本当にわかるものなんですか?」
「そんな勘なんて私にはないわよ。
恋愛初心者舐めてもらっちゃ困るわ……
今さっき、ソフィアと一緒にいたジョージア様を見て、許容範囲を超えて
倒れたばかりなのだから」
「恋愛初心者って……アンナリーゼ様がですか?嘘ですよね?」
「嘘じゃないです。
初恋だって、婚約直前に知ったのに、そんな上級者ですよね?的に言われるのは
心外だわ!!」
私が、拗ねたように怒るとバニッシュ子爵はまさかと笑う。
「そんなにおもしろい?」
「あなたほどの人がと思うといえ、意外過ぎて……
ジョージア様だけが、アンナリーゼ様の想い人ってことですか?」
「そうね、自分でもちょっと驚くくらい想っているようね。
ビックリしちゃった!」
「表裏のない人だな。
ソフィアから聞いたあなたとは、全く違うようだ」
「どうせ、高圧的に気に入らないとか言ってたんでしょ?
初めて会ったときそういう風な態度とったから」
「そうだったんですね。
ジョージア様も似たり寄ったりなのかもしれませんがね」
「どういうこと?」
私は、バニッシュ子爵の言葉を思わず聞き返してしまった。
バニッシュは子爵は訳知り顔で悪い顔をしているが、私は、気にしないでおく。
「聞きたいですか?」
「二人目もあなたの子どもだって話なら、もういらないわよ!」
「二人目?」
「あら、違ったの……?」
「いえ、そんな話は、聞いていないので」
「そう、たぶん、そのうち話がいくのでなくて?
そうだ、私、あなたを脅迫しに来たのよ!」
「脅迫ですか……?怖いな……何だろう?」
私は、にっこり笑って、その黒の貴族と言われる所以である黒髪黒目のバニッシュ子爵を見上げ微笑む。
その様子をおかしそうに笑って見つめ返してくる。
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