176 / 1,480
告白
しおりを挟む
「あなたたちには、教えておくわ。
この子の名前は、『アンジェラ・ジョー・アンバー』
女の子よ!」
「「「えぇー!」!」?」
3人とも驚いている。
私はしめしめと思っているのだが、ナタリーに叱られることになる。
「女の子なら、なおさらアンジェラ様とお呼びした方がよろしいではないですか!?」
「ナタリーのいうことは、もっともね!」
さっき、三人が騒いだせいか、目を覚ましたジョー。
「ちょうど、起きたわね。瞳が見えるかしら?」
抱きおこして、ジョーの瞳を見せる。
ジョージアと同じ、トロっとした蜂蜜色の瞳を。
「アンバー家次期当主……」
「そうね、それもあるけど……」
言葉をきったところで、セバスが何かに気付いたのだろう。
「ハニーローズ?
もう、何百年って生まれてないはずだよ?」
「ハニーローズって……何?」
ウィルとナタリーは、顔を合わせて知らないと首を横に振っている。
セバスだけが、驚愕しているところだった。
「何か厄災が起こるってこと?」
すかさず聞いてくるセバス。
「スーザン、悪いんだけど、デリアを呼んできてくれる?
そのあとは、部屋にいて頂戴」
かしこまりましたとスーザンは部屋を出ていく。
しばらくすると、飲み物を用意してくれたデリアが入ってくる。
「まずは、座って。
デリアのお茶はおいしいから!」
「アンナリーゼ様!」
「セバス……焦っても仕方がないでしょ?」
その一言で落ち着いたのか、三人ともそれぞれ用意された席に座る。
じーっと見上げてくる我が子をあやしながら、語ろうかと思ったが、先にセバスに取られてしまった。
「『ハニーローズ』は、この国の初代女王の愛称だよ。
この国って言っても、ローズディアとトワイス、エルドアが三国に分かれる前の
だけどね……
その女王は、蜂蜜色の瞳を持っていて、女王の愛称である『ハニーローズ』は、
厄災と繁栄を意味する言葉になっているんだ」
私も知らないハニーローズの話が始まった。
「3国に別れてからは、公国のしかも決まった公爵家にだけ
生まれ変わりと言われる子が生まれる。
アンバー家にしか代々蜂蜜色の瞳の子供は生まれないんだ。
その中でも女の子にその瞳が受け継がれることは、稀なんだ。
そして、その蜂蜜色の瞳を持つ女の子のことを総じて『ハニーローズ』と
いっているんだよ」
「その『ハニーローズ』っていうのは、なんで厄災と繁栄なんだ?」
ウィルの疑問はもっともだろう……
「『ハニーローズ』が生まれた時代には、必ずと言っていいほど、
大きな厄災が起きる。
戦争、飢饉、災害、疫病……
そして、それを乗り越える道しるべとなるのが、『ハニーローズ』となり
乗り越えた先に繁栄があるんだ」
ウィルは感心しているが、もっともウィルが一番危ないところにいるのだと、気づいてほしい……
「この子が、『ハニーローズ』ってことは……
何か起こるということなのね……?」
セバスは、ナタリーに向かって大きく頷く。
「アンナリーゼ様は、すでにご存じなのですか?」
セバスの質問に私は、黙ってしまう。
知っているのだ。
『予知夢』が教えてくれる未来を。
ただ、今、言っていいのか……阻む心がある。
でも、少しでも排除できるなら……と、かいつまんで話をすることにした。
協力者は、少しでも多い方がいい。
「知っているわ……」
ポツリとこぼし、ジョーを見る。
まだ、目で追うくらいしかできないのか、私をじーっと見つめ返してくる。
「戦争が起きる。
それも、三国を巻き添えにして……
でも、いつ始まるのかはわからない」
実際、私が見ている未来は変わってきているので、本当にわからなくなってきている。
三人とも言葉を無くしたのか、沈黙が続く。
「私、『予知夢』が見れるの……」
これ以上、隠すことはできないと思い、『私』を話始める。
「『予知夢』だって……?」
「そう、私、この子を生むためだけにこの国やってきたのよ」
私の言葉は、静かになった部屋に響く。
「私ね、小さな頃から夢を見るの。
最初は、幸せな夢だった。
ハリーと結婚して、素敵な結婚式をあげて……
幸せな結婚生活をおくるの……」
私の気持ちを汲んだのか、ジョーが少しぐずりはじめる。
「デリア、ごめん。
少しだけ、ジョーを連れて私室に戻ってくれるかしら?
スーザンもいるから……」
ジョーを抱きかかえ、私室へと退出するデリアをぼぉーっと眺める。
「姫さん、それって……」
「そう、私の初恋の夢。
それが、当然のように続くのだと思っていたわ!
残念ながら、夢だった。
戦争が始まって、ハリーも殿下も家族も友人も……
みんな無残に殺される夢を見続けたの」
涙をぐっとこらえる。
今でも鮮明に思い出せる夢だ。
「その回避方法として、『ハニーローズ』に私は縋ったのよ……
私は、弱い人間だわ……
強くあろうと思っていても、しょせん、誰かの側にいたいのよ。
別の選択肢として、ジョージア様との結婚、『ハニーローズ』の出産が
『予知夢』としてみた未来があったの」
「ソフィア様には、生まれないのか……?」
ウィルの質問に私は首を横にふる。
「わからない。
私が『予知』したのは、黒髪で黒目のジョージア様とは全く似ていない
子供たちしか見ていないの……」
「黒髪で黒目の子供たち……?」
「アンバー公爵家は、アンナリーゼ様が嫁がなければ、
子孫を残せなかったということか?」
「それもわからない。
でも、過去から、私に宛てた手紙があるの……
私が、この道を選ぶとわかっていないと、書けないはずよ。
オリエンティス……女王が残した手紙があるのよ」
「ロサ・オリエンティス?」
セバスは心配そうに驚きも隠せていない。
「そう……女王にも謁見したの。
結婚式の日にね……夢に出てきた。
女王には『過去見』の能力があって、私には『予知夢』の能力があった。
アンバーの秘宝を通して、能力が繋がったのではないかって推測している」
私の話を聞き、三人とも黙ってしまった。
それもそうだろう……信じがたい話だ。
「それで、そのことは、ジョージア様は知っているの?」
「知らない……
言えるわけないよ……
あんなに大事にしてくれて、たくさんの愛情をもらっていたのに、
そんな現実は、突きつけられない」
「それもそうか……
でも、姫さんは、今、誰を想ってる?
ハリー君ではないよね?
ジョージア様がいなくて、寂しいんだよね?」
ウィルは、どこまで私の気持ちを代弁していくのだろう……
「姫さん、始まりはどうあれ、ジョージア様を愛し愛されていただろう?」
「そうね……
私、この選択をして1番の後悔は、ジョージア様を愛してしまったこと。
『予知夢』ではね……冷え切った結婚生活だったの。
だから、それなりに覚悟をしてきたのだけど……」
「あえだけの溺愛っぷりをみたらねぇ……」
分かり合う三人は頷きあっている。
「ジョージア様がいいの!の理由は、『ハニーローズ』だけではなかったよね。
もう、こっちがこっぱずかしいくらい二人ともベタベタと……
ジョージア様の心配っぷりも……」
「俺、ジョージア様に牽制されたことある!
俺のアンナにあんまりベタベタしないでって!」
「それ知らない!
そんなことあったの?
ウィルが、アンナリーゼ様にやらしい触り方してるからじゃない?」
「ナタリー……それは、ないぜ……
俺、姫さんにこってんぱんにされるんだぜ……」
私の知らないジョージアの話をし始める。
それが、なんだか嬉しかった。
「やっと笑った……
ジョージア様は、姫さんのことを本当に大事に思っていたんだ。
今は、離れているかもしれないけど、その気持ちは本物だよ」
「ありがとう……」
私は、三人に向かって微笑むと、三人ともがホッとしている。
「しっかし、姫さんの初恋は、『理想の王子様』だったなぁ……」
「両想いだったでしょ……?
卒業式のとき、あのダンスを見せられたら、ジョージア様以外、
誰も割り込めないわよね!」
「なんで、ジョージア様以外?」
「ジョージア様、アンナリーゼ様のことをずっと想っていたって話、
聞いたことない?
名前は出てなかったけど……『懐中時計の君』って噂」
「あぁー!
あれって、アンナリーゼ様のことだったの?」
こちらの社交界では、有名な話だったらしい。
『懐中時計の君』なんて、呼ばれていた私。
初めて知った。
「まぁ、こっちの道選んでよかった!って思えるよう俺たちも全力で支えるよ!
一緒に頑張ろう?」
「えぇ、ありがとう。
私、本当にあなたたちに出会えてよかったって思っているの。
私と娘、両方ともこれからもよろしくお願いします!」
「「「よろこんで!」」」
私は、自分の人生に迷ったこともあった……
でも、こうやって、友人たちが支えてくれるのだから、頑張ろうと思える。
私には、あと10年しかない。
でも、あと10年もあるのだ。
皆に力を借りて、人生を全うできるようにしよう!
今日、3人に話して、よかったと思った。
この子の名前は、『アンジェラ・ジョー・アンバー』
女の子よ!」
「「「えぇー!」!」?」
3人とも驚いている。
私はしめしめと思っているのだが、ナタリーに叱られることになる。
「女の子なら、なおさらアンジェラ様とお呼びした方がよろしいではないですか!?」
「ナタリーのいうことは、もっともね!」
さっき、三人が騒いだせいか、目を覚ましたジョー。
「ちょうど、起きたわね。瞳が見えるかしら?」
抱きおこして、ジョーの瞳を見せる。
ジョージアと同じ、トロっとした蜂蜜色の瞳を。
「アンバー家次期当主……」
「そうね、それもあるけど……」
言葉をきったところで、セバスが何かに気付いたのだろう。
「ハニーローズ?
もう、何百年って生まれてないはずだよ?」
「ハニーローズって……何?」
ウィルとナタリーは、顔を合わせて知らないと首を横に振っている。
セバスだけが、驚愕しているところだった。
「何か厄災が起こるってこと?」
すかさず聞いてくるセバス。
「スーザン、悪いんだけど、デリアを呼んできてくれる?
そのあとは、部屋にいて頂戴」
かしこまりましたとスーザンは部屋を出ていく。
しばらくすると、飲み物を用意してくれたデリアが入ってくる。
「まずは、座って。
デリアのお茶はおいしいから!」
「アンナリーゼ様!」
「セバス……焦っても仕方がないでしょ?」
その一言で落ち着いたのか、三人ともそれぞれ用意された席に座る。
じーっと見上げてくる我が子をあやしながら、語ろうかと思ったが、先にセバスに取られてしまった。
「『ハニーローズ』は、この国の初代女王の愛称だよ。
この国って言っても、ローズディアとトワイス、エルドアが三国に分かれる前の
だけどね……
その女王は、蜂蜜色の瞳を持っていて、女王の愛称である『ハニーローズ』は、
厄災と繁栄を意味する言葉になっているんだ」
私も知らないハニーローズの話が始まった。
「3国に別れてからは、公国のしかも決まった公爵家にだけ
生まれ変わりと言われる子が生まれる。
アンバー家にしか代々蜂蜜色の瞳の子供は生まれないんだ。
その中でも女の子にその瞳が受け継がれることは、稀なんだ。
そして、その蜂蜜色の瞳を持つ女の子のことを総じて『ハニーローズ』と
いっているんだよ」
「その『ハニーローズ』っていうのは、なんで厄災と繁栄なんだ?」
ウィルの疑問はもっともだろう……
「『ハニーローズ』が生まれた時代には、必ずと言っていいほど、
大きな厄災が起きる。
戦争、飢饉、災害、疫病……
そして、それを乗り越える道しるべとなるのが、『ハニーローズ』となり
乗り越えた先に繁栄があるんだ」
ウィルは感心しているが、もっともウィルが一番危ないところにいるのだと、気づいてほしい……
「この子が、『ハニーローズ』ってことは……
何か起こるということなのね……?」
セバスは、ナタリーに向かって大きく頷く。
「アンナリーゼ様は、すでにご存じなのですか?」
セバスの質問に私は、黙ってしまう。
知っているのだ。
『予知夢』が教えてくれる未来を。
ただ、今、言っていいのか……阻む心がある。
でも、少しでも排除できるなら……と、かいつまんで話をすることにした。
協力者は、少しでも多い方がいい。
「知っているわ……」
ポツリとこぼし、ジョーを見る。
まだ、目で追うくらいしかできないのか、私をじーっと見つめ返してくる。
「戦争が起きる。
それも、三国を巻き添えにして……
でも、いつ始まるのかはわからない」
実際、私が見ている未来は変わってきているので、本当にわからなくなってきている。
三人とも言葉を無くしたのか、沈黙が続く。
「私、『予知夢』が見れるの……」
これ以上、隠すことはできないと思い、『私』を話始める。
「『予知夢』だって……?」
「そう、私、この子を生むためだけにこの国やってきたのよ」
私の言葉は、静かになった部屋に響く。
「私ね、小さな頃から夢を見るの。
最初は、幸せな夢だった。
ハリーと結婚して、素敵な結婚式をあげて……
幸せな結婚生活をおくるの……」
私の気持ちを汲んだのか、ジョーが少しぐずりはじめる。
「デリア、ごめん。
少しだけ、ジョーを連れて私室に戻ってくれるかしら?
スーザンもいるから……」
ジョーを抱きかかえ、私室へと退出するデリアをぼぉーっと眺める。
「姫さん、それって……」
「そう、私の初恋の夢。
それが、当然のように続くのだと思っていたわ!
残念ながら、夢だった。
戦争が始まって、ハリーも殿下も家族も友人も……
みんな無残に殺される夢を見続けたの」
涙をぐっとこらえる。
今でも鮮明に思い出せる夢だ。
「その回避方法として、『ハニーローズ』に私は縋ったのよ……
私は、弱い人間だわ……
強くあろうと思っていても、しょせん、誰かの側にいたいのよ。
別の選択肢として、ジョージア様との結婚、『ハニーローズ』の出産が
『予知夢』としてみた未来があったの」
「ソフィア様には、生まれないのか……?」
ウィルの質問に私は首を横にふる。
「わからない。
私が『予知』したのは、黒髪で黒目のジョージア様とは全く似ていない
子供たちしか見ていないの……」
「黒髪で黒目の子供たち……?」
「アンバー公爵家は、アンナリーゼ様が嫁がなければ、
子孫を残せなかったということか?」
「それもわからない。
でも、過去から、私に宛てた手紙があるの……
私が、この道を選ぶとわかっていないと、書けないはずよ。
オリエンティス……女王が残した手紙があるのよ」
「ロサ・オリエンティス?」
セバスは心配そうに驚きも隠せていない。
「そう……女王にも謁見したの。
結婚式の日にね……夢に出てきた。
女王には『過去見』の能力があって、私には『予知夢』の能力があった。
アンバーの秘宝を通して、能力が繋がったのではないかって推測している」
私の話を聞き、三人とも黙ってしまった。
それもそうだろう……信じがたい話だ。
「それで、そのことは、ジョージア様は知っているの?」
「知らない……
言えるわけないよ……
あんなに大事にしてくれて、たくさんの愛情をもらっていたのに、
そんな現実は、突きつけられない」
「それもそうか……
でも、姫さんは、今、誰を想ってる?
ハリー君ではないよね?
ジョージア様がいなくて、寂しいんだよね?」
ウィルは、どこまで私の気持ちを代弁していくのだろう……
「姫さん、始まりはどうあれ、ジョージア様を愛し愛されていただろう?」
「そうね……
私、この選択をして1番の後悔は、ジョージア様を愛してしまったこと。
『予知夢』ではね……冷え切った結婚生活だったの。
だから、それなりに覚悟をしてきたのだけど……」
「あえだけの溺愛っぷりをみたらねぇ……」
分かり合う三人は頷きあっている。
「ジョージア様がいいの!の理由は、『ハニーローズ』だけではなかったよね。
もう、こっちがこっぱずかしいくらい二人ともベタベタと……
ジョージア様の心配っぷりも……」
「俺、ジョージア様に牽制されたことある!
俺のアンナにあんまりベタベタしないでって!」
「それ知らない!
そんなことあったの?
ウィルが、アンナリーゼ様にやらしい触り方してるからじゃない?」
「ナタリー……それは、ないぜ……
俺、姫さんにこってんぱんにされるんだぜ……」
私の知らないジョージアの話をし始める。
それが、なんだか嬉しかった。
「やっと笑った……
ジョージア様は、姫さんのことを本当に大事に思っていたんだ。
今は、離れているかもしれないけど、その気持ちは本物だよ」
「ありがとう……」
私は、三人に向かって微笑むと、三人ともがホッとしている。
「しっかし、姫さんの初恋は、『理想の王子様』だったなぁ……」
「両想いだったでしょ……?
卒業式のとき、あのダンスを見せられたら、ジョージア様以外、
誰も割り込めないわよね!」
「なんで、ジョージア様以外?」
「ジョージア様、アンナリーゼ様のことをずっと想っていたって話、
聞いたことない?
名前は出てなかったけど……『懐中時計の君』って噂」
「あぁー!
あれって、アンナリーゼ様のことだったの?」
こちらの社交界では、有名な話だったらしい。
『懐中時計の君』なんて、呼ばれていた私。
初めて知った。
「まぁ、こっちの道選んでよかった!って思えるよう俺たちも全力で支えるよ!
一緒に頑張ろう?」
「えぇ、ありがとう。
私、本当にあなたたちに出会えてよかったって思っているの。
私と娘、両方ともこれからもよろしくお願いします!」
「「「よろこんで!」」」
私は、自分の人生に迷ったこともあった……
でも、こうやって、友人たちが支えてくれるのだから、頑張ろうと思える。
私には、あと10年しかない。
でも、あと10年もあるのだ。
皆に力を借りて、人生を全うできるようにしよう!
今日、3人に話して、よかったと思った。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる