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ダドリー男爵
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ジョージアを一人扉の前に置いてきたことを思い出し、私は、3人に別れを告げ戻ってきた。
見たことのない年上の男性と、ジョージアは二人で話をしている。
見たところ、背丈はすらっと高く、抜け目のない感じがうかがえる。
指にはゴテゴテと大き目の宝石が付いた指輪をしていたが、嫌味に見えないのは容姿のせいだろうか?
そして、終始ジョージアが押されているのである。
髪も瞳も黒色で、どこかで見たことがあるんじゃないかと記憶をたどっていく。
あぁ、ソフィアだ。
あまりにも子供じみたソフィアと似た雰囲気ではなかったので気づかなかったが、よくよく見ていくとソフィアと顔のつくりが似ていた。
私を視界におさめたのか、ジョージアは少しホッとしたような、それでいて来ないでほしいというような瞳でこちらを見ていた。
それに気付いたらしく、その男性も私の方を見る。
おぉーさっきのチャギルの嘗め回すような視線ではないが、値踏みされている視線はなかなか痛いものである。
「ジョージア様、すみません」
「あぁ、いいんだ。
友人たちとは、ゆっくり話ができたかい?」
ナタリーだけでなく、ウィルやセバスも合流していたのが見えていたようだ。
「はい、おかげさまで久しぶりに話すことができてとても嬉しいです!」
ダドリー男爵であろう人物をそっちのけで、私は、愛情もらいまくってますよ!っていうアピールも込めて甘えた声で返事をする。
いつもと違う声音に、ジョージアも惚けていたが、そこは、結婚間近の私たちならではでないだろうか?
甘い雰囲気をわざと出していたところだったので、コホンと咳払いされたことに、かなり不服そうにそちらへ視線を向ける。
「どなたですか?」
ジョージアとの時間を……と、いかにもな雰囲気を出してむぅっとした雰囲気で誰かと尋ねる。
どこかで、誰かが同じことをしていた気がする……
あぁ、ソフィアだ……
二番煎じで、私にはまったくもって面白みはないが、私達の対峙を喜んで見ているものもいるのだ。
わざと噂の的になろうと私は、決心する。
一応、私の方が爵位が上で、この国の筆頭公爵家に入る予定なので、他に咎められるとしたらこの場では、ジョージアと公世子以外はいないので怖いものなしだ。
その公世子も、私とダドリー男爵との対峙を楽しんでいるかの如くこちらをしっかり見ている。
他の貴族は、我関せずとチラチラ観察しているくらいなのだが……
トワイスでは、殿下とハリーが常に一緒にいたので、好奇の視線には慣れっこなのだ。
チラチラみられるより、公世子のようにしっかり見てくれた方が、どっちかっていうと私はスッキリする。
「これは、失礼いたしました。
ローズディア公国にて男爵位を拝命しております、グラム・ウトラ・ダドリーと
申します。
ジョージア様は、我が娘ソフィアの婚約者でして、その話をしていたところです」
「そう。
トワイス国侯爵家、アンナリーゼ・トロン・フレイゼンよ。
あなたが、ダドリー男爵ね。
ソフィアとは、違って素敵な方ね?」
私は、わざとジョージアにベッタリくっついて、甘えたそぶりを見せて、目の前にいるダドリー男爵にそっけなく対応し、見上げる。
挨拶とばかりに手の甲にキスをという雰囲気だったが、わざと許さなかった。
「アンナ?」
そのことに不思議に思ったのだろう。
ジョージアは、こちらを見下ろしてくるが、なんとなく察してくれたのか、ジョージアの希望的観点からなのか咎めることはされなかった。
「なんですか?ジョージア様」
「なんでもないよ」
そういって、ジョージアは、すっと自分のほうに寄せてくれる。
これだけのことをすれば、普通はけんかを売ってるわけなんだけど……
そこはソフィアと違い大人の対応だ。
売られたけんかは買わずに、小娘の戯言くらいにかわしてくる。
見たまんまの策士というわけか……と、私の中で結論付ける。
ソフィアもこういうところ、似たらよかったのになともったいなく思う。
タヌキとキツネの化かしあいなら、私に勝ち目はないのよね……
ダドリー男爵の方が、何枚も何枚も上手なのだから……
ソフィアをひねり上げるのとはわけが違うのだ。
「これは、これは……
ジョージア様と、とても仲がよろしいようで。
先日、ソフィアからも伺っていますが、とても利発そうな方だ」
馬鹿にされたわね。
利発って子供じゃないんですけど!!
確かに、ソフィアに比べれば、4つも年下ですけどね!
「ありがとうございます。
私、まだまだ子供ですからね、ジョージア様には、ご迷惑おかけしてますわ!」
周りからはどう見えているのだろうか?
なんか、絶対、公世子とか笑っているわよね!
この角度からは見えないけど……
「いえ、子供など……
素敵な方を、第一夫人に迎えられるのだと感服していたところです」
「思ってもみないことは、言わないことね。
目が笑っていないわ」
ナタリーから借りていたセンスをパッと開く。
センスで口元を覆い、我が家の女王様直伝の氷の微笑をお見舞いした。
小娘では、あの貫禄は出ないが、多少の色香がでるだろう……
何かしら?
急に周りが静かになったわね……?
「それで?
ジョージア様との時間を割いてまで、何か御用ですか?
あぁ、会いたいと言われてたのをすっかり、忘れていましたわ!」
あの……私の意地悪そうな声だけがホールに響くのですけど……
「そうでしたな。
お目通りをお願いしておりました。
今日、こうしてご挨拶させていただいたこと、感謝します」
「感謝だなんて、されても……
ソフィアをよろしくとでも続くのかしら?」
「そうですね……
アンバー家に嫁ぐ者同士、仲良くしていただければと……」
うーん、私、本宅に入ることも禁止したはずよね?
チラッとジョージアを見ると、及び腰だ。
これは、期待できないな……この旦那……本当に大丈夫なのだろうか?
坊ちゃんめ!!
「あら、ソフィアからきいていませんこと?
本宅に入ることを禁止したこと。
どうも、ジョージア様を主人としアンバー公爵家を盛り立てていこうという
気概もなければ、貴族としての礼儀も知らない古娘に、私が、何故、手を
差し伸べないといけないのかしら?」
私が今していることは、棚に上げておく。
「そうですか……
娘がアンナリーゼ様に大層ご迷惑をおかけしたのですね。
よく、教育はしておきますので……」
「結構よ!」
「そこまでにしないか?アンナリーゼ」
間に入ってきたのは、今まで高みの見物をして笑っていたであろう公世子だった。
ホント、食えない男ね……
「ダドリー男爵」
「はっ!」
「正直に申そう。
アンナリーゼは、本来なら世の妃だ。
失礼な発言はそこまでしてもらおう。
そして、アンナリーゼ」
「はい、公世子様」
「ホントに嫁に来ないのか?」
呆れた……
「公世子様、それは、私がお断りします。
アンナは、私がいいと言ってくれましたし、私もアンナがいいので
婚約したのですから、諦めてください!」
おぉーよく言った!ジョージア様。
心の中で、褒めたたえておく!
多分、公世子は、ジョージアにこれを言わせたかったのだろう。
私のために……
「次、生まれ変わったら考えてもいいですよ!
公世子様の奥様に」
「そのときは、きっと公世子ではなく、一介の農民かもしれないぞ?」
「それは、それでよくありませんか?
二人、手を取り合って一緒に畑を耕せばいいんですから!
素敵な生涯となると思いますよ?」
「そなたは、なんでもいい方向に考えるな。
そなたとの生涯は、きっとかけがえのないものになるのだろうな。
全く、ジョージアが羨ましい!」
「来世も私が予約しておくので、公世子様の出番はないですね!
それに、来世でもライバルはきっと多いですからね……」
「全くだ……」
いつの間にか、笑い話にされ毒気を抜かれる。
それでも、私は、ジョージアにベッタリくっついて離れないでいたおかげか、会場にいた他の貴族が「公世子様には、全く勝ち目はありませんねー」なんて声が聞こえてくる。
そんな笑いの中、いたたまれくなったのか失礼しますとダドリー男爵は、その場を去っていったのである。
公世子をチラッと見ると、してやったりという顔を向けてくる。
やっぱり、食えない男なんだと思ったのだった。
見たことのない年上の男性と、ジョージアは二人で話をしている。
見たところ、背丈はすらっと高く、抜け目のない感じがうかがえる。
指にはゴテゴテと大き目の宝石が付いた指輪をしていたが、嫌味に見えないのは容姿のせいだろうか?
そして、終始ジョージアが押されているのである。
髪も瞳も黒色で、どこかで見たことがあるんじゃないかと記憶をたどっていく。
あぁ、ソフィアだ。
あまりにも子供じみたソフィアと似た雰囲気ではなかったので気づかなかったが、よくよく見ていくとソフィアと顔のつくりが似ていた。
私を視界におさめたのか、ジョージアは少しホッとしたような、それでいて来ないでほしいというような瞳でこちらを見ていた。
それに気付いたらしく、その男性も私の方を見る。
おぉーさっきのチャギルの嘗め回すような視線ではないが、値踏みされている視線はなかなか痛いものである。
「ジョージア様、すみません」
「あぁ、いいんだ。
友人たちとは、ゆっくり話ができたかい?」
ナタリーだけでなく、ウィルやセバスも合流していたのが見えていたようだ。
「はい、おかげさまで久しぶりに話すことができてとても嬉しいです!」
ダドリー男爵であろう人物をそっちのけで、私は、愛情もらいまくってますよ!っていうアピールも込めて甘えた声で返事をする。
いつもと違う声音に、ジョージアも惚けていたが、そこは、結婚間近の私たちならではでないだろうか?
甘い雰囲気をわざと出していたところだったので、コホンと咳払いされたことに、かなり不服そうにそちらへ視線を向ける。
「どなたですか?」
ジョージアとの時間を……と、いかにもな雰囲気を出してむぅっとした雰囲気で誰かと尋ねる。
どこかで、誰かが同じことをしていた気がする……
あぁ、ソフィアだ……
二番煎じで、私にはまったくもって面白みはないが、私達の対峙を喜んで見ているものもいるのだ。
わざと噂の的になろうと私は、決心する。
一応、私の方が爵位が上で、この国の筆頭公爵家に入る予定なので、他に咎められるとしたらこの場では、ジョージアと公世子以外はいないので怖いものなしだ。
その公世子も、私とダドリー男爵との対峙を楽しんでいるかの如くこちらをしっかり見ている。
他の貴族は、我関せずとチラチラ観察しているくらいなのだが……
トワイスでは、殿下とハリーが常に一緒にいたので、好奇の視線には慣れっこなのだ。
チラチラみられるより、公世子のようにしっかり見てくれた方が、どっちかっていうと私はスッキリする。
「これは、失礼いたしました。
ローズディア公国にて男爵位を拝命しております、グラム・ウトラ・ダドリーと
申します。
ジョージア様は、我が娘ソフィアの婚約者でして、その話をしていたところです」
「そう。
トワイス国侯爵家、アンナリーゼ・トロン・フレイゼンよ。
あなたが、ダドリー男爵ね。
ソフィアとは、違って素敵な方ね?」
私は、わざとジョージアにベッタリくっついて、甘えたそぶりを見せて、目の前にいるダドリー男爵にそっけなく対応し、見上げる。
挨拶とばかりに手の甲にキスをという雰囲気だったが、わざと許さなかった。
「アンナ?」
そのことに不思議に思ったのだろう。
ジョージアは、こちらを見下ろしてくるが、なんとなく察してくれたのか、ジョージアの希望的観点からなのか咎めることはされなかった。
「なんですか?ジョージア様」
「なんでもないよ」
そういって、ジョージアは、すっと自分のほうに寄せてくれる。
これだけのことをすれば、普通はけんかを売ってるわけなんだけど……
そこはソフィアと違い大人の対応だ。
売られたけんかは買わずに、小娘の戯言くらいにかわしてくる。
見たまんまの策士というわけか……と、私の中で結論付ける。
ソフィアもこういうところ、似たらよかったのになともったいなく思う。
タヌキとキツネの化かしあいなら、私に勝ち目はないのよね……
ダドリー男爵の方が、何枚も何枚も上手なのだから……
ソフィアをひねり上げるのとはわけが違うのだ。
「これは、これは……
ジョージア様と、とても仲がよろしいようで。
先日、ソフィアからも伺っていますが、とても利発そうな方だ」
馬鹿にされたわね。
利発って子供じゃないんですけど!!
確かに、ソフィアに比べれば、4つも年下ですけどね!
「ありがとうございます。
私、まだまだ子供ですからね、ジョージア様には、ご迷惑おかけしてますわ!」
周りからはどう見えているのだろうか?
なんか、絶対、公世子とか笑っているわよね!
この角度からは見えないけど……
「いえ、子供など……
素敵な方を、第一夫人に迎えられるのだと感服していたところです」
「思ってもみないことは、言わないことね。
目が笑っていないわ」
ナタリーから借りていたセンスをパッと開く。
センスで口元を覆い、我が家の女王様直伝の氷の微笑をお見舞いした。
小娘では、あの貫禄は出ないが、多少の色香がでるだろう……
何かしら?
急に周りが静かになったわね……?
「それで?
ジョージア様との時間を割いてまで、何か御用ですか?
あぁ、会いたいと言われてたのをすっかり、忘れていましたわ!」
あの……私の意地悪そうな声だけがホールに響くのですけど……
「そうでしたな。
お目通りをお願いしておりました。
今日、こうしてご挨拶させていただいたこと、感謝します」
「感謝だなんて、されても……
ソフィアをよろしくとでも続くのかしら?」
「そうですね……
アンバー家に嫁ぐ者同士、仲良くしていただければと……」
うーん、私、本宅に入ることも禁止したはずよね?
チラッとジョージアを見ると、及び腰だ。
これは、期待できないな……この旦那……本当に大丈夫なのだろうか?
坊ちゃんめ!!
「あら、ソフィアからきいていませんこと?
本宅に入ることを禁止したこと。
どうも、ジョージア様を主人としアンバー公爵家を盛り立てていこうという
気概もなければ、貴族としての礼儀も知らない古娘に、私が、何故、手を
差し伸べないといけないのかしら?」
私が今していることは、棚に上げておく。
「そうですか……
娘がアンナリーゼ様に大層ご迷惑をおかけしたのですね。
よく、教育はしておきますので……」
「結構よ!」
「そこまでにしないか?アンナリーゼ」
間に入ってきたのは、今まで高みの見物をして笑っていたであろう公世子だった。
ホント、食えない男ね……
「ダドリー男爵」
「はっ!」
「正直に申そう。
アンナリーゼは、本来なら世の妃だ。
失礼な発言はそこまでしてもらおう。
そして、アンナリーゼ」
「はい、公世子様」
「ホントに嫁に来ないのか?」
呆れた……
「公世子様、それは、私がお断りします。
アンナは、私がいいと言ってくれましたし、私もアンナがいいので
婚約したのですから、諦めてください!」
おぉーよく言った!ジョージア様。
心の中で、褒めたたえておく!
多分、公世子は、ジョージアにこれを言わせたかったのだろう。
私のために……
「次、生まれ変わったら考えてもいいですよ!
公世子様の奥様に」
「そのときは、きっと公世子ではなく、一介の農民かもしれないぞ?」
「それは、それでよくありませんか?
二人、手を取り合って一緒に畑を耕せばいいんですから!
素敵な生涯となると思いますよ?」
「そなたは、なんでもいい方向に考えるな。
そなたとの生涯は、きっとかけがえのないものになるのだろうな。
全く、ジョージアが羨ましい!」
「来世も私が予約しておくので、公世子様の出番はないですね!
それに、来世でもライバルはきっと多いですからね……」
「全くだ……」
いつの間にか、笑い話にされ毒気を抜かれる。
それでも、私は、ジョージアにベッタリくっついて離れないでいたおかげか、会場にいた他の貴族が「公世子様には、全く勝ち目はありませんねー」なんて声が聞こえてくる。
そんな笑いの中、いたたまれくなったのか失礼しますとダドリー男爵は、その場を去っていったのである。
公世子をチラッと見ると、してやったりという顔を向けてくる。
やっぱり、食えない男なんだと思ったのだった。
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