23 / 1,480
二人だけのお茶会
しおりを挟む
コンコンとノックの音が響く。
部屋の主であるはずのサシャならわざわざノックなどしないであろう。
「アンナリーゼです。入りますね!」
扉の向こうから声がかかり、返事をする前に入ってくる。
ストロベリーピンクの髪を今日はサイドを編み込みにしていて、いつもよりかわいらしい雰囲気の彼女は俺に向かってにっこり笑っている。
「ジョージア様、ようこそ我が家においでくださいました」
扉の前で一礼して、こちらに向かって歩いてくる。
今日の目的である、アンナリーゼとの話ができることに、少し高揚している自分がなんとも言えない気持ちである。
「アンナリーゼ嬢、今日は時間を作ってもらいありがとう」
あくまでもこちらの爵位が上なため、挨拶も上からになってしまっているが、失礼はないだろうか……?心配になる。
「こちらこそ、兄と入れ替わりなんて失礼なことをしてしまい、申し訳ございません。
私のことは、どうかアンナと呼び捨てにお呼びください」
心配をよそに正面に座ったアンナは、ほほ笑んで、この兄妹の計画についてさらに謝罪までしてくれる。
この兄妹は、同じような反応をするなと単純に思い、くすっと笑ってしまう。
「えっ? どこかおかしなところがありましたか?」
アンナは、目を丸くしてこちらを見てくる。
「いや、兄妹だなと思って。
先ほど、サシャにも同じようなことを言われたよ。
特段、気にすることはない。
君のことを大切に思う兄の気持ちが、少しはわかった気がするよ!」
よくわからないとばかりの困惑顔で、アンナはこちらを見てくる。
「あの……兄が、私想いってことですか?
それなら、私も、兄のことが好きですよ。
伺っているかもしれませんが、今日はジョージア様を招待するにあたって、
兄にも協力してもらわないといけなかったので、その代りというと相手の方に
失礼ですが、私のお友達を紹介させてもらいました。
兄の人柄にはもちろん太鼓判押しますが、私の友人も兄とならとてもお似合いの方だと
私思ってます。
そういえば、ジョージア様は、一人っ子でしたよね?」
兄妹で顔を突き合わせて悪だくみをしようと計画している姿が想像できて、微笑ましい話が可愛らしいと思う。
「そうだね。
でも、サシャとアンナの話をしていると、俺にも妹ができたような気持になったよ。
君のクラスの子がサシャを呼びにくると、サシャと一緒にハラハラしたり、
浮かれたりしているよ。
それと、アンナ。
敬語もなし、ジョージアと呼んで構わないよ」
「いえ、ジョージア様と呼ばせてください。
敬語は……すぐには難しいので、おいおい直していきます……」
「なんだか、様と呼ばれると距離が……君は、もう俺の……」
ん? 何? という顔をしている。
しまった……焦ってしまったと反省し、とりあえず誤魔化しておく。
俺の想い人なのだから……と続くはずだったのだが、言葉を飲み込む。
「あ……いや……俺の妹みたいなものだと言いたくて!」
焦って答えたが、アンナは、なるほどと納得してくれたようだ。
よかった……
「そういえば、サシャに聞いたんだが、アンナも花が好きだとか?
珍しいチューリップを見に行ってきたと聞いているよ」
「あっ! 見に行きました!
中庭の大きな花壇1つをチューリップにしてありましたね。
色とりどりあるのですよね。
私、かがんでみていたら一緒に行った方に上から見てごらんと言われ立って見たら、
お花アートになっててびっくりしました!」
そのとき驚いた様子が、クルクル変わるアンナの表情を見ていればとてもわかる。
そして、一緒に行ったのは、きっとトワイス国の王子と宰相の子息だろうことも想像でき、嫉妬してしまう。
一緒に行きたかったものだ。
「あぁ、あれには俺も驚いた。
今年の庭師は、サプライズが好きなようだ。
新しい花も多く中庭に取り入れられていて、見事だと思う」
「そうですよね!
確か、去年までの庭師さんが引退なさったそうで、今年からそのお弟子さんが管理されている
らしいのですよ。
元々他国のお花にも精通されていたようで、目にも珍しいお花が多いので、私も足しげく
通っています!」
お転婆とかじゃじゃ馬と噂のアンナであるが、そういう女の子らしいところもきちんとある。
そのギャップがさらに周りを魅了するひとつなのだが、果たして計算されているのか、天性のものなのか、俺にはわからない。
「今なら、ハスというピンクの花が池に浮いて咲いているよ。
今日の招待状をもらったときに、サシャと一緒に見に行ってきたんだよ」
「お兄様とですか?
お兄様って、あんまり興味なさそうですけどね……
でも、この前、図鑑とか見てたので興味持ち始めたのかもしれませんね。
気になると調べたくなるようなので……」
ふふふと笑うアンナは、とても兄を慕っているようにみえる。
慕われているサシャが、羨ましい。
サシャの話で、いつも出てくるトワイス国の王子や宰相の息子ヘンリーだったか……
いつもアンナの傍にいられることが、羨ましいし妬ましい。
話をすればするほど、アンナリーゼという女の子に惹かれていくのがわかる。
「そうそう。
最近、兄と私の話をするそうですが、兄の話は話半分で聞いてくださいね。
ホント、話を盛られるので否定するのも大変なんです!
まぁ、でも大筋は合っているのでなかなか否定しきれないところもあるのですけど……」
むくれたような呆れたような顔をして俺に注意してくる。
「わかった。そのように思っておこう。
ただ、俺も聞く限りでは、結構なお転婆が聞こえてくるようだけど……?」
あはははは……と、から笑いして誤魔化そうとしている。
そんな姿が、可愛らしい。
「俺は、それもいいと思うよ。
それも含めてアンナだし、突き詰めるといい話も多い。
上級貴族として下級貴族を導くのも立派な行いだからね。
俺なんて、何もしていないのだから、それに比べればアンナは貴族令嬢として立派だよ」
「そんなことないです。
ジョージア様がいるだけで抑止力になっているところがローズディア側にはあるのです。
私たち自国は、殿下がいらっしゃいますが、恥ずかしいことに、学校内でも派閥があり
何かと争っているのです。
恥ずかしい話ではありますが……私たちフレイゼンも一応、殿下の派閥らしいのです。
最近困ったことに第3の勢力として、私が頭にされてしまっています。
否定してもなかなか。
最悪なことに、将来の王妃派閥なんて不名誉な言われようですよ」
「王妃派閥と言われるのが不名誉というのは、アンナぐらいだと思うけど……
なんとなく、担ぎ上げたいのはわかる気がするよ」
何故です? と、視線で問うてくる。
このアメジストの瞳は、好奇心の塊だなと思わず笑いたくなった。
「それは、王子も君を手に入れるのに必死ということじゃないのかな?
気づいていないとは言わないよね?」
はぁ……と、大きく盛大にため息をつくアンナ。
「失礼しました。やはり、そうなのでしょうか……
ジョージア様にこんな話してもいいのか分かりませんが、派閥・国内外関係なく今現在
ものすごい縁談の申し込みがあるのです。
筆頭は殿下なのですが……私にはそんな気は全くないのでお断りし続けているのです。
幼馴染としていつも近くにいるせいか、もう婚約したと周知の事実になっています。
実際は、断り続けているのにですよ?
それでも他に縁談話が尽きないのは、私を王妃に据えたくない派閥からの申し出のようですね。
まだ、サンストーン家からの申し出がないだけマシだと思っているのですが、もう好きなように
思いこませておくことにしています」
「聞いてもいいかい?
アンナは、王妃にと望まれているのに嫌なのかい?
他に何かあるのかい?」
王子と結婚し、将来王妃となれば、贅も尽くせみなの憧れの的となろう。
上級貴族とはいえ、王族となれば、別格になるのだ。
ただ、義務も多くなる。
アンナは、それを嫌っているのだろうか?
「そうですね。そんな風に望まれることは、私自身とても光栄に思います。
ただ、私はその器ではございません。
幼馴染だからと、その地位に納まるのも嫌なのです。
確かに名誉も贅も欲しいままでしょうが、私、そういったものには興味がないのです。
名誉も増えれば、義務も増えますしね……」
芯の通った彼女なりの持論があるようだ。
やはり、アンナは、おもしろいと思う。
みなに望まれるというのは、天然の人誑しなのだろう。
ぶれないものがあるからこそ、憧れる、彼女にすがりたい、傍にいてほしいと願う人間が多くいるということだ。
俺もそのうちの一人だから分かる。
彼女のその強さに憧れているし、傍でその強さを見守りたい、共にありたいと願うのだから。
「アンナは、しっかりしているんだね。
自分の器まで把握しているなんて……
でも、俺から言わせれば、君ほど王妃が似合う人はいないと思うんだけど?」
王妃推薦してどうするんだ……俺は馬鹿なのか……?と、心の中で悪態をつく。
それを見こされたのか、ふんわり微笑むアンナ。
「ジョージア様にそう言ってもられるのなら、そうなのかもしれません。
でも、私、やりたいことがあるので、決して王室に入ったりはしませんよ!」
やりたいこ……? それはいったいなんだろうか……?
王室に入れば叶わないことなのだろうか……そこまで拒絶するということわ。
「やりたいことは、ジョージア様に問われたとしても何かと申せません。
でも、王室に入ってしまえば、私の望むものも未来も閉ざされてしまいますとだけ……
それ以上は、聞かないでください!」
これ以上は、王妃の話は拒絶をされてしまう。
そこまでの仲ではないし、きっと家族以外は知らない事情もあるのだろう。
俺もそこに関わりたいと願ったとしても、きっと、拒まれてしまって終わるのだと確信する。
これから言おうとすることも、拒絶されてしまうのではないかと思うと、心がぎゅっと苦しくなってきた。
部屋の主であるはずのサシャならわざわざノックなどしないであろう。
「アンナリーゼです。入りますね!」
扉の向こうから声がかかり、返事をする前に入ってくる。
ストロベリーピンクの髪を今日はサイドを編み込みにしていて、いつもよりかわいらしい雰囲気の彼女は俺に向かってにっこり笑っている。
「ジョージア様、ようこそ我が家においでくださいました」
扉の前で一礼して、こちらに向かって歩いてくる。
今日の目的である、アンナリーゼとの話ができることに、少し高揚している自分がなんとも言えない気持ちである。
「アンナリーゼ嬢、今日は時間を作ってもらいありがとう」
あくまでもこちらの爵位が上なため、挨拶も上からになってしまっているが、失礼はないだろうか……?心配になる。
「こちらこそ、兄と入れ替わりなんて失礼なことをしてしまい、申し訳ございません。
私のことは、どうかアンナと呼び捨てにお呼びください」
心配をよそに正面に座ったアンナは、ほほ笑んで、この兄妹の計画についてさらに謝罪までしてくれる。
この兄妹は、同じような反応をするなと単純に思い、くすっと笑ってしまう。
「えっ? どこかおかしなところがありましたか?」
アンナは、目を丸くしてこちらを見てくる。
「いや、兄妹だなと思って。
先ほど、サシャにも同じようなことを言われたよ。
特段、気にすることはない。
君のことを大切に思う兄の気持ちが、少しはわかった気がするよ!」
よくわからないとばかりの困惑顔で、アンナはこちらを見てくる。
「あの……兄が、私想いってことですか?
それなら、私も、兄のことが好きですよ。
伺っているかもしれませんが、今日はジョージア様を招待するにあたって、
兄にも協力してもらわないといけなかったので、その代りというと相手の方に
失礼ですが、私のお友達を紹介させてもらいました。
兄の人柄にはもちろん太鼓判押しますが、私の友人も兄とならとてもお似合いの方だと
私思ってます。
そういえば、ジョージア様は、一人っ子でしたよね?」
兄妹で顔を突き合わせて悪だくみをしようと計画している姿が想像できて、微笑ましい話が可愛らしいと思う。
「そうだね。
でも、サシャとアンナの話をしていると、俺にも妹ができたような気持になったよ。
君のクラスの子がサシャを呼びにくると、サシャと一緒にハラハラしたり、
浮かれたりしているよ。
それと、アンナ。
敬語もなし、ジョージアと呼んで構わないよ」
「いえ、ジョージア様と呼ばせてください。
敬語は……すぐには難しいので、おいおい直していきます……」
「なんだか、様と呼ばれると距離が……君は、もう俺の……」
ん? 何? という顔をしている。
しまった……焦ってしまったと反省し、とりあえず誤魔化しておく。
俺の想い人なのだから……と続くはずだったのだが、言葉を飲み込む。
「あ……いや……俺の妹みたいなものだと言いたくて!」
焦って答えたが、アンナは、なるほどと納得してくれたようだ。
よかった……
「そういえば、サシャに聞いたんだが、アンナも花が好きだとか?
珍しいチューリップを見に行ってきたと聞いているよ」
「あっ! 見に行きました!
中庭の大きな花壇1つをチューリップにしてありましたね。
色とりどりあるのですよね。
私、かがんでみていたら一緒に行った方に上から見てごらんと言われ立って見たら、
お花アートになっててびっくりしました!」
そのとき驚いた様子が、クルクル変わるアンナの表情を見ていればとてもわかる。
そして、一緒に行ったのは、きっとトワイス国の王子と宰相の子息だろうことも想像でき、嫉妬してしまう。
一緒に行きたかったものだ。
「あぁ、あれには俺も驚いた。
今年の庭師は、サプライズが好きなようだ。
新しい花も多く中庭に取り入れられていて、見事だと思う」
「そうですよね!
確か、去年までの庭師さんが引退なさったそうで、今年からそのお弟子さんが管理されている
らしいのですよ。
元々他国のお花にも精通されていたようで、目にも珍しいお花が多いので、私も足しげく
通っています!」
お転婆とかじゃじゃ馬と噂のアンナであるが、そういう女の子らしいところもきちんとある。
そのギャップがさらに周りを魅了するひとつなのだが、果たして計算されているのか、天性のものなのか、俺にはわからない。
「今なら、ハスというピンクの花が池に浮いて咲いているよ。
今日の招待状をもらったときに、サシャと一緒に見に行ってきたんだよ」
「お兄様とですか?
お兄様って、あんまり興味なさそうですけどね……
でも、この前、図鑑とか見てたので興味持ち始めたのかもしれませんね。
気になると調べたくなるようなので……」
ふふふと笑うアンナは、とても兄を慕っているようにみえる。
慕われているサシャが、羨ましい。
サシャの話で、いつも出てくるトワイス国の王子や宰相の息子ヘンリーだったか……
いつもアンナの傍にいられることが、羨ましいし妬ましい。
話をすればするほど、アンナリーゼという女の子に惹かれていくのがわかる。
「そうそう。
最近、兄と私の話をするそうですが、兄の話は話半分で聞いてくださいね。
ホント、話を盛られるので否定するのも大変なんです!
まぁ、でも大筋は合っているのでなかなか否定しきれないところもあるのですけど……」
むくれたような呆れたような顔をして俺に注意してくる。
「わかった。そのように思っておこう。
ただ、俺も聞く限りでは、結構なお転婆が聞こえてくるようだけど……?」
あはははは……と、から笑いして誤魔化そうとしている。
そんな姿が、可愛らしい。
「俺は、それもいいと思うよ。
それも含めてアンナだし、突き詰めるといい話も多い。
上級貴族として下級貴族を導くのも立派な行いだからね。
俺なんて、何もしていないのだから、それに比べればアンナは貴族令嬢として立派だよ」
「そんなことないです。
ジョージア様がいるだけで抑止力になっているところがローズディア側にはあるのです。
私たち自国は、殿下がいらっしゃいますが、恥ずかしいことに、学校内でも派閥があり
何かと争っているのです。
恥ずかしい話ではありますが……私たちフレイゼンも一応、殿下の派閥らしいのです。
最近困ったことに第3の勢力として、私が頭にされてしまっています。
否定してもなかなか。
最悪なことに、将来の王妃派閥なんて不名誉な言われようですよ」
「王妃派閥と言われるのが不名誉というのは、アンナぐらいだと思うけど……
なんとなく、担ぎ上げたいのはわかる気がするよ」
何故です? と、視線で問うてくる。
このアメジストの瞳は、好奇心の塊だなと思わず笑いたくなった。
「それは、王子も君を手に入れるのに必死ということじゃないのかな?
気づいていないとは言わないよね?」
はぁ……と、大きく盛大にため息をつくアンナ。
「失礼しました。やはり、そうなのでしょうか……
ジョージア様にこんな話してもいいのか分かりませんが、派閥・国内外関係なく今現在
ものすごい縁談の申し込みがあるのです。
筆頭は殿下なのですが……私にはそんな気は全くないのでお断りし続けているのです。
幼馴染としていつも近くにいるせいか、もう婚約したと周知の事実になっています。
実際は、断り続けているのにですよ?
それでも他に縁談話が尽きないのは、私を王妃に据えたくない派閥からの申し出のようですね。
まだ、サンストーン家からの申し出がないだけマシだと思っているのですが、もう好きなように
思いこませておくことにしています」
「聞いてもいいかい?
アンナは、王妃にと望まれているのに嫌なのかい?
他に何かあるのかい?」
王子と結婚し、将来王妃となれば、贅も尽くせみなの憧れの的となろう。
上級貴族とはいえ、王族となれば、別格になるのだ。
ただ、義務も多くなる。
アンナは、それを嫌っているのだろうか?
「そうですね。そんな風に望まれることは、私自身とても光栄に思います。
ただ、私はその器ではございません。
幼馴染だからと、その地位に納まるのも嫌なのです。
確かに名誉も贅も欲しいままでしょうが、私、そういったものには興味がないのです。
名誉も増えれば、義務も増えますしね……」
芯の通った彼女なりの持論があるようだ。
やはり、アンナは、おもしろいと思う。
みなに望まれるというのは、天然の人誑しなのだろう。
ぶれないものがあるからこそ、憧れる、彼女にすがりたい、傍にいてほしいと願う人間が多くいるということだ。
俺もそのうちの一人だから分かる。
彼女のその強さに憧れているし、傍でその強さを見守りたい、共にありたいと願うのだから。
「アンナは、しっかりしているんだね。
自分の器まで把握しているなんて……
でも、俺から言わせれば、君ほど王妃が似合う人はいないと思うんだけど?」
王妃推薦してどうするんだ……俺は馬鹿なのか……?と、心の中で悪態をつく。
それを見こされたのか、ふんわり微笑むアンナ。
「ジョージア様にそう言ってもられるのなら、そうなのかもしれません。
でも、私、やりたいことがあるので、決して王室に入ったりはしませんよ!」
やりたいこ……? それはいったいなんだろうか……?
王室に入れば叶わないことなのだろうか……そこまで拒絶するということわ。
「やりたいことは、ジョージア様に問われたとしても何かと申せません。
でも、王室に入ってしまえば、私の望むものも未来も閉ざされてしまいますとだけ……
それ以上は、聞かないでください!」
これ以上は、王妃の話は拒絶をされてしまう。
そこまでの仲ではないし、きっと家族以外は知らない事情もあるのだろう。
俺もそこに関わりたいと願ったとしても、きっと、拒まれてしまって終わるのだと確信する。
これから言おうとすることも、拒絶されてしまうのではないかと思うと、心がぎゅっと苦しくなってきた。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる