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天災は神の怒り?
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「お客様申し訳ございません、この悪天候では船を出す事は出来ません…」
またか…
今日でこの町に滞在するのも三日目だ、クロさんと共に竜人国から出国して運搬用ドラゴンでこの町までたどり着くまでは順調だったのだが、私の村に帰るには渡し船に乗らなければ帰れない。だがここ3日間台風の様な嵐が続き、頻繁に地震まで起き天災続きなのだ。
出国時は録にお世話になった方々に挨拶も出来ず、唯一挨拶出来たアイシャ様には必死に止められたが帰る意思の強かった私は強行した。逃げるように急いで出国したのに、まさかの天災で足止め…
トボトボと連泊している宿屋に戻る…
「困ったな…」
「お客さんついてないね~でもこんなに天災が続くとまるで神がお怒りになってるみたいだ。今日も宿屋うちに泊まるんだろ、連泊だし安くしとくよ!」
さすがに三日目になると宿屋のおじちゃんとも顔見知りになってしまった。
「助かります…」
「お連れの猫は恋人なんだろ?一緒の部屋にすれば出費も抑えられるじゃねぇか?」
「違います!!」
「まぁ~野暮な事は聞かないが羨ましい限りだぜ!ケッケッケッ」
さすが下町なかなかに野暮なおじちゃんだ、恋仲でも夫婦でもないのに同部屋など間違いがあったらどうしてくれるんだ!
それにしてもクロさんにはお世話になりっぱなしで頭が上がらない、アイシャ様の影武者なのにアイシャ様の意思に背いて私を村に帰してくれようとしてるのだから感謝しっぱなしで頭が上がらない、いつかマタタビを大量にプレゼントしなければ…
「僕としては同部屋でも良いですけどね…」
「クロさん冗談はよしてください!」
「残念です」
この黒猫は冗談なのか本音なのかよくわからない、猫って表情を読みにくいって聞いた事があるが本当にそうだな
「はぁ~付け入る隙もなかったか、もうちょっと時間があれば無念だな…ユイカさん今晩ぐらいそろそろですねお気をつけ下さいね。さすがに猫の僕には止められそうに無いですし…」
「どういう意味ですか…?」
「神のお怒りをどうぞ静めて下さいね」
今晩気をつけるってどういう意味だろう…?
雷が落ちたり大地震でも起きるって事なのかな、やっぱり同部屋にすればよかったのかしら
クロさんの言った意味もよく理解出来ずに宿屋で夕飯を済ませ、クロさんとはお互いの部屋へと別れた。
・
・
・
・
窓に打ち付けるような大雨と強風、いったいいつ止むのかわからない、ベッドに横なってもなかなかに寝付けないし寝るのを諦めた。
本を開いて読書でも始めようと鞄をあさっていたら、部屋の明かりが消える魔法石なる石が光って明かりとなっていたのだが、いきなり消え部屋が暗闇に包まれ窓の外で稲妻が走った、慌てて窓を見れば10秒もかからずドーーンと凄い音とビリビリした振動が部屋を揺らす
「うっぎゃーーーーー!!」
と女性らしからね悲鳴を上げて毛布を被って、ベッドの上で耳を抑える。
昔から雷が苦手、まだ異世界転移する前の思い出…
私が小学生で両親は共働きだった必然的に私は鍵っ子。夕方親の帰りを1人で家で待っていた時にふいに雷が鳴った、窓を見れば空は厚い雲に覆われ暗い夜空に閃光がピカピカと走る、小さいながら必死に雷が落ちないように部屋中の電気を消した。
テレビの音も消えシーンと静まりかえる部屋、その上真っ暗で1人ポツネンとそこに居れば心細く寂しくなり泣きながら親を待っていたあの時…
だから雷は苦手て…
怖い…
怖い…
怖い…
悲鳴を上げられる時はまだ人間には余裕がある時なのだそうだ、本当の恐怖の時人は声を上げる事も出来ないらしい…
「大丈夫…まだ平気…怖くない…怖くない」
自分自身を鼓舞するように声を出してみる…
しかし毛布を被ったまま目を力一杯瞑っている
「全然平気じゃない…」
「うっぎゃーーーーー声が聞こえるぅぅぅ!空耳だ、だって私1人だもん声なんて聞こえないぃぃ!!」
ヒタヒタとベッドに近付いてくる音も勘違い、絶対勘違いなんだから!!
なんでぇぇぇ~毛布ごしに私の腕掴まれてる気がするんですけど、雷の中部屋に現れるっていえば…仮面を被ってチェーンソーを持った
殺人鬼しかいないよぉぉぉぉ!!!
またか…
今日でこの町に滞在するのも三日目だ、クロさんと共に竜人国から出国して運搬用ドラゴンでこの町までたどり着くまでは順調だったのだが、私の村に帰るには渡し船に乗らなければ帰れない。だがここ3日間台風の様な嵐が続き、頻繁に地震まで起き天災続きなのだ。
出国時は録にお世話になった方々に挨拶も出来ず、唯一挨拶出来たアイシャ様には必死に止められたが帰る意思の強かった私は強行した。逃げるように急いで出国したのに、まさかの天災で足止め…
トボトボと連泊している宿屋に戻る…
「困ったな…」
「お客さんついてないね~でもこんなに天災が続くとまるで神がお怒りになってるみたいだ。今日も宿屋うちに泊まるんだろ、連泊だし安くしとくよ!」
さすがに三日目になると宿屋のおじちゃんとも顔見知りになってしまった。
「助かります…」
「お連れの猫は恋人なんだろ?一緒の部屋にすれば出費も抑えられるじゃねぇか?」
「違います!!」
「まぁ~野暮な事は聞かないが羨ましい限りだぜ!ケッケッケッ」
さすが下町なかなかに野暮なおじちゃんだ、恋仲でも夫婦でもないのに同部屋など間違いがあったらどうしてくれるんだ!
それにしてもクロさんにはお世話になりっぱなしで頭が上がらない、アイシャ様の影武者なのにアイシャ様の意思に背いて私を村に帰してくれようとしてるのだから感謝しっぱなしで頭が上がらない、いつかマタタビを大量にプレゼントしなければ…
「僕としては同部屋でも良いですけどね…」
「クロさん冗談はよしてください!」
「残念です」
この黒猫は冗談なのか本音なのかよくわからない、猫って表情を読みにくいって聞いた事があるが本当にそうだな
「はぁ~付け入る隙もなかったか、もうちょっと時間があれば無念だな…ユイカさん今晩ぐらいそろそろですねお気をつけ下さいね。さすがに猫の僕には止められそうに無いですし…」
「どういう意味ですか…?」
「神のお怒りをどうぞ静めて下さいね」
今晩気をつけるってどういう意味だろう…?
雷が落ちたり大地震でも起きるって事なのかな、やっぱり同部屋にすればよかったのかしら
クロさんの言った意味もよく理解出来ずに宿屋で夕飯を済ませ、クロさんとはお互いの部屋へと別れた。
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窓に打ち付けるような大雨と強風、いったいいつ止むのかわからない、ベッドに横なってもなかなかに寝付けないし寝るのを諦めた。
本を開いて読書でも始めようと鞄をあさっていたら、部屋の明かりが消える魔法石なる石が光って明かりとなっていたのだが、いきなり消え部屋が暗闇に包まれ窓の外で稲妻が走った、慌てて窓を見れば10秒もかからずドーーンと凄い音とビリビリした振動が部屋を揺らす
「うっぎゃーーーーー!!」
と女性らしからね悲鳴を上げて毛布を被って、ベッドの上で耳を抑える。
昔から雷が苦手、まだ異世界転移する前の思い出…
私が小学生で両親は共働きだった必然的に私は鍵っ子。夕方親の帰りを1人で家で待っていた時にふいに雷が鳴った、窓を見れば空は厚い雲に覆われ暗い夜空に閃光がピカピカと走る、小さいながら必死に雷が落ちないように部屋中の電気を消した。
テレビの音も消えシーンと静まりかえる部屋、その上真っ暗で1人ポツネンとそこに居れば心細く寂しくなり泣きながら親を待っていたあの時…
だから雷は苦手て…
怖い…
怖い…
怖い…
悲鳴を上げられる時はまだ人間には余裕がある時なのだそうだ、本当の恐怖の時人は声を上げる事も出来ないらしい…
「大丈夫…まだ平気…怖くない…怖くない」
自分自身を鼓舞するように声を出してみる…
しかし毛布を被ったまま目を力一杯瞑っている
「全然平気じゃない…」
「うっぎゃーーーーー声が聞こえるぅぅぅ!空耳だ、だって私1人だもん声なんて聞こえないぃぃ!!」
ヒタヒタとベッドに近付いてくる音も勘違い、絶対勘違いなんだから!!
なんでぇぇぇ~毛布ごしに私の腕掴まれてる気がするんですけど、雷の中部屋に現れるっていえば…仮面を被ってチェーンソーを持った
殺人鬼しかいないよぉぉぉぉ!!!
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