2 / 11
二
しおりを挟む
天文十八年、三月六日、 三河国 岡崎城主 松平弘忠が死去。享年二四。
弘忠は織田 弾正忠家に人質として取られている 竹千代、後の 徳川家康の父である。
竹千代は、もとは松平から今川への人質として出されたのだが、護衛の家臣が裏切り織田についたため、横流しされたというか、掠め取られたというか。何とも微妙な立場にあった。
岡崎城主頓死の報に、 駿河の 今川 義元はすぐに軍勢を三河に差し向けた。
そして松平家の所領を支配すると共に、国人領主を直接支配下に取り込んでいった。
同年十一月。義元は 信長の庶兄 信広が守る三河の 安祥城を攻略。
殺されなかったのは良かったのか、悪かったのか。捕らえた信広と交換に、竹千代を取り戻した。
安祥城を巡っては、 天文九年から 同十八年にかけ織田 信秀と松平、今川がこの城を巡って何度も戦を起こしている。 小豆坂の戦いもこのひとつである。
安祥城は西三河地方の覇権を巡るにあたって、格別重要な城であった。
信広は何度も城の防衛に成功していたが、今回ばかりは守りきることができなかった。
天文二十年。 信長と 帰蝶との婚姻より、瞬く間に三年が経った。
尾張と 美濃との同盟は成り、大きな戦もなく、それなりに穏やかな日々が続いていた。
信勝は十六になった。
凛々しさは 弥 増し、本人の気持ちとは裏腹に、弾正忠家内でますます信勝擁立の動きは大きくなっていた。
信長の後見に美濃の 蝮がついていようと、うつけはうつけという見方は変わりはしなかった。
帰蝶は 濃姫と呼ばれるようになり、大過なく過ごしている。
信長と濃姫とは仲睦まじくしているようで、時折連れ立っては遠乗りになど行っているようだ。
どちらかと言えば信長が無理矢理に連れ回しているのではないだろうか。
付き従う小姓たちも、悪童と 然程変わらぬ振る舞いと聞く。
妻を迎えたからといって、信長の振る舞いが改まることはなかった。
それどころか激しさを増しているようにさえ見える。
相変わらず武芸に励み、鷹狩りに興じ、冬以外は水練に勤しんでいる。
時にはそれに濃姫を同行させることすらあった。
そんな乱雑に、大事な姫を扱ってよいのだろうかと信勝は思うのだが。
そんな有様だから子が出来ぬのだとか、所詮うつけの 飯事だとか、口がさない者らはさざめいているが、信勝は兄が羨ましくもあった。
信勝も先日妻を迎えた。
和田備前守の娘、高子である。
それなりにうまく付き合ってはいるものの、仲睦まじくとまではいかず、どうにも空回ってしまう。
高子は 所謂深窓の令嬢であった。
彼女は和歌が得意であったが、信勝は気の利いた和歌を 容易く作れる程には熟達しては居なかったし、信勝は 百舌鳥を可愛がっており、それを用いた珍しい鷹狩りを好んだが、高子はそういったことには興味を持たぬようで。会話が弾むことも滅多に無かった。
政略結婚とはそのようなものと思いながらも、信長と濃姫の遠慮のない遣り取りが好ましく、二人のようになれたらと思うこともしばしばあった。
自分ではまさか高子を遠乗りになど誘えはしないけれども。
少しでも歩み寄ろうと、先日来暇を見つけては古今集など読んでいる。
とはいえ上達はまだまだ先のことになりそうではある。
今は父の補佐の仕事を覚えるのに精一杯なのだ。
最近、父 信秀は信長と信勝とを政務に関わらせることが増えた。
文書を作成したり、 制札を出したり、 安堵(これは主君が家人に対して土地の所有権、領有権、知行権を与えることを 充行といい、既にあてがわれたり、買得されたこれらの権利を確認または承認することをいうのだが)したり。
同じ 末盛城中で父の教えを乞い、 信勝は着実に実力を伸ばしていた。
政は、難しいが面白い。
信勝は早く一人前になりたかった。
今の自分は少しづつではあっても、理想に近付いている手応えがある。
父を支え、兄を支え、家を守る。
いつかは辿り着きたい理想の姿であった。
最近は父の体調が思わしくないこともあり、なるべくその負担を減らしたくもあった。
そんな信勝の気持ちなど露知らず、家中では密やかに信長廃嫡の企みが巡らされていた。
なんと信長の 一 長である 林 秀貞が、信勝擁立勢力の筆頭であるという。
信長の身近であるが故に、奇行が余計目につくのだろうか。
その考えに信勝の 守役である 柴田 勝家、秀貞の弟である林 通具も同調しているという。
嘆かわしい、と信勝は睫毛を伏せる。
そんな微かな仕草さえ麗しく、憂いの為か妙に艶めいてみえる。
城の女たちに騒がれているのを、信勝本人だけが知らない。
廊下の端できゃあ、と可愛い歓声があがった。
視線を遣れば、誰かが慌てて隠れようと転んだらしい。結構痛そうな音がした。
それはさて置き。
信勝は兄 信長こそが嫡男に相応しいと思っている。
兄こそが、戦国の世を生き抜くに相応しい大器であると。
しかしながら、その器は 聊か大き過ぎるのだった。信長の行動は普通の感性で量れるものではない。
小さな盃に樽一杯の水は酌めない。
悉く溢れだすだろう。
だからうつけなどと呼ばれるのだ。
本物のうつけは自分達であることにも気付かず信長を 嘲笑う。
理解が及ばぬものを忌避し、見下す。
家中で 信長を正しく見ているのは父、 信秀だけかもしれない。
そして自分だ。
信長の 守役 平手 政秀は信長を可愛がってはいるが、小言ばかりで 聢と捉えているのかは疑問であると信勝は思っていた。
信勝は父を尊敬し慕っていた。
その父に認められている信長に憧れていた。
兄の様になりたいかといえば、それは違うと答えるのだが。
父を、兄を支え 弾正忠家を守って行く。
それが信勝の望みだった。
ささやかながら難しい願い。
信勝は戦国の世には珍しく争いを嫌い、血を嫌い、家族の和を望む青年だった。
信勝は多忙な父の補佐を 末盛城で務め、信長は 那古野で政務を執る。兄弟揃って父の助けとなり、織田弾正忠家を支えていく。
美濃の 斎藤との同盟は成り、 駿河の 今川も今は鳴りを潜めている。 三河の 松平が今川に呑み込まれつつはあるけれど。
尾張は束の間、平穏だった。
「信勝、何やら美味い砂糖饅頭があると聞いた故、来たぞ」
ひょいと信長が顔を覗かせた。
「これは兄上、おいでなさいませ。義姉上もようこそ」
隣に濃姫を連れ、信長は相変わらずの派手な出で立ちで末盛城にひょっこりと現れた。
相変わらず何とも機敏な。きっと供も 前田 犬千代やらの小姓数名なのだろう。
乳兄弟の 池田 恒興辺りが胃を痛くして探しまわっているのではないだろうか。
「では、取らせて参りましょう」
砂糖は当時貴重品であった。
饅頭は野菜を入れた菜饅頭や、塩饅頭が普通で、甘い餡を入れた饅頭は、砂糖饅頭と特別に呼ばれた。
「よい。自分で行く。お濃も参れ」
「はい」
本当に、軽やかというか行動力があるというか。もう少し重々しくても良いのではないかと、時々思う。
「では、参りましょうか。私も食べたくなりました」
しかしそれが信長らしさであり、鈍重な様は如何にも兄らしくはない。
そのような瑣末なことに頓着するのでは、信長では無い気がした。
「兄上はどうぞそのままで」
「何がだ」
信勝はくすっと笑った。
「砂糖饅頭のお好きな兄上のままで、いらしてくださいね」
信長と濃姫は顔を見合わせ、同じ角度で首を傾げた。
「甘いものは嫌いにならんぞ」
「はい。存じております」
変わらなければいい。ずっと、このまま。
束の間の平穏が、いつまでも続けばいい。
今が少しでも長く続くよう、信勝は祈った。
だがそれは叶わなかった。
掌から砂がさらさらと零れ落ちる様に。
呆気なく終わりは訪れた。
弘忠は織田 弾正忠家に人質として取られている 竹千代、後の 徳川家康の父である。
竹千代は、もとは松平から今川への人質として出されたのだが、護衛の家臣が裏切り織田についたため、横流しされたというか、掠め取られたというか。何とも微妙な立場にあった。
岡崎城主頓死の報に、 駿河の 今川 義元はすぐに軍勢を三河に差し向けた。
そして松平家の所領を支配すると共に、国人領主を直接支配下に取り込んでいった。
同年十一月。義元は 信長の庶兄 信広が守る三河の 安祥城を攻略。
殺されなかったのは良かったのか、悪かったのか。捕らえた信広と交換に、竹千代を取り戻した。
安祥城を巡っては、 天文九年から 同十八年にかけ織田 信秀と松平、今川がこの城を巡って何度も戦を起こしている。 小豆坂の戦いもこのひとつである。
安祥城は西三河地方の覇権を巡るにあたって、格別重要な城であった。
信広は何度も城の防衛に成功していたが、今回ばかりは守りきることができなかった。
天文二十年。 信長と 帰蝶との婚姻より、瞬く間に三年が経った。
尾張と 美濃との同盟は成り、大きな戦もなく、それなりに穏やかな日々が続いていた。
信勝は十六になった。
凛々しさは 弥 増し、本人の気持ちとは裏腹に、弾正忠家内でますます信勝擁立の動きは大きくなっていた。
信長の後見に美濃の 蝮がついていようと、うつけはうつけという見方は変わりはしなかった。
帰蝶は 濃姫と呼ばれるようになり、大過なく過ごしている。
信長と濃姫とは仲睦まじくしているようで、時折連れ立っては遠乗りになど行っているようだ。
どちらかと言えば信長が無理矢理に連れ回しているのではないだろうか。
付き従う小姓たちも、悪童と 然程変わらぬ振る舞いと聞く。
妻を迎えたからといって、信長の振る舞いが改まることはなかった。
それどころか激しさを増しているようにさえ見える。
相変わらず武芸に励み、鷹狩りに興じ、冬以外は水練に勤しんでいる。
時にはそれに濃姫を同行させることすらあった。
そんな乱雑に、大事な姫を扱ってよいのだろうかと信勝は思うのだが。
そんな有様だから子が出来ぬのだとか、所詮うつけの 飯事だとか、口がさない者らはさざめいているが、信勝は兄が羨ましくもあった。
信勝も先日妻を迎えた。
和田備前守の娘、高子である。
それなりにうまく付き合ってはいるものの、仲睦まじくとまではいかず、どうにも空回ってしまう。
高子は 所謂深窓の令嬢であった。
彼女は和歌が得意であったが、信勝は気の利いた和歌を 容易く作れる程には熟達しては居なかったし、信勝は 百舌鳥を可愛がっており、それを用いた珍しい鷹狩りを好んだが、高子はそういったことには興味を持たぬようで。会話が弾むことも滅多に無かった。
政略結婚とはそのようなものと思いながらも、信長と濃姫の遠慮のない遣り取りが好ましく、二人のようになれたらと思うこともしばしばあった。
自分ではまさか高子を遠乗りになど誘えはしないけれども。
少しでも歩み寄ろうと、先日来暇を見つけては古今集など読んでいる。
とはいえ上達はまだまだ先のことになりそうではある。
今は父の補佐の仕事を覚えるのに精一杯なのだ。
最近、父 信秀は信長と信勝とを政務に関わらせることが増えた。
文書を作成したり、 制札を出したり、 安堵(これは主君が家人に対して土地の所有権、領有権、知行権を与えることを 充行といい、既にあてがわれたり、買得されたこれらの権利を確認または承認することをいうのだが)したり。
同じ 末盛城中で父の教えを乞い、 信勝は着実に実力を伸ばしていた。
政は、難しいが面白い。
信勝は早く一人前になりたかった。
今の自分は少しづつではあっても、理想に近付いている手応えがある。
父を支え、兄を支え、家を守る。
いつかは辿り着きたい理想の姿であった。
最近は父の体調が思わしくないこともあり、なるべくその負担を減らしたくもあった。
そんな信勝の気持ちなど露知らず、家中では密やかに信長廃嫡の企みが巡らされていた。
なんと信長の 一 長である 林 秀貞が、信勝擁立勢力の筆頭であるという。
信長の身近であるが故に、奇行が余計目につくのだろうか。
その考えに信勝の 守役である 柴田 勝家、秀貞の弟である林 通具も同調しているという。
嘆かわしい、と信勝は睫毛を伏せる。
そんな微かな仕草さえ麗しく、憂いの為か妙に艶めいてみえる。
城の女たちに騒がれているのを、信勝本人だけが知らない。
廊下の端できゃあ、と可愛い歓声があがった。
視線を遣れば、誰かが慌てて隠れようと転んだらしい。結構痛そうな音がした。
それはさて置き。
信勝は兄 信長こそが嫡男に相応しいと思っている。
兄こそが、戦国の世を生き抜くに相応しい大器であると。
しかしながら、その器は 聊か大き過ぎるのだった。信長の行動は普通の感性で量れるものではない。
小さな盃に樽一杯の水は酌めない。
悉く溢れだすだろう。
だからうつけなどと呼ばれるのだ。
本物のうつけは自分達であることにも気付かず信長を 嘲笑う。
理解が及ばぬものを忌避し、見下す。
家中で 信長を正しく見ているのは父、 信秀だけかもしれない。
そして自分だ。
信長の 守役 平手 政秀は信長を可愛がってはいるが、小言ばかりで 聢と捉えているのかは疑問であると信勝は思っていた。
信勝は父を尊敬し慕っていた。
その父に認められている信長に憧れていた。
兄の様になりたいかといえば、それは違うと答えるのだが。
父を、兄を支え 弾正忠家を守って行く。
それが信勝の望みだった。
ささやかながら難しい願い。
信勝は戦国の世には珍しく争いを嫌い、血を嫌い、家族の和を望む青年だった。
信勝は多忙な父の補佐を 末盛城で務め、信長は 那古野で政務を執る。兄弟揃って父の助けとなり、織田弾正忠家を支えていく。
美濃の 斎藤との同盟は成り、 駿河の 今川も今は鳴りを潜めている。 三河の 松平が今川に呑み込まれつつはあるけれど。
尾張は束の間、平穏だった。
「信勝、何やら美味い砂糖饅頭があると聞いた故、来たぞ」
ひょいと信長が顔を覗かせた。
「これは兄上、おいでなさいませ。義姉上もようこそ」
隣に濃姫を連れ、信長は相変わらずの派手な出で立ちで末盛城にひょっこりと現れた。
相変わらず何とも機敏な。きっと供も 前田 犬千代やらの小姓数名なのだろう。
乳兄弟の 池田 恒興辺りが胃を痛くして探しまわっているのではないだろうか。
「では、取らせて参りましょう」
砂糖は当時貴重品であった。
饅頭は野菜を入れた菜饅頭や、塩饅頭が普通で、甘い餡を入れた饅頭は、砂糖饅頭と特別に呼ばれた。
「よい。自分で行く。お濃も参れ」
「はい」
本当に、軽やかというか行動力があるというか。もう少し重々しくても良いのではないかと、時々思う。
「では、参りましょうか。私も食べたくなりました」
しかしそれが信長らしさであり、鈍重な様は如何にも兄らしくはない。
そのような瑣末なことに頓着するのでは、信長では無い気がした。
「兄上はどうぞそのままで」
「何がだ」
信勝はくすっと笑った。
「砂糖饅頭のお好きな兄上のままで、いらしてくださいね」
信長と濃姫は顔を見合わせ、同じ角度で首を傾げた。
「甘いものは嫌いにならんぞ」
「はい。存じております」
変わらなければいい。ずっと、このまま。
束の間の平穏が、いつまでも続けばいい。
今が少しでも長く続くよう、信勝は祈った。
だがそれは叶わなかった。
掌から砂がさらさらと零れ落ちる様に。
呆気なく終わりは訪れた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
陣代『諏訪勝頼』――御旗盾無、御照覧あれ!――
黒鯛の刺身♪
歴史・時代
戦国の巨獣と恐れられた『武田信玄』の実質的後継者である『諏訪勝頼』。
一般には武田勝頼と記されることが多い。
……が、しかし、彼は正統な後継者ではなかった。
信玄の遺言に寄れば、正式な後継者は信玄の孫とあった。
つまり勝頼の子である信勝が後継者であり、勝頼は陣代。
一介の後見人の立場でしかない。
織田信長や徳川家康ら稀代の英雄たちと戦うのに、正式な当主と成れず、一介の後見人として戦わねばならなかった諏訪勝頼。
……これは、そんな悲運の名将のお話である。
【画像引用】……諏訪勝頼・高野山持明院蔵
【注意】……武田贔屓のお話です。
所説あります。
あくまでも一つのお話としてお楽しみください。
空蝉
横山美香
歴史・時代
薩摩藩島津家の分家の娘として生まれながら、将軍家御台所となった天璋院篤姫。孝明天皇の妹という高貴な生まれから、第十四代将軍・徳川家定の妻となった和宮親子内親王。
二人の女性と二組の夫婦の恋と人生の物語です。
霧衣物語
水戸けい
歴史・時代
竹井田晴信は、霧衣の国主であり父親の孝信の悪政を、民から訴えられた。家臣らからも勧められ、父を姉婿のいる茅野へと追放する。
父親が国内の里の郷士から人質を取っていたと知り、そこまでしなければ離反をされかねないほど、酷い事をしていたのかと胸を痛める。
人質は全て帰すと決めた晴信に、共に育った牟鍋克頼が、村杉の里の人質、栄は残せと進言する。村杉の里は、隣国の紀和と通じ、謀反を起こそうとしている気配があるからと。
国政に苦しむ民を助けるために逃がしているなら良いではないかと、晴信は思う、克頼が頑なに「帰してはならない」と言うので、晴信は栄と会う事にする。
淡き河、流るるままに
糸冬
歴史・時代
天正八年(一五八〇年)、播磨国三木城において、二年近くに及んだ羽柴秀吉率いる織田勢の厳重な包囲の末、別所家は当主・別所長治の自刃により滅んだ。
その家臣と家族の多くが居場所を失い、他国へと流浪した。
時は流れて慶長五年(一六〇〇年)。
徳川家康が会津の上杉征伐に乗り出す不穏な情勢の中、淡河次郎は、讃岐国坂出にて、小さな寺の食客として逼塞していた。
彼の父は、淡河定範。かつて別所の重臣として、淡河城にて織田の軍勢を雌馬をけしかける奇策で退けて一矢報いた武勇の士である。
肩身の狭い暮らしを余儀なくされている次郎のもとに、「別所長治の遺児」を称する僧形の若者・別所源兵衛が姿を見せる。
福島正則の元に馳せ参じるという源兵衛に説かれ、次郎は武士として世に出る覚悟を固める。
別所家、そして淡河家の再興を賭けた、世に知られざる男たちの物語が動き出す。
仏の顔
akira
歴史・時代
江戸時代
宿場町の廓で売れっ子芸者だったある女のお話
唄よし三味よし踊りよし、オマケに器量もよしと人気は当然だったが、ある旦那に身受けされ店を出る
幸せに暮らしていたが数年ももたず親ほど年の離れた亭主は他界、忽然と姿を消していたその女はある日ふらっと帰ってくる……
毛利隆元 ~総領の甚六~
秋山風介
歴史・時代
えー、名将・毛利元就の目下の悩みは、イマイチしまりのない長男・隆元クンでございました──。
父や弟へのコンプレックスにまみれた男が、いかにして自分の才覚を知り、毛利家の命運をかけた『厳島の戦い』を主導するに至ったのかを描く意欲作。
史実を捨てたり拾ったりしながら、なるべくポップに書いておりますので、歴史苦手だなーって方も読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる