百鬼徒然

第46夜 八尺様ーハチシャクサマー

ある掲示板で有名になった、都市伝説的存在。
2mを超える大きな女性が、ぼ……ぼぼ……といいながら現れる。
気に入られた男は必ず取り殺されてしまう、という話だ。
とある町から出られないよう結界が張られていたが、それが破られ、日本をさまようようになったという。

祖父曰く。
あれは悪神の一種だろうよ。
天災厄災を防ぐことなんてできねぇ。
なら、神として祭り、社から出らんねぇようにしちまうのさ。
だが、気をつけろ。
悪神はもともと、人間の負の感情から生まれたもんだ。それはどんどん膨れ上がって、どこかで爆発する。

そして、八尺様に似た、悪皿という怪異。
とても話は似通っている。
もしかしたら。
もしかしたら、八尺様は負の感情を一人で抑え込めなくなって、その感情を爆発させたのではないだろうか。
その結果、眷属的な怪異が日本全国で見られるようになる。
こうして、怪異は新しく生まれ、また広められて行くのだ。
そう、今夜にでも、あらわれるかもしれない。
貴方の元に。