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創世
白蛇様。侍の末路
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地面の下から、何かが突き上げるような感覚。
「じ、地震か!?」
-違う
「は、早く外へっ!!」
-逃がさない
慌てて外に出た侍たちは、いまだに手を合わせ続けている娘の姿に驚きました。
「き、貴様、まだお祈りなど……!」
「何かございましたか?」
「なにかも、なにも、今しがた、大きな地揺れが合ったであろう!?」
「私には、何も感じませんでしたが?」
「な、ナンだと……?」
突如、大きな音をたてて、侍の持っていた鏡が、粉々に砕けてしまいました。
「うおっ!!?」
「きゃっ!? ……!
あ、あなたたち、それはっ」
娘は驚愕の表情を浮かべ、割れた鏡を見つめています。
割れた鏡の破片から、白い煙のような、殺意の込められた何かが、にじみ出てきました。
それは、見る見るうちに空へと上っていくと、一面を覆うほどに巨大なものになりました。
「な、なんだこれは!!」
「は、早く隊長の元へ!!」
侍たちは、一目散に駆け出して行きます。
「あれが、しろへびさま……」
娘がつぶやくのを待っていたように、煙は少しづつ姿を鮮明にして行きます。
そして、言い伝えどおりの、大きな。
空を貫き、星々さえ飲み込めるほどの。
白い蛇が、姿を現したのです。
-我が地に足を踏み入れしは汝らか・・・
耳ではなく、直接心に響くような、低い声。
まさに、言い伝えにある白蛇様そのものでした。
-ここは我が住み家。汝等が戦争の火種をもたらすというのなら、容赦はせぬぞ・・・!
長く、雄大な尾を大きく持ち上げると、たやすく木々をなぎ倒しながら振り下ろしました。
「ひぃっ!?」
戦馴れした侍たちも、さしもの人外相手には腰を抜かすばかり。
その場に固まるだけで、微動だに出来ません。
-我を忌々しき封印から解き放ってくれたことには感謝しよう。
そして……。
「じ、地震か!?」
-違う
「は、早く外へっ!!」
-逃がさない
慌てて外に出た侍たちは、いまだに手を合わせ続けている娘の姿に驚きました。
「き、貴様、まだお祈りなど……!」
「何かございましたか?」
「なにかも、なにも、今しがた、大きな地揺れが合ったであろう!?」
「私には、何も感じませんでしたが?」
「な、ナンだと……?」
突如、大きな音をたてて、侍の持っていた鏡が、粉々に砕けてしまいました。
「うおっ!!?」
「きゃっ!? ……!
あ、あなたたち、それはっ」
娘は驚愕の表情を浮かべ、割れた鏡を見つめています。
割れた鏡の破片から、白い煙のような、殺意の込められた何かが、にじみ出てきました。
それは、見る見るうちに空へと上っていくと、一面を覆うほどに巨大なものになりました。
「な、なんだこれは!!」
「は、早く隊長の元へ!!」
侍たちは、一目散に駆け出して行きます。
「あれが、しろへびさま……」
娘がつぶやくのを待っていたように、煙は少しづつ姿を鮮明にして行きます。
そして、言い伝えどおりの、大きな。
空を貫き、星々さえ飲み込めるほどの。
白い蛇が、姿を現したのです。
-我が地に足を踏み入れしは汝らか・・・
耳ではなく、直接心に響くような、低い声。
まさに、言い伝えにある白蛇様そのものでした。
-ここは我が住み家。汝等が戦争の火種をもたらすというのなら、容赦はせぬぞ・・・!
長く、雄大な尾を大きく持ち上げると、たやすく木々をなぎ倒しながら振り下ろしました。
「ひぃっ!?」
戦馴れした侍たちも、さしもの人外相手には腰を抜かすばかり。
その場に固まるだけで、微動だに出来ません。
-我を忌々しき封印から解き放ってくれたことには感謝しよう。
そして……。
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