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チュートリアル
6 冒険者ギルドとスキルツリー
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冒険者ギルドに行けってか? 飛空艇降りて始めて来た場所だぞ?
ウインドウを開いてみたが、ステータスと道具袋があるだけで、肝心のマップが表示されていなかった。
不便だな。
とりあえず、近くにいた青年男性のNPCに話しかけることにした。
「すみません、ちょっといいですか?」
「なんだ坊主? 迷子にでもなったか?」
この年で迷子扱いされるとは思わなかった。
どう考えても俺の方が年上だろ、この若造が!
……って、そういえば俺、今ハーフリングだったわ。見た目は人間の子供。すっかり忘れてたわ。
「冒険者ギルドに行きたいんですけど、どう行けばいいのですか?」
「ああ、それならそこの大通りをまっすぐ行って、噴水のある広場に出ればすぐわかるぞ。大きい建物だから行けばすぐにわかるはずだ」
「ありがとう、おじちゃん!」
俺はNPCにぺこりと頭を下げると、教えてもらったとおりに歩き出した。
しばらく歩くと、噴水のある大きな広場に出る。
噴水から見て、正面には大きくて厳格そうな城。
左手には二階建ての建物。
右手側はどこかへ行く道が続いている。
大きい建物って、この城じゃないよな? 槍持った門衛が突っ立ってるし。とても入れそうな雰囲気じゃない。
じゃあ、この右手にある獅子を象った真っ赤な看板が掛かっている建物かな?
いかにもって感じだ。よし、入ってみるか。
両開きの大きな扉を押し開けて中に入ると、そこはまるで病院か市役所みたいだった。
いや、そこは酒場にしとけよ。雰囲気台無しだろ。
建物の中にはここで働いているっぽいNPCだけで、プレイヤーの姿が無い。
ああ、またインスタンスエリアか。
とりあえず、受付にいる眼鏡かけたエルフの男に話しかけてみた。
「すみません、ここは冒険者ギルドですか?」
「はい、そうですが、何か御用ですか?」
「えっと、冒険者登録をしたいです」
「かしこまりました。では、こちらの水晶に手をかざしてもらっていいですか?」
受付のエルフが水晶を取り出してカウンターの上に置くが、ハーフエルフの身長では届かない。気が利かねえな。よじ登れってか?
そう思ってたらヒューマンのお姉さんが椅子を持ってきてくれた。うむ。
椅子に登ってカウンターの上の水晶に掌をペタペタとくっつける。
すると、水晶が光り輝きはじめ……、そんな時、突然背後から声がした。
「おいおいおいおい! なんでここにガキがいんだよ!」
振り返ると、そこには赤髪モヒカンで背の高いヒューマンが立っていた。
ド派手なピンク色の革鎧を装備していて腰に剣を下げている。残念ながら、髭は無い。
男はつかつかと俺のところに来ると、上から見下して睨みつけてきた。
「なんだ? このちっこいの! お前そんなんで冒険者になろうってか? 笑わせんな!」
男がにやにや笑いながら挑発してくる。うぜえ。なんなんだ、このNPC? スキップ出来ないかな?
「お前みたいな身の程知らずに、俺様が冒険者ってもんを教えてやるよ。おら、いくぞ、クソガキ。ついてこい!!」
そしてそのまま、強引に引っ張られてギルドの奥まで連れていかれる。
ねえ、受付の人。こいつ止めてくれないの? おーい!
抵抗空しく奥にあった扉の前まで連れてこられた。
ピロン!
【チュートリアルクエスト3】
スキルツリーを開放しました。スキルを使って戦闘してみよう。
またチュートリアル? はいはい、わかりましたよ。こいつ倒せばいいんでしょ?
というか、ここでやっとスキル開放かよ。小出しにすんなし。
俺を引っ張ってきたモヒカンは、にやにやと笑いながら扉の前で待っている。
今のうちにスキルツリーを確認しろってか? くっそ、親切じゃねえか。
さっそくウインドウを開いてみた。ステータスと道具袋の他に、スキルツリーが表示されてる。
ステータスの時は気付かなかったけど、調べたいところをタッチすると詳細がみれたんだな。まあ、俺は見なくてもなんとなくわかるけどな。でも一応見てみようか。
ということで、SPを調べてみた。
【SP】スキルポイント。スキルツリーを展開するために必要。
と出た。そのまんまだな。じゃあ、スキルボードに書かれてる調べられるところは全て見てみるか。
【継承】転職の際に継承したスキル。
【-】解放にはSPが必要。
【不意打ち 1/10】攻撃スキル。ターゲットが自分を見ていない時にヒットさせるとダメージが増大する。DEXがスキル効果に影響を与える。スキルレベルに応じて威力が上昇する。
【ステルス 0/10】n秒間、姿を消す。攻撃行動を取ると解除される。スキルレベルに応じて時間が延びる。
【トラップ 0/10】トラップを設置する。設置にはトラップツールが必要。侵入者に物理ダメージを与える。スキルレベルに応じて威力が増す。
【ピッキング 0/10】鍵を開ける。DEXがスキル効果に影響を与える。スキルレベルに応じて成功率が上がる。
【ヘイトパス 0/10】自身のヘイトを対象に移す。スキルレベルに応じて移すヘイトが増える。
【鑑定眼 1/10】未鑑定のアイテムなどの詳細を知ることが出来る。スキルレベルに応じて鑑定出来るレベルが上昇する。
不意打ちと鑑定眼は文字が白いけど、他のスキルは灰色だ。解放にはSPが必要。なるほどな。
スキルの後の数字はスキルレベルか。最大で10で、習得していないスキルのレベルは0。
【-】の部分にもSPが必要なので、不意打ちや鑑定眼の次のスキルを見るためには【-】を二つ開放しなければならないようだな。
ステルス、トラップ、ピッキング、ヘイトパスは1ポイント消費で覚えられる。
どうしたものかと悩んだが、いったんスキルは保留にしておくことにした。
見えてるスキルが明らかに一対一の対人向けのものじゃないし。不意打ちスキルを伸ばしても、先にあるスキルは似たようなのかもしれない。
それよりもクマを倒した時レベルアップしてたの忘れてたわ。今、ステータス見て思い出した。BPが一つ余ってるのでDEXに振っておこう。
これでいいか。
おっと、その前にいったんVR停止してトイレ行ってくるわ!
ウインドウを開いてみたが、ステータスと道具袋があるだけで、肝心のマップが表示されていなかった。
不便だな。
とりあえず、近くにいた青年男性のNPCに話しかけることにした。
「すみません、ちょっといいですか?」
「なんだ坊主? 迷子にでもなったか?」
この年で迷子扱いされるとは思わなかった。
どう考えても俺の方が年上だろ、この若造が!
……って、そういえば俺、今ハーフリングだったわ。見た目は人間の子供。すっかり忘れてたわ。
「冒険者ギルドに行きたいんですけど、どう行けばいいのですか?」
「ああ、それならそこの大通りをまっすぐ行って、噴水のある広場に出ればすぐわかるぞ。大きい建物だから行けばすぐにわかるはずだ」
「ありがとう、おじちゃん!」
俺はNPCにぺこりと頭を下げると、教えてもらったとおりに歩き出した。
しばらく歩くと、噴水のある大きな広場に出る。
噴水から見て、正面には大きくて厳格そうな城。
左手には二階建ての建物。
右手側はどこかへ行く道が続いている。
大きい建物って、この城じゃないよな? 槍持った門衛が突っ立ってるし。とても入れそうな雰囲気じゃない。
じゃあ、この右手にある獅子を象った真っ赤な看板が掛かっている建物かな?
いかにもって感じだ。よし、入ってみるか。
両開きの大きな扉を押し開けて中に入ると、そこはまるで病院か市役所みたいだった。
いや、そこは酒場にしとけよ。雰囲気台無しだろ。
建物の中にはここで働いているっぽいNPCだけで、プレイヤーの姿が無い。
ああ、またインスタンスエリアか。
とりあえず、受付にいる眼鏡かけたエルフの男に話しかけてみた。
「すみません、ここは冒険者ギルドですか?」
「はい、そうですが、何か御用ですか?」
「えっと、冒険者登録をしたいです」
「かしこまりました。では、こちらの水晶に手をかざしてもらっていいですか?」
受付のエルフが水晶を取り出してカウンターの上に置くが、ハーフエルフの身長では届かない。気が利かねえな。よじ登れってか?
そう思ってたらヒューマンのお姉さんが椅子を持ってきてくれた。うむ。
椅子に登ってカウンターの上の水晶に掌をペタペタとくっつける。
すると、水晶が光り輝きはじめ……、そんな時、突然背後から声がした。
「おいおいおいおい! なんでここにガキがいんだよ!」
振り返ると、そこには赤髪モヒカンで背の高いヒューマンが立っていた。
ド派手なピンク色の革鎧を装備していて腰に剣を下げている。残念ながら、髭は無い。
男はつかつかと俺のところに来ると、上から見下して睨みつけてきた。
「なんだ? このちっこいの! お前そんなんで冒険者になろうってか? 笑わせんな!」
男がにやにや笑いながら挑発してくる。うぜえ。なんなんだ、このNPC? スキップ出来ないかな?
「お前みたいな身の程知らずに、俺様が冒険者ってもんを教えてやるよ。おら、いくぞ、クソガキ。ついてこい!!」
そしてそのまま、強引に引っ張られてギルドの奥まで連れていかれる。
ねえ、受付の人。こいつ止めてくれないの? おーい!
抵抗空しく奥にあった扉の前まで連れてこられた。
ピロン!
【チュートリアルクエスト3】
スキルツリーを開放しました。スキルを使って戦闘してみよう。
またチュートリアル? はいはい、わかりましたよ。こいつ倒せばいいんでしょ?
というか、ここでやっとスキル開放かよ。小出しにすんなし。
俺を引っ張ってきたモヒカンは、にやにやと笑いながら扉の前で待っている。
今のうちにスキルツリーを確認しろってか? くっそ、親切じゃねえか。
さっそくウインドウを開いてみた。ステータスと道具袋の他に、スキルツリーが表示されてる。
ステータスの時は気付かなかったけど、調べたいところをタッチすると詳細がみれたんだな。まあ、俺は見なくてもなんとなくわかるけどな。でも一応見てみようか。
ということで、SPを調べてみた。
【SP】スキルポイント。スキルツリーを展開するために必要。
と出た。そのまんまだな。じゃあ、スキルボードに書かれてる調べられるところは全て見てみるか。
【継承】転職の際に継承したスキル。
【-】解放にはSPが必要。
【不意打ち 1/10】攻撃スキル。ターゲットが自分を見ていない時にヒットさせるとダメージが増大する。DEXがスキル効果に影響を与える。スキルレベルに応じて威力が上昇する。
【ステルス 0/10】n秒間、姿を消す。攻撃行動を取ると解除される。スキルレベルに応じて時間が延びる。
【トラップ 0/10】トラップを設置する。設置にはトラップツールが必要。侵入者に物理ダメージを与える。スキルレベルに応じて威力が増す。
【ピッキング 0/10】鍵を開ける。DEXがスキル効果に影響を与える。スキルレベルに応じて成功率が上がる。
【ヘイトパス 0/10】自身のヘイトを対象に移す。スキルレベルに応じて移すヘイトが増える。
【鑑定眼 1/10】未鑑定のアイテムなどの詳細を知ることが出来る。スキルレベルに応じて鑑定出来るレベルが上昇する。
不意打ちと鑑定眼は文字が白いけど、他のスキルは灰色だ。解放にはSPが必要。なるほどな。
スキルの後の数字はスキルレベルか。最大で10で、習得していないスキルのレベルは0。
【-】の部分にもSPが必要なので、不意打ちや鑑定眼の次のスキルを見るためには【-】を二つ開放しなければならないようだな。
ステルス、トラップ、ピッキング、ヘイトパスは1ポイント消費で覚えられる。
どうしたものかと悩んだが、いったんスキルは保留にしておくことにした。
見えてるスキルが明らかに一対一の対人向けのものじゃないし。不意打ちスキルを伸ばしても、先にあるスキルは似たようなのかもしれない。
それよりもクマを倒した時レベルアップしてたの忘れてたわ。今、ステータス見て思い出した。BPが一つ余ってるのでDEXに振っておこう。
これでいいか。
おっと、その前にいったんVR停止してトイレ行ってくるわ!
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