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決戦当日。
天気は快晴。絶好のバトル日和だね!なんて言えるほど呑気な状況ではないけどね。
僕とは救護班として戦場となるフィールドのこちら側の陣地の端に待機していた。周りを見渡すとたくさんの人たちが慌ただしく動き回っており、なんだか落ち着かない雰囲気だった。
そんな中、河童がやってくる。
「ゆうすけ。調子はどうだ?」相も変わらず偉そうに話しかけてくる。いや、実際偉いんだったなかこいつ。
「今日は大船に乗った気でいるといい。何しろ俺がいるからな!」自信たっぷりに言うが……結構厳しい戦いになると知っている。
おそらくこうやって鼓舞しているのだろう。
まあ、今日くらいは乗ってやろうじゃないか。僕もを合わせて答えた。
「ああ、何も心配してないぞ!なんせこちらには神がついているんだからな!!」
僕の言葉に河童は一瞬驚いた顔を見せたが、笑って言った。
「任せろ!お前も救護がんばれよ!期待してるぞ!」そう言って立ち去って行った。
よし、頑張っていこう!!
――
いよいよ合戦が始まる時間になった。僕らは所定の位置について開始の合図を待つ。いよいよ始まるんだなと思うと緊張してきた。周りにいる他の救護班も緊張した面持ちをしていた。
しばらくするとほら貝の音が響き渡る。その音と同時に鬨の声が上がる。いよいよ開戦だ!!
合戦が始まってすぐに戦況に変化があった。ケガをした人が運ばれてくる。
軽傷の人には応急措置を。大けがをしてる人には支給されているポーションを飲ませる。
僕らが手分けして手当てを始めるのだが……これがまた大変だった。とにかく人が多い上にあっちこっちで戦闘が起きているらしく、治療を求める声が絶えない。
僕は必死に処置を続けた。しかし次から次へと怪我人はやってくるため追いつかない。まずいなと思っていると突然肩を叩かれた。振り返るとそこにはあの伝令の女の人が立っていた。彼女はそのまま僕の横に来ると周りの人に指示を出し始めた。そして次々と負傷兵の治療を行っていく。
凄い手際の良さだ!あっという間に治療を終えた彼女は僕にこういった。
「ここは私に任せてください。あなたは向こうののサポートをお願いします」
そういうと彼女は再び作業に戻っていった。
僕は言われたとおりに動くことにした。早く行かなければ!そう思い駆け出そうとした瞬間、後ろから呼び止められた。振り向くとそこには火野が立っていた。
「これを」そういって手渡されたものは紙。何か書いてある。
「おい!」声をかけようとしたときには火野は影もなく消えていた。
天気は快晴。絶好のバトル日和だね!なんて言えるほど呑気な状況ではないけどね。
僕とは救護班として戦場となるフィールドのこちら側の陣地の端に待機していた。周りを見渡すとたくさんの人たちが慌ただしく動き回っており、なんだか落ち着かない雰囲気だった。
そんな中、河童がやってくる。
「ゆうすけ。調子はどうだ?」相も変わらず偉そうに話しかけてくる。いや、実際偉いんだったなかこいつ。
「今日は大船に乗った気でいるといい。何しろ俺がいるからな!」自信たっぷりに言うが……結構厳しい戦いになると知っている。
おそらくこうやって鼓舞しているのだろう。
まあ、今日くらいは乗ってやろうじゃないか。僕もを合わせて答えた。
「ああ、何も心配してないぞ!なんせこちらには神がついているんだからな!!」
僕の言葉に河童は一瞬驚いた顔を見せたが、笑って言った。
「任せろ!お前も救護がんばれよ!期待してるぞ!」そう言って立ち去って行った。
よし、頑張っていこう!!
――
いよいよ合戦が始まる時間になった。僕らは所定の位置について開始の合図を待つ。いよいよ始まるんだなと思うと緊張してきた。周りにいる他の救護班も緊張した面持ちをしていた。
しばらくするとほら貝の音が響き渡る。その音と同時に鬨の声が上がる。いよいよ開戦だ!!
合戦が始まってすぐに戦況に変化があった。ケガをした人が運ばれてくる。
軽傷の人には応急措置を。大けがをしてる人には支給されているポーションを飲ませる。
僕らが手分けして手当てを始めるのだが……これがまた大変だった。とにかく人が多い上にあっちこっちで戦闘が起きているらしく、治療を求める声が絶えない。
僕は必死に処置を続けた。しかし次から次へと怪我人はやってくるため追いつかない。まずいなと思っていると突然肩を叩かれた。振り返るとそこにはあの伝令の女の人が立っていた。彼女はそのまま僕の横に来ると周りの人に指示を出し始めた。そして次々と負傷兵の治療を行っていく。
凄い手際の良さだ!あっという間に治療を終えた彼女は僕にこういった。
「ここは私に任せてください。あなたは向こうののサポートをお願いします」
そういうと彼女は再び作業に戻っていった。
僕は言われたとおりに動くことにした。早く行かなければ!そう思い駆け出そうとした瞬間、後ろから呼び止められた。振り向くとそこには火野が立っていた。
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「おい!」声をかけようとしたときには火野は影もなく消えていた。
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