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チュートリアル
3 ガールズパーティー(仮)
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次の日の朝、教室に入った私はクラスメイトと挨拶を交わす。
そして自分の席に着くと、隣の席の親友、花菱 見里(はなびし みさと)が話しかけてきた。
「おはよう、たくみ。何かいいことでもあったの? すごく嬉しそうだけど」
「おはよう、みさと! 実はね……」
私は昨日の出来事を話した。すると彼女は目を輝かせる。
「VRMMOやるの!? 私もやってみたかったんだぁ~! 一緒にやろうよぉ~!」
「もちろんだよ! でも、みさとってVRギア持ってるの? けっこうなお値段するよ?」
「だいじょぶ。ようつべで配信するなら事務所で貸してくれるからね」
「良いなあ……。うちはそういうのやらせてくれなくてさあ」
ようつべと言うのは、動画をアップロードしたり閲覧してコメントを残したり出来る動画共有サイトだ。
生放送の場合は視聴している人たちとチャットみたいなことが出来るから、最近は特に若い子に人気がある。
そこでゲーム実況やプレイ動画を上げて人気になれば、広告収入が入って来て、それが結構な額になるらしい。
みさとは、ようつべの配信者運営企業の一つである、五里六中(ごりむちゅう)に所属していて、色々と配信をサポートしてくれるらしい。
二人で話していたら担任が教室に入ってきて、ホームルームが始まった。
そしていつも通り適当に授業をこなしていき、昼休みに入る。
私たちは、お弁当を持って屋上へ向かった。
この高校はわりと有名な私立高校で、まるでレストランかと思うような立派な食堂が設備されている。いるのだけれど。
エスカレーター式の学校で、小学生の頃からいる内部生と、外部生ではっきりと区別されている。
ようするに、私たちのような外部生は学校の食堂が使えないのだ。
なので、外部生は購買部でパンや弁当を買ったり、家からお弁当を持参して、適当なところで食べることになっている。教室とか中庭とかね。
私たちのグループは、天気のいい日は屋上で食べている。
屋上と言っても、ちゃんとテーブルも椅子もあって、普通にカフェテリアみたいな感じなのだ。
私とみさとは連れ立って階段を上っていく。私たちが屋上に出る扉を開けると、そこにはすでに何人か先客がいた。
安倍 晴美(あべの はるみ)こと、はるちゃん。それと、眼鏡をかけたちまっとした女の子、藤川 瑠奈(ふじかわ るな)だ。
私たちは四人は、中学からの友達だ。
「おっそいよ~。もうお腹ペコペコなんだからね」
はるちゃんが文句を言ってくる。まあ確かにちょっと遅れちゃったかな?
「ごめんごめん、歴史の先生が授業終わってからプリント配り始めてさあ」
「まあ、とりあえずお昼食べようよ」
そう言って私とみさとは、二人のいるテーブルについた。
私たち四人は、それぞれ自分で作ってきたお弁当を広げる。
私のお弁当は茶色いおかずが多い。今日は大きな唐揚げが詰まっていた。
私は唐揚げ、大好きだからいいんだけどね。
「そういえば、今日のニュース見た? 織田グループがVR市場に参入だって!」
るなちゃんが興奮気味に言う。
織田グループは、いくつもの事業を手掛けている日本最大の、世界規模で見てもトップグループに位置するような大企業だ。
しかもこの高校に、その織田一族の御曹司である織田 三郎(おだ さぶろう)が在籍している。
織田三郎はこの学校のアイドル的存在で、るなちゃんもファンの一人だった。
「へえ、織田グループがねえ……。なんか意外かも」
「だよね~。VRって結構な水物だから、織田グループみたいな超大手企業が手を出すイメージ無いもん」
私が言うと、みさとは同意するように頷いた。
「あら? たくみ。知らなかったの? この前、一緒に見に行ったローラシア・フロンティアの提携企業に織田グループがあるんだけど」
「え、そうなの?」
私は思わず聞き返す。
はるちゃんの話では、ローラシア・フロンティアの制作で資金難に陥ったワーナービクトリー社を、織田グループが全面的にバックアップしたそうなのだ。
「そうそう。そのローラシア・フロンティアってやつ? 宣伝塔になるために、織田様もプレイするんだって! 私も同じ世界にいきたいなあ」
るなちゃんは、乙女チックな妄想をしているようで目がハートマークになっていた。
「じゃあ、るなちゃんも一緒にやる? ローラシア・フロンティア。VRギアが必要みたいだけど……」
「やるやる! 絶対買う! パパにお願いしないと」
「あれ、みさともやるの? だったら四人で一緒にやらない?」
「でも、私は配信があるよ? 一緒にやっても大丈夫?」
「全然! むしろ大歓迎だよ!」
こうして私たち四人は、一緒にローラシア・フロンティアをすることを約束したのだった。
そして自分の席に着くと、隣の席の親友、花菱 見里(はなびし みさと)が話しかけてきた。
「おはよう、たくみ。何かいいことでもあったの? すごく嬉しそうだけど」
「おはよう、みさと! 実はね……」
私は昨日の出来事を話した。すると彼女は目を輝かせる。
「VRMMOやるの!? 私もやってみたかったんだぁ~! 一緒にやろうよぉ~!」
「もちろんだよ! でも、みさとってVRギア持ってるの? けっこうなお値段するよ?」
「だいじょぶ。ようつべで配信するなら事務所で貸してくれるからね」
「良いなあ……。うちはそういうのやらせてくれなくてさあ」
ようつべと言うのは、動画をアップロードしたり閲覧してコメントを残したり出来る動画共有サイトだ。
生放送の場合は視聴している人たちとチャットみたいなことが出来るから、最近は特に若い子に人気がある。
そこでゲーム実況やプレイ動画を上げて人気になれば、広告収入が入って来て、それが結構な額になるらしい。
みさとは、ようつべの配信者運営企業の一つである、五里六中(ごりむちゅう)に所属していて、色々と配信をサポートしてくれるらしい。
二人で話していたら担任が教室に入ってきて、ホームルームが始まった。
そしていつも通り適当に授業をこなしていき、昼休みに入る。
私たちは、お弁当を持って屋上へ向かった。
この高校はわりと有名な私立高校で、まるでレストランかと思うような立派な食堂が設備されている。いるのだけれど。
エスカレーター式の学校で、小学生の頃からいる内部生と、外部生ではっきりと区別されている。
ようするに、私たちのような外部生は学校の食堂が使えないのだ。
なので、外部生は購買部でパンや弁当を買ったり、家からお弁当を持参して、適当なところで食べることになっている。教室とか中庭とかね。
私たちのグループは、天気のいい日は屋上で食べている。
屋上と言っても、ちゃんとテーブルも椅子もあって、普通にカフェテリアみたいな感じなのだ。
私とみさとは連れ立って階段を上っていく。私たちが屋上に出る扉を開けると、そこにはすでに何人か先客がいた。
安倍 晴美(あべの はるみ)こと、はるちゃん。それと、眼鏡をかけたちまっとした女の子、藤川 瑠奈(ふじかわ るな)だ。
私たちは四人は、中学からの友達だ。
「おっそいよ~。もうお腹ペコペコなんだからね」
はるちゃんが文句を言ってくる。まあ確かにちょっと遅れちゃったかな?
「ごめんごめん、歴史の先生が授業終わってからプリント配り始めてさあ」
「まあ、とりあえずお昼食べようよ」
そう言って私とみさとは、二人のいるテーブルについた。
私たち四人は、それぞれ自分で作ってきたお弁当を広げる。
私のお弁当は茶色いおかずが多い。今日は大きな唐揚げが詰まっていた。
私は唐揚げ、大好きだからいいんだけどね。
「そういえば、今日のニュース見た? 織田グループがVR市場に参入だって!」
るなちゃんが興奮気味に言う。
織田グループは、いくつもの事業を手掛けている日本最大の、世界規模で見てもトップグループに位置するような大企業だ。
しかもこの高校に、その織田一族の御曹司である織田 三郎(おだ さぶろう)が在籍している。
織田三郎はこの学校のアイドル的存在で、るなちゃんもファンの一人だった。
「へえ、織田グループがねえ……。なんか意外かも」
「だよね~。VRって結構な水物だから、織田グループみたいな超大手企業が手を出すイメージ無いもん」
私が言うと、みさとは同意するように頷いた。
「あら? たくみ。知らなかったの? この前、一緒に見に行ったローラシア・フロンティアの提携企業に織田グループがあるんだけど」
「え、そうなの?」
私は思わず聞き返す。
はるちゃんの話では、ローラシア・フロンティアの制作で資金難に陥ったワーナービクトリー社を、織田グループが全面的にバックアップしたそうなのだ。
「そうそう。そのローラシア・フロンティアってやつ? 宣伝塔になるために、織田様もプレイするんだって! 私も同じ世界にいきたいなあ」
るなちゃんは、乙女チックな妄想をしているようで目がハートマークになっていた。
「じゃあ、るなちゃんも一緒にやる? ローラシア・フロンティア。VRギアが必要みたいだけど……」
「やるやる! 絶対買う! パパにお願いしないと」
「あれ、みさともやるの? だったら四人で一緒にやらない?」
「でも、私は配信があるよ? 一緒にやっても大丈夫?」
「全然! むしろ大歓迎だよ!」
こうして私たち四人は、一緒にローラシア・フロンティアをすることを約束したのだった。
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