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最終章
第110話 大苦戦
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ユピテルは、強気な目つきでコクリとうなづく。
自然と息はあっていた。
全く同じタイミングで俺たちは距離を縮める。その瞬間、ドラパも俺たちに向かって再び距離を縮める。
俺達は殴り掛かってくるドラパに対して迎撃しようとする。しかし──。
「そんな攻撃。我には通らぬ!」
俺たちが対応してきた連撃を、ドラパは苦も無く対応する。
ことごとく拳で打ち払い、前進。
俺達は仕方がなく距離を外すために後ろへステップを踏んで回避。しかし──。
「そんな逃げの一手が、我に通用するかァァァァァァァァァァ!」
ドラパはそれを無視して強引に殴り掛かってきた。
俺とユピテルの肉体は大きく後方へと吹き飛ばされる。そして建物の壁に強く激突しそのまま下へと倒れこむ。
あまりに強い衝撃で体が動かない。倒れこんだまま視線をドラパへと移す。
うかつだった、逃げに意識を集中しすぎた。そのせいでドラパはカウンターを警戒しなくなり前のめりにさせてしまった。
やはり、守りだけではだめだ。そうしないとサンドバッグになってしまう。
「ハハハ──。その程度か、大口をたたいた割には実にあっけないではないか」
「これでわかっただろう。貴様達がいくら我に束になってかかってこようと勝てるわけはないのだ」
余裕の笑みを浮かべている。
強力なパワー、予想はしていたけれどすさまじいものがある。
そして俺がいなくなったことで前線が手薄になってしまう。
「先ずは貴様だ。ちょこまかとうっとおしい奴め!」
ドラパはユピテルとの対面を放棄しレテフへと向かっていく。
その姿にレテフが動揺するもののすぐに弓矢を放ち応戦。しかし──。
「そのようなおもちゃで、私に傷を与えることはできぬ!」
レテフの放った弓矢はドラパの肉体に衝突した瞬間はじかれてしまい全く通らない。
そしてドラパはレテフに殴り掛かる。
攻撃はレテフに直撃、そのまま倒れこんでしまう。
「うぅ……」
その姿を見たサナ。俺たちに力を供給したまま背を向けてこの会場から逃げようとする。
恐らく今の自分では、ドラパに傷一つ与えられないと悟ったのだろう。
「逃がすと思ったか!」
ドラパはすぐにそれに気づき、サナを追おうとした。
「させるか!」
そう叫んでユピテルがドラパに迫り、再び接近戦となる。
ドラパはその対応をせざるを得ず、そのスキにサナは会場の外へ難を逃れた。
まずい、俺も立ち上がらないと。
俺はすぐに立ち上がり、ドラパへと向かう。
再び接近戦を挑むが、やはり苦戦。
「どうした? この程度か、この程度で私に勝てると思うなよ」
「そんなことはない。まだ、俺達は戦える!」
「だったら早く本気を出せ。それとも、すでに本気を出しているということかな?」
どうしてもパワーの差で押されてしまう。
そしてドラパの攻撃がユピテルにヒットしてしまう。
地面にたたきつけられるユピテルの肉体。
「一つ忠告しておこう。我の命に刃を届かせたくば、方法など一つのみ。貴様たちの全力を込めた一撃。我の攻撃を破壊しつくして、その執念でこじ開ける全霊の一撃のみだ。
だから、下手な小細工などに逃避せずぶつけろ。この俺にありったけ。
しかし、もし私の圧倒的な力に怯え、小細工に逃げ続けるというのならば──、何もできないまま塵へと消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
瞬間、ドラパは圧倒的な脚力で地面をけり砕く。
光の速さのごとく俺たちに再び突進してきた。
もちろん俺たちは応戦。交戦しようとするが……。
俺たちの剣が軽く弾き飛ばされ、身体が大きくのけぞってしまう。
攻撃の強さが全く違う。
防御の上から俺たちにたたきつけられるようなストレート。
俺は予想外の攻撃に、バランスを崩してしまい、攻撃を受けきれない。
そのスキに殴り掛かってくるドラパ。
「先ずは貴様だ、アグナム。我の力の前に散れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
ドラパの攻撃がとうとう俺の胴体に直撃してしまう。
「アグナム!!」
「アグナムちゃん!」
俺の体は大きく吹き飛び、そのまま後ろにある壁にたたきつけられた。
正直言ってかなりのダメージだ。今までくらったことがないくらい。
あまりの痛みで全身の感覚が全くない。
ギリギリの状態。恐らく次は耐えられないだろう。
幸いユピテルが対応しているおかげでドラパはこっちにやってこない。
しかしユピテルだって明らかに押されている。攻撃を防ぐので精いっぱいだ。
このままでは危ない、すぐに応戦しないと──。
そして俺はゆっくりと立ち上がる。
その間にもユピテルは攻撃をギリギリで回避。
しかしドラパは攻撃の手を緩めない。
力任せ、だが一度くらえば致命傷になるだろう攻撃。
そしてその時は訪れた。
ユピテルが飛び上がった直後、ドラパは無理やり体勢を変え、心臓を目掛けて突っ込んでいく。
空中にいるユピテルは体制を変えられない。
普通なら剣でガードをする一撃。
通常ならガードされてしまうであろう胴体への一撃。
「くらえぇぇぇぇぇぇ!」
ドラパの拳が直撃。
ドラパの攻撃を受けきれなくなり、のけぞってしまう。
そして地面に着地しようとするが、くらったパワーを殺しきれず、よろついてしまった。
「そこだ。ユピテル!」
そのスキをドラパは逃さない。彼の一撃を直接くらってしまう。
ユピテルの体が数メートルほど吹き飛び、そのまま地面に転がり落ちる。
「ユピテル!」
「フハハ、これで貴様は終わりだ!」
ユピテルの魔力は風前の灯火といった感じだ。
そしてユピテルはボロボロの姿でゆっくりと立ち上がる。
「ほう、そんなボロボロの姿でまだ戦おうというのか?」
「──俺は、託す」
自然と息はあっていた。
全く同じタイミングで俺たちは距離を縮める。その瞬間、ドラパも俺たちに向かって再び距離を縮める。
俺達は殴り掛かってくるドラパに対して迎撃しようとする。しかし──。
「そんな攻撃。我には通らぬ!」
俺たちが対応してきた連撃を、ドラパは苦も無く対応する。
ことごとく拳で打ち払い、前進。
俺達は仕方がなく距離を外すために後ろへステップを踏んで回避。しかし──。
「そんな逃げの一手が、我に通用するかァァァァァァァァァァ!」
ドラパはそれを無視して強引に殴り掛かってきた。
俺とユピテルの肉体は大きく後方へと吹き飛ばされる。そして建物の壁に強く激突しそのまま下へと倒れこむ。
あまりに強い衝撃で体が動かない。倒れこんだまま視線をドラパへと移す。
うかつだった、逃げに意識を集中しすぎた。そのせいでドラパはカウンターを警戒しなくなり前のめりにさせてしまった。
やはり、守りだけではだめだ。そうしないとサンドバッグになってしまう。
「ハハハ──。その程度か、大口をたたいた割には実にあっけないではないか」
「これでわかっただろう。貴様達がいくら我に束になってかかってこようと勝てるわけはないのだ」
余裕の笑みを浮かべている。
強力なパワー、予想はしていたけれどすさまじいものがある。
そして俺がいなくなったことで前線が手薄になってしまう。
「先ずは貴様だ。ちょこまかとうっとおしい奴め!」
ドラパはユピテルとの対面を放棄しレテフへと向かっていく。
その姿にレテフが動揺するもののすぐに弓矢を放ち応戦。しかし──。
「そのようなおもちゃで、私に傷を与えることはできぬ!」
レテフの放った弓矢はドラパの肉体に衝突した瞬間はじかれてしまい全く通らない。
そしてドラパはレテフに殴り掛かる。
攻撃はレテフに直撃、そのまま倒れこんでしまう。
「うぅ……」
その姿を見たサナ。俺たちに力を供給したまま背を向けてこの会場から逃げようとする。
恐らく今の自分では、ドラパに傷一つ与えられないと悟ったのだろう。
「逃がすと思ったか!」
ドラパはすぐにそれに気づき、サナを追おうとした。
「させるか!」
そう叫んでユピテルがドラパに迫り、再び接近戦となる。
ドラパはその対応をせざるを得ず、そのスキにサナは会場の外へ難を逃れた。
まずい、俺も立ち上がらないと。
俺はすぐに立ち上がり、ドラパへと向かう。
再び接近戦を挑むが、やはり苦戦。
「どうした? この程度か、この程度で私に勝てると思うなよ」
「そんなことはない。まだ、俺達は戦える!」
「だったら早く本気を出せ。それとも、すでに本気を出しているということかな?」
どうしてもパワーの差で押されてしまう。
そしてドラパの攻撃がユピテルにヒットしてしまう。
地面にたたきつけられるユピテルの肉体。
「一つ忠告しておこう。我の命に刃を届かせたくば、方法など一つのみ。貴様たちの全力を込めた一撃。我の攻撃を破壊しつくして、その執念でこじ開ける全霊の一撃のみだ。
だから、下手な小細工などに逃避せずぶつけろ。この俺にありったけ。
しかし、もし私の圧倒的な力に怯え、小細工に逃げ続けるというのならば──、何もできないまま塵へと消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
瞬間、ドラパは圧倒的な脚力で地面をけり砕く。
光の速さのごとく俺たちに再び突進してきた。
もちろん俺たちは応戦。交戦しようとするが……。
俺たちの剣が軽く弾き飛ばされ、身体が大きくのけぞってしまう。
攻撃の強さが全く違う。
防御の上から俺たちにたたきつけられるようなストレート。
俺は予想外の攻撃に、バランスを崩してしまい、攻撃を受けきれない。
そのスキに殴り掛かってくるドラパ。
「先ずは貴様だ、アグナム。我の力の前に散れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
ドラパの攻撃がとうとう俺の胴体に直撃してしまう。
「アグナム!!」
「アグナムちゃん!」
俺の体は大きく吹き飛び、そのまま後ろにある壁にたたきつけられた。
正直言ってかなりのダメージだ。今までくらったことがないくらい。
あまりの痛みで全身の感覚が全くない。
ギリギリの状態。恐らく次は耐えられないだろう。
幸いユピテルが対応しているおかげでドラパはこっちにやってこない。
しかしユピテルだって明らかに押されている。攻撃を防ぐので精いっぱいだ。
このままでは危ない、すぐに応戦しないと──。
そして俺はゆっくりと立ち上がる。
その間にもユピテルは攻撃をギリギリで回避。
しかしドラパは攻撃の手を緩めない。
力任せ、だが一度くらえば致命傷になるだろう攻撃。
そしてその時は訪れた。
ユピテルが飛び上がった直後、ドラパは無理やり体勢を変え、心臓を目掛けて突っ込んでいく。
空中にいるユピテルは体制を変えられない。
普通なら剣でガードをする一撃。
通常ならガードされてしまうであろう胴体への一撃。
「くらえぇぇぇぇぇぇ!」
ドラパの拳が直撃。
ドラパの攻撃を受けきれなくなり、のけぞってしまう。
そして地面に着地しようとするが、くらったパワーを殺しきれず、よろついてしまった。
「そこだ。ユピテル!」
そのスキをドラパは逃さない。彼の一撃を直接くらってしまう。
ユピテルの体が数メートルほど吹き飛び、そのまま地面に転がり落ちる。
「ユピテル!」
「フハハ、これで貴様は終わりだ!」
ユピテルの魔力は風前の灯火といった感じだ。
そしてユピテルはボロボロの姿でゆっくりと立ち上がる。
「ほう、そんなボロボロの姿でまだ戦おうというのか?」
「──俺は、託す」
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