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第五章
90:再会
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「こんなもんか」
額の汗を拭い、錬はスコープ付きの魔石銃を下ろした。
何度か試射して微調整したため、見える範囲ならば充分狙い撃つ事ができるようになった。
(射程距離はおよそ五百メートルってところか)
風魔法は魔力がある限り重力で落下しないようだし、自然の風の影響も受けない。防御魔法で防がれるという難点はあるが、連射しても反動がないので火薬で弾丸を飛ばすよりも当てるのは簡単かもしれない。
「レン一人で倒しちゃったの?」
「数も少なかったしな。徒歩の奴を何人か逃してしまったが、騎竜に乗ってる奴は全員仕留めたはずだ」
「殺したんですか?」
「いや、急所は外してある」
死なないようできるだけ手足を狙ったし、頭や胴体に少々当たっても防御魔法のおかげで致命傷には至っていなかった。手当てすれば死ぬ事はないだろう。
「すごいですね……」
「ノーラさんの単眼鏡のおかげだ。ともかく獣人達のところに行こう」
砦の下のざわめきを耳にしながら、錬は急いで階段へ向かった。
「武器を捨てろ! 歯向かう者には容赦せんぞッ!」
砦の入り口へ向かうと、獣人兵達が杖剣を構える聖堂騎士達と睨み合っていた。
彼らは攻撃する気配こそないが、木の棒や石を手に威嚇している。
聖堂騎士達には魔法があるため負ける事はないが、獣人兵は冷静さを欠いており、お互い敵か味方かわからず一触即発の事態になっているようだった。
「獣人の皆さん、落ち着いてください! 私達は敵じゃありません!」
声を張り上げるジエット。
その白い熊耳を見て獣人兵達は少しばかり表情を緩めたが、しかし武器を構えたまま動かない。
「オマエら無理やり戦わされてたんだろ? 偉い奴らは倒したからもう大丈夫だぜ!」
「……っ」
パムの声も虚しく、獣人兵は一向に武装解除する気配がない。攻撃こそしないが、威嚇は続けているような状態だった。
(埒が明かないな……。こちらの獣人はジエットとパムだけだから、二人が頼りだが――)
「レン! ジエット!」
突然叫んだのは大柄の熊獣人だ。
目に傷があるその顔には錬も見覚えがあった。魔石鉱山で共に働き、時に助けてくれた奴隷仲間のベルドである。
「あんたか!?」
「マサカ、モウ一度オマエ達ニ会エルトハ……」
相変わらずどう猛な面構えだが、わずかに目尻が下がっているようにも見える。再会を喜んでいるのだろう。
ジエットもまた驚きと笑顔がないまぜになった表情をしていた。
「ベルド、あなたどうしてここに?」
「詳シクハ、ワカラナイ。タダ、コノ砦ヲ攻メロと命令サレタダケダ」
「だったらもう大丈夫だよ。命令してる人達はレンがやっつけたから。それに私達が奴隷制度の廃止を目指してる事、あなたなら知ってるでしょ?」
「知ッテイル」
「じゃあ!」
「……」
ベルドが返したのは予想に反して沈黙だった。獣人兵達もいまだ武装解除には至らず、睨み合いが続いている。
(ここまで頑なに戦いをやめないからには、何か理由がありそうだな……)
錬は彼らの前に歩み出た。
獣人兵から一斉に矛先を向けられるが、視線はそらさない。今更棒きれで叩かれたところで、手動展開した魔光石シールドが全部弾いてくれるだろう。
「事情を話してもらえないかな?」
「オレ達ハ……コノ砦ヲ攻メナケレバナラナイ。失敗スレバ、仲間ガ死ヌ」
「人質を取られているって事か?」
「……ソウダ」
「なるほど。だったら人質救出に協力しよう。それなら武装解除してくれないか?」
「ソレガ可能ナラ、ソウシタイガ……」
ベルドが悲しそうに耳を垂らす。獣人兵達も同様に力なく顔を伏せていた。
「まずいぜ」
「パムちゃん? 何がまずいの?」
「だって敵を何人か逃がしたろ? あいつらがこの事を伝えたら、きっと人質は殺されちまう!」
言われてジエットは血相を変えた。
先ほどの戦いで錬は騎竜に乗った敵を最優先に狙撃していた。そのせいで徒歩の敵兵を数名取り逃がしてしまったのだ。
このまま放置すればパムの言う通りになる可能性は非常に高い。
「どうする、あんちゃん? 逃げた奴らを探すか?」
「それができればいいけど。ゼノン団長はどう思います?」
そう水を向けると、ゼノンは渋面を作った。
「砦周辺の森は深い。逃走経路となる街道も多く、危険な魔獣もあまりおりませぬ。騎竜に乗っていないなら追いつける可能性がないとは言い切れぬが……相手が何人いるかもわからぬし、難しいでしょうな……」
「だそうだ」
「で、でも何とかしなきゃ人質が!」
焦るジエットを、錬は手で制した。
「ベルドさん。あんたがここにいるって事は、人質はバエナルド伯爵領にいるのか?」
「ソウダ。スロウ爺サン達ガ捕ラエラレテイル」
「なるほど。つまり魔石鉱山の辺りにいるわけだ」
であれば話は早い。
「逃げた奴らを追っても徒労に終わるかもしれないし、よしんば全員捕まえたところであまり時間をかけるとやはり人質は始末されるだろう。だったら敵に情報が伝わる前にこちらから打って出た方がいい」
「打って出る……?」
首を傾げるジエット。
錬は地面に転がる敵軍の旗を一本拾い上げ、言った。
「敵は魔石鉱山を有するバエナルド伯爵だ。そこを叩けばハーヴィンの補給が断たれる。人質も救えるし、一石二鳥だよ」
額の汗を拭い、錬はスコープ付きの魔石銃を下ろした。
何度か試射して微調整したため、見える範囲ならば充分狙い撃つ事ができるようになった。
(射程距離はおよそ五百メートルってところか)
風魔法は魔力がある限り重力で落下しないようだし、自然の風の影響も受けない。防御魔法で防がれるという難点はあるが、連射しても反動がないので火薬で弾丸を飛ばすよりも当てるのは簡単かもしれない。
「レン一人で倒しちゃったの?」
「数も少なかったしな。徒歩の奴を何人か逃してしまったが、騎竜に乗ってる奴は全員仕留めたはずだ」
「殺したんですか?」
「いや、急所は外してある」
死なないようできるだけ手足を狙ったし、頭や胴体に少々当たっても防御魔法のおかげで致命傷には至っていなかった。手当てすれば死ぬ事はないだろう。
「すごいですね……」
「ノーラさんの単眼鏡のおかげだ。ともかく獣人達のところに行こう」
砦の下のざわめきを耳にしながら、錬は急いで階段へ向かった。
「武器を捨てろ! 歯向かう者には容赦せんぞッ!」
砦の入り口へ向かうと、獣人兵達が杖剣を構える聖堂騎士達と睨み合っていた。
彼らは攻撃する気配こそないが、木の棒や石を手に威嚇している。
聖堂騎士達には魔法があるため負ける事はないが、獣人兵は冷静さを欠いており、お互い敵か味方かわからず一触即発の事態になっているようだった。
「獣人の皆さん、落ち着いてください! 私達は敵じゃありません!」
声を張り上げるジエット。
その白い熊耳を見て獣人兵達は少しばかり表情を緩めたが、しかし武器を構えたまま動かない。
「オマエら無理やり戦わされてたんだろ? 偉い奴らは倒したからもう大丈夫だぜ!」
「……っ」
パムの声も虚しく、獣人兵は一向に武装解除する気配がない。攻撃こそしないが、威嚇は続けているような状態だった。
(埒が明かないな……。こちらの獣人はジエットとパムだけだから、二人が頼りだが――)
「レン! ジエット!」
突然叫んだのは大柄の熊獣人だ。
目に傷があるその顔には錬も見覚えがあった。魔石鉱山で共に働き、時に助けてくれた奴隷仲間のベルドである。
「あんたか!?」
「マサカ、モウ一度オマエ達ニ会エルトハ……」
相変わらずどう猛な面構えだが、わずかに目尻が下がっているようにも見える。再会を喜んでいるのだろう。
ジエットもまた驚きと笑顔がないまぜになった表情をしていた。
「ベルド、あなたどうしてここに?」
「詳シクハ、ワカラナイ。タダ、コノ砦ヲ攻メロと命令サレタダケダ」
「だったらもう大丈夫だよ。命令してる人達はレンがやっつけたから。それに私達が奴隷制度の廃止を目指してる事、あなたなら知ってるでしょ?」
「知ッテイル」
「じゃあ!」
「……」
ベルドが返したのは予想に反して沈黙だった。獣人兵達もいまだ武装解除には至らず、睨み合いが続いている。
(ここまで頑なに戦いをやめないからには、何か理由がありそうだな……)
錬は彼らの前に歩み出た。
獣人兵から一斉に矛先を向けられるが、視線はそらさない。今更棒きれで叩かれたところで、手動展開した魔光石シールドが全部弾いてくれるだろう。
「事情を話してもらえないかな?」
「オレ達ハ……コノ砦ヲ攻メナケレバナラナイ。失敗スレバ、仲間ガ死ヌ」
「人質を取られているって事か?」
「……ソウダ」
「なるほど。だったら人質救出に協力しよう。それなら武装解除してくれないか?」
「ソレガ可能ナラ、ソウシタイガ……」
ベルドが悲しそうに耳を垂らす。獣人兵達も同様に力なく顔を伏せていた。
「まずいぜ」
「パムちゃん? 何がまずいの?」
「だって敵を何人か逃がしたろ? あいつらがこの事を伝えたら、きっと人質は殺されちまう!」
言われてジエットは血相を変えた。
先ほどの戦いで錬は騎竜に乗った敵を最優先に狙撃していた。そのせいで徒歩の敵兵を数名取り逃がしてしまったのだ。
このまま放置すればパムの言う通りになる可能性は非常に高い。
「どうする、あんちゃん? 逃げた奴らを探すか?」
「それができればいいけど。ゼノン団長はどう思います?」
そう水を向けると、ゼノンは渋面を作った。
「砦周辺の森は深い。逃走経路となる街道も多く、危険な魔獣もあまりおりませぬ。騎竜に乗っていないなら追いつける可能性がないとは言い切れぬが……相手が何人いるかもわからぬし、難しいでしょうな……」
「だそうだ」
「で、でも何とかしなきゃ人質が!」
焦るジエットを、錬は手で制した。
「ベルドさん。あんたがここにいるって事は、人質はバエナルド伯爵領にいるのか?」
「ソウダ。スロウ爺サン達ガ捕ラエラレテイル」
「なるほど。つまり魔石鉱山の辺りにいるわけだ」
であれば話は早い。
「逃げた奴らを追っても徒労に終わるかもしれないし、よしんば全員捕まえたところであまり時間をかけるとやはり人質は始末されるだろう。だったら敵に情報が伝わる前にこちらから打って出た方がいい」
「打って出る……?」
首を傾げるジエット。
錬は地面に転がる敵軍の旗を一本拾い上げ、言った。
「敵は魔石鉱山を有するバエナルド伯爵だ。そこを叩けばハーヴィンの補給が断たれる。人質も救えるし、一石二鳥だよ」
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