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第二十三話

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第二十三話



「ねぇ、あの大鷲、誰か乗ってるわよね」
「誰と言うか‥‥」

話をしているうちにも大鷲はこちらに近付いて来ており、その背に乗る影がハッキリと見える程になっていた。
なんとなく想像はしていたが、もしかしたら違うかもと言う私の淡い希望は、大鷲の羽ばたきによって盛大に吹き飛んでいった。

「主が、メルリア殿か」

テラスに着地した大鷲の背から颯爽と飛び降りてきたのは、白いフワフワに包まれ、黄色く平たいクチバシを持った‥‥アヒルだった。

「(アヒルだ‥‥)」
「(アヒルだな)」
「アヒルよむふっ」

私とシロさんが、あえて口にしなかった言葉を!
慌ててピヨさんのクチバシを押えましたが、手遅れです。
いや、もう、喋っている時点でその辺の池にいるただのアヒルではありませんし、その背には赤いローブが掛けられている。
これ‥‥もしかして‥‥いや、ガルーセアの王は代々、獅子の獣人だったはず。
ガルーセアは獣人の国であり、王家はもとより、国民の八割が獣人である。

「ガルーセア王近衛、クアルツと申します。此度は我が王よりのお言葉を届けに参りました」

ガルーセア国王陛下のお言葉? 会った事も無いのですが。

「‥‥賜ります」

何が何だか分かりませんが、一国の王からのお言葉です。私はその場で片膝を付き、頭を垂れた。
もう聖女ではなく、貴族でもない私ですが、この身に染み付いた条件反射が‥‥。
国王のお言葉と言う事は、このアヒルさんは国王の代理ですが、言葉は国王陛下。ならば、礼を取らねばなりません。叩き込まれた礼儀作法が、勝手に身体を動かしてしまいました。
チラリとシロさんを見ると、「人の世は面倒な事ばかりだ」と言いそうな顔をしており、ピヨさんは「フンッ(メェちゃんが頭を下げる必要なんてないわ)!」と、目力が凄い。

「聖獣と共にある聖女メルリア殿。我が国は長きにわたり水害に悩まされていたが、其方の力により久方ぶりの青空をこの目に移す事ができた」

私の力? 何もしていないどころか、ガルーセア王国が水害に悩んでいた事すら知りませんでしたが‥‥。

「直接感謝申し上げられぬこの身の、なんともどかしい事か」

いいえ、結構です!

「そしてなにより、あの化けも‥師匠を抑え込んでくれた事、心より、感謝する!」

ジル様だけでなく、もう一人兄弟子発覚! そして、抑え込むのは無理です! あの人を抑え込むなんて、台風を蹴り飛ばすくらい無理です。

「数々の功績を鑑み、ガルーセア王国にて其方の石造を神殿に奉納する事にした」

絶対に嫌です! 

「其方のおかげで、残り少ない我が灯を、安寧のうちに過ごす事ができる。心からの感謝を‥‥以上でございます」

ツッコミ所がありすぎて、どこから行ったら良いのか!

「発言をお許しください」
「私は一介の騎士でございます。聖女様にそのようなお言葉をいただくような者ではございません。どうか、頭をお上げください」

クアルツさんの言葉を受け、その方が喋りやすいと思い頭だけを上げた。だって彼、アヒルですし。

「お言葉の中に、残り少ない我が灯とありました。失礼ながら、ガルーセア国王陛下はまだそのような御年ではなかったはずですが‥‥」

確か、ジル様と同じような御年だったはずです。老衰にはまだ早い。

「我が王は、病に侵されております。治癒魔法もポーションも効かず‥‥王太子殿下はまだお小さく、このままでは姫様があまりにも不憫で」

確か、王太子殿下は今年三歳。姫様は十八‥‥おや、同じ年でした。
アヒルさんは今にも零れ落ちそうな程に涙を溜めています。しかし次の瞬間、その涙が一気に蒸発しそうな程に怒りに毛を逆立てはじめました。

「王が病床なのを良いことに、あのクソ勇者め! 何が魔王を倒すだ! しかも、その為には超絶美人の嫁がいるとか!」

あ‥‥何となく察しました。魔王、魔王ですか。

「魔王はともかく、陛下の病が治れば良いのですよね? それとも、姫様は勇者との結婚を望んで」
「いません!」

顔! 顔が近い! 視界が白と黄色! あ、アヒルの鼻の穴はクチバシにあるのですね。

「それでは、行きましょう」

私がそう言うと、アヒルさんはきょとんと首を傾げました。

「もしや、王の病を」
「あ、今、確実に治せるかどうかはお約束しかねます。治癒魔法も全能ではありませんし、私は未だ修行中の身。しかも、もう聖女ではありません」

治癒魔法やポーションが効かないとなると、私でどうにか出来るかどうか‥‥。しかし、少々思い当たる節があるには、ある。

「ニャ(修行中? これ以上何を鍛える気だ)」
「ピヨ、ピヨ~(千切れた腕や足を治癒できる修行中って。それに、聖女かどうかなんて、所詮人族が勝手に決めているもんでしょう?)」

お二人とも、それは褒めているのでしょうか?

「微力ながら、私で何か出来ればと」
「ニャ(微力・笑)」
「ピヨ(微力・笑)」

お二人とも、ちょっと黙っていて‥あ、他の人にはお二人が何を言っているかは分からないのでした。ですが、私は、分かりますからね!

「ぜ、是非! お願いいたします!」

こうして、シロさん、ピヨさん、クアルツさんと私(ノルさんとノアさんは、お留守番)で、ガルーセア王国へと向かう事が決まった。





道中は大鷲さんに乗せて頂く事になりましたが、ピヨさんやシロさんを乗せる事にガチガチに緊張してしまい、申し訳ない事をしてしまいました。

「ありがとうございました」

地面に下ろして頂いた後、感謝と謝罪を込めて大鷲さんの首を撫でた。
疲労困憊。そんな言葉が浮かんでいそうです。

「これ、良かったらどうぞ」

アイテムバッグから鳥類用のおやつが入った袋を取り出し、袋の口を開けて大鷲さんの前に差し出した。すると、大鷲さんが目を輝かせ、おやつを一つクチバシでつまんで食べた。

「ヒュー!ヒューイ! (美味っ! 何コレ!)」
「え?」

何か、鳴き声以外にも聞こえた気がします。

「ヒュー! (もう一つ、頂いても⁉)」
「ど、どうぞ」
「ヒュイ! (やはり、美味い!)」

大鷲さんはもう一つ食べると、嬉しそうに鳴きました。
やはり、何か聞こえる。もしや、彼も聖獣なのでしょうか。

「ピヨさん」

私の肩の上にいるピヨさんに、コソッと話しかけます。

「先程から大鷲さんの声が聞こえる気がするのですが、もしや聖獣なのでしょうか」
「あぁ、違うわよ。枷が外れて、聞こえるようになっただけね」
「ああ、師匠の‥‥と言う事は、聖獣以外の生き物の声も聞こえると‥‥少し困りますね。肉を食べずに生きていく事はできますが、今となっては以前のような食事に戻るのは‥‥」

島には肉のような味と食感のキノコがありますが、魚を取って食べる事もありますし、森の中で襲われればやむなく応戦する事も討伐する事もあります。あ、その場合はこちらに敵意が無い事を説明すれば良いのでは?

「何を心配しているのかは予想がつくけれど、大丈夫よ。この大鷲みたいに知能が高い者の声しか聞こえないはずよ。例えば、あの木の上にいる鳥の言葉は分かる?」

ピヨさんが見た方を見ると、小さな小鳥が小さく鳴いていました。ですが、小鳥のさえずりにしか聞こえません。

「いいえ、分かりません」
「考える知性や感情等によって聞こえ方は違うかもしれないけれどね。何でもかんでも聞こえて来たら、うるさくてしょうがないわよ」

ピヨさんの説明で、少し安心しました。虫の声まで聞こえ始めたら、歩く事もままならなくなってしまう。

「シロ様、ピヨ様、メルリア様、こちらです」

クアルツさんの声に振り向くと、とんでもなく大きなお城が目に入りました。
そういえば、ここはガルーセア国の王城敷地内でした。
敷地内には騎士団用、来客用、王族専用の大鷲着地施設があるらしい。
私達がいるのは来客用らしいが、二つの大きな台の間に丸太を通してあり、その丸太の上に大鷲がとまる。乗せてもらっていた者は台の上に降り、階段でおりる。大鷲にも、乗せてもらった者にも、優しい設計となっていると、飛んでいる間にクアルツさんが説明くれた。
クアルツさんが普段使っている近衛や騎士団が使う方の施設には、もう少し簡易的ではあるが、同じような台が数十個設置されているらしい。

「‥‥凄い」

小国であるフレス王国の城が数個入っても余りそうな程に立派な城です。
上から見た時には、城の敷地だけでフレスの王都がすっぽり入ってしまいそうで驚きました。さすが、世界三大王国‥‥。

「ニャニャ(メェちゃん、置いてかれちゃうわよ)」
「あ、はい」

ピヨさんに言われ、慌ててクアルツさんの後を追います。白くフワフワそうな後ろ姿が、なんとも可愛らしい。
城の中へと入ると、再度驚きました。豪華ではあるものの、下品ではない。多少、目がチカチカとしますが、流石大国という感じです。

「ようこそお越しくださいました。聖獣シロ様、ピヨ様」

私達を出迎えてくださったのは、薄い灰色の髪の人‥‥いや、獣人か。一見人族に見えるが、頭の左右には太く円を描く角が生えている。あれは、羊の角?
私達がここへ来る事は、クアルツさんが事前に連絡を入れておいてくれた。
大鷲で飛んでいる最中、クアルツさんがあのモフモフとした白い羽毛の中から小さな鳥を取り出した。彼がピヨさんよりも小さなその小鳥に何かを呟くと、その小鳥は物凄い速さで飛び去った。
その鳥は「伝え鳥」と言うらしく、言葉やその声色さえも真似る事が出来るらしい。
飛ぶ速さは鳥類一と言われており、その速さと警戒心の強さから捕獲はとても困難だと言われているが、伝令用にガルーセアの王城で飼育管理されているとクアルツさんが教えてくれた。

「そして、メルリア様。お会い出来て光栄です」

燕尾服を着た初老の男性が、恭しくお辞儀をした。
聖獣であるシロさんやピヨさんは分かりますが、私は会えて光栄だと言われる様なたいそうな者ではな。

「メルリア様は、世界随一と謳われる聖女様ですから」

私が疑問に思ったのを、見透かされた⁉ 初対面で感情を読み取られたのは、初めてです。






馬車が通れそうな程の廊下を奥へと進んで行くと、石像が並んで置かれていました。
純白の毛に金の瞳を持つ獅子の石造が、一、二、三‥‥とにかく、同じ石像がずらっと。

「ピヨ(全部同じじゃない)」
「ニャニャ(歴代の王だろう。ガルーセアの王家は獅子だ)」

よく見ると、石像の台座に名と誕生日と没日が彫られた金板が付けられていた。

「こちらが、王の私室となっております」

廊下の最奥、扉の両側に鎧を付けた犬‥‥いや、狼がお行儀よくお座りしていた。

「聖女様をお連れ」

クアルツさんが狼たちに声を掛けた瞬間、扉の奥から低い唸り声が聞こえてきた。そして続く咆哮。それは狼たちが耳を伏せ、ビクリと身体を揺らす程だった。

「ここからは、私一人で‥」
「いいえ。メルリア様御一人を危険にさらす事はできません。私も共にまいります」
「私は最後まで、諦めません」

クアルツさんと、玄関からそのまま一緒に来ていた執事さん。
獣人は身体能力が人よりも高いと言われている。まぁ、大丈夫でしょう。いざとなったら、私が守れば良いだけです。

「分かりました」

私が頷くと、執事さんによってゆっくりと扉が開かれていった。
部屋の中へと数歩足を踏み入れると、部屋の奥から獣の低い唸り声が聞こえてきた。
大きな寝台に横たわる、黒い獅子。その身体からは薄っすらと黒いモヤが立ち上る。
そして、その黒いモヤの中、濃く赤い瞳が獲物を狙う様にこちらを見据えていた。
私達が入ると、執事さんが部屋の扉を閉めてくれた。

「グルルル‥‥」
「おお、なんと御労しい!」

なるほど。ふむ、やはり。師匠に教えていただいていた通りですね。
獣人は他の種族よりも身体能力が高い。その代わり、魔力を出す事はできても魔法が使えない。保有魔力が全て身体能力に回っているのだそうだ。
高すぎる魔力は身体に負担をかける。それは、獣人も他の種族も変わらない。だが、獣人の基準は強さ。王家とは、絶対的な強者であらねばならない。恐怖で支配するのではなく、統率の問題だと、師匠は言っていた。それ故、獣人の王族は、伴侶に魔力の多い者が選ばれる。
そうして代を重ねていくと、保有魔力に耐え切れず「狂化」する者が出てしまう事がある。
狂化とは、自我を失い凶暴になり、より獣‥‥「魔物」に近くなってしまう。
ガルーセア国王の伝言にあった「残り少ない我が灯」とは、狂化の末に身体が耐え切れなくなり、死に至る事だろう。

「‥‥さ‥‥れ‥‥完全に‥‥失う‥ま‥え‥に」

途切れ途切れに、黒い獅子から聞こえた言葉。
自我が残っていてよかった。これならば、なんとかなりそうです。

「シロさん、ピヨさん。お二人をお願いします」
「ピ、ピヨ~(しょうがないわねぇ)」
「ニャ(分かった)」

二人はそう言うと、私から離れ、クアルツさんと執事さんの近くへと向かった。

「ここからは、他言無用にお願いします」

私はそう言うと、ポーチの中へ両手を突っ込み、勢いよく引き抜いて両腕を広げた。
両手の指の間には、各四本、棒の先にフワフワとした物が取りつけられた‥‥猫じゃらし。

「師匠直伝。迷猫乱舞、猫じゃらしの舞」

師匠曰く、獣人の狂化とは‥‥「ストレス過多でブチ切れ状態」なのだそうです。

「まいります」

私はゆっくりと、腕を上下に動かし始めた。
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