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伍
第26話
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「なんだよ俺、あの態度・・・」
中庭に面した自室に戻ると、冷たい布団にごろりと寝転がる。喜島の口から漏れた小さな舌打ちが悔しそうに部屋に響いた。
中庭と縁側を仕切る飾り障子をぼうっと眺めて、冷たい手先をジクジクと痛む胸に這わせため息を漏らす。
溢れた木漏れ日が障子にうつり、頬を暖かく撫でる。
「・・・・・暖かいな、悠太みたいだ」
久しぶりに笑顔がこぼれ、また重たいため息をつく。
「受け入れたのは俺・・・そうだろ?」
自分に言い聞かせる様にそう呟き、ひりつく唇を噛む。
こんな事、昔の心に比べたらヘッチャラだ。と思っていたのに、酷く苦しくて辛い。
義弟に言われるがままに抱かれるようになってから、気付くと上手く笑えなくなっていた。
無気力になり、感情を上手くコントロールする事が出来なくなった。
「・・・もうわかんねぇ。わかんねぇよ」
布団の中で手足を縮めて繰り返す。
縁側で静かに聞いていた伊武が小さく舌打ちをした。
「ごめんね兄さん・・・。でも、止められないんだ」
❋❋❋❋❋❋
──''「愛してるよ、喜島」''
──俺だって愛してる
──''「じゃあ、笑って。なんで、そんなに悲しい顔するんだよ」''
──・・・愛してるよ、家族として愛してる
喜島の小さくて悲しそうな声が部屋に消える。
苦い顔をした伊武が顔を背けそれを拒むと、喜島が悲しそうに微笑んだ。
──''「兄貴としてじゃなくて、俺は喜島芥が好きなんだ。・・・あのガキの事はもう追わない。なんで拒むんだよ。受け入れてくれるって言っただろ・・・」''
──・・・こうして受け入れてる
──''「違う!身体だけじゃ意味が無いんだ。アンタに振り向いて欲しいっ。悲しい目で見ないでくれよ・・・」''
背後から乱暴に体を揺さぶられて、バチバチと視界が明るくフラッシュする。
うなじを熱い舌で舐めあげ、念を押すように伊武が柔らかい皮膚にかぶりつく。
──うっ、ぁ
──''「ずっと、俺の傍にいてくれ」
囁いた声が喜島の耳にいまだこびり付いて離れなかった。
中庭に面した自室に戻ると、冷たい布団にごろりと寝転がる。喜島の口から漏れた小さな舌打ちが悔しそうに部屋に響いた。
中庭と縁側を仕切る飾り障子をぼうっと眺めて、冷たい手先をジクジクと痛む胸に這わせため息を漏らす。
溢れた木漏れ日が障子にうつり、頬を暖かく撫でる。
「・・・・・暖かいな、悠太みたいだ」
久しぶりに笑顔がこぼれ、また重たいため息をつく。
「受け入れたのは俺・・・そうだろ?」
自分に言い聞かせる様にそう呟き、ひりつく唇を噛む。
こんな事、昔の心に比べたらヘッチャラだ。と思っていたのに、酷く苦しくて辛い。
義弟に言われるがままに抱かれるようになってから、気付くと上手く笑えなくなっていた。
無気力になり、感情を上手くコントロールする事が出来なくなった。
「・・・もうわかんねぇ。わかんねぇよ」
布団の中で手足を縮めて繰り返す。
縁側で静かに聞いていた伊武が小さく舌打ちをした。
「ごめんね兄さん・・・。でも、止められないんだ」
❋❋❋❋❋❋
──''「愛してるよ、喜島」''
──俺だって愛してる
──''「じゃあ、笑って。なんで、そんなに悲しい顔するんだよ」''
──・・・愛してるよ、家族として愛してる
喜島の小さくて悲しそうな声が部屋に消える。
苦い顔をした伊武が顔を背けそれを拒むと、喜島が悲しそうに微笑んだ。
──''「兄貴としてじゃなくて、俺は喜島芥が好きなんだ。・・・あのガキの事はもう追わない。なんで拒むんだよ。受け入れてくれるって言っただろ・・・」''
──・・・こうして受け入れてる
──''「違う!身体だけじゃ意味が無いんだ。アンタに振り向いて欲しいっ。悲しい目で見ないでくれよ・・・」''
背後から乱暴に体を揺さぶられて、バチバチと視界が明るくフラッシュする。
うなじを熱い舌で舐めあげ、念を押すように伊武が柔らかい皮膚にかぶりつく。
──うっ、ぁ
──''「ずっと、俺の傍にいてくれ」
囁いた声が喜島の耳にいまだこびり付いて離れなかった。
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