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弐
第15話
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「ッかっけ~!!!凄いよ!筆のタッチが伸びやかで、構図もめっちゃ上手いんだ」
陽真が目を輝かせて展示された絵画に夢中になる。
陽真は壁際に立って観覧者が禁止行為をしないか目を光らせている学芸員も顔の表情を思わず緩ませてしまう無邪気な、素直な子だ。
「へぇ、この絵が好きなの?」
「うん。俺、バカだから詳しくは知らないんだけど、初めてネットでこの絵を見つけた時、いつか本物見てみたいと思ってたんだ」
小さな叫び声を上げた陽真が小さな子供みたいにピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。
喜島は絵画がよく分からなかったので今まで展覧会に来た事がなかったが、喜ぶ陽真の少し早口な説明を聴きながらたまにはいいなと思った。
❋❋❋❋❋❋❋
「俺、今日すごく楽しかった。ありがとう喜島」
陽真が腕に着けたブレスレットを大事そうに触りながら小さく感謝を述べる。
「今から抱く相手が、俺の事全く知らないオッサンだと思ってるなんて嫌だからな」
シャワーを浴びて濡れた体を拭きながら喜島が冗談交じりにそう言うと、陽真の両肩がピクリと跳ねた。
俯いた顔は見えなかったが、陽真の柔らかい赤髪から覗いたピアスだらけの耳が、恥ずかしそうに真っ赤に染まっていた。
「アハハ、緊張してるだろ?」
「っ~俺、!あれから、久しぶりだから・・・。お願い、痛くしないで」
陽真が座るベッドの隣に喜島が腰掛け、緊張を解そうと兄弟にするみたいに頭をくしゃくしゃ撫でた。
陽真が潤んだ瞳で喜島を見上げる。
真ん丸な瞳が不安そうに揺れていた。
「あぁ、分かってる」
「・・・ありがと」
サングラスをかけていない喜島の顔。髪が濡れているせいで、何時もは掻きあげられ後ろに流れている前髪がダラりと前に垂れている。
小さく囁いた喜島がゆっくりと陽真の身体を押し倒し、喜島より一回り小さな身体が柔らかいベッドに沈んだ。
ちゅっ、と小さなリップ音が響いて喜島と陽真の唇が重なった。
陽真の唇を柔く食みながら、筋張った大きな手が陽真の身体を伝っていく。
「っぁ、ぅ、き、じま・・・」
「やぁらかいなぁ。・・・子供みたいだ」
濡れそぼった陽真の唇に喜島の指が重なる。
「そのまま、指舐めて・・・」
「んッ、ふ・・・」
陽真が薄く口を開くと、口内に侵入してきた喜島の人差し指と中指が、ベッドの上で惚ける少年の舌を優しく擦るようにゆっくりと中で動く。
ちゅぷちゅぷといやらしい音を立てて陽真の口内外を喜島の長い指が出入りし、飲み込めなくなって溢れた唾液が陽真の口角からタラタラと流れた。
「ヨダレ垂らして犬みたいだぞ。悠太」
喜島が陽真の後頭部を支えながら持ち上げ、溢れた唾液を舐めとる。
指を抜いた陽真の口が、口寂しそうにはくはくと喜島の指を追いかけるのを見て小さく笑った。
「悠太のヨダレでベタベタだから、すぐ入る。一気に指二本入ったのわかるか?」
「ぷぁッ、ぁ?っぁ、あ、指ッ!ひっ、こわ・・・こわぃ!き、じまッぁ、」
「大丈夫だ。怖くしないから・・・」
幼さが残る陽真の上気した表情に、喜島の下腹部がどうしようもなく熱くなる。
優しく壊れないように体を抱き寄せて丁寧に解していく。
優しく、優しく。
陽真が目を輝かせて展示された絵画に夢中になる。
陽真は壁際に立って観覧者が禁止行為をしないか目を光らせている学芸員も顔の表情を思わず緩ませてしまう無邪気な、素直な子だ。
「へぇ、この絵が好きなの?」
「うん。俺、バカだから詳しくは知らないんだけど、初めてネットでこの絵を見つけた時、いつか本物見てみたいと思ってたんだ」
小さな叫び声を上げた陽真が小さな子供みたいにピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。
喜島は絵画がよく分からなかったので今まで展覧会に来た事がなかったが、喜ぶ陽真の少し早口な説明を聴きながらたまにはいいなと思った。
❋❋❋❋❋❋❋
「俺、今日すごく楽しかった。ありがとう喜島」
陽真が腕に着けたブレスレットを大事そうに触りながら小さく感謝を述べる。
「今から抱く相手が、俺の事全く知らないオッサンだと思ってるなんて嫌だからな」
シャワーを浴びて濡れた体を拭きながら喜島が冗談交じりにそう言うと、陽真の両肩がピクリと跳ねた。
俯いた顔は見えなかったが、陽真の柔らかい赤髪から覗いたピアスだらけの耳が、恥ずかしそうに真っ赤に染まっていた。
「アハハ、緊張してるだろ?」
「っ~俺、!あれから、久しぶりだから・・・。お願い、痛くしないで」
陽真が座るベッドの隣に喜島が腰掛け、緊張を解そうと兄弟にするみたいに頭をくしゃくしゃ撫でた。
陽真が潤んだ瞳で喜島を見上げる。
真ん丸な瞳が不安そうに揺れていた。
「あぁ、分かってる」
「・・・ありがと」
サングラスをかけていない喜島の顔。髪が濡れているせいで、何時もは掻きあげられ後ろに流れている前髪がダラりと前に垂れている。
小さく囁いた喜島がゆっくりと陽真の身体を押し倒し、喜島より一回り小さな身体が柔らかいベッドに沈んだ。
ちゅっ、と小さなリップ音が響いて喜島と陽真の唇が重なった。
陽真の唇を柔く食みながら、筋張った大きな手が陽真の身体を伝っていく。
「っぁ、ぅ、き、じま・・・」
「やぁらかいなぁ。・・・子供みたいだ」
濡れそぼった陽真の唇に喜島の指が重なる。
「そのまま、指舐めて・・・」
「んッ、ふ・・・」
陽真が薄く口を開くと、口内に侵入してきた喜島の人差し指と中指が、ベッドの上で惚ける少年の舌を優しく擦るようにゆっくりと中で動く。
ちゅぷちゅぷといやらしい音を立てて陽真の口内外を喜島の長い指が出入りし、飲み込めなくなって溢れた唾液が陽真の口角からタラタラと流れた。
「ヨダレ垂らして犬みたいだぞ。悠太」
喜島が陽真の後頭部を支えながら持ち上げ、溢れた唾液を舐めとる。
指を抜いた陽真の口が、口寂しそうにはくはくと喜島の指を追いかけるのを見て小さく笑った。
「悠太のヨダレでベタベタだから、すぐ入る。一気に指二本入ったのわかるか?」
「ぷぁッ、ぁ?っぁ、あ、指ッ!ひっ、こわ・・・こわぃ!き、じまッぁ、」
「大丈夫だ。怖くしないから・・・」
幼さが残る陽真の上気した表情に、喜島の下腹部がどうしようもなく熱くなる。
優しく壊れないように体を抱き寄せて丁寧に解していく。
優しく、優しく。
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