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愛少女・姫菜

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 朝、ヒナはまだスヤスヤと眠っている。
 初めて繋がってから、二、三日は痛みがあったようだが、それも落ち着いた。与えられる刺激にも日に日に反応するようになり、まるで水が土に沁み込むように、テクニックも覚え込んでいる。まだ十代の清純そうな少女が、実は性奴隷として着実な成長を遂げている。

(なかなか優秀だな)

 愛おしさが溢れ髪を撫でる。

(これから、だな)

「ご主人様」

 ヒナが目を開けた。

「おはようございます」
「体調はどうだ?」
「はい、元気です。シャワーを浴びて来てもよろしいでしょうか?」
「いいよ」

 しばらくして、朝食となった。

「ヒナ、そろそろ一人で食べてくれないか?」

 ヒナはちょっと悲し気な顔をした。

「ご主人様は、私の挿し餌は面倒になったのですか?」
「いや、そんなことはないのだが……」
「では、床に置いてください。犬のように食べますから」
「あのな」

 ヒナを無理やり食卓の椅子に座らせる。

「私はヒナと普通の食事がしたいのだ」
「でも、性奴隷は……」
「いい、私が許す」
「……ご命令とあれば」

 まさに食べ盛りのヒナは、モーニングセットを美味そうに食べている。食欲があるのは健康の証だ。もう二カ月以上、この部屋に留め置き飼育場ファームには戻していない。

「この部屋の居心地はどうだ?」
飼育場ファームに比べれば天国です」
「それは良かった」

 ここに居るのもあとわずかだ。今日はヒナに告げようと思う。食事が終わった時、ヒナを呼んだ。

「ヒナ、話がある。来い」
「はい」

 少し緊張した顔をして足元に座る。

「そこではない、隣に座れ」
「でも、性奴隷は……」
「命令だ」
「……はい」

 私はテレビのリモコンを操作し、動画を映した。

「これは?」
「私の新しい執務室だ」

 現在はこの部屋で、動画コミュニケーションアプリで各部署から報告を受け、指示を出しているが、これを機に、新しい拠点を隣国に作ることにしたのだ。

「私は間もなく、この新しい拠点に転居する。これが居住スペースだ」

 まるで超高級ホテルのスイートルームのようだ。近代的でありながら、くつろぎに溢れている。

「そういえば、ご主人様はどんな仕事をされているのですか?」
「そうか、話していなかったな。貿易の会社を経営している。一応世界でも三位以内に入る会社だ」
「すごい……」
「いろいろな物を取り扱っているが、最近はやはり通信機器やエネルギー関係が多い。日本にも支社があるぞ」
「そうですか……」
「ま、表向きはそんなところだが、実は裏の商売があってな」
「え……」

 ヒナがちょっと怯えた表情をする。

「実は奴隷貿易もやっているんだ。優秀な性奴隷を仕入れて世界中に売りさばく」

 ヒナが真っ青になった。

「実は、今度結婚するんだ。これは妻と一緒に住む部屋だ。だからもう、ヒナという性奴隷は不要になるんだ」

 ヒナはがっくりと肩を落とし、声を上げて泣き出した。

「あ、あんまりです。しあわせを味合わせておいて、また地獄に突き落とすなんて……」

 これは少し悪戯が過ぎたようだ。

「あ、待て待て。奴隷貿易というのは冗談だ。そんな危ない商売はしていない。ごくまともな会社だ」

 それでもヒナは泣いたままだ。

「でも、もう私は必要無いって……」
「ああ、性奴隷としてはな」
「ほら」
「だから、ヒナは性奴隷ではなく、私の妻になるのだ」

 弾かれたように、私の顔を見る。

「そ、そんなことが……」
「できるのだ。ヒナは自分の意志でここに来た。誰かに誘拐されたわけではない。ただ出入国の記録が残っていない。だから別人がヒナのパスポートを使い、日本を出国しこの国に来た」

 ヒナのパスポートを見せる。

「これでお前は先島妃菜さきしまひなとして隣国に行くことができる。そこで私と婚姻届けを出す。日本では十八歳で結婚できるようになったと聞いたが?」
「はい」
「気の毒だがヒナに拒否権はない。私に従ってもらう」
「でも、性奴隷は……」

 ああ、またこれか。

「私が望むのだから、それでいいのだ。ヒナは嫌なのか?」
「あまりに突然なので……」
「私の妻になるからには、もう他の人間の所有物になることはない。一生安らかに過ごせばよい」
「本当にいいのでしょうか?」
「私がう信じられないのか?」
「いえ、信じます。信じさせてください」
「そうか、それは良かった。好きなだけ甘えさせてやるから」
「はい。うれしいです」

 ヒナの顔に笑みが戻った。

「これからもいろいろ覚えて、床上手になれ。それで私を楽しませてくれ」
「ご主人様、私、頑張りますから」
「うむ、楽しみにしているぞ」

 突然、ヒナの感情が破裂した。

「ご主人様、捨てないで。もう悲しい目に会わせないで。どんなことでもします。一生ご奉仕しますから」

 全身で私にしがみついて来る。ヒナの体温と震えが私に伝わって来る。この少女はどれだけ辛い目に会って来たのだろう。

「わかった、もう心配するな。私たちの住む家に行こう、いいな?」
「はい」
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