スレイブブローカー・氷室万理華

Bランクセレクション

二

 　イベントが進行するにつれ、室内の熱気が増してきた。

「商品番号三番、奴隷名スレイブネームはミモザ。年齢二十三歳、サイズは百七十二センチ、八十八、六十一、八十九と大柄な商品です。出身国は東欧のドラール共和国。当リゾートでは珍しいブロンドの性奴隷です。二十一歳の時、隣国で観光中に国際人身売買組織に捕獲され、当リゾートに売られました。オークションにて一億二千万で落札されAランクとなりましたが、所有者オーナーに飽きられ、返品されました。男性経験は所有者オーナー以外で三名。うち一名は元婚約者です。返品されたばかりのため、Bランクとして会員様に提供されたことはありません。体力もありメンタルが強いので、どんな調教にも耐えるでしょう。ハードな責めを好まれる方には最適です」

「商品番号四番、奴隷名スレイブネームはマリーゴールド。年齢二十六歳、サイズは百五十五センチ、八十一、六十、八十七。出身国は日本。日本人の女として平凡な外見ですが、肌は一級品です。東北地方の生まれで、いわゆる《もち肌》二十四歳の時、カード地獄に陥り、多重債務の末に売られました。オークションは不成立。売られるまでの男性経験は六名。Bランクとして会員様に五十回ほど提供されています。従順でおとなしい性質ですが辛抱強さも持ち合わせています」

「さて、本日のスペシャル出品です。商品番号五番、奴隷名スレイブネームはフリージア。年齢十八歳、サイズは百五十五センチ、八十四、五十八、八十五。出身国は日本。病気の妹の治療費を得るために、自ら身を売りました。オークションでは三億という超高額で落札されましたが、所有者オーナーになる予定だった会員様が急逝され、返品されました。この商品は処女出品となります。汚れなき心と肉体を、自分の嗜好に染め上げて行く楽しみはめったに味わえません。処女ということもあって、まだ馴致が不足気味なのがマイナス要因ですが、会員様の調教により、一人前の性奴隷に仕上げていただきたいと思います」

　会員たちは、ほぉー、という声を上げた。

「では、ここで商品を丸裸にいたします」

　ブラとショーツが切断され、すべてが露わになった。
　性奴隷の左脚の膝裏に革ベルトが巻かれ、ロープで吊り上げられた。

「あ…」
「いや、ゆるして」

　右脚一本で立ち、秘所が晒される体勢となった性奴隷たちは、くぐもった声を漏らし、身を捩らせている。

「皆様、それではフリータイムでございます。どうぞ、実際に手で触れて商品をお確かめください。ただし、商品番号５番は処女出品でございますので、性器に触れることはご遠慮ください」

　会員たちは、性奴隷を一体ずつ確認していく。

「おお、陰毛も金髪か」

　ミモザの陰部に注目が集まる。陰毛の色が薄いせいで、一見無毛のように見える。

「色素が少ないせいか、中もピンク色だな」
「おお、これは美しい」
「匂いは日本人より濃厚だな」
「ほんとだ」
「この商品は丈夫なので、鞭打ちや吊り責めにも耐えられます」

　傍に立つ調教師トレーナーが説明する

「不妊手術は？」
「前の所有者オーナーの指示により、卵管結紮術が行われております。。機能は残り、ホルモンは分泌されております。月経は普通に起こりますが、妊娠する可能性はほぼゼロです」
「暴れられたら大変そうだな」
「筋力もかなり強いので、その点は十分にご注意ください」
「フェラテクはどうだ？」
「まずまずです」

　陰核を弾かれ、全身が硬直する。

「おお、すごい反応だな」

　ブロンドヘアーを振り乱し、身悶えする。

「あれ、入らない」

　バイブを挿入しようとするが、入って行かない。

「少し濡れにくい体質なので、ローションの使用をお勧めします。無理やりすると、裂傷が生じます」
「なるほど、難しそうだな」