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Bランクセレクション
一
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飼育場にウィンナーワルツの優美な調べが流れ、性奴隷たちの地獄の一日が始まった。
性奴隷にも厳格なランク分けがある。高額で落札された性奴隷はAランクで、特定の会員の所有物となる。高価な商品となるため、品質保持のために飼育スペースの環境など、細心の注意が払われる。所有者の意向にもよるが、収容される部屋もそれなりの居住性が保たれていた。
それに対しBランクはオークションが成立しなかった性奴隷や、一度Aランクになったが所有者に死なれたり、飽きられたりして返品された性奴隷で、全会員の共有物として飼育されていた。会員はシークレットリゾートを訪れた際には、自由に利用することができた。ホテルの部屋で奉仕させるもよし、ホテル内のプレイルームや飼育場で責めてもよし。ただ、会員自らの専有物ではないため、雑に扱われることも多く、あまり長持ちしないのが普通だった。
Bランクが飼われている部屋が並ぶエリアがある。部屋というよりは、むしろ独房と言うべきか。ベッドに、シャワーとトイレだけの狭苦しい空間である。その一つがカチャっと開錠されドアが開いた。
「マリーゴールド、立て」
奴隷名マリーゴールドは反射的に立ち上がると、調教師に背を向け、両手を後ろに回した。その手に革手錠が掛けられる。
「来い」
肩を押されて、よろめきながら歩く。黒のスポーツブラとショーツの上下という裸に近い姿で飼育場のエントランスから電気自動車に乗る。ワンボックスカーの中にはもう一体の性奴隷が乗っていた。Aランクらしく、可愛らしいデザインのワンピースを着ている。心なしか、頬が赤らんでいるように見えた。主人に会うのが嬉しいのだろうか。特定の所有者のいる性奴隷は、主人好みの服などが差し入れられることがあった。もちろん、運が良ければの話だが。
シークレットリゾートの通用口の前で降りてバックヤードを歩いた。普段なら会員の共有スペースにあるプレイルームで責められるのだが、今日はホテル棟に行くようだ。
たどり着いたのはボールルームだった。音楽が流れ、十二、三名の会員が談笑している。フロアの周囲のテーブルには極上の料理が並べられ、シャンパンやワインも振舞われていた。
「今日はレオナルド・チャンは来ていないようだが」
「ああ、なんでも、極上の美人妻を手に入れたらしい。昼も夜なく溺愛していると聞いた」
「彼も情が深いからな」
「怒らせると半端なく怖いがな」
「まったくだ」
「ところで、今日は買うのか?」
「手ごろなのがいればな」
「あんたは悪趣味だから、共有物のBランクには手を出せないからな」
「そういう言うなって。一応アーティストのつもりなんだから」
これから行われるのは、Bランク性奴隷のセレクションである。正規オークションの最低落札価格は一億だが、このセレクションではBランク性奴隷を比較的低価格で購入し、専有物とすることができた。いわば「売れ残り」の中からお買い得の商品を探し当てる「目利き」の実力が試されるイベントで、会員たちの密かな楽しみだった。
ボールルームの天井からは五本の鎖が下がっており、既に四体の性奴隷が、両腕を上げた状態で繋がれており、マリーゴールドも、そこに固定された。
室内の照明が落ち、五体の性奴隷にスポットライトが当たり白く浮かび上がった。イベントの始まりである。
「お待たせ致しました。それではセレクションを始めます。今回、お買い上げになった商品は、以後Aランク扱いとなります。この機会に、掘り出し物を見つけていただきたいと思います。なお、各商品の詳細データ、局部拡大画像などはお手持ちのタブレットにてご確認ください。
まず、商品番号一番、奴隷名はアイリス。年齢三十歳、サイズは百六十センチ、八十二、五十九、八十三とすらりとした美人です。出身国は日本。結婚二年目の平凡な専業主婦でしたが、夫の事業が破綻し負債の穴埋めのために売られました。オークションに掛けられましたが不成立となり、今回に至っております。男性経験は夫以外で四名。うち一名は、結婚後も関係が続いておりました。当リゾートでは、二十二回、会員様へのサービスを行っております。プレイ上の制約は特になく、お好みのプレイで楽しんでいただけます」
「続きまして、商品番号二番、奴隷名はスイートピー。年齢十八歳、サイズは百五十七センチ、八十一、六十二、八十五。出身国は日本です。高校を卒業して、事務系のアルバイトをしており、先輩の男と交際しておりましたが、その男に騙され売られました。捕獲された後、精神的に不安定となりオークションに掛けることは不可となりました。現在は精神安定剤の投与により、症状は落ち着いております。男性経験は一名。ご覧のように可憐な外見と、若く張りのある肌が売り物です。プレイ中、あまり精神的に追い詰めるとパニック状態になることがあり、注意が必要です」
性奴隷にも厳格なランク分けがある。高額で落札された性奴隷はAランクで、特定の会員の所有物となる。高価な商品となるため、品質保持のために飼育スペースの環境など、細心の注意が払われる。所有者の意向にもよるが、収容される部屋もそれなりの居住性が保たれていた。
それに対しBランクはオークションが成立しなかった性奴隷や、一度Aランクになったが所有者に死なれたり、飽きられたりして返品された性奴隷で、全会員の共有物として飼育されていた。会員はシークレットリゾートを訪れた際には、自由に利用することができた。ホテルの部屋で奉仕させるもよし、ホテル内のプレイルームや飼育場で責めてもよし。ただ、会員自らの専有物ではないため、雑に扱われることも多く、あまり長持ちしないのが普通だった。
Bランクが飼われている部屋が並ぶエリアがある。部屋というよりは、むしろ独房と言うべきか。ベッドに、シャワーとトイレだけの狭苦しい空間である。その一つがカチャっと開錠されドアが開いた。
「マリーゴールド、立て」
奴隷名マリーゴールドは反射的に立ち上がると、調教師に背を向け、両手を後ろに回した。その手に革手錠が掛けられる。
「来い」
肩を押されて、よろめきながら歩く。黒のスポーツブラとショーツの上下という裸に近い姿で飼育場のエントランスから電気自動車に乗る。ワンボックスカーの中にはもう一体の性奴隷が乗っていた。Aランクらしく、可愛らしいデザインのワンピースを着ている。心なしか、頬が赤らんでいるように見えた。主人に会うのが嬉しいのだろうか。特定の所有者のいる性奴隷は、主人好みの服などが差し入れられることがあった。もちろん、運が良ければの話だが。
シークレットリゾートの通用口の前で降りてバックヤードを歩いた。普段なら会員の共有スペースにあるプレイルームで責められるのだが、今日はホテル棟に行くようだ。
たどり着いたのはボールルームだった。音楽が流れ、十二、三名の会員が談笑している。フロアの周囲のテーブルには極上の料理が並べられ、シャンパンやワインも振舞われていた。
「今日はレオナルド・チャンは来ていないようだが」
「ああ、なんでも、極上の美人妻を手に入れたらしい。昼も夜なく溺愛していると聞いた」
「彼も情が深いからな」
「怒らせると半端なく怖いがな」
「まったくだ」
「ところで、今日は買うのか?」
「手ごろなのがいればな」
「あんたは悪趣味だから、共有物のBランクには手を出せないからな」
「そういう言うなって。一応アーティストのつもりなんだから」
これから行われるのは、Bランク性奴隷のセレクションである。正規オークションの最低落札価格は一億だが、このセレクションではBランク性奴隷を比較的低価格で購入し、専有物とすることができた。いわば「売れ残り」の中からお買い得の商品を探し当てる「目利き」の実力が試されるイベントで、会員たちの密かな楽しみだった。
ボールルームの天井からは五本の鎖が下がっており、既に四体の性奴隷が、両腕を上げた状態で繋がれており、マリーゴールドも、そこに固定された。
室内の照明が落ち、五体の性奴隷にスポットライトが当たり白く浮かび上がった。イベントの始まりである。
「お待たせ致しました。それではセレクションを始めます。今回、お買い上げになった商品は、以後Aランク扱いとなります。この機会に、掘り出し物を見つけていただきたいと思います。なお、各商品の詳細データ、局部拡大画像などはお手持ちのタブレットにてご確認ください。
まず、商品番号一番、奴隷名はアイリス。年齢三十歳、サイズは百六十センチ、八十二、五十九、八十三とすらりとした美人です。出身国は日本。結婚二年目の平凡な専業主婦でしたが、夫の事業が破綻し負債の穴埋めのために売られました。オークションに掛けられましたが不成立となり、今回に至っております。男性経験は夫以外で四名。うち一名は、結婚後も関係が続いておりました。当リゾートでは、二十二回、会員様へのサービスを行っております。プレイ上の制約は特になく、お好みのプレイで楽しんでいただけます」
「続きまして、商品番号二番、奴隷名はスイートピー。年齢十八歳、サイズは百五十七センチ、八十一、六十二、八十五。出身国は日本です。高校を卒業して、事務系のアルバイトをしており、先輩の男と交際しておりましたが、その男に騙され売られました。捕獲された後、精神的に不安定となりオークションに掛けることは不可となりました。現在は精神安定剤の投与により、症状は落ち着いております。男性経験は一名。ご覧のように可憐な外見と、若く張りのある肌が売り物です。プレイ中、あまり精神的に追い詰めるとパニック状態になることがあり、注意が必要です」
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