乙女ゲームに転生したらチートだったけど平凡に生きたいのでとりあえず悪役令息付きの世話役になってみました。

君に会いにきた

11.そっちがその気なら…

昨日は久々にフレドリックが寝付くまで手を握った。

  相変わらず子供体温で温かい。だが、あの頃よりも幾分大きくなった手の握りやすさと言ったら！！



「はぁぁ、ぷにぷに。」


弟の手を思い出すぜ。


顔にかかったブロンドの髪を手でかきあげてやりながら、その整った顔をまじまじと見つめる。


なんでこんな可愛いんだよ全く。



ほんと見ないうちに大きくなって、


「もう離れたりしないから、」


すっかり熟睡したフレドリックのおでこにかるくキスを送り、イオは部屋を後にした。



その様子を影から眺めてる者がいた。

「くぅぅっ！フレドリック坊っちゃまにあんなに気安く触りやがって!!!!!!」



冗談じゃない！私こそ坊っちゃまを1番に愛し、いたわってきたのに！

急にでてきた馬の骨に坊っちゃまを渡してなどやるものか!!!!!!


「待っててくださいね！坊っちゃま。


この私マルルがそいつの真っ黒な腹の中を暴いてやります!!!!!!」






そう高らかに宣言した声は



「…ふぅん。」



まぁ、イオまで聞こえますよね。




「どうしたものか。」



そう言ったイオの口元は笑っていた………