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第六章 機械仕掛けの神

第一幕 新たな仲間と動き出す存在24(1)

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 誰も踏み入ることのない場所。

 空は黒く、太陽は存在しない。人間はどこを見渡しても一人すら見つからず、建造物はあるが壁に苔と蔓が生い茂り長期間、放置されていることが見て取れる。

 地面からは雑草が生え放題で道らしい道が見えない。この光景を見た者は、きっと同じことを思うだろう。

 ――ゴーストタウンだ、と……。

 だが、この廃墟と化した街の一番高いタワーの最上階そこに、ある存在がいた。



 ――用意した己の駒の神殺しを全て失った。だが、それは問題ではない。あるとするのなら、裏切り者がいたことが予想外だったことくらいか……。



 と、内心で笑う。しかしそれさえも、問題にすらならないことだが。

 それもそのはず、全ては順調に事が進んでいるからだ。



 黒曜の機体に六本の腕、銀河を連想させる眼球、額には青や赤、橙、緑と入り交じる眼球、三つの目が見つめる先にはある物が。



 空中に浮かぶ幾重にも歯車が噛み合う球体の形をした物体がゆっくりと動き、もう一つは白一色の本。

 題名も何も書かれていない一冊の本の中身は、人間では解読不可能の神紋文字で埋め尽くされていた。



 その二つを見つめながらまた黒曜の機体の存在は笑う。



「世界は我の物へと――」



 と、悪神は呟く。



 悪神の背後には、機体は完成しているがが不完全でまだ調整が必要な一体と、機体が不十分であり中身はまだ何もない二体。

 機械の心臓や臓器、様々なデータが必要な三機が、いくつもの管に繋がれ培養器の中で眠っている。

 周囲に、大量の機器が置かれており画面に映し出されているのは生きている神殺しだ。そして、神獣の情報の数々。

 他にも、神殺したちの今までの戦闘映像が流れていた。

 この情報と映像を、何に使うのか今はまだ誰にも分からない――。
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