4 / 6
本編
4.有精卵*
しおりを挟む
ヴァンは食事をする前に、しっかり下ごしらえと味付けをするタイプなのかもしれない。きっとそうだ。好きな味があるなら、その味付けで僕を食べて欲しいとは思う。そうは思うんだけど、それにしても、あまりにも準備が入念すぎる気がする。
感じさせられ、喘がされ、息も絶え絶えになっているというのに、ヴァンは僕を味付けするばかりで、なかなか食べてはくれなかった。
洞窟の外が明るくなって、暗くなって、また明るくなった。
僕に中にも外にも、ヴァンの精液がいっぱい注がれた。僕は精液まみれになった。まるでマーキングされているみたいだ。
早く食べちゃってもらいたかったけれど、じっくり時間をかけて味合われるのも悪くない。そんなことを考えていたんだけど……
「あ! 今は挿れちゃダメ……!!」
何度目かは、もう数えてない。
体勢を変えてヴァンがお尻にペニスを突き立てこようとしたとき、初めて僕はその行為を拒絶した。
腰を掴むヴァンの手を振り払って、身体を丸める。
さっきからお腹がグルグルして、出てきちゃいそうなんだ。僕の中で育ったアレが。
「リュミエール……?」
「う、……産まれちゃいそうだからちょっと待ってて!!」
こんなことをするのは初めてだけど、今から何が起こるのか、僕は知っていた。だって、お母さんが産んだのを見たことがあるから。
今まで欲しがるばかりだった僕が尋常じゃなく拒絶するからか、ヴァンが心配そうに僕を覗き込んでくる。
ちゃんと説明しなきゃと思うけれど、今はそれどころじゃない。
「あっ……ふぅ、ん……」
お腹の中をゆっくりと降りてきたソレが、出口に向かって動き始める。ゴリュゴリュと腸壁を擦りながら、さっきまでヴァンが入っていた隘路を進んでいく。
「ふぁっ……んっ、くぅ……はぁ……」
産卵するのは初めてだから、ちょっと苦しい。
「はぁっ……、ああ……んっ、んん……んんんんーっ!!」
ソレが身体の中をズルリと進んだ瞬間イキんだら、僕のお尻からポコンと卵が産まれてきた。
拳くらいの大きさの、クリーム色をした卵だ。
身体を起こして小さな命を胸に抱く。
僕が有精卵を産む日が来るなんて……
「これは……」
「卵です。温めたら雛が孵ります。あ、この子は食べちゃダメですよ! 食べるのは僕だけにしてくださいね。あ、ところで僕のことはいつ食べる予定ですか?」
「もしかして……その卵の中に入っているのはオレたちの子なのか……?」
確かに。僕が産んだから僕の子だけど、精子をくれたからヴァンの子であることも間違いない。
「そうなりますね」
そうか。この子がヴァンの子供でもあるのなら、流石に自分の子供は食べないだろう。それなら安心して、卵を孵せる。
「雛が孵るまで、僕のこと食べるのは待っててもらってもいいですか? ちょっと温めなきゃなんないので……」
早く食べてもらいたかったけれど予定変更だ。
せっかく生まれてきた命だ。大切にしたい。
「雛が孵ったら、今度こそ僕のことちゃんと食べちゃってくださいね」
「リュミエール……愛してる」
「ありがとうございます。ところで、営巣したいので、柔らかい布を持ってきてもらってもいいですか? 脱いだ服とかでいいんですけれど……」
「お、おぅ……」
僕たちは二人で協力して、卵を孵した。
ヴァンが僕のことを食べるといっていたのは、食料にするということではなく性的に食べると言う意味だったと知るのは、僕が五個目の卵を産んだ後のことだった。
感じさせられ、喘がされ、息も絶え絶えになっているというのに、ヴァンは僕を味付けするばかりで、なかなか食べてはくれなかった。
洞窟の外が明るくなって、暗くなって、また明るくなった。
僕に中にも外にも、ヴァンの精液がいっぱい注がれた。僕は精液まみれになった。まるでマーキングされているみたいだ。
早く食べちゃってもらいたかったけれど、じっくり時間をかけて味合われるのも悪くない。そんなことを考えていたんだけど……
「あ! 今は挿れちゃダメ……!!」
何度目かは、もう数えてない。
体勢を変えてヴァンがお尻にペニスを突き立てこようとしたとき、初めて僕はその行為を拒絶した。
腰を掴むヴァンの手を振り払って、身体を丸める。
さっきからお腹がグルグルして、出てきちゃいそうなんだ。僕の中で育ったアレが。
「リュミエール……?」
「う、……産まれちゃいそうだからちょっと待ってて!!」
こんなことをするのは初めてだけど、今から何が起こるのか、僕は知っていた。だって、お母さんが産んだのを見たことがあるから。
今まで欲しがるばかりだった僕が尋常じゃなく拒絶するからか、ヴァンが心配そうに僕を覗き込んでくる。
ちゃんと説明しなきゃと思うけれど、今はそれどころじゃない。
「あっ……ふぅ、ん……」
お腹の中をゆっくりと降りてきたソレが、出口に向かって動き始める。ゴリュゴリュと腸壁を擦りながら、さっきまでヴァンが入っていた隘路を進んでいく。
「ふぁっ……んっ、くぅ……はぁ……」
産卵するのは初めてだから、ちょっと苦しい。
「はぁっ……、ああ……んっ、んん……んんんんーっ!!」
ソレが身体の中をズルリと進んだ瞬間イキんだら、僕のお尻からポコンと卵が産まれてきた。
拳くらいの大きさの、クリーム色をした卵だ。
身体を起こして小さな命を胸に抱く。
僕が有精卵を産む日が来るなんて……
「これは……」
「卵です。温めたら雛が孵ります。あ、この子は食べちゃダメですよ! 食べるのは僕だけにしてくださいね。あ、ところで僕のことはいつ食べる予定ですか?」
「もしかして……その卵の中に入っているのはオレたちの子なのか……?」
確かに。僕が産んだから僕の子だけど、精子をくれたからヴァンの子であることも間違いない。
「そうなりますね」
そうか。この子がヴァンの子供でもあるのなら、流石に自分の子供は食べないだろう。それなら安心して、卵を孵せる。
「雛が孵るまで、僕のこと食べるのは待っててもらってもいいですか? ちょっと温めなきゃなんないので……」
早く食べてもらいたかったけれど予定変更だ。
せっかく生まれてきた命だ。大切にしたい。
「雛が孵ったら、今度こそ僕のことちゃんと食べちゃってくださいね」
「リュミエール……愛してる」
「ありがとうございます。ところで、営巣したいので、柔らかい布を持ってきてもらってもいいですか? 脱いだ服とかでいいんですけれど……」
「お、おぅ……」
僕たちは二人で協力して、卵を孵した。
ヴァンが僕のことを食べるといっていたのは、食料にするということではなく性的に食べると言う意味だったと知るのは、僕が五個目の卵を産んだ後のことだった。
10
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
王子様のご帰還です
小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。
平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。
そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。
何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!?
異世界転移 王子×王子・・・?
こちらは個人サイトからの再録になります。
十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。
男娼ウサギは寡黙なトラに愛される
てんつぶ
BL
「も……っ、やだ……!この、絶倫……!」
・・・・
獣人の世界では、過去にバース性が存在した。
獣としての発情期も無くなったこの時代に、ウラギ獣人のラヴィはそれを隠して男娼として生きていた。
あどけなくも美しく、具合の良いラヴィは人気があった。
でも、人気があるだけ。本気でラヴィを欲しがる者はいない事を、彼は痛い程知っていた。
だけどそう――たった一度だけ自分を抱いた、あのトラ獣人だけは自分に執着を示していたのだ。
干支BL。
オメガバ事前知識有前提のゆるい設定です。
三が日の間に完結したいところ。
くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました
あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。
一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。
21.03.10
ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。
21.05.06
なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。
21.05.19
最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。
最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。
最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。
23.08.16
適当な表紙をつけました
ぼくは男なのにイケメンの獣人から愛されてヤバい!!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
ダンジョン内には色んなトラップが仕掛けられています
よしゆき
BL
所謂「セックスしないと出られない部屋」に閉じ込められた二人の冒険者の話。
ほぼガチムチのおっさんがヒィヒィ言わされてるだけの話です。
年下美形×ガチムチおっさん。
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる