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3.探し求めていたもの*
しおりを挟む「なー、純太。オレのゲーム機、そっちにある?」
いつも通り、純太の部屋のドアをガチャリと開ける。
ノックなんてものはしない。だって、いつもしないから。
「……純太……?」
鍵が開いているということは、在室しているということだ。
だけど返事がない。
訝しみながら部屋に入ると、ベッドに転がっている純太の足が見えた。
「もしかして、寝てる……?」
もしそうなら、ゲーム機だけ回収して自分の部屋に戻ろう。
そんなことを考えながらベッドに近寄ると、下半身を丸出しにした純太が右手でヌチュヌチュと音を立てながら自分のチンコを扱いているのが見えた。左手で支えたスマホに視線がくぎ付けになっているので、画面に表示されているのがオカズなんだと思う。
耳がゴツいヘッドフォンで覆われているせいもあるだろうけれど、近くから声を掛けても気付かないなんて、よっぽど集中しているようだ。いったい何をオカズにしているのだろうか……気になる!
好奇心のままにスマホ画面を覗き込もうと枕元まで顔を近づけたとき、純太はようやくオレの存在に気付いたようだ。
「あっ……ひゃっ!! たっ、崇史……!?」
『はぁっ……ジュン、そこっ!! そこおぉ……!! あっあっ、アァー────!!』
驚きのあまりひっくり返った声を上げ、スマホを投げ捨て、ベッドの上に寝転んだまま飛び上がるという器用なことをした純太の頭から、ポロリとヘッドフォンが落ちる。そこそこ大きな音で再生していたようで、耳あての中から知らない男の喘ぎ声がハッキリと聞こえてきた。床に落ちたスマホ画面に映っているのはゲイエロ動画だった。
画面の中では受け役の『タカ』と攻め役の『ジュン』が、今まさにクライマックスを迎えようとしているところだった。喘ぎ声だけではなく、ジュブジュボパンパンといった卑猥な音までしっかりとオレの耳に届いてきた。
このヘッドフォン、全然音漏れしないのに音質はクリアだなんて、結構良いな……欲獣のドラマCDを再生するときに使いたいくらいだ。あとで品番を教えてもらおう。って、そんなことよりも。
両手をあわあわさせている純太のチンコに、オレの目が釘付けになる。先ほどまでは手に隠れていて見えなかったが、これはもしかして……
「あっ……あの、崇史っ! こっ、この動画の人たちの名前がオレたちに似ているのは、全くの偶然で他意はないっていうか、おまえに顔が似てる男優さんの動画を選んだら、たまたま名前も似てただけっていうか……あっ、いや、だからその、つまりその……っ!!」
「これだっ!!」
「は?」
純太がなにかモゴモゴ言っているが、オレは目の前に現れたチンコをじっくりと見て、強く確信した。股間からそそり勃つスラリとした細長いチンコ。
そうか!! オレが探し求めていたものはこれなんだ……!!
鉄壁のガードを誇るオレの尻も、このチンコだったら挿入るんじゃね!?
オレは期待を胸いっぱいに抱きながら、ゴクリとつばを飲み込んだ。
目の前にあるこれは奇跡だ。オレのために存在しているチンコだ。絶対逃してはいけない。
「純太っ! ちょっと、おまえのチンコをオレに貸してくれっ!!」
「……はっ!? はあぁ……!!」
オレは純太の顔の両側に手をつくと、上からまっすぐ顔を覗き込んだ。
ヘッドフォンからは、『らめらめぇ、イク!! イっちゃうー!!』などと、いよいよフィニッシュを迎える切羽詰まった声が聞こえてくる。
ああ、オレもはやくその境地へと辿り着きたい。
お願いだ。おまえのチンコで、オレをそこまで連れて行ってくれ……!!
「ちょっ、ちょっと待て、崇史。いいから落ち着け」
「いや、お前は落ち着くな」
『んっ……射精るぞっ……!!』
最後のは、ヘッドフォンから聞こえてきたジュンという攻め男優の台詞だ。
動画の中では無事二人ともイったらしい。良かったな。じゃあ、次はオレの番だ。
はぁはぁと荒い息がおさまったあと『気持ちよかった』とか『オレもだ』なんて甘い言葉が聞こえてくる。ピロートークが始まっているということは、彼らはすでに賢者タイムにはいっているはずだ。
だけど、頼むから純太はまだ興奮したままでいてくれ! せっかく勃起した純太のチンコが萎えたら困るので、動画を消そうとしたところでちょうどチャプターが終わったらしく、二人の声はフェードアウトしていった。
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