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21話 いつまでも二人一緒に*
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今度こそ無理をさせないようにしなきゃって思うんだけど、快楽で涙目になっちゃってるハルくんが可愛すぎて、早くもまた理性が崩壊しそうだ。だから、快楽に溺れてわけがわかんなくなっちゃう前に、伝えておきたいことを言っておこうと思った。
「だから、結婚して欲しいなって。勿論、今すぐじゃなくていいんだけど。でも、結婚してくれるっていうまで、抱き続けるからっ」
「そんなに体力が持つか……歳の差を考えろ! 馬鹿っ!」
「じゃ、結婚して」
想いを込めて一番奥を突くと、返事をするみたいにキュンって締めつけてくれた。
「ね……? もう絶対、離さないから……」
「わかった……!! わかったから……!!」
「え、本当!? 本当に結婚してくれる!?」
身を乗り出して聞き返そうと思ったら、うっかり腰を押し付けてしまったみたいで、ハルくんは引き攣った喘ぎ声を上げた。
「ひぁあ……!! 結婚する!! だから、これ以上は……!!」
「まじで!! ヤバ、嬉しすぎる……!!」
「ちょっ、だから、激しいって……!!」
「お願い。一回だけ! 一回だけだから……!!」
もちろん、一回だけじゃ終わらなくて、あとで滅茶苦茶怒られた。
だけど、翌日になってもハルくんはオレの恋人で。それは、その次の日も、次の日もずっと変わらなくて。
大学を卒業する直前、改めてちゃんとプロポーズしたら、顔を赤くしたハルくんに「不束者だけど、どうか末永くよろしく」と言ってもらえた。それで卒業してすぐ養子縁組をした結果、轟木進太郎は八代進太郎になった。
オレの就職先は、ハルくんの居る保育園とは別の保育園になった。でも、オレ達は一緒に暮らしたので毎日ずっと一緒に居た。それは、ハルくんがおじいちゃんになって、オレもおじいちゃんになってもずっと変わらなかった。
オレたちは、お揃いの指輪なんてものは買わなかった。だけど、ある日突然、ハルくんがお墓を買って来た。それまで、オレばかりハルくんのことを好きなのだと思っていたのだが、「死んでも離してあげられなくてごめんね」と言われて、オレはハルくんの愛情の大きさを知った。ハルくんは、オレにあまり「好き」とか「愛してる」というような言葉は言わなかったけれど、時々態度で表してくれた。それがとても嬉しかった。
しかし、例えどんなに心の距離を縮めることができても、歳の差を縮めることは不可能だ。ハルくんの最期を見送ってから、オレは自分が最初の人生でハルくんにしたことを思い知った。あの時、オレは何の痕跡も残さずハルくんの前から消えてしまった。だが、ハルくんはオレに追いかける場所を用意してくれていたのだ。
それだけではない。最初に出会った日にオレがハルくんにあげたいと思っていた愛情も、何もかも、ハルくんがオレに与えてくれた。
ハルくんに与えられた気持ちを一つずつ辿って、次にあの世でハルくんに逢える日を想いながら、オレは今日も墓に手を合わせるのだった。
おわり
=====
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
「だから、結婚して欲しいなって。勿論、今すぐじゃなくていいんだけど。でも、結婚してくれるっていうまで、抱き続けるからっ」
「そんなに体力が持つか……歳の差を考えろ! 馬鹿っ!」
「じゃ、結婚して」
想いを込めて一番奥を突くと、返事をするみたいにキュンって締めつけてくれた。
「ね……? もう絶対、離さないから……」
「わかった……!! わかったから……!!」
「え、本当!? 本当に結婚してくれる!?」
身を乗り出して聞き返そうと思ったら、うっかり腰を押し付けてしまったみたいで、ハルくんは引き攣った喘ぎ声を上げた。
「ひぁあ……!! 結婚する!! だから、これ以上は……!!」
「まじで!! ヤバ、嬉しすぎる……!!」
「ちょっ、だから、激しいって……!!」
「お願い。一回だけ! 一回だけだから……!!」
もちろん、一回だけじゃ終わらなくて、あとで滅茶苦茶怒られた。
だけど、翌日になってもハルくんはオレの恋人で。それは、その次の日も、次の日もずっと変わらなくて。
大学を卒業する直前、改めてちゃんとプロポーズしたら、顔を赤くしたハルくんに「不束者だけど、どうか末永くよろしく」と言ってもらえた。それで卒業してすぐ養子縁組をした結果、轟木進太郎は八代進太郎になった。
オレの就職先は、ハルくんの居る保育園とは別の保育園になった。でも、オレ達は一緒に暮らしたので毎日ずっと一緒に居た。それは、ハルくんがおじいちゃんになって、オレもおじいちゃんになってもずっと変わらなかった。
オレたちは、お揃いの指輪なんてものは買わなかった。だけど、ある日突然、ハルくんがお墓を買って来た。それまで、オレばかりハルくんのことを好きなのだと思っていたのだが、「死んでも離してあげられなくてごめんね」と言われて、オレはハルくんの愛情の大きさを知った。ハルくんは、オレにあまり「好き」とか「愛してる」というような言葉は言わなかったけれど、時々態度で表してくれた。それがとても嬉しかった。
しかし、例えどんなに心の距離を縮めることができても、歳の差を縮めることは不可能だ。ハルくんの最期を見送ってから、オレは自分が最初の人生でハルくんにしたことを思い知った。あの時、オレは何の痕跡も残さずハルくんの前から消えてしまった。だが、ハルくんはオレに追いかける場所を用意してくれていたのだ。
それだけではない。最初に出会った日にオレがハルくんにあげたいと思っていた愛情も、何もかも、ハルくんがオレに与えてくれた。
ハルくんに与えられた気持ちを一つずつ辿って、次にあの世でハルくんに逢える日を想いながら、オレは今日も墓に手を合わせるのだった。
おわり
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最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
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