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26話 ネックガード
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相神を覗き込んだらやはり起きていたようで、バッチリと視線が合った。
「なぁ。ちょっとオレたち番になんねーか?」
開口一番、用件を言ったオレに、相神は滅茶苦茶嫌そうな顔をした。
「……一度、発情期に付き合っただけで恋人ヅラか?」
「は!? ばっ……ちげーし!!」
なんか、オレは言い方を間違えたっぽい。
オレに相神に対する恋愛感情なんて、これっぽっちもあるはずがねぇ!!
ただ、オメガであることのデメリットを消すために、目の前に程よいアルファが居たってだけのことだ。
「こ、これはだな!! オレの明るい人生設計のために必要なことんだよ!!」
「それで、オレに何のメリットが?」
「飼い主としての責任くらい取れやゴルァ」
相神のペースに乗せられて、何の話がしたかったのかだんだんわからなくなってきた。
つーか、何でもいいから早くオレの項を噛みやがれ。
ベッドの上で身体を起こした相神は、ちゃんと服を着ていた。それに対して、オレは全裸だった。なんだよこの差は!!
そういえば、発情期のせいでドロドロになっていたシーツ類はいつの間にか新しいものと交換されているようだった。うーん、いつの間に交換したんだ?
あと、色々な体液っつーか、主に自分の精液でベタベタだったはずのオレの身体はさっぱりとしていて、どうやら拭き清められたようだ。ふむ、相神、おまえはなかなか飼い主としての素質があると思うぞ。オレはちょっとだけ相神を見直した。
「……もう発情テロはおさまったようだな」
「テロとか言うんじゃねぇ、あれはただの事故だ……つーか、なんであんなタイミングでテメェはノコノコこの部屋に入ってきたんだよ」
そうだ、元はと言えば、発情期にこの部屋にやって来たコイツが悪い。
こいつはあんなタイミングで何しに来たんだ。
「飼い主がペットの部屋に入るのに、いちいち許可なんて取らねーだろーがよ。つーか、ただ、これを渡しに来ただけだ」
相神がポケットから取り出してオレに渡したのは、小さな鍵だった。
「なんじゃ、コレ?」
記憶にない鍵を相神から受け取って、オレは首を傾げる。
「首輪の鍵だろ」
「……ああ、そっか」
オメガがつける首輪にはいくつかタイプがあって、指紋認証式や暗証番号式のものもあれば、昔ながらの鍵で開閉するものもあった。勿論、一番安価なのが鍵のタイプだが、悪意を持った者に盗られたり鍵を失くしたりという事故が起きやすい。
オレは相神から受け取った鍵で、自分の首についている首輪を外した。久しぶりに首回りが外気に触れて、なんだかスースーする。
「……おい」
「なんだ?」
「なんでそれを外してんだ?」
「いや、だって、番になるなら邪魔じゃん?」
「ならねーし。つーか、発情期中に噛まなきゃ意味ねぇだろーが」
「……………………はっ!! そんなこと知ってたし!!」
ああ知ってたさ。オメガがアルファと番になるには、発情期中にセックスしながら項を噛まれる必要があるってなっ! ただ、忘れてただけだ。
オレは首輪をつけ直す気にもなれず、適当に放り投げるとベッドの上に転がった。
「なぁ。ちょっとオレたち番になんねーか?」
開口一番、用件を言ったオレに、相神は滅茶苦茶嫌そうな顔をした。
「……一度、発情期に付き合っただけで恋人ヅラか?」
「は!? ばっ……ちげーし!!」
なんか、オレは言い方を間違えたっぽい。
オレに相神に対する恋愛感情なんて、これっぽっちもあるはずがねぇ!!
ただ、オメガであることのデメリットを消すために、目の前に程よいアルファが居たってだけのことだ。
「こ、これはだな!! オレの明るい人生設計のために必要なことんだよ!!」
「それで、オレに何のメリットが?」
「飼い主としての責任くらい取れやゴルァ」
相神のペースに乗せられて、何の話がしたかったのかだんだんわからなくなってきた。
つーか、何でもいいから早くオレの項を噛みやがれ。
ベッドの上で身体を起こした相神は、ちゃんと服を着ていた。それに対して、オレは全裸だった。なんだよこの差は!!
そういえば、発情期のせいでドロドロになっていたシーツ類はいつの間にか新しいものと交換されているようだった。うーん、いつの間に交換したんだ?
あと、色々な体液っつーか、主に自分の精液でベタベタだったはずのオレの身体はさっぱりとしていて、どうやら拭き清められたようだ。ふむ、相神、おまえはなかなか飼い主としての素質があると思うぞ。オレはちょっとだけ相神を見直した。
「……もう発情テロはおさまったようだな」
「テロとか言うんじゃねぇ、あれはただの事故だ……つーか、なんであんなタイミングでテメェはノコノコこの部屋に入ってきたんだよ」
そうだ、元はと言えば、発情期にこの部屋にやって来たコイツが悪い。
こいつはあんなタイミングで何しに来たんだ。
「飼い主がペットの部屋に入るのに、いちいち許可なんて取らねーだろーがよ。つーか、ただ、これを渡しに来ただけだ」
相神がポケットから取り出してオレに渡したのは、小さな鍵だった。
「なんじゃ、コレ?」
記憶にない鍵を相神から受け取って、オレは首を傾げる。
「首輪の鍵だろ」
「……ああ、そっか」
オメガがつける首輪にはいくつかタイプがあって、指紋認証式や暗証番号式のものもあれば、昔ながらの鍵で開閉するものもあった。勿論、一番安価なのが鍵のタイプだが、悪意を持った者に盗られたり鍵を失くしたりという事故が起きやすい。
オレは相神から受け取った鍵で、自分の首についている首輪を外した。久しぶりに首回りが外気に触れて、なんだかスースーする。
「……おい」
「なんだ?」
「なんでそれを外してんだ?」
「いや、だって、番になるなら邪魔じゃん?」
「ならねーし。つーか、発情期中に噛まなきゃ意味ねぇだろーが」
「……………………はっ!! そんなこと知ってたし!!」
ああ知ってたさ。オメガがアルファと番になるには、発情期中にセックスしながら項を噛まれる必要があるってなっ! ただ、忘れてただけだ。
オレは首輪をつけ直す気にもなれず、適当に放り投げるとベッドの上に転がった。
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