上 下
14 / 39

14話 調子出てきたみたいじゃん*

しおりを挟む
 今まで、セックスをするときは、突っ込んで出すことしか考えたことがなかった。勿論、ご奉仕活動なんぞしたことがあるはずもねぇ。
 だから、オレは今、使ったことのない頭をフル回転させて考えた。気持ちいいセックスに必要なものって、何だ? えーっと、とりあえず……まずは、そうだな。前戯だ、前戯。……って、前戯って何すりゃいいんだ……? キスでもしとくか?

 じーっと相神の顔を見つめてみたけれど、なんか違う気がして結局、唇にキスをするのはやめた。恋人同士じゃあるめぇし。

「……どうかしたか?」
「なんでもねーよ」

 だけど、ここまで啖呵を切っておいて、やっぱ何していいかわかりませんだなんて有り得ねぇ。

 オレは身体を倒すと、まずは相神の鼻の頭にキスを落とした。言われたとおりマグロに徹する様子の相神はピクリともしない。別にいいけど。

 鼻の次は、顎の先、耳、喉ぼとけ……と、目についたことろに片っ端からキスをしていく。
 相手を気持ち良くしてやろうだなんて、考えたことすらなかったから、滅茶苦茶ぎこちなくて下手くそなキスだったと思う。それでも、キスを落とすたびに相神のフェロモンを感じたので、少しは気持ち良かったのかもしれない。

 オレは身体を下にずらすと、パクリと乳首を口に含んだ。もう片方の胸は、手のひら全体を使って柔らかく揉んでみる。今まで、「胸を触って欲しい」とオメガにねだられることはあったけれど、アルファでもここは感じるのだろうか?

 相神の乳首をペロペロと舐めていると、口の中でツンと立ち上がった。手で揉んでいたほうの乳首も硬くなっている。ふむふむ、どうやら相神にとって胸は性感帯らしい。
 唇と指先を使って乳首を摘んだり、軽く引っ張ったりしていると、腹にゴリュッと何か硬いものが当たった。

 一度顔を上げてから見下ろすと、さっきまでフニャチンだった相神のペニスが、しっかりと勃ち上がっていた。オレはその成果に満足して、口許にニヤリと笑みを浮かべた。

「調子出てきたみたいじゃん?」

 そう言うついでに相神の様子を窺ってみると、相神はギラついた目でオレを見ていた。この目で相神に見られるのは案外好きみたいだ。フェロモンもさっきより濃くなってきていて、いいカンジになってきた。アルファのフェロモンに煽られて、オレの気分も盛り上がる。

 オレはさらに身体をずらすと、相神のペニスを手に取った。勃起はしているけれど、あの時ほどの大きさはねぇ。ってことは、これはもっと大きく出来るハズだ。オレは相神のチンコに唇を寄せると、舌先でペロリと側面を舐めてみた。

 あんなに客を取るのは嫌だったのに、こいつのペニスを舐めることに全く嫌悪感はない。一度ヤったからだろうか。なかなかオレもチョロイもんだ。今までだったら「これだから、オメガってやつは」と思っていただろうが、不思議と今はそんな気持ちにならない。
 オメガだからこいつをどうにかしたいと思ったんじゃなくて、オレ自身がこいつをどうにかしてやりたいと思っているからかもしれない。

 他人のチンコを舐めるなんて初めてのことで最初は恐る恐るだったけれど、舐めれば舐めるほど手の中で硬度を増していくのが楽しくなってきて、オレは舌全体を使ってベロリベロリと舐めていく。相神のチンコが硬くデカくなるのと比例するかのように、感じるフェロモンも濃くなっていく。
 そうすると、今度はオレの下半身がだんだん切なくなってきた。そろりと後ろに手を伸ばしてみれば、ソコはすぐにでもアルファの雄を受け入れられるくらい十分に柔らかくぬかるんでいた。

 あー、ヤベェ……こいつを気持ち良くしてやろーと思ってんのに、なんかオレのほうが気持ち良くなっちまってるかもしんねー……

 ただ舐めてるだけじゃ物足りなくなって、オレは口を大きく開けてパクリと亀頭を咥えた。チンポを頬張っているだけなのに、唾液が溢れ出てきて止まらなくなる。それを零さないように吸い上げたら、口の中でジュルリと卑猥な音が鳴った。
 そのまま顔を上下に動かして、オレはわざとジュボジュボと音を立てながら、舌と唇を使って相神のチンポを扱き上げていく。
 ああ、このカリのところで前立腺をゴリュゴリュ抉られたら、すげぇ気持ちいいだろうな……唇が竿と亀頭の間の段差に引っかかったので、そんな想像をしながら、その部分を丁寧に舌先で味わう。それと同時に指先で自分の前立腺を引っ掻いてみた。

「んんー……んむぅー……」

 口の中でチンコを感じながら、自分の弱いところを指先で苛めるのはなかなかの快感だった。ビクビクとどんなに腰が跳ねても、指先が前立腺を追いかけ続けてしまう。
 もっと、もっと奥にも欲しい……気が付けば、オレは顔を相神の腰に押し付けて、チンポを一番奥まで飲み込んでいた。
 喉奥を犯されながら前立腺を弄り倒すと、快感のあまりクラクラしてくる。オレが腰を揺らしてる場合じゃないってのに、気持ち良さに手が止まらなくなる。甘イキするたびに、喉がキュッと締まって、口の中全体が相神のチンポの形を覚える。それがまた堪らなく気持ちいい。

 駄目だ。これじゃあ、相神のチンポを使ってオレがオナニーしてるだけになっちまう。
 自分の快楽だけに夢中になりかけていることに気付いて、オレは慌てて相神のチンポを口から引き抜いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン御曹司の初恋

波木真帆
BL
ホテル王の御曹司である佐原恭一郎はゲイを公言しているものの、父親から女性に会うようにと頼まれた。 断りに行くつもりで仕方なく指定されたホテルラウンジで待っていると、中庭にいた可愛らしい人に目を奪われる。 初めてのことにドキドキしながら、急いで彼の元に向かうと彼にとんでもないお願いをされて……。 イケメンスパダリ御曹司のドキドキ初恋の物語です。 甘々ハッピーエンドですのでさらっと読んでいただけると思います。 R18には※つけます。

今世ではあなたと結婚なんてお断りです!

水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。 正確には、夫とその愛人である私の親友に。 夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。 もう二度とあんな目に遭いたくない。 今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。 あなたの人生なんて知ったことではないけれど、 破滅するまで見守ってさしあげますわ!

【完結】お世話になりました

こな
恋愛
わたしがいなくなっても、きっとあなたは気付きもしないでしょう。 ✴︎書き上げ済み。 お話が合わない場合は静かに閉じてください。

追放幼女の領地開拓記~シナリオ開始前に追放された悪役令嬢が民のためにやりたい放題した結果がこちらです~

一色孝太郎
ファンタジー
【小説家になろう日間1位!】 悪役令嬢オリヴィア。それはスマホ向け乙女ゲーム「魔法学園のイケメン王子様」のラスボスにして冥界の神をその身に降臨させ、アンデッドを操って世界を滅ぼそうとした屍(かばね)の女王。そんなオリヴィアに転生したのは生まれついての重い病気でずっと入院生活を送り、必死に生きたものの天国へと旅立った高校生の少女だった。念願の「健康で丈夫な体」に生まれ変わった彼女だったが、黒目黒髪という自分自身ではどうしようもないことで父親に疎まれ、八歳のときに魔の森の中にある見放された開拓村へと追放されてしまう。だが彼女はへこたれず、領民たちのために闇の神聖魔法を駆使してスケルトンを作り、領地を発展させていく。そんな彼女のスケルトンは産業革命とも称されるようになり、その評判は内外に轟いていく。だが、一方で彼女を追放した実家は徐々にその評判を落とし……? 小説家になろう様にて日間ハイファンタジーランキング1位! 更新予定:毎日二回(12:00、18:00) ※本作品は他サイトでも連載中です。

【完結】二年間放置された妻がうっかり強力な媚薬を飲んだ堅物な夫からえっち漬けにされてしまう話

なかむ楽
恋愛
ほぼタイトルです。 結婚後二年も放置されていた公爵夫人のフェリス(20)。夫のメルヴィル(30)は、堅物で真面目な領主で仕事熱心。ずっと憧れていたメルヴィルとの結婚生活は触れ合いゼロ。夫婦別室で家庭内別居状態に。  ある日フェリスは養老院を訪問し、お婆さんから媚薬をもらう。 「十日間は欲望がすべて放たれるまでビンビンの媚薬だよ」 その小瓶(媚薬)の中身ををミニボトルウイスキーだと思ったメルヴィルが飲んでしまった!なんといううっかりだ! それをきっかけに、堅物の夫は人が変わったように甘い言葉を囁き、フェリスと性行為を繰り返す。 「美しく成熟しようとするきみを摘み取るのを楽しみにしていた」 十日間、連続で子作り孕ませセックスで抱き潰されるフェリス。媚薬の効果が切れたら再び放置されてしまうのだろうか? ◆堅物眼鏡年上の夫が理性ぶっ壊れで→うぶで清楚系の年下妻にえっちを教えこみながら孕ませっくすするのが書きたかった作者の欲。 ◇フェリス(20):14歳になった時に婚約者になった憧れのお兄さま・メルヴィルを一途に想い続けていた。推しを一生かけて愛する系。清楚で清純。 夫のえっちな命令に従順になってしまう。 金髪青眼(隠れ爆乳) ◇メルヴィル(30):カーク領公爵。24歳の時に14歳のフェリスの婚約者になる。それから結婚までとプラス2年間は右手が夜のお友達になった真面目な眼鏡男。媚薬で理性崩壊系絶倫になってしまう。 黒髪青眼+眼鏡(細マッチョ) ※作品がよかったら、ブクマや★で応援してくださると嬉しく思います! ※誤字報告ありがとうございます。誤字などは適宜修正します。 ムーンライトノベルズからの転載になります アルファポリスで読みやすいように各話にしていますが、長かったり短かったりしていてすみません汗

王太子様に婚約破棄されましたので、辺境の地でモフモフな動物達と幸せなスローライフをいたします。

なつめ猫
ファンタジー
公爵令嬢のエリーゼは、婚約者であるレオン王太子に婚約破棄を言い渡されてしまう。 二人は、一年後に、国を挙げての結婚を控えていたが、それが全て無駄に終わってしまう。 失意の内にエリーゼは、公爵家が管理している辺境の地へ引き篭もるようにして王都を去ってしまうのであった。 ――そう、引き篭もるようにして……。 表向きは失意の内に辺境の地へ篭ったエリーゼは、多くの貴族から同情されていたが……。 じつは公爵令嬢のエリーゼは、本当は、貴族には向かない性格だった。 ギスギスしている貴族の社交の場が苦手だったエリーゼは、辺境の地で、モフモフな動物とスローライフを楽しむことにしたのだった。 ただ一つ、エリーゼには稀有な才能があり、それは王国で随一の回復魔法の使い手であり、唯一精霊に愛される存在であった。

旦那様と楽しい子作り♡

山海 光
BL
人と妖が共に暮らす世界。 主人公、嫋(たお)は生贄のような形で妖と結婚することになった。 相手は妖たちを纏める立場であり、子を産むことが望まれる。 しかし嫋は男であり、子を産むことなどできない。 妖と親しくなる中でそれを明かしたところ、「一時的に女になる仙薬がある」と言われ、流れるままに彼との子供を作ってしまう。 (長編として投稿することにしました!「大鷲婚姻譚」とかそれっぽいタイトルで投稿します) ─── やおい!(やまなし、おちなし、いみなし) 注意⚠️ ♡喘ぎ、濁点喘ぎ 受け(男)がTSした体(女体)で行うセックス 孕ませ 軽度の淫語 子宮姦 塗れ場9.8割 試験的にpixiv、ムーンライトノベルズにも掲載してます。

お祭 ~エロが常識な世界の人気の祭~

そうな
BL
ある人気のお祭に行った「俺」がとことん「楽しみ」つくす。 備品/見世物扱いされる男性たちと、それを楽しむ客たちの話。 (乳首責め/異物挿入/失禁etc.) ※常識が通じないです

処理中です...