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4話 フェロモン*

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「……そのフェロモンであの人を誘ったのか?」
「はぁ!?」
 
 また相神が意味のわからないことを言う。ていうか、心なしかさっきよりも相神から出るフェロモンの量が増えている気がする。
 いや、マジでこいつのフェロモン何なの!? 嗅いでるだけでクラクラしてチンコの奥……というか、後ろが疼いてくんだけど!?
 こんな感覚は初めてだ。そう思った直後、自分の身体が今はオメガであることを思い出した。

 ええっ!? 後ろが疼くって、そーゆー!?

 唖然としていたら、はだけていたバスローブを引っ剥がされた。

「あの人からこんな服を貰っておいて、何もなかったはねぇよな?」

 言いながら、レースでできた黒のベビードールの肩紐を引っ張られる。

「い、いや……だって処女だったし……」
「へぇ。あの人、オメガ相手でも処女には優しかったんだな」
「ち、ちげーし!!」

 いざヤろうとしたら処女だったから、商品価値を落とさないために我慢したのだ。
 ヤル気満々だったのに突っ込むアテがなくなったので、仕方がなく一人で抜く羽目になった。腹立ち紛れに最後はぶっ掛けてやったけど、それでも気は収まらなかった。だから、腹いせに琴宮にこんな服を着せてやったんだ。
 ……そのせいで今こんな状況に陥るとは思いもしなかったが……

「まぁ、いい。あの人から買った最後の商品だ。たっぷり調べてやるよ」
「はぁ!? なんでテメーが商品に手ぇ出そうとしてんだよ! つーか、売り出す前に処女じゃなくなったら商品価値下がるだろーが!」

 いや、オレは別に商品として客に売られたいわけではないのだが。
 それと『最後の』ってなんだ? オレはこの稼業から足を洗ったつもりも、今後足を洗う予定もない。

 さっきからこいつが何を言っているのか、わからない。
 そういえばよく見ると、頬は記憶よりコケていて、目も虚ろな気がする。

 なんだ? クスリでもキメてラリッてやがるのか!?

 クスリをヤってるアルファなんて、シャレになんねー。どうにか逃げ出そうとオレは相神の下でもがいた。
 だけど、ただでさえ非力なオメガなのに、こいつのフェロモンのせいで全くといっていいくらい力が入らねぇ。

「あの人は、最初はどこに触れたんだ? ここか?」
「んぁっ!」

 レースの上から乳首をキュッと摘まれて、思わず変な声が出る。今までそんなところに触れられて感じたことなどなかったのに、その雑な刺激ですらオレの身体は快感だと捉えたようだ。

「クソ、おいやめろ……っ!!」

 蹴飛ばそうと足を上げたら、足首を掴まれて脚を開かれた。そのまま尻の穴に指を突っ込まれる。
 誰だよ、前だけ装飾たっぷりで後ろは防御力ゼロのTバックなんて履かせたの! あぁオレだよ、クソ!!

「んぁ、あぁっ……!!」

 抗議の声を上げようとしたけれど、オレの口から飛び出したのは間抜けな声だった。オレのケツは相神の指をあっさりと飲み込む。相神が掻き回すたびに、そこからヌチャヌチャと音がした。

「ひぃ!! なっ、やめ……あァっ!!」

 今まで感じたことのないような快感に、身体が支配される。なんだよこれ!!
 これがオメガの身体なのか? 嫌いなヤツに指突っ込まれて感じるだなんて、最低だ。

「あっさり3本も指飲み込んでんだけど? これで処女だって? 笑わせんなよ」
「やっ! マジで……本当、本当だって! だから、やめ……」

 いつの間にか増やされていた指のせいで、オレのケツからはヌチャヌチャなんて可愛らしい音じゃなくて、ジュボジュボと卑猥な音がする。

「あの人から貰った下着、汚してんじゃねーよ」
「ひぃぃいん!」

 とんだ言いがかりだ。誰のせいだよ!
 そう言おうとしたけど、ショーツ越しにペニスを指で弾かれたら、情けない声が出た。本当、マジでありえねー!

「そ……それなら脱がせばいいだろ?」
「そうやって、あの人を誘ったのか?」

 あ゛あ゛あ゛、違う。そうじゃない!! 汚したくないなら汚さないようにしろと言いたかっただけで、脱がして欲しいだなんて頼みたかったわけではない。
 ぶっちゃけ、気持ち良すぎてなんだか頭がバカになってる気がする。

「ち、ちが……たのむ、もうやめてくれ……」

 これ以上こんなことを続けていたら、もっと馬鹿なことを口走ってしまいそうだ。
 オレが本気で懇願したからか、ケツの穴から指が抜かれた。それにホッとしたのも束の間。相神がズボンのファスナーを下ろしてペニスを取り出した。

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