5 / 7
5.悪魔の囁き
しおりを挟む
「ミオは女の身体にもなれるのかっ?」
「いや。なれねーけど」
あ。そーですか。
一瞬でも期待した俺が馬鹿だった。
「だけどね。俺、淫魔だし。セックスしないと死んじゃうし」
「それならなにも俺に突っ込まなくても……そうだ! 俺がミオに突っ込んだっていいのではないだろうか?」
俺はこれでも吸血鬼だ。男との経験はないが、女性との経験は、それなりにある。
吸血鬼は血をいただくかわりに、女性に最高の一夜を提供するものだからな。
男を抱く趣味はないけれど、こんな凶器を尻に突っ込まれるくらいなら、俺がミオを抱いた方がいくぶんかはマシな気がする。
「俺は淫魔だから、お尻を使おうと思えば使えなくもないと思うけど、まったく興味がないし……それに、俺が処女じゃなくなったら、ポーシャはもうこの美味しい血は飲めなくなっちゃうってことなんだよねー」
「あっ……!!」
ミオに言われてようやく気付いた。
確かに、同じ相手から血を吸うのであれば、絶対に処女のときのほうが美味しい。新鮮さが全然違うのだ。
「だから、ポーシャのお尻に俺のチンコを突っ込ませて。そしたら、俺は一生処女のままでいてあげるよ」
「う、うぐ……」
処女というのは、この場合、お尻が未使用か使用済みかということなわけだ。
それなら、俺がミオに突っ込んでしまったら、あの極上の血は二度と飲めなくなってしまう訳で……
先程の味を思い出しただけで、ゴクリと喉が鳴った。
「ほ、欲しければ勝手に奪えばいいだろう? 契約だってあるんだし……」
「うーん、契約を使って無理矢理身体を繋げることもできなくはないんだけど……」
ミオが俺の上で身体を倒して、伸し掛かってくる。
「合意のほうが、美味しいんだよね。精気」
ちゅっちゅっと、頬に額にキスが落とされる。
擽ったさに身を捩ると、顔を捕らえられた。そして唇と唇が重なる。
合わさった唇から舌が入り込んで来て、口の中を撫でられると、とろりと身体から力が抜けた。
ミオが指先で俺の乳首を優しく撫でる。
そんなところ触られても何も感じない……と思っていたのに、指先で摘まれる度に、鼻から甘えたような息が抜けていく。
「ね。とびきり気持ち良くしてあげる……だから、ポーシャのほうから俺を受け入れてよ」
これは悪魔の囁きだ。
わかっているのだけど、その魅力的な言葉に心がグラグラと揺れる。
「セックスしながら、俺の血を飲んでみたいとは思わない? きっと、すごく美味しくて……気持ちいいよ?」
ああ、想像するだけで口の中に涎が溜まってくる。飲み込んでも飲み込んでも、次から次へと溢れてしまう。欲しい。欲しい、欲しい。ミオの血が欲しい。
「だから、俺のことを欲しいって言って」
「あ……う……」
「ポーシャが俺を求めてくれたら、これから先も、ずっとずっと俺の血を吸わせてあげる」
優しい刺激は気持ちいいのだけれど、腰回りにもどかしさがどんどん蓄積されていく。それをどうにかしたくて、俺は下半身をミオに擦り付けてしまう。
ミオの血が飲みたい。気持ち良くなりたい。めくるめく快楽の中で、あの極上の血を飲んでみたい……
「ね、ポーシャ。俺を欲しがってよ」
至近距離で、ミオが囁く。
悪魔に魅入られた俺に、逃れる術はなかった。
「……ミオが……欲しい」
「いいよ、全部あげる」
ミオが見せたのは、まるで天使のような、悪魔の笑顔だった。
「いや。なれねーけど」
あ。そーですか。
一瞬でも期待した俺が馬鹿だった。
「だけどね。俺、淫魔だし。セックスしないと死んじゃうし」
「それならなにも俺に突っ込まなくても……そうだ! 俺がミオに突っ込んだっていいのではないだろうか?」
俺はこれでも吸血鬼だ。男との経験はないが、女性との経験は、それなりにある。
吸血鬼は血をいただくかわりに、女性に最高の一夜を提供するものだからな。
男を抱く趣味はないけれど、こんな凶器を尻に突っ込まれるくらいなら、俺がミオを抱いた方がいくぶんかはマシな気がする。
「俺は淫魔だから、お尻を使おうと思えば使えなくもないと思うけど、まったく興味がないし……それに、俺が処女じゃなくなったら、ポーシャはもうこの美味しい血は飲めなくなっちゃうってことなんだよねー」
「あっ……!!」
ミオに言われてようやく気付いた。
確かに、同じ相手から血を吸うのであれば、絶対に処女のときのほうが美味しい。新鮮さが全然違うのだ。
「だから、ポーシャのお尻に俺のチンコを突っ込ませて。そしたら、俺は一生処女のままでいてあげるよ」
「う、うぐ……」
処女というのは、この場合、お尻が未使用か使用済みかということなわけだ。
それなら、俺がミオに突っ込んでしまったら、あの極上の血は二度と飲めなくなってしまう訳で……
先程の味を思い出しただけで、ゴクリと喉が鳴った。
「ほ、欲しければ勝手に奪えばいいだろう? 契約だってあるんだし……」
「うーん、契約を使って無理矢理身体を繋げることもできなくはないんだけど……」
ミオが俺の上で身体を倒して、伸し掛かってくる。
「合意のほうが、美味しいんだよね。精気」
ちゅっちゅっと、頬に額にキスが落とされる。
擽ったさに身を捩ると、顔を捕らえられた。そして唇と唇が重なる。
合わさった唇から舌が入り込んで来て、口の中を撫でられると、とろりと身体から力が抜けた。
ミオが指先で俺の乳首を優しく撫でる。
そんなところ触られても何も感じない……と思っていたのに、指先で摘まれる度に、鼻から甘えたような息が抜けていく。
「ね。とびきり気持ち良くしてあげる……だから、ポーシャのほうから俺を受け入れてよ」
これは悪魔の囁きだ。
わかっているのだけど、その魅力的な言葉に心がグラグラと揺れる。
「セックスしながら、俺の血を飲んでみたいとは思わない? きっと、すごく美味しくて……気持ちいいよ?」
ああ、想像するだけで口の中に涎が溜まってくる。飲み込んでも飲み込んでも、次から次へと溢れてしまう。欲しい。欲しい、欲しい。ミオの血が欲しい。
「だから、俺のことを欲しいって言って」
「あ……う……」
「ポーシャが俺を求めてくれたら、これから先も、ずっとずっと俺の血を吸わせてあげる」
優しい刺激は気持ちいいのだけれど、腰回りにもどかしさがどんどん蓄積されていく。それをどうにかしたくて、俺は下半身をミオに擦り付けてしまう。
ミオの血が飲みたい。気持ち良くなりたい。めくるめく快楽の中で、あの極上の血を飲んでみたい……
「ね、ポーシャ。俺を欲しがってよ」
至近距離で、ミオが囁く。
悪魔に魅入られた俺に、逃れる術はなかった。
「……ミオが……欲しい」
「いいよ、全部あげる」
ミオが見せたのは、まるで天使のような、悪魔の笑顔だった。
21
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
【R18】【完結】早逝した薄幸の少女、次の人生ガチムチのオッサンだった。
DAKUNちょめ
BL
王城にて、17歳のリヒャルト王子の護衛騎士をしているオズワルド40歳。
頭を強く打った拍子に、自身の前世が病により痩せ細って一人寂しく死んだ少女であった事を思い出した。
━━生まれ変わったら、健康で丈夫な身体で、王子様みたいな人と恋をしたい━━
そんな彼女の願いを神が聞き届けたのか何なのか、健康で頑丈な身体を持って生まれた上に、本物の王子様と近い位置にいるオズワルドだが……
「今、前世の願いを思い出した所でどうしろと!?
俺が王子と恋愛なんか出来るワケ無いだろ!!」
◆この作品は小説家になろうにも掲載してます。
「愛することはない」と言われた新妻がドスケベガチムチ部族おっさんだった場合
嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
「貴様を愛することはない!」と政略結婚相手に宣言しちゃった夢見がち童貞ノンケくんが、新妻♂のドスケベオラネコガチムチ部族おっさんに襲われて、童貞喰われた挙げ句にメロメロになっちゃう話。
全4話、毎日0時に更新します。完結まで執筆済。
攻め…コーマ・マンチーキ(19)
貴族の嫡男。プライドは高いが、ロマンス小説をこよなく愛して恋愛結婚に夢を見ていた童貞ノンケ。どえらい美青年。オナニー経験すら浅いピュアボーイ。恋愛脳なのでめちゃめちゃチョロい。
受け…ネオ・ラ・コヴィッチ(45)
男しかいない部族の族長。豪快で男気溢れるガチムチオヤジ。部族のしきたりによりケツもチンポも使い込みまくっているドスケベオラネコおっさん。爽やかで快活でドスケベ。
「君を愛することはない」テンプレのパロディAV小説書きたいなと思ったら、いつものように童貞を虜にするドスケベオラネコおっさんの話になってました。
ありとあらゆるなろう系テンプレをスケベパロディしていきたい所存です。
性欲つよつよ若頭とお馬鹿ちゃん淫魔
あたか
BL
淫魔であるグレンは十八歳の誕生日に両親から「そろそろ自分で狩りが出来るようにならないと」と言われ、初めての食料調達へ出掛けることに。そこで出会ったのは超ドタイプの野獣系イケメンで!?──
性欲つよつよ若頭とおバカちゃん淫魔のあほえろラブコメ。
ダンジョン内には色んなトラップが仕掛けられています
よしゆき
BL
所謂「セックスしないと出られない部屋」に閉じ込められた二人の冒険者の話。
ほぼガチムチのおっさんがヒィヒィ言わされてるだけの話です。
年下美形×ガチムチおっさん。
おっさん部隊長のマッサージ係になってしまった新米騎士は好奇心でやらかした
きよひ
BL
新米騎士×ベテランのおっさん騎士
ある国の新米騎士フリシェスは、直属の上司である第一部隊長アルターのマッサージ係として毎日部屋に通っている。
どうして毎日おっさんのマッサージなんてしなければならないんだろうとゲンナリしていたある日、男同士の性欲処理の話を聞いたフリシェスはどうしても試したくなってしまい......?
高い声で喘いでいる若い騎士の方が攻め。
カエルが潰れたような声を出して余裕があるおっさんの方が受けです。
※全三話
酒場で出会った処女ビッチが新任の上司だったんだけど……
水野酒魚。
BL
教師として剣技を教えているアーネスト(25)は、一晩の恋を求めるための宿『狼の牙亭』で理想の相手、ピエトロ(45)に出会う。
「生身の人間とするのは初めて」だと告げるピエトロと一晩の逢瀬を楽しんだアーネストだったが、翌日職場に新任の教師が転任してきて……
異世界ファンタジーおっさん受け年の差BL。
*のついた話は性描写が有ります。
年上が敷かれるタイプの短編集
あかさたな!
BL
年下が責める系のお話が多めです。
予告なくr18な内容に入ってしまうので、取扱注意です!
全話独立したお話です!
【開放的なところでされるがままな先輩】【弟の寝込みを襲うが返り討ちにあう兄】【浮気を疑われ恋人にタジタジにされる先輩】【幼い主人に狩られるピュアな執事】【サービスが良すぎるエステティシャン】【部室で思い出づくり】【No.1の女王様を屈服させる】【吸血鬼を拾ったら】【人間とヴァンパイアの逆転主従関係】【幼馴染の力関係って決まっている】【拗ねている弟を甘やかす兄】【ドSな執着系執事】【やはり天才には勝てない秀才】
------------------
新しい短編集を出しました。
詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる