上 下
6 / 12

6.チャンスは今だ*

しおりを挟む
「歯形だらけになっちゃった。でも、俺のものって感じで、すげー興奮する……」

 どのくらい好き勝手されていたのだろう。
 尻の穴がぽっかりと空いたまま閉じなくなってしまっている感覚がする。気のせいだろうか。
 肩も背中も腰も尻もあちこちが痛い。
 俺は、ぐっと掌を握りしめた。今ならちゃんと力を込めることができる。
 薬の効果が切れたのだろう。これなら、次にこいつが身体を離した時に逃げ出せば……

 そのチャンスはすぐにやってきた。
 相手が体勢を変えたんだ。

 ────今だ!!

 身体にかかる重圧が消えた瞬間、ベッドの上から逃げ出そうとしたけれど、相手が動くほうが早かった。
 腰を掴まれて、引き戻される。

「……てことで、挿れるね」
「なっ……」

 中腰の状態で、指なんかよりも太くて熱いものを尻の穴にズッポリと突っ込まれた。

「あっ、あっ……」

 思わず引き攣った声が出てしまう。
 じっくりと解されたおかげか、痛みは感じなかった。ただ、圧迫感がすごい。
 しかもその大きなモノが、俺の変になる場所……前立腺とやらをゴリゴリと刺激してくるものだから、堪ったもんじゃない。

「ひぃっ……や、やめ……」

 尻にチンコを突っ込まれて気持ちよくなれるはずがない。
 頭ではそう思っているのに、ビリビリとした快感が身体中を駆け巡る。

「どう? 気持ちいい?」
「いいわけないっ……から、やめっ……」
「ああ、イイみたいだね」
「ひぁっ……!」

 人の話を聞かずに、ガンガンと腰を振ってくる。その乱暴な動きに、悲鳴とも嬌声ともつかない声が俺の口から零れる。

「こっちも触ったら、気持ちよくなっちゃうかなー?」

 温かい手が胸を撫でまわして、指先が俺の乳首に触れた。両方同時に強い力で摘まれると、痛みにビクリと身体が震える。

「んなっ!? そんなの、なるわけ……」
「だよねー。だから、塗ったらジンジンしてくるやつ使ってあげるね」
「はぁっ!?」

 何処に隠し持っていたのか、相手が俺の乳首に香油のようなものをたっぷりと塗りつけた。

「なっ、やめ……ひぃっ!!」

 その手から逃れようと身を捩ったら、自ら相手の腰を尻に押し付ける動きになってしまった。さらに奥まで相手を呑み込んで、ゾクっと身体が震える。
 それに……

「やっ……やだ、なにこれっ……ひぃっ、いい゛い゛っ……!!」

 先ほど何かを塗られた乳首が熱くてむず痒い。

「ゾワゾワして気持ちいいでしょ?」

 そんなわけあるか!!
 あまりのむず痒さに、乳首を掻き毟ろうとした。それなのに、両手を後ろから捕まえてしまったせいで俺の行動が阻まれる。

「ああ゛っ、あああ゛っ……!!」

 痒くておかしくなりそうだ。
 身体を捩っても、相手の手から逃れることができない。
 それならせめてシーツ擦りつけようと上体を倒したけれど、手を後ろに引っ張られている所為で微妙に届かなかった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【BL-R18】魔王の性奴隷になった勇者

ぬお
BL
※ほぼ性的描写です。  魔王に敗北し、勇者の力を封印されて性奴隷にされてしまった勇者。しかし、勇者は魔王の討伐を諦めていなかった。そんな勇者の心を見透かしていた魔王は逆にそれを利用して、勇者を淫乱に調教する策を思いついたのだった。 ※【BL-R18】敗北勇者への快楽調教 の続編という設定です。読まなくても問題ありませんが、読んでください。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/17913308/134446860/ ※この話の続編はこちらです。  ↓ ↓ ↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/17913308/974452211

オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う

hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。 それはビッチングによるものだった。 幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。 国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。 ※不定期更新になります。

【R18】嫌われていると思ったら歪すぎる愛情だった【完結】

海林檎
BL
悪口を言ってくるのもアイツ。 煽ってくるのもアイツ。 喧嘩ふっかけてくるのもアイツ。 嫌がらせの延長で犯されて写真撮られて脅してくるのもアイツ 「死にてぇ····」 歪み系BL小話(中篇)

私の彼氏は義兄に犯され、奪われました。

天災
BL
 私の彼氏は、義兄に奪われました。いや、犯されもしました。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

βからΩになったばかりの高校生が無理矢理番にされる話

煉瓦
BL
ある日突然βからΩへと変異してしまった主人公が、Ωであるという自覚を持つ前に本能に負け、同級生のαの番にされてしまう話です。

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

気付いたら囲われていたという話

空兎
BL
文武両道、才色兼備な俺の兄は意地悪だ。小さい頃から色んな物を取られたし最近だと好きな女の子まで取られるようになった。おかげで俺はぼっちですよ、ちくしょう。だけども俺は諦めないからな!俺のこと好きになってくれる可愛い女の子見つけて絶対に幸せになってやる! ※無自覚囲い込み系兄×恋に恋する弟の話です。

処理中です...