上 下
34 / 38
番外編

塩オメガは発情期じゃなくてもまぐわいたい その7*

しおりを挟む
「……発情期ヒート以外のセックスって初めてだから、あんまり上手くできないかもだけど……」
「茜祢の、ハジメテ……」
発情期ヒートのセックスも、礼二さんが初めてでしたけどっ! だから、通常期こっちの初めても、礼二さんが貰ってください……」

 恥ずかしすぎて、顔を見ながら言うことはできなかったけれど、なんとか誘う言葉は口にできたと思う。あとは礼二さんがオレのことをどうにでも好きにしてくれればいいのだけど……

 ちらりと礼二さんの様子を伺うと、どこからかローションのボトルを出してきた。そんなの、うちにあったっけ?
 不思議に思ってじっと見ていたら、礼二さんが口を開いた。

「いつかの時のために、準備しておいてよかった」
「……これから、使いたいときは我慢しないでいいですよ。だって、オレの身体は礼二さん専用なんですから」

 オレがそう言うと、ローションをまとった礼二さんの指が、ようやくオレの後ろに触れた。

「わぁ、発情期のときとは全然違う。これが茜祢のハジメテ……」
「う、うう……そんなにじっくり見られたら、恥ずかしいです」

 尻穴を覗き込んで、礼二さんが感動したような声で言う。
 いつもはすぐに礼二さんのモノを飲み込んでしまう場所なのに、今日はまだそこは固く結ばれている。それをゆっくりと礼二さんが解してくれる。



「本当に大丈夫? 辛くない?」

 礼二さんの指をようやく一本飲み込めたとき、礼二さんがオレに聞いた。

「だいじょ、ぶ……」

 なんとかそう言ったものの、異物感がすごくて、オレのお尻は礼二さんの指を押し出そうとしてしまう。

「れいじさん、キスしてください……」

 まだ、指は一本しか入っていない。お尻から力を抜かなきゃって意識しすぎて逆に力んでしまっているのか、ヘンな汗が出てる。でも、止めたくない。絶対に最後までシたい。
 オレが手を伸ばして礼二さんを求めると、優しいキスが唇に降ってきた。オレは口を開いて、深いキスをねだる。口の中を礼二さんの舌が舐めまわすのと同じように、オレのお尻の中を指先で掻き回されたときに、今まで感じたことのない衝撃に身体が跳ねた。

「んんんっ、んんーーーーっ!!!」

 気持ち良すぎて、頭が真っ白になる。初めての感覚が怖くて逃げ出したいのに、礼二さんがオレの身体をぎゅっと抱きしめたままキスで唇を塞ぐから、逃げられない。
 身体をガクガクと震わせている間に、オレの後ろに突っ込まれている指が増やされた。後ろから与えられる快感が、更に大きくなる。

 二本の指がスムーズに動かせるようになったころ、ようやく唇が解放された。

「茜祢、上手に飲み込めてるよ」
「ふあぁぁんっ、だ、だめ……これ、怖い……」

 発情期ヒートの時とはまた違った気持ち良さにオレは翻弄される。発情期ヒートのときは、とにかく気持ち良くてすぐにわけがわからなくなっちゃうけれど、今のは身体の奥の方から快感が湧き上がってきて、これはこれでヤバい。

「もっと拡げるから、逃げないで」

 身体が上にずり上がろうとするのを、押さえつけられて阻まれる。

「で、でもぉっ……もう、おしりがぐちゅぐちゅっていってるからぁ……!!」
「オレのはもっと大きいよ。だから、もうちょっと頑張ろ?」

 礼二さんはそう言うと、三本目の指をオレの後ろに突っ込んだ。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

運命の番から逃げたいです 【αとΩの攻防戦】

円みやび
BL
【αとΩの攻防戦】 オメガバースもの ある過去から人が信じられず、とにかく目立ちたくないがないために本来の姿を隠している祐也(Ω)と外面完璧なとにかく目立つ生徒会長須藤(α)が出会い運命の番だということがわかる。 はじめは暇つぶしがてら遊ぼうと思っていた須藤だったが、だんたん遊びにできなくなっていく。 表紙は柾さんに書いていただきました! エブリスタで過去投稿していた物を少しだけ修正しつつ投稿しています。 初めての作品だった為、拙い部分が多いとおもいますがどうか暖かい目で見てください。 モッテモテの自信ありまくりの俺様が追いかけるというのが好きでできた作品です。

変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話

ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。 βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。 そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。 イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。 3部構成のうち、1部まで公開予定です。 イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。 最新はTwitterに掲載しています。

嘘つきαと偽りの番契約

ずー子
BL
オメガバース。年下攻。 「20歳までに番を見つけないと不幸になる」と言う占いを信じている母親を安心させるために、全く違いを作るつもりのないオメガの主人公セイア君は、とりあえず偽の番を作ることにします。アルファは怖いし嫌いだし、本気になられたら面倒だし。そんな中、可愛がってたけどいっとき疎遠になった後輩ルカ君が協力を申し出てくれます。でもそこには、ある企みがありました。そんな感じのほのぼのラブコメです。 折角の三連休なのに、寒いし体調崩してるしでベッドの中で書きました。楽しんでくださいませ♡ 10/26攻君視点書きました!

アルファのアイツが勃起不全だって言ったの誰だよ!?

モト
BL
中学の頃から一緒のアルファが勃起不全だと噂が流れた。おいおい。それって本当かよ。あんな完璧なアルファが勃起不全とかありえねぇって。 平凡モブのオメガが油断して美味しくいただかれる話。ラブコメ。 ムーンライトノベルズにも掲載しております。

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版)

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果

はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

処理中です...