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本編

12話 -首輪-ネックガード*

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「礼二さん、もっと……もっと、ちょーだい」

 オレがねだると、礼二さんが噛みつくようなキスをしてきた。
 礼二さんに食べられちゃってるみたいで、とっても気持ちいい。オレの中に入ったままの礼二さんのペニスはまだ萎えてなくて、礼二さんが動くたびにオレに快感を与えてきた。それでオレたちは二回目も三回目も正常位で繋がって、その次はオレが礼二さんの上に乗って腰を振って、お互いに精を吐き出した。

 それでも足りなくて、オレはベッドの上にうつ伏せになって腰を高く上げる。何も言わないで尻を差し出したオレを、礼二さんがバックの体勢で貫いた。さっきまでとは違ったところに当たって気持ちいい。中がどんどん礼二さんの形になっていくのがわかる。

 だけど、まだまだこんなんじゃ足りない。もっと、もっと礼二さんのものになりたい。

 カチリ、とオレの首元で音がする。首輪ネックガードが外れる音だ。
 発情期ヒート中にアルファがオメガの項を噛むと、番になる。事故で番になってしまわないように、オメガは普段から項を守る首輪ネックガードをしている。勿論、オレもだ。この首輪ネックガードは自分にしか外せないようになっている。

「ねぇ、噛んで」

 オレは首輪ネックガードをベッドのシーツに落とすと、項を礼二さんに晒しながらそう言った。久しぶりに外気に晒された首元が、スースーする。
 オレが永遠に礼二さんのものになるにはこれしか方法がないんだって思ったら、理性を手放したオレはあっさりと首輪ネックガードのロックを解除してしまったんだ。

「番になっちゃうよ?」

 礼二さんがオレの項を舐めた。ゾクゾクっとした感覚が背中を駆け抜けた。早くそこを噛んで、礼二さんのものにして欲しい。

「いいよ」

 オレがそう答えたら、かぷかぷと礼二さんがオレの無防備な部分を甘噛みし始めた。

「んっ、んん……」

 オメガの弱点を歯で刺激されて甘い声がオレの口から漏れる。

「本当にいいの?」
「ねぇ、早くっ……」

 下半身を礼二さんに押し付けて中をぎゅって締めたら、礼二さんが小さく呻いてオレの項に噛みついた。
 皮膚を破って、アルファの牙がオレの項に食い込む。

「あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ……!!」

 噛まれたところから熱が広がる。
 身体中が作り変えられるような感覚に、オレは身震いした。それと同時に最奥に礼二さんの熱が注がれる。これで全部、礼二さんのものになれた。
 恍惚としたまま、オレは振り返って礼二さんにキスをねだった。口の中に錆びた鉄のような味が広がる。血の味だ。オレはアルファの牙に舌を這わせた。

 番とのセックスは、格別だった。
 気持ちいい、幸せ、好き。多幸感に包まれながら、好きなだけお互いを求めあう。

 発情したオメガもアルファもただの獣だ。オレたちは三日間、二人で快楽をただひたすら貪った。
 交わって、気を失うように眠って。目覚めたらまたセックスをした。
 項は一度噛めば番になれるのに、礼二さんは何度もオレの項に歯型を付けた。
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