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第119死 ホト葬

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 800万の頭脳に70億のホットプレートの衝撃がのしかかる。彼女の脳内で70億の上で計150円以下の焼きそばパック4袋の麺(実際は豚肉とキャベツとソース胡椒お好みで唐辛子かつお青のり紅生姜はいらない玉ねぎもやしもっといらない)円を、焼いているジブン葬儀屋がいる。そのゾワゾワゾクゾクで──

「どしたのさ!? 超デンジポンオタクばりに鼻息荒いよ」

「……いえいえ……800ふぅ……ちょっとアズキあいすの冷たさでのぼせてしまったみたいです……」

「アイス食ってのぼせるっておかしいよ葬儀屋、クールダウンクールダウン!! ほんと800万のオンナなんだから壊れないでよねぇ! 超高級丘梨クローンちゃん」

 結局その後焼きそばは焼かず、お水を一杯、おばみんの勧めたやさしさを味わって葬儀屋は息をすこし整えた。本来の冷静さを取り戻した────



▼▼▼
▽▽▽



 彼女は冷静に考えた、まだ800万のサービス分働かなければならない、自分という女があの70億……ではなく青年に対してやらなければいけないこと、こんなチャンスはおそらくただの葬儀屋の私にはもうない雇い主のリッチな若い女性吐い信者に800万円分に見合う働きをし、結果的には媚を売る点数を稼ぐためにヤらなければ──。これがお金のマジックなのか意を硬く決してホトプレ青年へとご奉仕をしますと、それとなく少し強引に意見提示し、うながし。チカラない返事をするだけの青年も誰かさんに少し似ている長身女性のソレを拒まなかった。

 黒いスーツのおおきな太ももの膝枕、耳の中をごそごそと垢を取られていくのは気持ちのいいことであり。青年にとっては4日ぶりに自宅へと死のダンジョンから帰ってきた、その後の予期せぬ来客(侵入者)の予期せぬドタバタ、今もつづいているその最中で何故かこれがいちばん癒される時間であり。

「ここは……すこし奥しつれいしますね──」

「ふぁ……ふぁぃ」

「ではこのふわふわで……ぽんぽんと……」

「ふわぁ……はふぅ」

「さいごに」

『ふぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーっぅ』

「はふぅ……ふぁぅぁぅ……」

 ひつよういじょうに近い、ひつよういじょうにながい長すぎる気のする──800万の長い吐息が仕上げていく。耳がアツくどこかいけない迷走神経を刺激していく心地の良い、ただの耳掃除。

 掃除が得意な葬儀屋として、どこで覚えたのか耳掃除屋として勤めを着実にクリアしていく。

 徐々にお互いの体温で熱をもっていくさっき知り合ったばかりの女性の太ももの枕に寝かされてごそごそ気持ちいいふわふわと梵天で巧みにやさしく──疲れ切った青年は心地よい眠りにいざなわれていく。瞼が重くなっていくのを見届けた葬儀屋の女はやさしいふわふわで何度も撫でるように彼を自分のアシの上に寝かしつけることに成功した。

「あ……ナナ……ねちゃいました……ね」

「どうぞそのまま2時間半はギリイケマス……800万ですので、いけます……」

 やさしくおおきな手が黒いシャツに着替えさせた青年の黒髪をととのえて、撫でて──みまもって。



「もしもーし……これ、わたし要る?」

「おばみんちゃんのターンが回ってくる前に、眠りにつくんだよ」

「800万の葬儀屋を雇ったおばみん失敗だった!? なわけないよね? よく働くいい部下だよ。雇って良かったわぁーひとり18禁はこわいもぉんええ、ええ! ホトプレは疲れてんだ、これは決して健全の織り成すナチュラルなラヴな雰囲気ではない、ええ! ホトプレ×葬儀屋なんてなかったいいね! ちょっと背の高いだけの丘梨クローンなだけのポッと出のホト葬なんてありえないッ、じゃないッ、栄枯(31)のニセモンのお線香ごときがよぉ。風呂場でヤッちゃったホトおばこそ至高、主役! ……だよねぇ!? この場に嫉妬などあるはずもないですよ、ええ、ひじょうに────」

 食卓の特等席でひとりアズキあいす2本目をなんとなくしゃぶりながら、青年を見守る葬儀屋と、青年と葬儀屋の男女の姿謎のムードをさらにその外で見守っている者がいる、脳内ぼこぼこチューブを展開したオーバー未惇は謎の一人芝居を小声の真顔でつづけている。
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