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AI栄枯:吐い信者丘梨栄枯パーティーの4人は地獄シャワーマシーンへと入り汗と汚れを洗い落とし身体を清めた。
地獄の冷水を浴びて天国へと蘇った身体。死鳥舎様へのサービスシーンも盛りだくさんであった至福の3分間は終わり【SR】シャワーカードの効果は失われた。
そして……。
複雑でされどソレと理解る香りは各々の嗅覚を刺激する……。
「さてはじまっておりますべらぼぅにつづいておりますそして出来上がりました吐い信者丘梨栄枯のシルファンカレープレート!!」
ぼこ:にゅぅ……は?
ぼこ:はい?
ぼこ:いきなり出来てんだが
ぼこ:はぁ?
ぼこ:スクワットしてたら出来てた
ぼこ:え、ワープした!?
ぼこ:もしかして時間の概念死んだ?
ぼこ:安心しろ少々話がループしてるだけだ我々は何度もカレー回をけいけ
ぼこ:↑チンキス!
ぼこ:なんやこれ……
ぼこ:は!?
美しい心持ちいつもより笑顔ではじまりを告げる吐い信者のアップからゆっくりと彼女の肩と背と尻を追い越し切り替わり。
AIカメラはその全貌を撮影していく。
蒼穹の下、ブルーシートの上、じゅーじゅーと、ぐつぐつと、低温ホットプレート上の夢のテーマパークは完成していた。
薄切りされたウルフ肉、ちゃんと中まで火が通っている。丁寧に調理された元肉塊がプレートに石畳のように舗装、薄く敷き詰められ。
聳え立つ山盛りキャベツタワー、これは吐い信者丘梨栄枯だけではなく死鳥舎参加協力型のカレー回、この細やかで美しいぐりーんは金ポデとホトプレがひらすら切り刻んだ成果である。【R】キャベツカードは金ポデと仙人のダンジョン探索でラッキーにも手に入れた貴重な野菜であり冷たい泉の水に浮かべて待機させていた……シャキシャキ感がきっと残ってるであろう……仕上がり。
そして。
「エンターテイんメント、ふふ、どうでしょう、ふふ、シルファンカレーはやはり主役もちろんど真ん中に配置させてもらいました」
イエローフライパンの中、ぐつぐつと煮えたぎるカレー色の海。余計なタマネギや具は一切入っていない最高に澄んだ泉の水を得たシルファンカレーは無敵だ。
「ええ、シルファンカレーですよ。無敵です」
敷き詰められた肉の石畳その真ん中に陣取るカレーの海、存在感のある茶色カレー色をそれに負けじと高さを出しプレート上の空間を彩る山盛りぐりーんキャベツ。
「はい! 死鳥舎の皆様に死のダンジョンからおとどけしております吐い信者丘梨栄枯のすぺしゃるシルファンカレー! onプレート! スライスウルフ肉ダンジョンスタイル! ええ、ひじょうに!!」
吐い信者丘梨栄枯渾身の一品! ひと皿! 飛び出したのは今日一番の丘梨栄枯ちゃんスマイルととびきりのエンターテイんメント! これにて長きにわた──────。
ぼこ:なんやこれなんやこれ……
ぼこ:うひょーカレーだああ
ぼこ:いうほどこれカレーか
ぼこ:いきなりすごいのが出来てて意味不明なんだが
ぼこ:丘梨栄枯、タイムワープしたってよ
ぼこ:いやなんやねんこれ
ぼこ:キャベツどっから出てきた
ぼこ:キャベツはこうした~
ぼこ:↑チンキス!
ぼこ:女子ふたりキャベツはないとね
ぼこ:ふたなりだしね
ぼこ:肉の大地
ぼこ:天空をつらぬくキャベツタワー
ぼこ:カレーの処刑台
ぼこ:おもったより普通だな
ぼこ:あれフツウにいけるんじゃ?
ぼこ:まさかのフルプレート使い
ぼこ:これ吐い信者丘梨栄枯のすぺしゃるシルファンカレーonプレートスライスウルフ肉ダンジョンスタイルらしいな
ぼこ:onプレート! が地味にむかつくな
ぼこ:肉は敷き詰める!
ぼこ:また焼くんかもうそれ硬いやろ
ぼこ:焼肉では?
ぼこ:カレーです
ぼこ:シルファンカレーですよ。
ぼこ:まさかのフライパン直置き継続
ぼこ:フライパンは維持でもどけない栄枯です!
ぼこ:ダンジョンだからね
ぼこ:主婦のウチもやってるやつ
ぼこ:さすが栄枯姐さん
ぼこ:え、これ合ってんの!?
ぼこ:↑俺んちもこれやぞ? お前遅れてんな!
ぼこ:うお俺の母ちゃんと同じカレーだ
ぼこ:↑どこの惑星出身?
ぼこ:山賊だけどウチもこれだよ
ぼこ:海賊だけどそういやこれだったわ
ぼこ:ホットプレートはテーマパーク
ぼこ:丘梨栄枯ワールドへようこそ
ぼこ:これ食べれんの?
ぼこ:そもそもどう食べる
ぼこ:これ男子が好きなやつや!
ぼこ:恐ろしく澄んだカレー、さすが栄枯だね
ぼこ:いい最終回だった
ぼこ:待った甲斐がありましたわね(腹ペコの洋館のお嬢様)
ぼこ:これきょうのおまえらの晩飯だってよ
ぼこ:肉の道路
ぼこ:栄枯ママの本気だってばよ
ぼこ:さすが長身ふたなりわんぱくだねぇ
ぼこ:丘梨栄枯(31)さんの手料理
ぼこ:世界よこれが栄枯だ
ぼこ:死のダンジョンだからな
ぼこ:何はともあれ完成だ!
低温ホットプレートの上、吐い信者丘梨栄枯の胸にあたため秘めていた世界は展開されじゅーじゅーと耳当たりのいい音を立てて温められていく。
完成した圧巻のカレープレートを囲むパーティーの3人もこれには。
「これは……」
「これは愉快じゃな栄枯よ、エンターテイんめんとに嘘偽りはないのぉほっほ」
「…………♡!!」
あまりにも豪勢かつダイナミックな一皿、『こんなモノはドレスデンにもないよっ』金ポデのエメラルドの瞳がパッと見開き輝いた。両手を広げる異国人特有の全力リアクションだ。
「ふふ死鳥舎のみなさんお手伝いお疲れ様です、ええ、では、とっととパパッと新鮮でお熱い最高の内にいただきましょうシルファンカレーダンジョンスタイルを!」
「いただきま」
「あのこれ」
「なんですか?」
「どうやって食べれば……?」
「ダンジョンあるあるじゃのぅ」
「……ふふ、あなた保温しときなさい」
じゅーじゅーと弾ける脂の音と白くけむり香るスパイス、プレートを囲んだ3人は総料理長である丘梨栄枯の瞳をじっと見つめている。
ここは死のダンジョン、食器がなければ鼻をうつ熱い香りも口には入れられない。
ぼこ:でしょうね。
ぼこ:丘梨運転平常運転
ぼこ:栄枯はひとつのことしか考えられんから
ぼこ:はい
ぼこ:ダンジョンにスプーンはない
ぼこ:ダンジョンに箸はない
ぼこ:さすがの栄枯も低温ホットプレートを手づかみはできないからね
ぼこ:口内固形ルー飯の弊害
ぼこ:急に文明レベル上がったからな
ぼこ:栄枯、おあずけ!
ぼこ:栄枯、お手!
ぼこ:保温できるからァ!
ぼこ:丘梨栄枯詰む
ぼこ:ダンジョンあるあるじゃからな
ぼこ:ダンジョンあるあるならしゃーないな
ぼこ:ダンジョンだからな
ぼこ:しのだ
ぼこ:↑チンキス!
AI栄枯:ダンジョンには箸やスプーンはない……だが丘梨栄枯には知恵がある。それから彼女は仙人、ホトプレ、金ポデたちがあたたかい目で見守るなか熟考、滴りそうになった唾液をそっと拭い……………………脳天へと電撃が降りる! あることをひらめきブラックな包丁を片手にパーティーのリーダー、吐い信者として! 現状からの挽回をはかった。
ぼこ:なぁ……
ぼこ:ダンジョンだからな
丘梨栄枯はそう、ひらめいた。
食器がなければ────
ギシギシギコギコスパンスパンと、ブラック武器の斬れ味威力により粗悪なベッドはテンポよく解体されていく。ベッドに使用されている木板は流れるように受け渡されパーティーメンバーの手によりおおまかに加工されていく。
メンバー各々に工程を振り分けて栄枯の妄想は順調に削られ完成度を高めカタチを成していく。
出来上がった大きく丈夫な木のスプーンと削り上げた箸。
ささくれで怪我をしてはいけない、と仙人が泉の水で湿らせたベッドシーツでスプーンを拭き磨き上げつつブラック果物ナイフでバリをとっていきなめらかに再加工、入念にされど手早く仕上げていく。
出来上がったのはダンジョン環境にて最高のなめらか木製スプーンと最高のとんがった箸。栄枯の指示の下、人数分抜かりはない。
食器がなければハンドメイドすればいい。
丘梨栄枯の脳内アレンジ範囲に限りはない、現実へと落とし込む能力は高く粗悪なベッドは見事な食器へと変貌に変貌を遂げた。
「さぁ、みんな今度こそ抜かりはありませんね、では、今度こそ!! じゅる……とっととパパッと新鮮でお熱い最高の内にいただきましょうシルファンカレーダンジョンスタイルを!」
「は、はい……!」
「いただけるかのぅ」
「…………☆!!」
木製の大きなスプーン、四方から突き出し合わせ交わり重なるまちまち4つ。
彼女ら彼らだけのどこかぬくもりのあるパーティースプーン。
かん、と乾いた音が響き合い実食の時。
ふひぃぃじゅりぃぅぃ……桜色の唇から滴り落ちそうになった汁を親指の付け根で拭っていった。
ぼこ:さすが栄枯あたまいい!
ぼこ:粗悪なベッドはスプーン箸じゃない
ぼこ:粗悪なベッドはスプーン箸じゃからな
ぼこ:粗悪なベッドのフル活用
ぼこ:粗悪なベッドの錬金術師、丘梨栄枯
ぼこ:粗悪なベッドだからな
ぼこ:粗悪なベッドとかいう万能カード
ぼこ:逆に何ができない
ぼこ:普通なベッド「あの……俺もいるんですけど……」
ぼこ:↑粗悪なベッド「栄枯は俺じゃないとダメだからな」
ぼこ:へぇー粗悪なベッドってなんでも出来るんだ
ぼこ:死のダンジョンだからね
ぼこ:そりゃ死のダンジョンに粗悪なベッドあったらチートだわ
ぼこ:戦闘にも使えます
ぼこ:粗悪とは思えない活躍っぷり
ぼこ:死のダンジョン運営痛恨の調整ミス
ぼこ:さぁ、カレーだ!
一同おなじバーベキュー皿のライスの上にかけられていく栄枯特製具なしカレー。
ちゃっかり作り上げていた大きくゴツい木のお玉で惜しみなく豪快に。
「あ、ありがとうございます……」
青年の両手へと今しっかりと器は手渡されていった。
「はいどうぞ。ではまずは肉は取らずにシンプルなシルファンカレーライスを食べてみてください、ふふ」
吐い信者丘梨栄枯の心遣い、パーティー死鳥舎様の一人一人の皿にカレーをよそっていったのであった。
ぼこ:こいつなんや?
ぼこ:カレー奉行栄枯
ぼこ:こいつの独裁っぷりはなんなんやろ
ぼこ:うるせぇ、カレーチュートリアルだから!
ぼこ:栄枯のカレーを食すのには取説がいるから…
ぼこ:まずはシンプル!
ぼこ:製作者の意向だしたがえ。嫌なら自分でつくれ!(主婦)
ぼこ:↑なぜ俺の嫁がここに?
ぼこ:さすが栄枯
ぼこ:栄枯によそってもらえるなんて贅沢ですわね
ぼこ:肉なんて飾りですよ、カレー素人にはそれがべらぼぅにわからんのですわー
息を合わせカメラを意識、視線でつながった星色の瞳の合図で、一斉にスプーンを口に運んだ。
「こ、これ……!?」
「なんじゃと!?」
「……!?」
「これはええ、ひじょうに……べらぼぅに……」
「「「美味い!!!!」」」「ンーー!!!!」
ぼこ:は!?
ぼこ:談合か!?
ぼこ:ヤラセ!?
ぼこ:美味い!!!!
ぼこ:↑ンーー!!!!
ぼこ:まさかの全会一致
ぼこ:なんとーーーー!!
ぼこ:老若男女美味い
ぼこ:笑った
ぼこ:んなわけ!?
ぼこ:これには今か今かと叩こうとしてた俺唖然
ぼこ:シルファンカレーですよ。
ぼこ:ダンジョンだから
ぼこ:シルファンカレーだから
「めちゃくちゃ旨味がすごいですねこれ……俺こんな、なんだろ……こんなカレーはじめてですよ……! うわこれ……ほんとなんか……叶ってます!」
「ワシも人生で何千皿かのぅここまで辛味とマッチし何より旨味に満ちたカレーははじめてじゃわい栄枯よ、市販とはおもえんのぅ。こんなものがあるなら先に教えてほしかったわい」
「ンーー~~★♪」
喜びに目を絞るような唸る満面の笑み、何度も左手でOKマークを栄枯に向け出して揺らしている金ポデ。
各々の絶賛に料理人丘梨栄枯の心は“るん”と弾む。
「…………これは……ふふ、ありがとうございます! あえて味見はしませんでした、私はシルファンを信じそしてシルファンは本来以上の実力をこの死のダンジョンという厳しい環境下で発揮したに過ぎません! これは私の……いえ、みんなのシルファンカレーです、ええ、ひじょうに!!」
「……さぁ、まだまだシルファンはたくさんあります、パパッとどんどん最高の状態のうちに攻略して行きましょう!! ……シルファンカレーマルチプレイ開始!!」
「開始!!」「開始じゃ」「ンー!!」
木製の手作りスプーンを天にかかげた各々。ブルーシートの上で胡座を組みひとつのホットプレート料理を囲み攻略していく。食に境界はない、みな何かを食べ生きていく、だができれば美味しい方がいい、ダンゼンいい。吐い信者丘梨栄枯と3人、4人の絆が現在進行形で深まっていくのがわかる。死のダンジョンのシルファンカレーは絶品最強なのであった。
ぼこ:だってよ。
ぼこ:へぇー
ぼこ:ダンジョンだから ちゃんっちゃん♪
ぼこ:ダンジョンで頭バグったのかもしれへん
ぼこ:まぁダンジョンで食う市販カレーは格別ですわ
ぼこ:空腹は最高のスパイス
ぼこ:↑さすがにみんな空腹すぎて壊れたか…
ぼこ:さすが栄枯
ぼこ:ホトプレが何事もなかったかのように元気になるぐらいには美味いんやろい
ぼこ:ホトプレ叶う
ぼこ:色々と叶ったんですわ
ぼこ:まぁお湯にルー溶かしただけなんだけど
ぼこ:てか地味に何言ってるか意味不明なんだが
ぼこ:マルチプレイ開始!!
ぼこ:↑ホットプレート料理がマルチプレイなのは間違ってはないです、ええ
ぼこ:そりゃあんだけ煮込んでたら美味いわ!
ぼこ:↑ん?
ぼこ:栄枯ちゃんのラヴが詰まってる!
ぼこ:栄枯ママが作るカレーはセカイイチ
ぼこ:結局日本人はカレーなのよ
ぼこ:人類カレー説
ぼこ:カレーは人の結束力を高める
ぼこ:泣いた
ぼこ:旨味!
ぼこ:栄枯ママ特製だからな
ぼこ:死のダンジョンで食うシルファンカレーはべらぼぅに美味い
マルチプレイで攻略を開始されたシルファンカレープレート。
先にプレート上のウルフの薄肉を一枚試食した丘梨栄枯はうなずき、次なる作戦指示が下された。
「ではウルフさんの肉は皿に取りましたね、では見ていてくださいキャベツをこうして……ええここで特製のタレです」
刻まれた赤黄緑のカラフル、栄枯が思案し混ぜ合わせた夢色のカラフル汁、その液にほどほど個体が浸ったパックを手に持ち。
木のスプーンで中身をすくい各々の皿にかけていった。
「カレーといえば連想されるのは福神漬け、ですが死のダンジョンの厳しい環境下では謎野菜の漬物が精一杯です、ええ、ふふ、ですがこうしてキャベツにかけウルフさんを巻きカレーソースをかける、ではパパッとイッてみてください、ええ!!」
各々は栄枯がパパッと実演した通りに既に手作りソースがかけられていたキャベツをウルフの薄肉でロールしカレーをスプーンで上からかけ、出来上がったカレー肉巻きを粗悪な箸で食していった。
その一体、一体感を一口で頬張りもぐもぐもぐと咀嚼していく。
「────これは……すごくバランスの良いさっぱり!! ウルフ肉ちょっとクセあるかなぁって思ってましたけど、サラダ? よく分からないけど酸味がいい感じですシルファンカレーかけるとこの酸味にこの辛さ濃さ味がハッキリのって美味い!! ウルフのくさみもないです! 磨いたかいがあったのかなぁ?」
「うまいわい。年寄りにはありがたい心配りじゃ栄枯よ、それに味変じゃな飽きないわい」
「ンーー~~★☆♡♪」
「ええ、まさにサラダそしてシルファンカレーを飽きさせないための味変、人間とは案外お馬鹿な生き物ですいくらシルファンカレーが完全カレーでべらぼぅに美味くても100%いずれどこかのタイミングで飽きが来て個々人が感じ取れる旨味チカラの分量が減ります。そこで酸味、旨味と辛味に合うのはやはり酸味、漬物汁と切り刻んだ漬物本体をキャベツと合わせるだけで即席酸味サラダになるのですよ、ふふ、そしてウルフさんで巻いてカレーをかけて召し上がれ、ええ、ひじょうにこれは私も驚きました計算通りすぎて、ええ、ベストマッチしております、ええ、では好きな風に配合調整、好きな風に食べてみてくださいシルファンカレーは誰にでも自由です!! ええ、ひじょうに!!」
プレート上に並べられた肉の石畳がどんどん剥がされていく、山盛りのキャベツタワーがどんどん崩されていく、ホトプレの街並みは人々の笑みとともに変わる。保温され温かいままのカレーはいつまでも最高の状態で保たれており笑顔明るい栄枯ママに追加でかけてもらうシルファンカレーは格別だ。
最高のシルファンカレーに最高のボリューム飯、まだまだモンスターを倒しドロップしたお米カードのストックもある。当然このペース、おかわりも視野に入る。
そう、ホットプレートを囲み仲間と共に食するシルファンカレーは最高に美味い。
吐い信者丘梨栄枯とホトプレ、仙人、金ポデは他愛のない雑談をまじえながらカレーを食らい笑顔を咲かせる。
このような雰囲気での食事は考えてみればはじめてのことだと、栄枯はふと思う。
そしてまたスプーンをにやりとしていた口に運んだ。
ぼこ:こいつを止める方法
ぼこ:すまん何言ってるかわかるやつ
ぼこ:止まらんでいい
ぼこ:やってくれたな栄枯!
ぼこ:天才料理人丘梨栄枯
ぼこ:うまそう
ぼこ:うまい!
ぼこ:あこれ絶対うまいやつ!
ぼこ:うまそうか……?
ぼこ:ドブ色の漬物汁
ぼこ:栄枯特製漬物ソース
ぼこ:塩辛いやろ
ぼこ:↑すごくバランスの良いサッパリですがなにか?
ぼこ:ホトプレが料理漫画モブになっとる
ぼこ:ホトプレは演技力高いからね
ぼこ:こいつ相当モブがんばってんな
ぼこ:カメレオン俳優ですよ、ええ
ぼこ:肉やきモブよちよちされて記憶喪失説
ぼこ:肉塊磨きの成果出たな
ぼこ:また意味不明をのたまっておられるよこのお方
ぼこ:これ合ってんの?
ぼこ:↑有名ホテルのシェフだけど合ってるよ、ええ、ひじょうに
ぼこ:金ポデちゃんの表情が物語っている
ぼこ:俺はこの3人が洗脳された説を推す…
ぼこ:↑あきらめろん栄枯はうまいよ、ええ
ぼこ:シルファンカレーは誰にでも自由な割にガチガチに拘束してた?
ぼこ:↑チンキス!
ぼこ:独裁者栄枯
ぼこ:肉巻きキャベツ巻きカレー
ぼこ:即席酸味サラダ(sss)
ぼこ:まぁ漬物が合わないことはないよね。俺の負けだよえいこ
ぼこ:いうほどダンジョンに謎野菜の漬物あるか?
ぼこ:死のダンジョンだからな!
ぼこ:なんかフツウに食事してんなこいつら
ぼこ:カレーソースがあればなんでも食えます
ぼこ:これぞダンジョン飯!
ぼこ:栄枯俺だぁ結婚してくれぇーー
ぼこ:美味けりゃそれでよし
ぼこ:栄枯のカレーはやはり世界一!
マリアレポート⓳
死のダンジョンで人気なプラス持ち込み食材はこれだ。
・乾麺類・パスタ・うどん、きつねうどん
・缶詰 トマト缶 シーチキン 牛筋など
・大豆・豆類
・チョコレート
・グミ
・ガム
・たこやき、冷凍たこやき お好み焼き、冷凍お好み焼き
・444の豚まん
・餃子の猛将伝の餃子パックとドデカ唐揚げとレバニラ
・ちーずけーき
・食パン6枚切り、スナックチョコパン、8個入りクリームパン
・焼肉、豚汁
やはり人気なのは麺類や缶詰、チョコレートも人気なようだ。
個人的にガムはひじょうにいい、と思うぞ。
やはり大阪……だがやはり大阪、大阪っぽい回答が多くなるのは仕方がないことだ、ふふ、このデータは忘れてくれ。
個人的に死のダンジョンで一度餃子の猛将伝の餃子を食べてみたいものだな?
そうだこれも大事だ、タレと割り箸は忘れずに!
笑ってやってくれよ、まりじ先生だぞ? フフ。
地獄の冷水を浴びて天国へと蘇った身体。死鳥舎様へのサービスシーンも盛りだくさんであった至福の3分間は終わり【SR】シャワーカードの効果は失われた。
そして……。
複雑でされどソレと理解る香りは各々の嗅覚を刺激する……。
「さてはじまっておりますべらぼぅにつづいておりますそして出来上がりました吐い信者丘梨栄枯のシルファンカレープレート!!」
ぼこ:にゅぅ……は?
ぼこ:はい?
ぼこ:いきなり出来てんだが
ぼこ:はぁ?
ぼこ:スクワットしてたら出来てた
ぼこ:え、ワープした!?
ぼこ:もしかして時間の概念死んだ?
ぼこ:安心しろ少々話がループしてるだけだ我々は何度もカレー回をけいけ
ぼこ:↑チンキス!
ぼこ:なんやこれ……
ぼこ:は!?
美しい心持ちいつもより笑顔ではじまりを告げる吐い信者のアップからゆっくりと彼女の肩と背と尻を追い越し切り替わり。
AIカメラはその全貌を撮影していく。
蒼穹の下、ブルーシートの上、じゅーじゅーと、ぐつぐつと、低温ホットプレート上の夢のテーマパークは完成していた。
薄切りされたウルフ肉、ちゃんと中まで火が通っている。丁寧に調理された元肉塊がプレートに石畳のように舗装、薄く敷き詰められ。
聳え立つ山盛りキャベツタワー、これは吐い信者丘梨栄枯だけではなく死鳥舎参加協力型のカレー回、この細やかで美しいぐりーんは金ポデとホトプレがひらすら切り刻んだ成果である。【R】キャベツカードは金ポデと仙人のダンジョン探索でラッキーにも手に入れた貴重な野菜であり冷たい泉の水に浮かべて待機させていた……シャキシャキ感がきっと残ってるであろう……仕上がり。
そして。
「エンターテイんメント、ふふ、どうでしょう、ふふ、シルファンカレーはやはり主役もちろんど真ん中に配置させてもらいました」
イエローフライパンの中、ぐつぐつと煮えたぎるカレー色の海。余計なタマネギや具は一切入っていない最高に澄んだ泉の水を得たシルファンカレーは無敵だ。
「ええ、シルファンカレーですよ。無敵です」
敷き詰められた肉の石畳その真ん中に陣取るカレーの海、存在感のある茶色カレー色をそれに負けじと高さを出しプレート上の空間を彩る山盛りぐりーんキャベツ。
「はい! 死鳥舎の皆様に死のダンジョンからおとどけしております吐い信者丘梨栄枯のすぺしゃるシルファンカレー! onプレート! スライスウルフ肉ダンジョンスタイル! ええ、ひじょうに!!」
吐い信者丘梨栄枯渾身の一品! ひと皿! 飛び出したのは今日一番の丘梨栄枯ちゃんスマイルととびきりのエンターテイんメント! これにて長きにわた──────。
ぼこ:なんやこれなんやこれ……
ぼこ:うひょーカレーだああ
ぼこ:いうほどこれカレーか
ぼこ:いきなりすごいのが出来てて意味不明なんだが
ぼこ:丘梨栄枯、タイムワープしたってよ
ぼこ:いやなんやねんこれ
ぼこ:キャベツどっから出てきた
ぼこ:キャベツはこうした~
ぼこ:↑チンキス!
ぼこ:女子ふたりキャベツはないとね
ぼこ:ふたなりだしね
ぼこ:肉の大地
ぼこ:天空をつらぬくキャベツタワー
ぼこ:カレーの処刑台
ぼこ:おもったより普通だな
ぼこ:あれフツウにいけるんじゃ?
ぼこ:まさかのフルプレート使い
ぼこ:これ吐い信者丘梨栄枯のすぺしゃるシルファンカレーonプレートスライスウルフ肉ダンジョンスタイルらしいな
ぼこ:onプレート! が地味にむかつくな
ぼこ:肉は敷き詰める!
ぼこ:また焼くんかもうそれ硬いやろ
ぼこ:焼肉では?
ぼこ:カレーです
ぼこ:シルファンカレーですよ。
ぼこ:まさかのフライパン直置き継続
ぼこ:フライパンは維持でもどけない栄枯です!
ぼこ:ダンジョンだからね
ぼこ:主婦のウチもやってるやつ
ぼこ:さすが栄枯姐さん
ぼこ:え、これ合ってんの!?
ぼこ:↑俺んちもこれやぞ? お前遅れてんな!
ぼこ:うお俺の母ちゃんと同じカレーだ
ぼこ:↑どこの惑星出身?
ぼこ:山賊だけどウチもこれだよ
ぼこ:海賊だけどそういやこれだったわ
ぼこ:ホットプレートはテーマパーク
ぼこ:丘梨栄枯ワールドへようこそ
ぼこ:これ食べれんの?
ぼこ:そもそもどう食べる
ぼこ:これ男子が好きなやつや!
ぼこ:恐ろしく澄んだカレー、さすが栄枯だね
ぼこ:いい最終回だった
ぼこ:待った甲斐がありましたわね(腹ペコの洋館のお嬢様)
ぼこ:これきょうのおまえらの晩飯だってよ
ぼこ:肉の道路
ぼこ:栄枯ママの本気だってばよ
ぼこ:さすが長身ふたなりわんぱくだねぇ
ぼこ:丘梨栄枯(31)さんの手料理
ぼこ:世界よこれが栄枯だ
ぼこ:死のダンジョンだからな
ぼこ:何はともあれ完成だ!
低温ホットプレートの上、吐い信者丘梨栄枯の胸にあたため秘めていた世界は展開されじゅーじゅーと耳当たりのいい音を立てて温められていく。
完成した圧巻のカレープレートを囲むパーティーの3人もこれには。
「これは……」
「これは愉快じゃな栄枯よ、エンターテイんめんとに嘘偽りはないのぉほっほ」
「…………♡!!」
あまりにも豪勢かつダイナミックな一皿、『こんなモノはドレスデンにもないよっ』金ポデのエメラルドの瞳がパッと見開き輝いた。両手を広げる異国人特有の全力リアクションだ。
「ふふ死鳥舎のみなさんお手伝いお疲れ様です、ええ、では、とっととパパッと新鮮でお熱い最高の内にいただきましょうシルファンカレーダンジョンスタイルを!」
「いただきま」
「あのこれ」
「なんですか?」
「どうやって食べれば……?」
「ダンジョンあるあるじゃのぅ」
「……ふふ、あなた保温しときなさい」
じゅーじゅーと弾ける脂の音と白くけむり香るスパイス、プレートを囲んだ3人は総料理長である丘梨栄枯の瞳をじっと見つめている。
ここは死のダンジョン、食器がなければ鼻をうつ熱い香りも口には入れられない。
ぼこ:でしょうね。
ぼこ:丘梨運転平常運転
ぼこ:栄枯はひとつのことしか考えられんから
ぼこ:はい
ぼこ:ダンジョンにスプーンはない
ぼこ:ダンジョンに箸はない
ぼこ:さすがの栄枯も低温ホットプレートを手づかみはできないからね
ぼこ:口内固形ルー飯の弊害
ぼこ:急に文明レベル上がったからな
ぼこ:栄枯、おあずけ!
ぼこ:栄枯、お手!
ぼこ:保温できるからァ!
ぼこ:丘梨栄枯詰む
ぼこ:ダンジョンあるあるじゃからな
ぼこ:ダンジョンあるあるならしゃーないな
ぼこ:ダンジョンだからな
ぼこ:しのだ
ぼこ:↑チンキス!
AI栄枯:ダンジョンには箸やスプーンはない……だが丘梨栄枯には知恵がある。それから彼女は仙人、ホトプレ、金ポデたちがあたたかい目で見守るなか熟考、滴りそうになった唾液をそっと拭い……………………脳天へと電撃が降りる! あることをひらめきブラックな包丁を片手にパーティーのリーダー、吐い信者として! 現状からの挽回をはかった。
ぼこ:なぁ……
ぼこ:ダンジョンだからな
丘梨栄枯はそう、ひらめいた。
食器がなければ────
ギシギシギコギコスパンスパンと、ブラック武器の斬れ味威力により粗悪なベッドはテンポよく解体されていく。ベッドに使用されている木板は流れるように受け渡されパーティーメンバーの手によりおおまかに加工されていく。
メンバー各々に工程を振り分けて栄枯の妄想は順調に削られ完成度を高めカタチを成していく。
出来上がった大きく丈夫な木のスプーンと削り上げた箸。
ささくれで怪我をしてはいけない、と仙人が泉の水で湿らせたベッドシーツでスプーンを拭き磨き上げつつブラック果物ナイフでバリをとっていきなめらかに再加工、入念にされど手早く仕上げていく。
出来上がったのはダンジョン環境にて最高のなめらか木製スプーンと最高のとんがった箸。栄枯の指示の下、人数分抜かりはない。
食器がなければハンドメイドすればいい。
丘梨栄枯の脳内アレンジ範囲に限りはない、現実へと落とし込む能力は高く粗悪なベッドは見事な食器へと変貌に変貌を遂げた。
「さぁ、みんな今度こそ抜かりはありませんね、では、今度こそ!! じゅる……とっととパパッと新鮮でお熱い最高の内にいただきましょうシルファンカレーダンジョンスタイルを!」
「は、はい……!」
「いただけるかのぅ」
「…………☆!!」
木製の大きなスプーン、四方から突き出し合わせ交わり重なるまちまち4つ。
彼女ら彼らだけのどこかぬくもりのあるパーティースプーン。
かん、と乾いた音が響き合い実食の時。
ふひぃぃじゅりぃぅぃ……桜色の唇から滴り落ちそうになった汁を親指の付け根で拭っていった。
ぼこ:さすが栄枯あたまいい!
ぼこ:粗悪なベッドはスプーン箸じゃない
ぼこ:粗悪なベッドはスプーン箸じゃからな
ぼこ:粗悪なベッドのフル活用
ぼこ:粗悪なベッドの錬金術師、丘梨栄枯
ぼこ:粗悪なベッドだからな
ぼこ:粗悪なベッドとかいう万能カード
ぼこ:逆に何ができない
ぼこ:普通なベッド「あの……俺もいるんですけど……」
ぼこ:↑粗悪なベッド「栄枯は俺じゃないとダメだからな」
ぼこ:へぇー粗悪なベッドってなんでも出来るんだ
ぼこ:死のダンジョンだからね
ぼこ:そりゃ死のダンジョンに粗悪なベッドあったらチートだわ
ぼこ:戦闘にも使えます
ぼこ:粗悪とは思えない活躍っぷり
ぼこ:死のダンジョン運営痛恨の調整ミス
ぼこ:さぁ、カレーだ!
一同おなじバーベキュー皿のライスの上にかけられていく栄枯特製具なしカレー。
ちゃっかり作り上げていた大きくゴツい木のお玉で惜しみなく豪快に。
「あ、ありがとうございます……」
青年の両手へと今しっかりと器は手渡されていった。
「はいどうぞ。ではまずは肉は取らずにシンプルなシルファンカレーライスを食べてみてください、ふふ」
吐い信者丘梨栄枯の心遣い、パーティー死鳥舎様の一人一人の皿にカレーをよそっていったのであった。
ぼこ:こいつなんや?
ぼこ:カレー奉行栄枯
ぼこ:こいつの独裁っぷりはなんなんやろ
ぼこ:うるせぇ、カレーチュートリアルだから!
ぼこ:栄枯のカレーを食すのには取説がいるから…
ぼこ:まずはシンプル!
ぼこ:製作者の意向だしたがえ。嫌なら自分でつくれ!(主婦)
ぼこ:↑なぜ俺の嫁がここに?
ぼこ:さすが栄枯
ぼこ:栄枯によそってもらえるなんて贅沢ですわね
ぼこ:肉なんて飾りですよ、カレー素人にはそれがべらぼぅにわからんのですわー
息を合わせカメラを意識、視線でつながった星色の瞳の合図で、一斉にスプーンを口に運んだ。
「こ、これ……!?」
「なんじゃと!?」
「……!?」
「これはええ、ひじょうに……べらぼぅに……」
「「「美味い!!!!」」」「ンーー!!!!」
ぼこ:は!?
ぼこ:談合か!?
ぼこ:ヤラセ!?
ぼこ:美味い!!!!
ぼこ:↑ンーー!!!!
ぼこ:まさかの全会一致
ぼこ:なんとーーーー!!
ぼこ:老若男女美味い
ぼこ:笑った
ぼこ:んなわけ!?
ぼこ:これには今か今かと叩こうとしてた俺唖然
ぼこ:シルファンカレーですよ。
ぼこ:ダンジョンだから
ぼこ:シルファンカレーだから
「めちゃくちゃ旨味がすごいですねこれ……俺こんな、なんだろ……こんなカレーはじめてですよ……! うわこれ……ほんとなんか……叶ってます!」
「ワシも人生で何千皿かのぅここまで辛味とマッチし何より旨味に満ちたカレーははじめてじゃわい栄枯よ、市販とはおもえんのぅ。こんなものがあるなら先に教えてほしかったわい」
「ンーー~~★♪」
喜びに目を絞るような唸る満面の笑み、何度も左手でOKマークを栄枯に向け出して揺らしている金ポデ。
各々の絶賛に料理人丘梨栄枯の心は“るん”と弾む。
「…………これは……ふふ、ありがとうございます! あえて味見はしませんでした、私はシルファンを信じそしてシルファンは本来以上の実力をこの死のダンジョンという厳しい環境下で発揮したに過ぎません! これは私の……いえ、みんなのシルファンカレーです、ええ、ひじょうに!!」
「……さぁ、まだまだシルファンはたくさんあります、パパッとどんどん最高の状態のうちに攻略して行きましょう!! ……シルファンカレーマルチプレイ開始!!」
「開始!!」「開始じゃ」「ンー!!」
木製の手作りスプーンを天にかかげた各々。ブルーシートの上で胡座を組みひとつのホットプレート料理を囲み攻略していく。食に境界はない、みな何かを食べ生きていく、だができれば美味しい方がいい、ダンゼンいい。吐い信者丘梨栄枯と3人、4人の絆が現在進行形で深まっていくのがわかる。死のダンジョンのシルファンカレーは絶品最強なのであった。
ぼこ:だってよ。
ぼこ:へぇー
ぼこ:ダンジョンだから ちゃんっちゃん♪
ぼこ:ダンジョンで頭バグったのかもしれへん
ぼこ:まぁダンジョンで食う市販カレーは格別ですわ
ぼこ:空腹は最高のスパイス
ぼこ:↑さすがにみんな空腹すぎて壊れたか…
ぼこ:さすが栄枯
ぼこ:ホトプレが何事もなかったかのように元気になるぐらいには美味いんやろい
ぼこ:ホトプレ叶う
ぼこ:色々と叶ったんですわ
ぼこ:まぁお湯にルー溶かしただけなんだけど
ぼこ:てか地味に何言ってるか意味不明なんだが
ぼこ:マルチプレイ開始!!
ぼこ:↑ホットプレート料理がマルチプレイなのは間違ってはないです、ええ
ぼこ:そりゃあんだけ煮込んでたら美味いわ!
ぼこ:↑ん?
ぼこ:栄枯ちゃんのラヴが詰まってる!
ぼこ:栄枯ママが作るカレーはセカイイチ
ぼこ:結局日本人はカレーなのよ
ぼこ:人類カレー説
ぼこ:カレーは人の結束力を高める
ぼこ:泣いた
ぼこ:旨味!
ぼこ:栄枯ママ特製だからな
ぼこ:死のダンジョンで食うシルファンカレーはべらぼぅに美味い
マルチプレイで攻略を開始されたシルファンカレープレート。
先にプレート上のウルフの薄肉を一枚試食した丘梨栄枯はうなずき、次なる作戦指示が下された。
「ではウルフさんの肉は皿に取りましたね、では見ていてくださいキャベツをこうして……ええここで特製のタレです」
刻まれた赤黄緑のカラフル、栄枯が思案し混ぜ合わせた夢色のカラフル汁、その液にほどほど個体が浸ったパックを手に持ち。
木のスプーンで中身をすくい各々の皿にかけていった。
「カレーといえば連想されるのは福神漬け、ですが死のダンジョンの厳しい環境下では謎野菜の漬物が精一杯です、ええ、ふふ、ですがこうしてキャベツにかけウルフさんを巻きカレーソースをかける、ではパパッとイッてみてください、ええ!!」
各々は栄枯がパパッと実演した通りに既に手作りソースがかけられていたキャベツをウルフの薄肉でロールしカレーをスプーンで上からかけ、出来上がったカレー肉巻きを粗悪な箸で食していった。
その一体、一体感を一口で頬張りもぐもぐもぐと咀嚼していく。
「────これは……すごくバランスの良いさっぱり!! ウルフ肉ちょっとクセあるかなぁって思ってましたけど、サラダ? よく分からないけど酸味がいい感じですシルファンカレーかけるとこの酸味にこの辛さ濃さ味がハッキリのって美味い!! ウルフのくさみもないです! 磨いたかいがあったのかなぁ?」
「うまいわい。年寄りにはありがたい心配りじゃ栄枯よ、それに味変じゃな飽きないわい」
「ンーー~~★☆♡♪」
「ええ、まさにサラダそしてシルファンカレーを飽きさせないための味変、人間とは案外お馬鹿な生き物ですいくらシルファンカレーが完全カレーでべらぼぅに美味くても100%いずれどこかのタイミングで飽きが来て個々人が感じ取れる旨味チカラの分量が減ります。そこで酸味、旨味と辛味に合うのはやはり酸味、漬物汁と切り刻んだ漬物本体をキャベツと合わせるだけで即席酸味サラダになるのですよ、ふふ、そしてウルフさんで巻いてカレーをかけて召し上がれ、ええ、ひじょうにこれは私も驚きました計算通りすぎて、ええ、ベストマッチしております、ええ、では好きな風に配合調整、好きな風に食べてみてくださいシルファンカレーは誰にでも自由です!! ええ、ひじょうに!!」
プレート上に並べられた肉の石畳がどんどん剥がされていく、山盛りのキャベツタワーがどんどん崩されていく、ホトプレの街並みは人々の笑みとともに変わる。保温され温かいままのカレーはいつまでも最高の状態で保たれており笑顔明るい栄枯ママに追加でかけてもらうシルファンカレーは格別だ。
最高のシルファンカレーに最高のボリューム飯、まだまだモンスターを倒しドロップしたお米カードのストックもある。当然このペース、おかわりも視野に入る。
そう、ホットプレートを囲み仲間と共に食するシルファンカレーは最高に美味い。
吐い信者丘梨栄枯とホトプレ、仙人、金ポデは他愛のない雑談をまじえながらカレーを食らい笑顔を咲かせる。
このような雰囲気での食事は考えてみればはじめてのことだと、栄枯はふと思う。
そしてまたスプーンをにやりとしていた口に運んだ。
ぼこ:こいつを止める方法
ぼこ:すまん何言ってるかわかるやつ
ぼこ:止まらんでいい
ぼこ:やってくれたな栄枯!
ぼこ:天才料理人丘梨栄枯
ぼこ:うまそう
ぼこ:うまい!
ぼこ:あこれ絶対うまいやつ!
ぼこ:うまそうか……?
ぼこ:ドブ色の漬物汁
ぼこ:栄枯特製漬物ソース
ぼこ:塩辛いやろ
ぼこ:↑すごくバランスの良いサッパリですがなにか?
ぼこ:ホトプレが料理漫画モブになっとる
ぼこ:ホトプレは演技力高いからね
ぼこ:こいつ相当モブがんばってんな
ぼこ:カメレオン俳優ですよ、ええ
ぼこ:肉やきモブよちよちされて記憶喪失説
ぼこ:肉塊磨きの成果出たな
ぼこ:また意味不明をのたまっておられるよこのお方
ぼこ:これ合ってんの?
ぼこ:↑有名ホテルのシェフだけど合ってるよ、ええ、ひじょうに
ぼこ:金ポデちゃんの表情が物語っている
ぼこ:俺はこの3人が洗脳された説を推す…
ぼこ:↑あきらめろん栄枯はうまいよ、ええ
ぼこ:シルファンカレーは誰にでも自由な割にガチガチに拘束してた?
ぼこ:↑チンキス!
ぼこ:独裁者栄枯
ぼこ:肉巻きキャベツ巻きカレー
ぼこ:即席酸味サラダ(sss)
ぼこ:まぁ漬物が合わないことはないよね。俺の負けだよえいこ
ぼこ:いうほどダンジョンに謎野菜の漬物あるか?
ぼこ:死のダンジョンだからな!
ぼこ:なんかフツウに食事してんなこいつら
ぼこ:カレーソースがあればなんでも食えます
ぼこ:これぞダンジョン飯!
ぼこ:栄枯俺だぁ結婚してくれぇーー
ぼこ:美味けりゃそれでよし
ぼこ:栄枯のカレーはやはり世界一!
マリアレポート⓳
死のダンジョンで人気なプラス持ち込み食材はこれだ。
・乾麺類・パスタ・うどん、きつねうどん
・缶詰 トマト缶 シーチキン 牛筋など
・大豆・豆類
・チョコレート
・グミ
・ガム
・たこやき、冷凍たこやき お好み焼き、冷凍お好み焼き
・444の豚まん
・餃子の猛将伝の餃子パックとドデカ唐揚げとレバニラ
・ちーずけーき
・食パン6枚切り、スナックチョコパン、8個入りクリームパン
・焼肉、豚汁
やはり人気なのは麺類や缶詰、チョコレートも人気なようだ。
個人的にガムはひじょうにいい、と思うぞ。
やはり大阪……だがやはり大阪、大阪っぽい回答が多くなるのは仕方がないことだ、ふふ、このデータは忘れてくれ。
個人的に死のダンジョンで一度餃子の猛将伝の餃子を食べてみたいものだな?
そうだこれも大事だ、タレと割り箸は忘れずに!
笑ってやってくれよ、まりじ先生だぞ? フフ。
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