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Side-2:第一次真珠海作戦(前)
作戦、開始(?)
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真珠海作戦。
作戦第一段階。
ヒノカグツチ、帰投。
「……しっかし、あんなデカいのが宙に浮くなんて……なーんか未だに信じられないなあ……」
『それを言うなら……私はサイドツーの存在自体からよっぽど信じられなかったけれどね……』
あまりにも暇だ。ここから、敵が来るか作戦が第二段階に移行するか———それまで、私たちはここで待機しなければいけなかった。
レーダーに移るは、数万ものサイドツー。人界軍、東大陸に在留中のトランスフィールド、その総力を投入したこの作戦に、私たちの全てがかかっている。
———でも、そんな実感なんて全く湧かない上に、私は呑気に仲間と話しているばかりだった。
いや、本当ならば秀徳だって話すはずだった。……だけど、アイツには何言っても返答なし。
…………それだけ、ランドの死を———引きずってるんだ。
「紅い……海、か……」
日光が反射する海。その姿は、とても水の塊とは思えないほどに紅く染まりきっていた。
……この光景は、私が生まれた時からの常識だったというのに、どうして私たちは、この海に違和感を感じてしまうんだろうか。
『そう言えば、今回の作戦の由来、知ってる?』
「由来?……真珠海……作戦、だよね。でもなんで真珠海なの? ここって特に名前……なかったよね?」
『今はなくても、前はあったらしいの。1000年前、まだ海が赤くなくて、一面の青が広がっていた頃の話。
真珠……って知ってるよね? あの大陸北西部の名産物、魔族が作ってたアレ』
「さすがに今はみんな知ってるよ、1年前じゃないんだから」
魔族が養殖によって生産している名産物。光り輝く白い球体。海の鉱物とも呼ばれる宝石だ。
『その真珠のように輝く海だったから、昔はこの海は真珠海って呼ばれてた———ってさ。『おてんとさん』とかの昔話でもあったよ』
おてんとさんの昔話———懐かしいな。
1000年も前に、昔話として扱われていた話。
当時は誰もがおとぎ話とばかり思っていた、『おてんとさん』なるものが空に浮かんでいる……そんな話だったかな、確か。
「———今から死ぬかもしれないってのに、そんなこと聞いたってあんま意味ないかもしれないけどね」
『……でも、これから暇なんでしょ?……私、ちょっとトイレ行きたいって言うか……その……』
「もう作戦は始まってる。……ちょっと生暖かくて気持ち悪いかもだけど、スーツの排泄パックで我慢するしかない」
———そうだ、今作戦において、量産型サイドツーに乗る人々にもスーツが支給された。
高機動による急激なGの変化に対応できるようにし、その他生命維持や体温自動調節機能———など、便利な機能も兼ねた、これまたピチピチなスーツ。
…………はあ、作戦が始まったってのに、こんな呑気にくだらないことばっかしか話さないなんて、本当に無駄なことしてる気しかしない。
まあ、平和なことには変わりないし、それ以上はないんだけど———、
『非常用コード、187発生。非常用コード187発生』
「うわわぁっ、なになになにぃっ?!」
ビビィーッと、耳の奥を刺激するような大音量のブザーが鳴り止まない。
何事だろうか、そもそも非常用コード187って何?!
『非常用コード187発生。未確認サイドツーが確認されました』
その音声の直後に画面に表示されたウィンドウ———そのレーダーに映っていたのは、ここより前方に8キロ離れた上空にて静止している、ただ1機の機影だった。
「ST-S1-EB……?……何これ、サイドツーの型式番号……『ST』が付いてるからそうなんだろうけど、こんな型式見たこと———はっ!」
『ねえねえリコちゃん、これって……?』
見覚えがある———そう思った私の勘は、おそらく間違ってはいないのだろう。
「…………ブラン…………貴方、なの……?!」
『……』
型式番(記)号、最後の文字。
EB———エンジェルビーストサイドツーにのみつけられる文字だ。……何よりそれは、このヴェンデッタの型式を知ってる私だから分かる。
EB———エクストラ・バースト……それを引き起こすが為に作られた機体、エンジェルビーストサイドツー…………その機体が、あの場にいると言うことは……!
「こちらコーラス2より現場臨時作戦司令部、出撃の許可を求めます!」
『…………例のサイドツーか』
現場臨時作戦司令———その役割は、レイさんが握っていた。
「ベーゼンドルファー……ブランです。あのサイドツーに乗ってるのは、ブランなんです!!!!」
『……言われずとも、あの型式がベーゼンドルファーなのは分かっている。……第0機動小隊のみ、出撃を許可する。……どうせ、貴様らも暇を持て余しているようだからな』
「ありがとうございます。……では———っ?!」
レーダー———神魔力反応点が動き始めた?!……こちらに接近してきてる、まずい……!
「コーラス2、先行いきますっ!」
接近する機体に向けて、空へと舞い上がる。
急激な発進に伴う異常もなし、このままヤツに激突する……っ!
———って、何アレ……?!
「いやアレ……本当にベーゼンドルファー……?!」
接近するにつれ、徐々にその全貌が見えてくる。……が、ソレは私の知るベーゼンドルファーとは、明らかに違っていた。
前の4本の腕は、それらが互いに絡まり合い、2つの巨腕として再生していた。
各部装甲は更に赤黒さを増し、その所々が尖りきってしまっていた。
極め付けに、ヤツが『天使』として覚醒した証拠とも言える半透明の天使の輪は、その背部に———巨大な縦向きの天使の輪を背にして、ベーゼンドルファーはただそこに浮いていたのだ。
「…………完全に、飲まれたみたいね、ブランッ!!!!」
距離が残り500メートルに縮まった瞬間、ベーゼンドルファーは空中にて完全に静止する。直後、その2つの巨腕を前に突き出し、そこに魔力の反応点ができ始める。
「ヤバい……けど、この距離ならば詰められるっ!」
一瞬にして縮まる距離。ヴェンデッタ・ネオは伊達ではないんだ!
「ちょっとさ、話を———」
長刀を背部ウェポンマウントから取り出し、一気に近づく———!
「しようか、ブランっ!」
———が、長刀は止められた。
「…………え?」
その剛腕を前にし、完全に。
その一太刀はそこで、呆気なく止められた。
「うそぉっ?!」
そして、一瞬にして、止められた長刀はその2本の剛腕によって握り潰されてしまった。
……長刀を、握り潰す、サイドツー?!?!
「まずっ———」
逃げるべき、と思った瞬間にはもう遅かった。
眼前を覆い尽くす閃光。
ヴェンデッタは私共々、その魔力衝撃波の前に飲まれゆくのみだった。
「っ、ああぁぁぁぁあっ!」
完全に失念していたが、この機体はAACIC搭載型。機体が受けた痛みは、そっくりそのまま私の方にまで返ってくるんだった。
「っ……っっっ、やりやがったなぁぁぁあっ!」
機体は無事だ。アレだけの魔力衝撃波を喰らおうとも、損傷率はたったの20%で済んだ。
———が。
「……ふ、っう……っ!!」
むしろ私の方のダメージが大きい。全身に棘が刺さったかのような激痛を前に、ヴェンデッタと私はただ落ちゆくのみ。
「いた……い、飛び上がれ……ない……っ!」
操縦桿を握れない。AACICの肝となる、イメージすらもおぼつかない。
スラスターを起動できない。落ちる、海に一直線に落ちる……!
作戦第一段階。
ヒノカグツチ、帰投。
「……しっかし、あんなデカいのが宙に浮くなんて……なーんか未だに信じられないなあ……」
『それを言うなら……私はサイドツーの存在自体からよっぽど信じられなかったけれどね……』
あまりにも暇だ。ここから、敵が来るか作戦が第二段階に移行するか———それまで、私たちはここで待機しなければいけなかった。
レーダーに移るは、数万ものサイドツー。人界軍、東大陸に在留中のトランスフィールド、その総力を投入したこの作戦に、私たちの全てがかかっている。
———でも、そんな実感なんて全く湧かない上に、私は呑気に仲間と話しているばかりだった。
いや、本当ならば秀徳だって話すはずだった。……だけど、アイツには何言っても返答なし。
…………それだけ、ランドの死を———引きずってるんだ。
「紅い……海、か……」
日光が反射する海。その姿は、とても水の塊とは思えないほどに紅く染まりきっていた。
……この光景は、私が生まれた時からの常識だったというのに、どうして私たちは、この海に違和感を感じてしまうんだろうか。
『そう言えば、今回の作戦の由来、知ってる?』
「由来?……真珠海……作戦、だよね。でもなんで真珠海なの? ここって特に名前……なかったよね?」
『今はなくても、前はあったらしいの。1000年前、まだ海が赤くなくて、一面の青が広がっていた頃の話。
真珠……って知ってるよね? あの大陸北西部の名産物、魔族が作ってたアレ』
「さすがに今はみんな知ってるよ、1年前じゃないんだから」
魔族が養殖によって生産している名産物。光り輝く白い球体。海の鉱物とも呼ばれる宝石だ。
『その真珠のように輝く海だったから、昔はこの海は真珠海って呼ばれてた———ってさ。『おてんとさん』とかの昔話でもあったよ』
おてんとさんの昔話———懐かしいな。
1000年も前に、昔話として扱われていた話。
当時は誰もがおとぎ話とばかり思っていた、『おてんとさん』なるものが空に浮かんでいる……そんな話だったかな、確か。
「———今から死ぬかもしれないってのに、そんなこと聞いたってあんま意味ないかもしれないけどね」
『……でも、これから暇なんでしょ?……私、ちょっとトイレ行きたいって言うか……その……』
「もう作戦は始まってる。……ちょっと生暖かくて気持ち悪いかもだけど、スーツの排泄パックで我慢するしかない」
———そうだ、今作戦において、量産型サイドツーに乗る人々にもスーツが支給された。
高機動による急激なGの変化に対応できるようにし、その他生命維持や体温自動調節機能———など、便利な機能も兼ねた、これまたピチピチなスーツ。
…………はあ、作戦が始まったってのに、こんな呑気にくだらないことばっかしか話さないなんて、本当に無駄なことしてる気しかしない。
まあ、平和なことには変わりないし、それ以上はないんだけど———、
『非常用コード、187発生。非常用コード187発生』
「うわわぁっ、なになになにぃっ?!」
ビビィーッと、耳の奥を刺激するような大音量のブザーが鳴り止まない。
何事だろうか、そもそも非常用コード187って何?!
『非常用コード187発生。未確認サイドツーが確認されました』
その音声の直後に画面に表示されたウィンドウ———そのレーダーに映っていたのは、ここより前方に8キロ離れた上空にて静止している、ただ1機の機影だった。
「ST-S1-EB……?……何これ、サイドツーの型式番号……『ST』が付いてるからそうなんだろうけど、こんな型式見たこと———はっ!」
『ねえねえリコちゃん、これって……?』
見覚えがある———そう思った私の勘は、おそらく間違ってはいないのだろう。
「…………ブラン…………貴方、なの……?!」
『……』
型式番(記)号、最後の文字。
EB———エンジェルビーストサイドツーにのみつけられる文字だ。……何よりそれは、このヴェンデッタの型式を知ってる私だから分かる。
EB———エクストラ・バースト……それを引き起こすが為に作られた機体、エンジェルビーストサイドツー…………その機体が、あの場にいると言うことは……!
「こちらコーラス2より現場臨時作戦司令部、出撃の許可を求めます!」
『…………例のサイドツーか』
現場臨時作戦司令———その役割は、レイさんが握っていた。
「ベーゼンドルファー……ブランです。あのサイドツーに乗ってるのは、ブランなんです!!!!」
『……言われずとも、あの型式がベーゼンドルファーなのは分かっている。……第0機動小隊のみ、出撃を許可する。……どうせ、貴様らも暇を持て余しているようだからな』
「ありがとうございます。……では———っ?!」
レーダー———神魔力反応点が動き始めた?!……こちらに接近してきてる、まずい……!
「コーラス2、先行いきますっ!」
接近する機体に向けて、空へと舞い上がる。
急激な発進に伴う異常もなし、このままヤツに激突する……っ!
———って、何アレ……?!
「いやアレ……本当にベーゼンドルファー……?!」
接近するにつれ、徐々にその全貌が見えてくる。……が、ソレは私の知るベーゼンドルファーとは、明らかに違っていた。
前の4本の腕は、それらが互いに絡まり合い、2つの巨腕として再生していた。
各部装甲は更に赤黒さを増し、その所々が尖りきってしまっていた。
極め付けに、ヤツが『天使』として覚醒した証拠とも言える半透明の天使の輪は、その背部に———巨大な縦向きの天使の輪を背にして、ベーゼンドルファーはただそこに浮いていたのだ。
「…………完全に、飲まれたみたいね、ブランッ!!!!」
距離が残り500メートルに縮まった瞬間、ベーゼンドルファーは空中にて完全に静止する。直後、その2つの巨腕を前に突き出し、そこに魔力の反応点ができ始める。
「ヤバい……けど、この距離ならば詰められるっ!」
一瞬にして縮まる距離。ヴェンデッタ・ネオは伊達ではないんだ!
「ちょっとさ、話を———」
長刀を背部ウェポンマウントから取り出し、一気に近づく———!
「しようか、ブランっ!」
———が、長刀は止められた。
「…………え?」
その剛腕を前にし、完全に。
その一太刀はそこで、呆気なく止められた。
「うそぉっ?!」
そして、一瞬にして、止められた長刀はその2本の剛腕によって握り潰されてしまった。
……長刀を、握り潰す、サイドツー?!?!
「まずっ———」
逃げるべき、と思った瞬間にはもう遅かった。
眼前を覆い尽くす閃光。
ヴェンデッタは私共々、その魔力衝撃波の前に飲まれゆくのみだった。
「っ、ああぁぁぁぁあっ!」
完全に失念していたが、この機体はAACIC搭載型。機体が受けた痛みは、そっくりそのまま私の方にまで返ってくるんだった。
「っ……っっっ、やりやがったなぁぁぁあっ!」
機体は無事だ。アレだけの魔力衝撃波を喰らおうとも、損傷率はたったの20%で済んだ。
———が。
「……ふ、っう……っ!!」
むしろ私の方のダメージが大きい。全身に棘が刺さったかのような激痛を前に、ヴェンデッタと私はただ落ちゆくのみ。
「いた……い、飛び上がれ……ない……っ!」
操縦桿を握れない。AACICの肝となる、イメージすらもおぼつかない。
スラスターを起動できない。落ちる、海に一直線に落ちる……!
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