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其は天命の刻、誰が為の決意
断切-おもいで-
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次に目覚めたのも、馬車の中だった。馬のひづめの鳴らす音がやたらやかましかったのはよく印象に残っている。
「起きたな、早速だが、お主に聞きたいことがあるのだ」
優しくこちらを見つめる老人と、その奥に座る甲冑の女。
私を拾い上げてくれたのはこの人たちだと言うことを再確認する。
「…………なん、ですか、聞きたいこと……って」
「一体何があったのだ」
その質問を聞き届けて、いざ答えようと口がピクリと動いた時。私の思考はそこで固まってしまった。
なぜなら、アレは私が起こしたことだからだ。私が、私だけの、私の私情のために引き起こされたものなのだから。
現地に積み上がった死骸も。人斬りの最後の暴走を止めようと立ち上がり、そして犠牲になった人々も。
その全ての想いを無駄にしたのが、私の起こしたものだったと理解していたからだ。
「……正直に言うが良い。何であれ、何があったかは我々も知る必要がある。この案件が魔王軍とも関係しているのか、それも含めて」
「わ、私……は……」
意を決した。黙っていても分かるわけがない、だけれども……口にしないのも、ソレは恩を無下にしたようで気に入らなかったからだ。
「アレは……全て、私が引き起こしました」
厳格な空気が場に流れ始めた。
張り詰めた緊張感が、私の胸を焦がし尽くす。
「私が、私のために、私のためだけに始めて、そして私が……引き起こしてしまった戦争です。……新・二千兵戦争、とでも……言うべきでしょうか」
ネーミングはこの時考えた。……が、二千兵戦争の名を口にした瞬間、老人の顔のしわがより一層寄ったのだ。
『魔王軍とも関係があるのか』、コレに関しては、正直微妙と言うしかない。
人斬りと———白との交戦中、私はとある液体を身体に注入して、自らの無くした左腕を再生させた。
それは当時の魔王軍幹部の一角、黒騎士の脊髄液。
脊髄液の注入された左腕の痕は、中の細胞と脊髄液が弾け合い、紫色に歪んだ左腕、巨腕を作り出し、そして膨張させてみせた。……要するに、私は人斬りに勝つために魔王軍にまで縋り、そして媚びを売ってまでその液体を手にしたのだ。
だから魔王軍と無関係……とは一概に言いづらい。だが、私たちは私たちだけの意志で動いていた。
『私たちの生活を壊した人斬りを殺す』という、ただ1つの目標に向かって進み続けていたのはそうだった。
だからコレは、私の始めた、私の戦争だったのだ。
「二千兵、戦争……か…………日ノ國のソレとも、関係があるのか?」
「……ない、といえば嘘になります。…………ただ、戦った相手が同じなだけです」
「その戦った相手とは?」
「白です。先日、処刑されようともしていた———国際重要最高刑執行指定人物でもある……勇者……です」
……老人は何か聞きたげだった。聞きたげだが、やっぱり聞くまいと数分間悶々としていた。……あまりにもそれがみっともなかったものだから、私の方から言うことにした。
「どうして戦ったのか…………それは、復讐です」
「……………………………………ほう」
物言いこそ変わりはしたものの、その老人の抱く雰囲気は何一つとして変わることはなかった。……だから、まだもう少しだけ話してみることにした。
「私の個人的な……復讐です。敵は……っ、敵は、ヤツは私の、私達の父も、母も、真っ当に生きるはずだった……っ、人生までも奪って…………なのに、なのにアイツは……白は……っ!」
もはや一概には責められない敵だ、と。そんなものに固執し、血に塗れた人生を送ってきたことが何よりも悲しいと、そうこの時に後悔していたのだ。
「復讐……だと言うのに、泣いておるのか……お主」
その通りだ。
何せあの男は、白は———最後の最後に、あれだけ尽くしてきた暴虐の限りを、手放すことを口にしたのだから。
『どうして……どうして、私を殺さなかった?』
『……』
『空に飛び上がったあの状況で……私を殺していれば……終わったはず……なのに』
『……お前が』
『……』
『お前が、苦しんでいたから……だよ……』
などと。ほざいたその言葉は、紛れもなく私達が追っていた殺人鬼からこぼれ落ちた言葉だった。
「だって……だって、そんな主人公みたいな、まるでヒーローみたいな言葉が、あれだけ人を斬り倒した殺人鬼から……飛び出てくるなんて…………思うわけないから……私たちの、復讐の、その怒りをぶつける対象だったと言うのに……あろうことかその男は、私を見逃すと口にした!
……本当に、ただの殺人鬼だったのなら……遠慮なく、躊躇なく……殺せたってのに…………!」
何度堪えようとも、穴の空いた水バケツのように、止めどない涙が溢れ出してくる。
なんでアイツの為に泣かなければならないのか、自分でも分からないと言うのに。
「もう私……どうすればいいか、分からない……何もすることがないの、できることがないのっ!
それだけが糧だったのに……復讐して、アイツを粉々に切り刻むことが全てだったのに……私は…………っ!」
みっともない、と思ってしまった。
なんで私は、この人達の前で———こんな醜態を晒しているのだ、と。
本当に、情けない。
この命に変えてでも、終わらせてみせると。あの男を確実に殺してみせると、自分自身に呪いをかけたと言うのに。
「……だと言うのなら……我の下で働いてみる気はないか?」
老人はそう告げてみせた。きっと、『下』などと言うのだから、少しくらいは高い身分の持ち主なんだろうとは思っていた。……が。
「まず白状しとくとな……我は人間界の王、人界王———ユダレイ・タッカーダル四世と名を言う。……そして、それを踏んだ上での交渉だ」
———が、その少しくらい高い身分の持ち主の老人さんは———自らのことを『人界王』と称した。
……え?
「まず、今人界軍は魔王軍と徹底的にやり合っておる……そこまでは分かるだろうが、やはり……どこまでも人手不足なのだ。
だからこそ、我はお主の力を借りたいと思っておる。……『白』を殺すためだけに、経験を積んで来たのであろう?……ならば、その経験———魔王軍戦争に生かしてみる気はないか?……と聞いておる」
こちらにその左腕を差し出しながら。
復讐に囚われていた私に、行き場を差し伸べてくれた。
……でも、私はそれで満足できなかった。認めることができなかったのだ。
あれだけ多くの人間を———私と同じような同胞を白と戦わせ、そして無意味に殺したことを。その点で言えば、私と白は同罪なのだから。
私も同じ、罰を受けるべき人間なのだから。だから、そんな———救われるべき人間では、ないのだから。
「……でも、私が……私が首謀者なんです! 同じ同胞を戦地に向かわせ、雑兵として利用して、挙げ句の果てには、命令に従わない部下までも殺して!
……そんな私が……誰かの下だなんて———生き場所を貰うだなんて、そんなことは、許されていいはずがないんです……本当は、私も罰を受けるべきなんです、あの兵士を殺したのは、わた———」
「フン、拒否権などあるはずがないだろう。
我は人界王。人類を統べる王であるぞ、その権力をたった今、遺憾無くに行使してやろうではないか。
貴様、名を何と言う?」
「は……あ、レイ、レイ・ゲッタルグルト……です」
「ならばレイ・ゲッタルグルト、貴様に人界王として命ず!
貴様をこれより、人界軍の近衛騎士に任命する!」
———え。
なんだと?……と、奥の方に座ってる女性も顔を曲げていたが、それは私も同じだった。
……近衛騎士……だって……? と。
◇◆◇◆◇◆◇◆
……思えば、ソレが始まりだった。
馬車の席の奥に座っていた甲冑の女性———『ライ・チャールストン』との出会いも、そして今に至るまでも。
全てはその時、王が私を近衛騎士に任命したことから始まったのだ。
『罪があると言うのなら、精一杯我が国のために命を尽くしてみるが良い!……それが、それこそが……贖罪となってみせるであろう……!』
……だなどと口走ってみせた王のせいだ。
今となっては、それも悪いことではなかったのかなと。……いいや、私は王に、人界王に人生を救われたのだと、そう思えてきたのだ。
近衛騎士に任命され、軍の下で働く日々……ある日は雑用、ある日は防衛、ある日は前線に駆り出されて死闘……そんなこんなを繰り返しているうちに、すっかり軍が私の居場所となって、そして完全に馴染んでしまったのだ。
……そして、ライとも……同じく団長に指名される前からも、ずっと交流は持っていた。
彼女は芯の強い人だ。『クラッシャー』なる壊し屋が王都に侵攻し、他の近衛騎士が力尽きていく中でも、彼女は最後まで敵に食らいついた。だからこそ、私達は逆転の兆しを見つけたと言うのに。
彼女は私と比べたら実力は思っていたが、その心の強さだけは絶対に負けてはいなかった。
どんな時でも芯を通してみせる……そのような生き方を、私の隣でしっかり見せてくれた太陽の如き存在が、彼女———近衛騎士団長、ライ・チャールストンだった。
だからこそ。
今は、王に刃を向けた彼女を。
何度叩こうとも折れぬ、刀剣の如き精神を持っている彼女を、今度は私が止めなければならないのだ。
「なん、で……なんで、クーデターなんか
……起こしちゃうのかなあ……っ!」
そんなことしなければ。今まで通り、微笑みに満ちた日常が、後少し長くでも送れたのかもしれないのに。
「………………ううん。やるの、私。
近衛騎士団長、レイ・ゲッタルグルト。この命にかけても、彼女を……ライを———っ!」
操縦桿を、今一度グッと力を込めて前に押し出し、スラスターをさらに噴射させる。
行くしかないと言うのなら。
これは、私の戦争だ。
私の、私のための、私だけの———戦争だ。
終わらせてみせる。考えるのは———国をどうするかは、その後だ。
「まずは……決着をつけるぞ、ライッ!」
「起きたな、早速だが、お主に聞きたいことがあるのだ」
優しくこちらを見つめる老人と、その奥に座る甲冑の女。
私を拾い上げてくれたのはこの人たちだと言うことを再確認する。
「…………なん、ですか、聞きたいこと……って」
「一体何があったのだ」
その質問を聞き届けて、いざ答えようと口がピクリと動いた時。私の思考はそこで固まってしまった。
なぜなら、アレは私が起こしたことだからだ。私が、私だけの、私の私情のために引き起こされたものなのだから。
現地に積み上がった死骸も。人斬りの最後の暴走を止めようと立ち上がり、そして犠牲になった人々も。
その全ての想いを無駄にしたのが、私の起こしたものだったと理解していたからだ。
「……正直に言うが良い。何であれ、何があったかは我々も知る必要がある。この案件が魔王軍とも関係しているのか、それも含めて」
「わ、私……は……」
意を決した。黙っていても分かるわけがない、だけれども……口にしないのも、ソレは恩を無下にしたようで気に入らなかったからだ。
「アレは……全て、私が引き起こしました」
厳格な空気が場に流れ始めた。
張り詰めた緊張感が、私の胸を焦がし尽くす。
「私が、私のために、私のためだけに始めて、そして私が……引き起こしてしまった戦争です。……新・二千兵戦争、とでも……言うべきでしょうか」
ネーミングはこの時考えた。……が、二千兵戦争の名を口にした瞬間、老人の顔のしわがより一層寄ったのだ。
『魔王軍とも関係があるのか』、コレに関しては、正直微妙と言うしかない。
人斬りと———白との交戦中、私はとある液体を身体に注入して、自らの無くした左腕を再生させた。
それは当時の魔王軍幹部の一角、黒騎士の脊髄液。
脊髄液の注入された左腕の痕は、中の細胞と脊髄液が弾け合い、紫色に歪んだ左腕、巨腕を作り出し、そして膨張させてみせた。……要するに、私は人斬りに勝つために魔王軍にまで縋り、そして媚びを売ってまでその液体を手にしたのだ。
だから魔王軍と無関係……とは一概に言いづらい。だが、私たちは私たちだけの意志で動いていた。
『私たちの生活を壊した人斬りを殺す』という、ただ1つの目標に向かって進み続けていたのはそうだった。
だからコレは、私の始めた、私の戦争だったのだ。
「二千兵、戦争……か…………日ノ國のソレとも、関係があるのか?」
「……ない、といえば嘘になります。…………ただ、戦った相手が同じなだけです」
「その戦った相手とは?」
「白です。先日、処刑されようともしていた———国際重要最高刑執行指定人物でもある……勇者……です」
……老人は何か聞きたげだった。聞きたげだが、やっぱり聞くまいと数分間悶々としていた。……あまりにもそれがみっともなかったものだから、私の方から言うことにした。
「どうして戦ったのか…………それは、復讐です」
「……………………………………ほう」
物言いこそ変わりはしたものの、その老人の抱く雰囲気は何一つとして変わることはなかった。……だから、まだもう少しだけ話してみることにした。
「私の個人的な……復讐です。敵は……っ、敵は、ヤツは私の、私達の父も、母も、真っ当に生きるはずだった……っ、人生までも奪って…………なのに、なのにアイツは……白は……っ!」
もはや一概には責められない敵だ、と。そんなものに固執し、血に塗れた人生を送ってきたことが何よりも悲しいと、そうこの時に後悔していたのだ。
「復讐……だと言うのに、泣いておるのか……お主」
その通りだ。
何せあの男は、白は———最後の最後に、あれだけ尽くしてきた暴虐の限りを、手放すことを口にしたのだから。
『どうして……どうして、私を殺さなかった?』
『……』
『空に飛び上がったあの状況で……私を殺していれば……終わったはず……なのに』
『……お前が』
『……』
『お前が、苦しんでいたから……だよ……』
などと。ほざいたその言葉は、紛れもなく私達が追っていた殺人鬼からこぼれ落ちた言葉だった。
「だって……だって、そんな主人公みたいな、まるでヒーローみたいな言葉が、あれだけ人を斬り倒した殺人鬼から……飛び出てくるなんて…………思うわけないから……私たちの、復讐の、その怒りをぶつける対象だったと言うのに……あろうことかその男は、私を見逃すと口にした!
……本当に、ただの殺人鬼だったのなら……遠慮なく、躊躇なく……殺せたってのに…………!」
何度堪えようとも、穴の空いた水バケツのように、止めどない涙が溢れ出してくる。
なんでアイツの為に泣かなければならないのか、自分でも分からないと言うのに。
「もう私……どうすればいいか、分からない……何もすることがないの、できることがないのっ!
それだけが糧だったのに……復讐して、アイツを粉々に切り刻むことが全てだったのに……私は…………っ!」
みっともない、と思ってしまった。
なんで私は、この人達の前で———こんな醜態を晒しているのだ、と。
本当に、情けない。
この命に変えてでも、終わらせてみせると。あの男を確実に殺してみせると、自分自身に呪いをかけたと言うのに。
「……だと言うのなら……我の下で働いてみる気はないか?」
老人はそう告げてみせた。きっと、『下』などと言うのだから、少しくらいは高い身分の持ち主なんだろうとは思っていた。……が。
「まず白状しとくとな……我は人間界の王、人界王———ユダレイ・タッカーダル四世と名を言う。……そして、それを踏んだ上での交渉だ」
———が、その少しくらい高い身分の持ち主の老人さんは———自らのことを『人界王』と称した。
……え?
「まず、今人界軍は魔王軍と徹底的にやり合っておる……そこまでは分かるだろうが、やはり……どこまでも人手不足なのだ。
だからこそ、我はお主の力を借りたいと思っておる。……『白』を殺すためだけに、経験を積んで来たのであろう?……ならば、その経験———魔王軍戦争に生かしてみる気はないか?……と聞いておる」
こちらにその左腕を差し出しながら。
復讐に囚われていた私に、行き場を差し伸べてくれた。
……でも、私はそれで満足できなかった。認めることができなかったのだ。
あれだけ多くの人間を———私と同じような同胞を白と戦わせ、そして無意味に殺したことを。その点で言えば、私と白は同罪なのだから。
私も同じ、罰を受けるべき人間なのだから。だから、そんな———救われるべき人間では、ないのだから。
「……でも、私が……私が首謀者なんです! 同じ同胞を戦地に向かわせ、雑兵として利用して、挙げ句の果てには、命令に従わない部下までも殺して!
……そんな私が……誰かの下だなんて———生き場所を貰うだなんて、そんなことは、許されていいはずがないんです……本当は、私も罰を受けるべきなんです、あの兵士を殺したのは、わた———」
「フン、拒否権などあるはずがないだろう。
我は人界王。人類を統べる王であるぞ、その権力をたった今、遺憾無くに行使してやろうではないか。
貴様、名を何と言う?」
「は……あ、レイ、レイ・ゲッタルグルト……です」
「ならばレイ・ゲッタルグルト、貴様に人界王として命ず!
貴様をこれより、人界軍の近衛騎士に任命する!」
———え。
なんだと?……と、奥の方に座ってる女性も顔を曲げていたが、それは私も同じだった。
……近衛騎士……だって……? と。
◇◆◇◆◇◆◇◆
……思えば、ソレが始まりだった。
馬車の席の奥に座っていた甲冑の女性———『ライ・チャールストン』との出会いも、そして今に至るまでも。
全てはその時、王が私を近衛騎士に任命したことから始まったのだ。
『罪があると言うのなら、精一杯我が国のために命を尽くしてみるが良い!……それが、それこそが……贖罪となってみせるであろう……!』
……だなどと口走ってみせた王のせいだ。
今となっては、それも悪いことではなかったのかなと。……いいや、私は王に、人界王に人生を救われたのだと、そう思えてきたのだ。
近衛騎士に任命され、軍の下で働く日々……ある日は雑用、ある日は防衛、ある日は前線に駆り出されて死闘……そんなこんなを繰り返しているうちに、すっかり軍が私の居場所となって、そして完全に馴染んでしまったのだ。
……そして、ライとも……同じく団長に指名される前からも、ずっと交流は持っていた。
彼女は芯の強い人だ。『クラッシャー』なる壊し屋が王都に侵攻し、他の近衛騎士が力尽きていく中でも、彼女は最後まで敵に食らいついた。だからこそ、私達は逆転の兆しを見つけたと言うのに。
彼女は私と比べたら実力は思っていたが、その心の強さだけは絶対に負けてはいなかった。
どんな時でも芯を通してみせる……そのような生き方を、私の隣でしっかり見せてくれた太陽の如き存在が、彼女———近衛騎士団長、ライ・チャールストンだった。
だからこそ。
今は、王に刃を向けた彼女を。
何度叩こうとも折れぬ、刀剣の如き精神を持っている彼女を、今度は私が止めなければならないのだ。
「なん、で……なんで、クーデターなんか
……起こしちゃうのかなあ……っ!」
そんなことしなければ。今まで通り、微笑みに満ちた日常が、後少し長くでも送れたのかもしれないのに。
「………………ううん。やるの、私。
近衛騎士団長、レイ・ゲッタルグルト。この命にかけても、彼女を……ライを———っ!」
操縦桿を、今一度グッと力を込めて前に押し出し、スラスターをさらに噴射させる。
行くしかないと言うのなら。
これは、私の戦争だ。
私の、私のための、私だけの———戦争だ。
終わらせてみせる。考えるのは———国をどうするかは、その後だ。
「まずは……決着をつけるぞ、ライッ!」
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