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第0機動小隊、結成!
AACICとLOGIC
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…………そのまま。
そのまま、リコと話す事なく座学の時間になってしまった。
見ての通り座学、聞いた通り座学。
王都の古ぼけた外見にそぐわない、壁も床も天井も真っ白な部屋で、皆の前に立って話すライ教官。
その話を、僕たちは椅子に座ったまんま聞くだけ。
飲み込まれそうな眠気に何度も襲われたが、なんとか耐えて頑張って話を聞く事にした。
……聞いてなくて後から大変な事になっても面倒だし。
「次は、サイドツーについての話だな……
今我々が乗っているサイドツーは、競技用として用いられていた第一世代サイドツー……通称『Mark.1』をベースに、より『汎用兵器』としての側面を強めたさまざまな改良が施されている。
手に持って装備した武装を即座に機体側と魔術的に繋がりを持たせ、小銃武装の残弾などをディスプレイに表示させる、なんていう機能も、この改良によって『実戦仕様』として追加されたものの1つだ。
サイドツーは基本的に、人間の動きをより巨大な身体で再現しようとする、強化外骨格的なコンセプトを元に作られているが、そんなサイドツーも人間とは1つ違う稼働部位がある、それはなんだ、セン!」
……うおっ、今まで傲慢にも自分しか話してこなかったくせに、急に僕たちの方に話を振ってきた……!
「…………はい、跳躍用スラスター、およびジェットパック装備などの航空対応装備……だと思います」
「正解だ、流石は隊長、と言ったところだな。……サイドツーの基本武装として、腰部に1対の『跳躍スラスター』、つまりは機体を浮遊させたり、より高度な機動を行うための推進装置が付いている。
もっと細かく言うとバーニアスラスターやらメインスラスターだのと色々あるのだが……
…………まあとりあえず、これは魔力を元とした推進剤を用いて、比較的短時間の飛行やより俊敏な動き、立体的な機動を可能とするために取り付けられたものだ。
……先程、ある者らがシミュレーターを用いて模擬戦を行っていたのだが、そこで感心したのはこのスラスターの使い方だった」
……え、僕たちのアレって監視されてたの????
「名前は伏せるが、彼のスラスターを用いた機動はなかなかに面白かった。空中での方向転換による俊敏かつ立体的な動き、流石は第0機動小隊のメンバーと言わざるを得ない素晴らしいものだったとも。
……話を戻そう、スラスターは機動性に重きを置いたモノだったが、先程上げられたジェットパック装備は違う。
ジェットパック装備は、同じく魔力式の機関を用いて、長時間の飛行による航空戦力としてのサイドツーの運用を考えられた装備だ。……まあ、こちらもバーニアスラスターと組み合わせれば機動性は確保できるがな。
まだ開発されてはいないが、空対地ミサイルが出てきた時にはこの装備が主流になる時がくるかもしれないな。
……さて次はサイドツーのOSについての話だ、あまり話す事はないが、まあ貴様らが困惑しないためにも話しておこう。
現行のサイドツー用のOSは、『LOGIC』と名のついたものを使っている。
……まあ後述のあるOSとは違い、基本的な動きができるようになるためのものでしかない。皆が知っている通り、ワイヤーと操縦桿を用いた腕部の稼働などの制御を行ってくれている。
特徴……と言えば、機体の姿勢制御をある程度行ってくれる……ぐらいと言ったところか。
しかし現在開発中の『AACIC』はまた別物になってくる。この新OSは、間接思考制御……つまり、思考による機体制御を行うことができるようになるらしい。
これの1番のメリットと言えば、思考と実際の機体運用のタイムラグが少なくなる事にある。
ある程度は自分で動かすのだが、動かした機体をOS側が自らの思考を読み取って、その行動を演算、予測し補正してくれるのだそうだ。
その他にも、武装の簡易的な選択、サイドツーの指……マニュピレーターの正確な駆動……など、色々とメリットがある。…………まあ、サイドツーとこちらの神経を繋げる以上、脳にかかる負担は大きいが。
……はっきり言ってワケの分からない話だろう、私だって聞いているだけで耳が痛くなってくる。開発者のブドゥー博士に直接聞いてみるのもアリだとは思うな、知る必要は無さそうだが。
それで、なぜこの話を『困惑しないように』だとか言って上げたのかと言うと———、
———このOSを搭載した試験用の機体が、貴様らの下に実戦配備されるかもしれないからだ」
ガタッ、と皆の椅子が一斉に揺れる。文字通り激震が走る。
それまで長話を聞いて疲れ切って寝てしまったチームメンバーも、今の発言には飛び起きるしかなかった。
AACIC……新OSを搭載した機体を、僕たちが操れる———未だ他の誰もが扱ったことのない、一段上の最強の機体を操れるチャンスが、他でもない僕たちにあるという事実。
……まあそんな事実に一番目を輝かせていたのは、もうお察しの通り……
「ハイハイ!!!! その機体いつ来るんですか!!」
……ついさっきまで、完全に眠りかぶっていた副隊長、リコだった。
「いつ……近日中、としか言われていないな……型式番号『ST-V-01』、機体名は『ヴェンデッタ』で、白銀の装甲を纏った機体……としか聞いていない。
……そもそも搭乗者すら決まってない、全ては搬入されてからのお楽しみ、と言うワケだ」
「ヴェンデッタ……ヴェンデッタ……!! 乗ってみたいなあ……!」
…………新OSの試験運用……つまりこの小隊は、試験小隊としての運用も兼ねたものとなっているのか?
確か教官は最初らへんに『手本となるような』だとかなんとか言ってた気もするし、そういう意味も含めたものだったのかもな……
「……さて! 貴様らが眠くなる座学の時間はコレで終わりとする! これからはまたまた各自自由時間だが……
……ケイ・チェインズ!……貴様はこれが終わった後に私のもとに来い、以上だ、解散!」
……ん?
ケイ・チェインズ……って、僕……呼ばれた?!
そのまま、リコと話す事なく座学の時間になってしまった。
見ての通り座学、聞いた通り座学。
王都の古ぼけた外見にそぐわない、壁も床も天井も真っ白な部屋で、皆の前に立って話すライ教官。
その話を、僕たちは椅子に座ったまんま聞くだけ。
飲み込まれそうな眠気に何度も襲われたが、なんとか耐えて頑張って話を聞く事にした。
……聞いてなくて後から大変な事になっても面倒だし。
「次は、サイドツーについての話だな……
今我々が乗っているサイドツーは、競技用として用いられていた第一世代サイドツー……通称『Mark.1』をベースに、より『汎用兵器』としての側面を強めたさまざまな改良が施されている。
手に持って装備した武装を即座に機体側と魔術的に繋がりを持たせ、小銃武装の残弾などをディスプレイに表示させる、なんていう機能も、この改良によって『実戦仕様』として追加されたものの1つだ。
サイドツーは基本的に、人間の動きをより巨大な身体で再現しようとする、強化外骨格的なコンセプトを元に作られているが、そんなサイドツーも人間とは1つ違う稼働部位がある、それはなんだ、セン!」
……うおっ、今まで傲慢にも自分しか話してこなかったくせに、急に僕たちの方に話を振ってきた……!
「…………はい、跳躍用スラスター、およびジェットパック装備などの航空対応装備……だと思います」
「正解だ、流石は隊長、と言ったところだな。……サイドツーの基本武装として、腰部に1対の『跳躍スラスター』、つまりは機体を浮遊させたり、より高度な機動を行うための推進装置が付いている。
もっと細かく言うとバーニアスラスターやらメインスラスターだのと色々あるのだが……
…………まあとりあえず、これは魔力を元とした推進剤を用いて、比較的短時間の飛行やより俊敏な動き、立体的な機動を可能とするために取り付けられたものだ。
……先程、ある者らがシミュレーターを用いて模擬戦を行っていたのだが、そこで感心したのはこのスラスターの使い方だった」
……え、僕たちのアレって監視されてたの????
「名前は伏せるが、彼のスラスターを用いた機動はなかなかに面白かった。空中での方向転換による俊敏かつ立体的な動き、流石は第0機動小隊のメンバーと言わざるを得ない素晴らしいものだったとも。
……話を戻そう、スラスターは機動性に重きを置いたモノだったが、先程上げられたジェットパック装備は違う。
ジェットパック装備は、同じく魔力式の機関を用いて、長時間の飛行による航空戦力としてのサイドツーの運用を考えられた装備だ。……まあ、こちらもバーニアスラスターと組み合わせれば機動性は確保できるがな。
まだ開発されてはいないが、空対地ミサイルが出てきた時にはこの装備が主流になる時がくるかもしれないな。
……さて次はサイドツーのOSについての話だ、あまり話す事はないが、まあ貴様らが困惑しないためにも話しておこう。
現行のサイドツー用のOSは、『LOGIC』と名のついたものを使っている。
……まあ後述のあるOSとは違い、基本的な動きができるようになるためのものでしかない。皆が知っている通り、ワイヤーと操縦桿を用いた腕部の稼働などの制御を行ってくれている。
特徴……と言えば、機体の姿勢制御をある程度行ってくれる……ぐらいと言ったところか。
しかし現在開発中の『AACIC』はまた別物になってくる。この新OSは、間接思考制御……つまり、思考による機体制御を行うことができるようになるらしい。
これの1番のメリットと言えば、思考と実際の機体運用のタイムラグが少なくなる事にある。
ある程度は自分で動かすのだが、動かした機体をOS側が自らの思考を読み取って、その行動を演算、予測し補正してくれるのだそうだ。
その他にも、武装の簡易的な選択、サイドツーの指……マニュピレーターの正確な駆動……など、色々とメリットがある。…………まあ、サイドツーとこちらの神経を繋げる以上、脳にかかる負担は大きいが。
……はっきり言ってワケの分からない話だろう、私だって聞いているだけで耳が痛くなってくる。開発者のブドゥー博士に直接聞いてみるのもアリだとは思うな、知る必要は無さそうだが。
それで、なぜこの話を『困惑しないように』だとか言って上げたのかと言うと———、
———このOSを搭載した試験用の機体が、貴様らの下に実戦配備されるかもしれないからだ」
ガタッ、と皆の椅子が一斉に揺れる。文字通り激震が走る。
それまで長話を聞いて疲れ切って寝てしまったチームメンバーも、今の発言には飛び起きるしかなかった。
AACIC……新OSを搭載した機体を、僕たちが操れる———未だ他の誰もが扱ったことのない、一段上の最強の機体を操れるチャンスが、他でもない僕たちにあるという事実。
……まあそんな事実に一番目を輝かせていたのは、もうお察しの通り……
「ハイハイ!!!! その機体いつ来るんですか!!」
……ついさっきまで、完全に眠りかぶっていた副隊長、リコだった。
「いつ……近日中、としか言われていないな……型式番号『ST-V-01』、機体名は『ヴェンデッタ』で、白銀の装甲を纏った機体……としか聞いていない。
……そもそも搭乗者すら決まってない、全ては搬入されてからのお楽しみ、と言うワケだ」
「ヴェンデッタ……ヴェンデッタ……!! 乗ってみたいなあ……!」
…………新OSの試験運用……つまりこの小隊は、試験小隊としての運用も兼ねたものとなっているのか?
確か教官は最初らへんに『手本となるような』だとかなんとか言ってた気もするし、そういう意味も含めたものだったのかもな……
「……さて! 貴様らが眠くなる座学の時間はコレで終わりとする! これからはまたまた各自自由時間だが……
……ケイ・チェインズ!……貴様はこれが終わった後に私のもとに来い、以上だ、解散!」
……ん?
ケイ・チェインズ……って、僕……呼ばれた?!
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