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第0機動小隊、結成!
模擬戦
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『兵装は……52式サイドツー用小銃1丁と、78式サイドツー用長刀でいいかな、それじゃ、後10秒後にスタートだから、心の準備をしておいてねっ!』
勝負の際の準備などは、リコの指示にて勝手にズケズケと進んでいった。
眼前に据えるは純白の空間、そしてそんな遮蔽物も何もないただのホワイトボックスに、サイドツーが2機。
正面———距離にして500mだろうか、1機のサイドツーが、その長き長刀を地に突き立て鎮座している。……おそらくアレが、リコの乗るサイドツーだ。
機体性能に差は無し、兵装にも何一つ差は無し、とあらば、完全に自分の射撃技能、及び機動、機体制御技能で全てが決まる。
はっきり言うと———僕が今まで乗ってきたサイドツーは『競技仕様』のサイドツーだった。
つまり、軍事で———実際にトランスフィールドが戦場で使っているサイドツーとは、インタフェースも機体の材質も、何から何まで違うってことだ。
それで、このシミュレーターの仕様はもちろん実戦仕様、今までのシミュレーターは競技仕様のシミュレーターとして、サイドツーの動きが体験できるよ、くらいの感覚でインタフェースなどが設定されていた。
しかし今回は初の実戦仕様、レーダーの仕様も、火器管制や残弾表示も、ある程度察せる部分しか分かりはしない。
僕は生粋のサイドツー乗りの軍人でもないんだから、このインタフェースの使い方なんて本当に一切知らないのだ。
おそらく、午後の授業で習うことになるのだろうが、アイツはそんなことお構いなしに模擬戦をふっかけてきたもんだ、何も知らない僕をボコボコにするつもりなのだろうか。
『っとお! フィールド設定はいる?』
「フィールド設定……?」
『そう! 私も初めて知ったんだけど……市街地だったり海辺だったり、色んな戦闘を想定したフィールドがあるらしいんだよね! デフォルトでは少し岩のある平野が選択されてるけど、コレでやる?』
「……じゃあ、それで。わざわざ変えるのも面倒だし、それでいこう」
『………………よし、それじゃあ……コンバット・オープンッ!』
瞬間、白で埋め尽くされていた視界は、見渡す限り茶色の岩肌が姿を見せる平野地帯へと変わってみせる。
……いや、コンバットオープンってなんだ?!
「コンバットオープン……ってなんだよっ!」
『はじめ、って意味!……ところで~、そんなに棒立ちでいいのかな~?』
ゆったりとした、それでいて浮ついた不敵な声が流れ込む。まずい、完全に狙われている……!
「隠れる……にしたって、敵機はどこだ?!」
とりあえずサッと身を遮蔽物である岩の裏に隠すが……まずい、もう既に敵の姿を見失ってしまった……!
……どうする、敵の姿が分からないなら、どうすれば———あっ。
レーダー! そうだ、魔力式の波動を放つレーダー、とか言ってたはずだ、使い方は……見方は…………よく考えたらわかんないや。
「……ハア、ハア、ハア、ハ……どうすれば、勝てる……? どうすれば敵の居場所が分かる、どうすれば、どうすれ……そうだ音、音を聞いてみるか……!」
音。
歩いてくるにしろ飛んでるにしろ、所詮は巨大な人型兵器、音ならば鳴るはず……はず……はず………………
コレ、シミュレーターだから音ないんだ……!
『うるさい……全部筒抜けになってるんだから気をつけてよねっ!』
そりゃあまずいな、うっかり言わないように回線は切って……ってえ、そんなことしてる場合じゃない……!
どうやって確認する? そもそも敵は僕の場所を分かっているのか、分かっている上で接近してきているのか……
いや、僕がそれを分からないから意味がないんだ、どうする、どうするどうするどうすれば敵の位置が分かる?!
レーダーには……円状の緑の線が何個か黒い背景に重なってるだけで……他には何も表示されてない、魔力式レーダーも意味を成さない……!
考えろ、考えろ……このままずっと不利のまま終わるなんて、そんなのないじゃないか……!
戦場に出て、こんな事になってみろ………………ここで終わっていいのか、いいや……ダメだ、まだ考える。どうすればいいのか、リスクを冒してでも、それでも位置を知る方法……
リスクを冒してでも…………ならばコレだ、この方法があった……!!
勝負の際の準備などは、リコの指示にて勝手にズケズケと進んでいった。
眼前に据えるは純白の空間、そしてそんな遮蔽物も何もないただのホワイトボックスに、サイドツーが2機。
正面———距離にして500mだろうか、1機のサイドツーが、その長き長刀を地に突き立て鎮座している。……おそらくアレが、リコの乗るサイドツーだ。
機体性能に差は無し、兵装にも何一つ差は無し、とあらば、完全に自分の射撃技能、及び機動、機体制御技能で全てが決まる。
はっきり言うと———僕が今まで乗ってきたサイドツーは『競技仕様』のサイドツーだった。
つまり、軍事で———実際にトランスフィールドが戦場で使っているサイドツーとは、インタフェースも機体の材質も、何から何まで違うってことだ。
それで、このシミュレーターの仕様はもちろん実戦仕様、今までのシミュレーターは競技仕様のシミュレーターとして、サイドツーの動きが体験できるよ、くらいの感覚でインタフェースなどが設定されていた。
しかし今回は初の実戦仕様、レーダーの仕様も、火器管制や残弾表示も、ある程度察せる部分しか分かりはしない。
僕は生粋のサイドツー乗りの軍人でもないんだから、このインタフェースの使い方なんて本当に一切知らないのだ。
おそらく、午後の授業で習うことになるのだろうが、アイツはそんなことお構いなしに模擬戦をふっかけてきたもんだ、何も知らない僕をボコボコにするつもりなのだろうか。
『っとお! フィールド設定はいる?』
「フィールド設定……?」
『そう! 私も初めて知ったんだけど……市街地だったり海辺だったり、色んな戦闘を想定したフィールドがあるらしいんだよね! デフォルトでは少し岩のある平野が選択されてるけど、コレでやる?』
「……じゃあ、それで。わざわざ変えるのも面倒だし、それでいこう」
『………………よし、それじゃあ……コンバット・オープンッ!』
瞬間、白で埋め尽くされていた視界は、見渡す限り茶色の岩肌が姿を見せる平野地帯へと変わってみせる。
……いや、コンバットオープンってなんだ?!
「コンバットオープン……ってなんだよっ!」
『はじめ、って意味!……ところで~、そんなに棒立ちでいいのかな~?』
ゆったりとした、それでいて浮ついた不敵な声が流れ込む。まずい、完全に狙われている……!
「隠れる……にしたって、敵機はどこだ?!」
とりあえずサッと身を遮蔽物である岩の裏に隠すが……まずい、もう既に敵の姿を見失ってしまった……!
……どうする、敵の姿が分からないなら、どうすれば———あっ。
レーダー! そうだ、魔力式の波動を放つレーダー、とか言ってたはずだ、使い方は……見方は…………よく考えたらわかんないや。
「……ハア、ハア、ハア、ハ……どうすれば、勝てる……? どうすれば敵の居場所が分かる、どうすれば、どうすれ……そうだ音、音を聞いてみるか……!」
音。
歩いてくるにしろ飛んでるにしろ、所詮は巨大な人型兵器、音ならば鳴るはず……はず……はず………………
コレ、シミュレーターだから音ないんだ……!
『うるさい……全部筒抜けになってるんだから気をつけてよねっ!』
そりゃあまずいな、うっかり言わないように回線は切って……ってえ、そんなことしてる場合じゃない……!
どうやって確認する? そもそも敵は僕の場所を分かっているのか、分かっている上で接近してきているのか……
いや、僕がそれを分からないから意味がないんだ、どうする、どうするどうするどうすれば敵の位置が分かる?!
レーダーには……円状の緑の線が何個か黒い背景に重なってるだけで……他には何も表示されてない、魔力式レーダーも意味を成さない……!
考えろ、考えろ……このままずっと不利のまま終わるなんて、そんなのないじゃないか……!
戦場に出て、こんな事になってみろ………………ここで終わっていいのか、いいや……ダメだ、まだ考える。どうすればいいのか、リスクを冒してでも、それでも位置を知る方法……
リスクを冒してでも…………ならばコレだ、この方法があった……!!
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