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第0機動小隊、結成!
珍しい話
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食堂までの道———特に話しかけられることはないので、ずっと考え事をしていた。
珍しいのだ、本来自分がここまで他人と話し、触れ合ったりするのは。
基本僕は、他人に自分から触れるようなことはしてこなかった。
日常で話すとしても、それは家族か、師匠———サナさんぐらいとしかまともに話やしなかった。
でも今日はどうだ。
あの同じ仲間だと自称する謎の少女とあんなにも話して……はっきり言って緊張したし、僕なんかが話していい相手じゃなさそうだった。どこか気も遣わせてたみたいだし。
———それに、やっぱりあの試合だって……まぐれなんだ。
本来の僕に、そんな細かい機体制御を行う操縦技術なんてないんだ。それをみんなは誤解してるだけなんだ。どうせ僕がこの部隊に選抜されたのも、最後のまぐれだけが高く評価されたからなんだ。
……だから、もういいじゃないか。
「着いたよ!」
若干ぼーっとしつつあった意識を戻す。
食堂……とは言ったものの、黄土色の冷たい石の壁に、木造のイスと机が並べられただけの質素なもの。
別に人界、王都の文化と言えばそれまでなのだが、まるで監獄のように思えた。
……今いる状況も重ねてしまったのかな。
「んじゃあ君……ありゃ、名前聞いてなかったか、とりあえず君は私の分の席もとってて! 君の分のご飯まで私がとってくるから、それじゃ!」
とか言って、少女は受付……と思しき設備のある方向へと走ってゆく。
人混みは意外と多かった、僕たちのように集められた部隊が他にもいるのか、それともサイドツーの機体整備の人たちなのかは知らないが、大人や人外など色んな人がこの食堂に集い食事をとっている。
それでも2人分の席をとることはあまりにも簡単だった。椅子に座った後は少女の動向を伺い、手を振って合図をして呼び寄せる。
……こんな風に食事をしたことも無かったし、新鮮だなあ、と思いつつ。
「はい! 今日のご飯はキノコシチューです!」
「……いや、そんな自慢気に言われたって……」
「……あ、そりゃあそうだ、名前聞いてなかった!!」
なぜ今の一瞬で、話題が今日の朝ごはんから名前の話にすげ変わった?!
「私の名前はリコ! リコ・プランク!……んで、君の名前は?」
「……ケイ・チェインズ。……と言うか、あの試合を見てたんなら僕の名前だって分かると思うんだけど……」
「ごめん、忘れてたからつい聞いちゃった! まあいいじゃん?……同じ部隊のメンバーなんだから、こーいう会話は大事だよ~」
確かにメンバー同士のコミュニケーションは大事だ。大事だが、試合の時のメンバーとはそんなものロクに行わなかった僕からしてみれば、はっきり言ってどうでもいいことだった。
「とりあえず……ケイ君、ご飯食べ終わった後、8時からグラウンドで部隊結成式、それからシュミレーターでの戦闘訓練が早速あるらしいから、そこの把握もよろしくね」
時計を見ると既に7時30分。
「……なんでそんな、リーダーみたいな事を……というかなんで僕すら知らされてない情報まで……」
「え? だって私、第0機動小隊の副隊長だよ?」
———え?
もう、もうそんな役職的なのが決まってたのか?!
「なっはは、そんなに驚く事ないじゃんよ~、私だって『貴方の方がいいんじゃないか』って、昨日の騎士さん……ライさんに具申したの。
そしたら……私の方が指揮役には向いてる、だってさー」
「指揮役には向いてる……まあ、確かにその明る……明るすぎて眩しいくらいの性格は、みんなをまとめ上げる人間には向いてるとは思うけど……」
……それに、あの女騎士、ライって名前だったのか。
「どーせこんなの、誰も経験した事ないんだから、誰が指揮官になったって一緒だと思うけどなあ……
あ、魔王軍前線で指揮官とかをやってた人ならその人がやった方がいいと思うんだけど、第0小隊にそんな人いないだろうしさ」
「いない……のか……?……でも、確かに少年少女ぐらいしか集められてなかったけど……それでも探せば1人くらい、指揮官とか勇者とかやってた人はいそうな気がするけど……」
「……まーそんな事はどうでもいいやっ! ケイ君、とりあえずさっさと朝食食べて、早くグラウンドに行こうよ!……多分ケイ君はグラウンドがどこか分からないだろうから、私が案内してあげる!」
珍しいのだ、本来自分がここまで他人と話し、触れ合ったりするのは。
基本僕は、他人に自分から触れるようなことはしてこなかった。
日常で話すとしても、それは家族か、師匠———サナさんぐらいとしかまともに話やしなかった。
でも今日はどうだ。
あの同じ仲間だと自称する謎の少女とあんなにも話して……はっきり言って緊張したし、僕なんかが話していい相手じゃなさそうだった。どこか気も遣わせてたみたいだし。
———それに、やっぱりあの試合だって……まぐれなんだ。
本来の僕に、そんな細かい機体制御を行う操縦技術なんてないんだ。それをみんなは誤解してるだけなんだ。どうせ僕がこの部隊に選抜されたのも、最後のまぐれだけが高く評価されたからなんだ。
……だから、もういいじゃないか。
「着いたよ!」
若干ぼーっとしつつあった意識を戻す。
食堂……とは言ったものの、黄土色の冷たい石の壁に、木造のイスと机が並べられただけの質素なもの。
別に人界、王都の文化と言えばそれまでなのだが、まるで監獄のように思えた。
……今いる状況も重ねてしまったのかな。
「んじゃあ君……ありゃ、名前聞いてなかったか、とりあえず君は私の分の席もとってて! 君の分のご飯まで私がとってくるから、それじゃ!」
とか言って、少女は受付……と思しき設備のある方向へと走ってゆく。
人混みは意外と多かった、僕たちのように集められた部隊が他にもいるのか、それともサイドツーの機体整備の人たちなのかは知らないが、大人や人外など色んな人がこの食堂に集い食事をとっている。
それでも2人分の席をとることはあまりにも簡単だった。椅子に座った後は少女の動向を伺い、手を振って合図をして呼び寄せる。
……こんな風に食事をしたことも無かったし、新鮮だなあ、と思いつつ。
「はい! 今日のご飯はキノコシチューです!」
「……いや、そんな自慢気に言われたって……」
「……あ、そりゃあそうだ、名前聞いてなかった!!」
なぜ今の一瞬で、話題が今日の朝ごはんから名前の話にすげ変わった?!
「私の名前はリコ! リコ・プランク!……んで、君の名前は?」
「……ケイ・チェインズ。……と言うか、あの試合を見てたんなら僕の名前だって分かると思うんだけど……」
「ごめん、忘れてたからつい聞いちゃった! まあいいじゃん?……同じ部隊のメンバーなんだから、こーいう会話は大事だよ~」
確かにメンバー同士のコミュニケーションは大事だ。大事だが、試合の時のメンバーとはそんなものロクに行わなかった僕からしてみれば、はっきり言ってどうでもいいことだった。
「とりあえず……ケイ君、ご飯食べ終わった後、8時からグラウンドで部隊結成式、それからシュミレーターでの戦闘訓練が早速あるらしいから、そこの把握もよろしくね」
時計を見ると既に7時30分。
「……なんでそんな、リーダーみたいな事を……というかなんで僕すら知らされてない情報まで……」
「え? だって私、第0機動小隊の副隊長だよ?」
———え?
もう、もうそんな役職的なのが決まってたのか?!
「なっはは、そんなに驚く事ないじゃんよ~、私だって『貴方の方がいいんじゃないか』って、昨日の騎士さん……ライさんに具申したの。
そしたら……私の方が指揮役には向いてる、だってさー」
「指揮役には向いてる……まあ、確かにその明る……明るすぎて眩しいくらいの性格は、みんなをまとめ上げる人間には向いてるとは思うけど……」
……それに、あの女騎士、ライって名前だったのか。
「どーせこんなの、誰も経験した事ないんだから、誰が指揮官になったって一緒だと思うけどなあ……
あ、魔王軍前線で指揮官とかをやってた人ならその人がやった方がいいと思うんだけど、第0小隊にそんな人いないだろうしさ」
「いない……のか……?……でも、確かに少年少女ぐらいしか集められてなかったけど……それでも探せば1人くらい、指揮官とか勇者とかやってた人はいそうな気がするけど……」
「……まーそんな事はどうでもいいやっ! ケイ君、とりあえずさっさと朝食食べて、早くグラウンドに行こうよ!……多分ケイ君はグラウンドがどこか分からないだろうから、私が案内してあげる!」
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